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ヒュミル

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18世紀せいきのアイスランド写本しゃほんSÁM 66』の挿絵さしえ

ヒュミルノルド: Hymir)とは、北欧ほくおう神話しんわトールミズガルズの大蛇おろちりにまつわる伝承でんしょう登場とうじょうするうみ巨人きょじんである。

これを題材だいざいとした文献ぶんけん複数ふくすう存在そんざいし、『スノッリのエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」や、『エッダ』の「ヒュミルのうた」のほか、ブラギ・ボッダソンの「ラグナル頌歌」、ウルヴ・ウッガソンの「御館みたて頌歌」にも異説いせつつたわっている[1]。また、アルトナ石碑せきひ英語えいごばんなどのルーン石碑せきひにも、トールとミズガルズの大蛇おろち対決たいけつをモチーフとしたせんこくえがかれている[2]

ヒュミルについては「うみ巨人きょじん」ということ自体じたいわらないものの、最低さいていでもとおりの人物じんぶつ造形ぞうけいがある。

『スノッリのエッダ』におけるヒュミル[編集へんしゅう]

トールとの出会であ[編集へんしゅう]

トールがある若者わかもの変装へんそうしこの巨人きょじんりにさそう。 巨人きょじんヒュミルは変装へんそうしたトールがかみであることをらなかった。 そしてヒュミルはトールにえさってくるよう提案ていあんする[3]

トールと世界せかいへび[編集へんしゅう]

トールは特別とくべつおすうしなかでも一番いちばんおおきいうしあたまり、それをえさとしてヒュミルとともうみた。そしてトールがいとげ、まもなくえさミズガルズの大蛇おろちがかかり、トールは神力しんりき(アースメギン)をふるって[4][5]、ミズガルズの大蛇おろち海上かいじょうせることに成功せいこうし、ハンマー世界せかいへびたたこうとした瞬間しゅんかんに、ヒュミルはおそれをなして竿ざおいとってしまい、大蛇おろち海中かいちゅうへとかえっていった。

トールは激怒げきどし、ヒュミルをうみたたとした[6]

エッダ』の『ヒュミルのうた』におけるヒュミル[編集へんしゅう]

のエッダ』の1893ねんスウェーデンはんより、Fredrik Sander がえがいた挿絵さしえ

トールとの出会であ[編集へんしゅう]

トールはテュールともエールしゅ醸造じょうぞうするのに必要ひつよう大釜おおかまれるため、エーリヴァーガルかわひがしてんえんにある巨人きょじんかん訪問ほうもんする。 そこでかれらは夕食ゆうしょくをとることになる。 かれらは用意よういされていた3とううしのうち2とうをたいらげてしまう。 ヒュミルが「いえにもうもののこっていない」と文句もんくうと、トールはヒュミルをりにさそう。おきるとヒュミルはくじらげたが、トールはヨルムンガンドげこれをミョルニルでしずめた[7]

りののちはなし[編集へんしゅう]

かんかえるとヒュミルはトールに課題かだいした。 内容ないようは「絶対ぜったいることができないはいってみろ」というもので、そのはいゆかとしてもまたなかもどるという貴重きちょうなものであった。 トールは巨人きょじんつま味方みかたにつけて弱点じゃくてんき、見事みごとることに成功せいこうする[8]

かんからるトール[編集へんしゅう]

トールは当初とうしょ目的もくてきである大釜おおかまげてそのままかんる。 トールは大勢おおぜいきょじんわれるがハンマーで巨人きょじんたちを殺害さつがいしてしまう[9]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 菅原すがわら、169ぺーじ
  2. ^ 菅原すがわら、167ぺーじ
  3. ^ 『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』268-269ぺーじ
  4. ^ 菅原すがわら、168ぺーじ
  5. ^ 「アースの神力しんりき」とも。『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』269ぺーじ
  6. ^ 『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』269-270ぺーじ
  7. ^ 『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』76-78ぺーじ
  8. ^ 『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』78ぺーじ
  9. ^ 『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』79ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]