ヴィーンゴールヴ

ヴィーンゴールヴ（古こノルド語ご: Vingólf）は、北欧ほくおう神話しんわに出でてくる宮殿きゅうでんのことである。

『ギュルヴィたぶらかし』には、次つぎのような事ことが書かいてある。

神かみは人間にんげんに息いきを与あたえるという最大さいだいのことをした。肉体にくたいが腐くさって土どに返かえっても、焼やかれて灰はいになっても、人間にんげんは生いき続つづけ、滅ほろびることない。礼節れいせつをわきまえた人間にんげんは、生いきたままギムレー、またはヴィーンゴールヴというところで、神かみ々と暮くらすのである。だが悪わるい人間にんげんはヘル（ヘルヘイム）へ行いくのだ^[1]。
万物ばんぶつの父ちち（オーディン）は、アースガルズが作つくられた後のち、神殿しんでんを作つくった。それがグラズヘイムだ。さらに彼かれらはもう1つの館かんを作つくった。それは女神めがみの神殿しんでんで非常ひじょうに美うつくしく、ヴィーンゴールヴと名付なづけられた^[2]。
アルファズル（万物ばんぶつの父ちち。オーディン）はまたヴァルファズル（戦死せんし者しゃの父ちち）とも呼よばれる。それは、戦死せんし者しゃが1人ひとり残のこらず彼かれの養子ようしとなるからだ。オーディンは彼かれらをヴァルハラとヴィーンゴールヴに送おくる。彼かれらはそこでエインヘリャル（エインヘルヤル）と呼よばれる^[3]。

脚注きゃくちゅう

V.G.ネッケル他た編へん『エッダ古代こだい北欧ほくおう歌謡かよう集しゅう』谷口たにぐち幸男ゆきお訳わけ、新潮社しんちょうしゃ、1973年ねん、ISBN 978-4-10-313701-6。