フォルセティ

17世紀せいきの写本しゃほん『AM 738 4to』に描えがかれたフォルセティ。

フォルセティ（古こノルド語ご: Forseti）は北欧ほくおう神話しんわにおける司法しほう神しん。アース神かみ族ぞくで、バルドルとナンナの息子むすこ。正義まさよし、平和へいわ、真実しんじつを司つかさどる。

グリトニル（古こノルド語ご: Glitnir、ドイツ語ご: Glastheim ；「輝かがやくもの」という意味いみを持もつ）と呼よばれる彼かれの宮殿きゅうでんは、黄金おうごんの柱はしらと銀ぎんの屋根やねでできており、その輝かがやきは遠とおく離はなれた所ところからでも見みえたという。 さらに『ギュルヴィたぶらかし』には、もめ事ごとを持もってきた者ものがこの場所ばしょで全員ぜんいん和解わかいして帰かえって行いくことから、グリトニルが神かみ々や人間にんげんにとって一番いちばん良よい法廷ほうていであると書かかれている。

フォルセティはアースガルズ中なかで最もっとも賢明けんめいかつ雄弁ゆうべんな神かみであると考かんがえられている。父ちちバルドル同様どうよう、平和へいわを愛あいする優やさしい神かみであったので、彼かれの裁さばきを受うけた者ものは、彼かれの判決はんけつに従したがう限かぎり、安全あんぜんに生いきることができた。

フォルセティは大変たいへん尊崇そんすうされていたため、非常ひじょうに厳粛げんしゅくな誓ちかいを立たてる際さいには、彼かれの名前なまえを以もって誓ちかうこととされていた。

関連かんれん項目こうもく

• グリトニル
• バルドル

参考さんこう文献ぶんけん

• V.G.ネッケル他た編へん『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かよう集しゅう』谷口たにぐち幸男ゆきお訳わけ、新潮社しんちょうしゃ、1973年ねん、ISBN 978-4-10-313701-6。
• 松村まつむら武雄たけお編へん『北欧ほくおうの神話しんわ伝説でんせつ（II）』名著めいちょ普及ふきゅう会かい〈世界せかい神話しんわ伝説でんせつ大系たいけい30〉、1980年ねん改訂かいてい版ばん、ISBN 978-4-89551-280-0。