パライストラ

パライストラ（palaestra、古代こだいギリシア語ご: παλαίστρα）は、古代こだいギリシアのレスリング学校がっこうまたは練習れんしゅう場じょう。あまり大おおきなスペースを必要ひつようとしないボクシングやレスリングなどの練習れんしゅうを行おこなった。パライストラは公共こうきょうのギュムナシオンの一部いちぶとして存在そんざいすることもある。パライストラは単独たんどくのものもあったが、ギュムナシオンには必かならずパライストラが存在そんざいした。

建築けんちく

ギリシア建築けんちくとしてのパライストラには若干じゃっかんのバリエーションはあるが、標準ひょうじゅん的てきな設計せっけいが存在そんざいする。パライストラにはコロネードに囲かこまれた中央ちゅうおうの四角しかくい庭にわがあり、いくつかの部屋へやがそこに隣接りんせつしている。部屋へやには様々さまざまな機能きのうのものがあり、浴室よくしつ、球技きゅうぎ場じょう、更衣ころもがえ室しつ、座談ざだん室しつ、記録きろく室しつ、教員きょういん室しつ、油あぶらやゴミや運動うんどう器具きぐの保管ほかん室しつなどがあった。

ウィトルウィウスの『建築けんちくについて』は、この種たねの建築けんちく物ぶつについての重要じゅうような文献ぶんけんであり、彼かれが“palaistra, Greek-style”と称しょうする建築けんちく物ぶつについても詳細しょうさいに記しるしている。彼かれは紀元前きげんぜん27年ねんにそれを書かいたので、その記述きじゅつは必かならずしも遺跡いせきと一致いっちしないこともあるが、その記述きじゅつがこの種たねの建築けんちく物ぶつの一般いっぱん的てき設計せっけいと用途ようとへの洞察どうさつを提供ていきょうする。ウィトルウィウスによれば、パライストラは正方形せいほうけいまたは長方形ちょうほうけいで、4面めんすべてにコロネードがあり、ポルチコを形成けいせいしていた。北面ほくめんのポルチコは他たの2倍ばいの幅はばがあり、天候てんこうに対たいする保護ほごの役目やくめを持もっていた。他たの3面めんにはエクセドラがあり、座席ざせきがあって知的ちてきな会話かいわを楽たのしむ場所ばしょになっていた。北面ほくめんには、若者わかもの用ようのエリア（ephebeum）、サンドバッグエリア（coryceum）、身体しんたいに塗ぬった油あぶらを粉こなを付つけることで落おとす部屋へや（conisterium）、冷ひや浴室よくしつ、油あぶらの保管ほかん室しつ（elaeothesium）があった。

パライストラの主おもな例れいは、オリンピアとデルポイにある。

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