長ながき秋あき

ロキが棒ぼうでスィアチを叩たたく姿すがた。18世紀せいきアイスランドの写本しゃほん『NKS 1867 4to』（デンマーク王立おうりつ図書館としょかん所蔵しょぞう）より。

「長ながき秋あき」（ながきあき、古こノルド語ご: Haustlǫng）は、900年ねん頃ごろにノルウェーのスカルド詩人しじんフヴィーンのショーゾールヴルによって作つくられたとされるスカルド詩し。北欧ほくおう神話しんわの物語ものがたりを含ふくんでいる数少かずすくないスカルド詩しの一ひとつである。「秋あきの長ちょう詩し」または「ハウストロン」とも。

部分ぶぶん的てきにしか残のこっておらず、スノッリの『エッダ』の2ヶ所かしょにそれぞれ13節せつ程度ていどと6節せつ半はんが引用いんようという形かたちで保存ほぞんされていた。ショーゾールヴルはこの詩しを楯だての上うえに書かいたという。

現存げんそんする部分ぶぶんでは、以下いかの2つの物語ものがたりが描えがかれている。

• スィアチによるイズンの拉致らちと、神かみ々による奪還だっかん。
• トールによる巨人きょじんフルングニルの殺害さつがい。

この2つの挿話そうわは、それぞれ本来ほんらいの詩しの4分ぶんの1の部分ぶぶんを占しめていたとされる。

参考さんこう文献ぶんけん

• K.C.ホランド、山室やまむろ静しず・米べい原はらまり子こ訳やく、『北欧ほくおう神話しんわ物語ものがたり』(ISBN 978-4791751495)、青土おうづち社しゃ、1992年ねん11月16日にち発行はっこう、新版しんぱん第だい3刷さつ。
• ジョン・マッキネル（伊藤いとう盡つき訳わけ）「原典げんてん資料しりょう」『ユリイカ』第だい39巻かん第だい12号ごう（2007年ねん10月がつ）、pp.107-120。

関連かんれん文献ぶんけん

• Richard North (1997). The Haustlǫng of Þjóðólfr of Hvinir. Enfield Lock: Hisalik Press. ISBN 1874312206 
• Orchard, Andy (1997). Dictionary of Norse Myth and Legend. Cassell. ISBN 0 304 34520 2

外部がいぶリンク

• Haustlǫng (B1) - heimskringla.no（古こノルド語ご） - Finnur Jónsson『Den norsk-islandske skjaldedigtning』（1912-1915年ねん）の電子でんしテキスト。
• Þjóðólfr ór Hvini: Haustlöng（古こノルド語ご） - Finns Jónsson 版ばんと Richard North 版ばんを並ならべて表示ひょうじ。（2012年ねん9月がつ23日にち時点じてんのアーカイブ）
• Haustlöng - 古こノルド語ごと英語えいごとの対訳たいやく。（2009年ねん10月がつ25日にち時点じてんのアーカイブ）