ヒドロキシル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヒドロキシル(ヒドロキシルか、えい: hydroxylationげんIUPAC名称めいしょうにならうとヒドロキシ)は、有機ゆうき化合かごうぶつ酸化さんかあるいは置換ちかん反応はんのうさせながら1つ以上いじょうヒドロキシもと(ヒドロキシルもと)を導入どうにゅうするはんおうである。生化学せいかがくでは、酸化さんか還元かんげん酵素こうそひとつであるヒドロキシラーゼによって容易よういこる。

タンパク質たんぱくしつのヒドロキシル[編集へんしゅう]

ヒドロキシプロリン
ヒドロキシリシン

プロリンのヒドロキシルタンパク質たんぱくしつにおいて重要じゅうようで、Cγがんま原子げんしこり、ヒドロキシプロリンとなる。これは、コラーゲン架橋かきょう結合けつごうにとって必須ひっす要素ようそである。プロリンのヒドロキシル反応はんのうは、てい酸素さんそ誘導ゆうどう因子いんし(えい:HIFs)にとっても必要ひつよう不可欠ふかけつ反応はんのうである。また、プロリンのヒドロキシル反応はんのうがCβべーたこる場合ばあいもある。リシンにヒドロキル反応はんのうこると、C5位置いち反応はんのうし、ヒドロキシリシンとなる。

これら3つの反応はんのうは、プロリル 4-ヒドロキシラーゼプロリル 3-ヒドロキシラーゼリシル 5-ヒドロキシラーゼの3つの酵素こうそ活性かっせいさせる。これらの反応はんのう酸化さんか実行じっこうさせるために因子いんしてつ(または、酸素さんそ分子ぶんしαあるふぁ-ケトグルタルさんしお)を必要ひつようとする。また、酸化さんかされた酵素こうそ活性かっせい中心ちゅうしんであるてつ還元かんげんにはアスコルビンさんビタミンC)が使つかわれる。アスコルビンさんしお欠乏けつぼうは、プロリンのヒドロキシル反応はんのう不足ふそくつながり、不完全ふかんぜんなコラーゲンが生成せいせいする。これは壊血病かいけつびょうとして症状しょうじょうあらわれる。

柑橘類かんきつるいはビタミンCを豊富ほうふふくんでいるため、むかしイギリス船員せんいんたちには遠洋えんよう航海こうかいのとき、壊血病かいけつびょう予防よぼうのためにライムあたえられていた。そのため、イギリス海軍かいぐん水兵すいへいライミーズばれるようになった。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]