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ギュルヴィたぶらかし

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギュルヴィと3にんかみ々。18世紀せいきアイスランド写本しゃほんSÁM 66』より。

ギュルヴィたぶらかし』(ノルドアイスランドGylfaginning)とは、スノッリの『エッダ』を構成こうせいする作品さくひんひとつで、『エッダ』のだい1[1]にあたり、やく20,000からる。

スウェーデンおうギュルヴィオーディンあいだわされる質疑しつぎ応答おうとうかたちで、北欧ほくおう神話しんわにおける世界せかい創造そうぞうから滅亡めつぼう再生さいせいまでの物語ものがたりエッダスカルドからの引用いんようとともにかたられている。

現在げんざい一般いっぱんによくられているかたちの「北欧ほくおう神話しんわ」は、そのだい部分ぶぶんをこの作品さくひん依拠いきょしている。

内容ないよう[編集へんしゅう]

はじめの部分ぶぶんにはゲフィオンによるくに神話しんわ挿入そうにゅうされている。この事件じけんでゲフィオンによって国土こくどけずられたスウェーデンおうギュルヴィは、アースのかみちからりたいとおもい、ガングレリ[2]名乗なのってアースガルズおとずれようとした。しかしそれを察知さっちしたかみ々はギュルヴィに幻術げんじゅつをかけた。

ガングレリはヴァルハラかんくと宿やどい3にんおとこまえとおされた。3にんおとこはそれぞれハール、ヤヴンハール、スリジといった[3]かれには食事しょくじあたえられたが、ハールに必要ひつようなものはないかとかれたため、このなか物知ものしりがいればたずねたいとこたえ、3にんおとことのあいだ問答もんどうはじめられた。

ガングレリはまず「もっとえらかみだれであるか」といかけ、ハールは「それはアルファズル(オーディン)である」とこたえる。そのもガングレリは次々つぎつぎ質問しつもんげかけ、ハールらはそのすべてにこたえる。その内容ないよう天地てんち創造そうぞう人間にんげん創造そうぞうユグドラシルについて、アースしんとアース女神めがみフェンリル捕縛ほばくフレイゲルズ結婚けっこんヴァルハラについて、アースガルズの城壁じょうへき建設けんせつトールロキのウートガルズルへのたびバルドル、ロキの捕縛ほばくラグナロクなど、多岐たきわたったものであった。

ラグナロクののち世界せかい再生さいせい様子ようすまでかたえると、ハールは「これよりさきのことはだれらない。ここまでで満足まんぞくせよ」とげた。くと、そこにはかん人々ひとびともなく、ガングレリはなにもない草原そうげんうえ一人ひとりっていた。そのかれくにもどり、自身じしん見聞みききしてきたことを人々ひとびとかたったとされている。

研究けんきゅう[編集へんしゅう]

スノッリはこの『ギュルヴィたぶらかし』のなかで、エッダのこ神話しんわだけでなく、北欧ほくおう伝承でんしょうからもはんっている。たとえばナグルファル材料ざいりょうとなる死者ししゃつめっておかなければならない、という部分ぶぶんなどがそのいちれいとしてげられる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 正確せいかくにはこのまえに『序章じょしょう』がはいる。
  2. ^ 旅路たびじつかれたもの」の(『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』p.61「グリームニルのうた訳注やくちゅう)。
  3. ^ いずれもオーディンの異名いみょうである(『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かようしゅう』p.242「ギュルヴィたぶらかし」22しょう)。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]