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葡萄ぶどうえん

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ブドウはたけから転送てんそう
フランス ブルゴーニュ地域ちいきけん クロ・ド・ヴジョーの葡萄ぶどうえん

葡萄ぶどうえん(ぶどうえん)、または、葡萄ぶどうはたけ(ぶどうばたけ)は、ブドウ生産せいさんする農場のうじょう葡萄ぶどうえんにあたる英語えいご: vineyard[† 1][† 2]より「ヴィンヤード」、どうフランス語ふらんすご: vignoble[† 3]より「ヴィニョーブル」「ヴィグノーブル」ともばれる。

世界せかい生産せいさんされたブドウのおよそ1わり生食なましょくようで、8わり醸造じょうぞうもちいのこりがその加工かこうようとされる。このため、世界せかいてきにはワインふつ: vin)の原料げんりょうとなるブドウの生産せいさん農場のうじょう葡萄ぶどうえんとみなされている。一方いっぽう日本にっぽんでは、生産せいさんされるブドウのおよそ8わり生食なましょくようで、1わり醸造じょうぞうようのこりがその加工かこうようとされている。このため、日本にっぽんではかならずしもワインと関連かんれんせず、ブドウきょうするためのブドウを生産せいさんする農場のうじょうすこともある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

葡萄ぶどうえんは、ブドウ栽培さいばいとともに発祥はっしょう伝播でんぱしていったものとかんがえられる。

ブドウ栽培さいばい歴史れきしふるく、紀元前きげんぜん3000ねんごろカフカース地方ちほうから地中海ちちゅうかい東部とうぶ沿岸えんがん地方ちほうにわたる地域ちいきで、セムぞくセム)あるいはアーリアじんによってはじめられたとされる。最初さいしょ栽培さいばいしゅヨーロッパブドウ(ヴィニフェラしゅVitis vinifera)で、ワイン醸造じょうぞう同時どうじはじめられた。その、セムぞくエジプト古代こだいエジプト方面ほうめんへ、アーリアじんインド方面ほうめんへ、それぞれブドウ栽培さいばいとワイン醸造じょうぞうつたえた。

なお、旧約きゅうやく聖書せいしょ創世そうせい9しょう20せつ)には、ノアアララトさん葡萄ぶどうえん葡萄ぶどうはたけ)をつくったのがはじめとしるされている。

ラヴォーのブドウ段々畑だんだんばたけ(スイス)
世界せかい遺産いさん

テロワール[編集へんしゅう]

葡萄ぶどうえん葡萄ぶどうはたけ)の土壌どじょう地形ちけい気候きこう風土ふうどなど、ブドウの生育せいいく環境かんきょう総称そうしょうしてテロワールふつ: terroir)という。

ブドウは、比較的ひかくてきせた排水はいすい保水ほすいともによいつぶてふくんだおも土壌どじょうこのみ、生育せいいく降雨こううすくない土地とち良好りょうこう果実かじつられる。世界せかい各地かくちのブドウ生産せいさんでは、垣根かきね仕立したてて、ぼう仕立したてがおおいが、日本にっぽんでは多雨たう多湿たしつ気候きこうてきするたな仕立したてとし、おおきくそだてる。

日本にっぽん葡萄ぶどうえん[編集へんしゅう]

山梨やまなしけん勝沼かつぬま葡萄ぶどうえん

伝承でんしょうでは、日本にっぽんにブドウが渡来とらいしたのは奈良なら時代じだいのこと。原産地げんさんちからシルクロードて、とうから渡来とらいしたとされる。718ねん養老ようろう2ねん)、各地かくち行脚あんぎゃした高僧こうそう行基ぎょうきが、甲斐かいこく勝沼かつぬま山梨やまなしけん甲州こうしゅうきゅう勝沼かつぬままち))の柏尾かしわおさん大善寺だいぜんじ薬種やくしゅえんもうけ、そこでブドウ(甲州こうしゅうしゅ)の栽培さいばいはじめたとする伝承でんしょうがある。

また、おなじく甲州こうしゅう葡萄ぶどうかんする伝承でんしょうでは、平安へいあん時代じだい末期まっき1186ねん文治ぶんじ2ねん)、おなじく甲斐かい国勝くにかつぬま住人じゅうにん雨宮あまみやかんかいよし(あめみやかげゆ)が、山中さんちゅうよりめずらしい果樹かじゅいだしてそだてた逸話いつわがあり、ブドウ栽培さいばいはじまりともつたえられる。

いずれにしても、日本にっぽん葡萄ぶどうえんは、現在げんざい山梨やまなしけん甲州こうしゅう勝沼かつぬままち一角いっかくで、ヨーロッパブドウの一種いっしゅである「甲州こうしゅうたね栽培さいばいおこなったことにはじまる。勝沼かつぬま周辺しゅうへんでは江戸えど時代じだいには一部いちぶ地域ちいき限定げんていてきに、商品しょうひん作物さくもつとしての甲州こうしゅう葡萄ぶどう生産せいさんおこなわれ、江戸えどにおいても甲斐かい名産めいさんとしてられていた。1864ねん元治もとはる元年がんねん)に現在げんざい長野ながのけん松本まつもと里山辺さとやまべ甲州こうしゅうしゅぶどうがわたったとの記述きじゅつのこっており小松こまつという品種ひんしゅ有名ゆうめいであった。れてしまったためのこってはいないが、山辺やまべぶどうとしてデラウェア、ナイアガラの様々さまざまなぶどうが栽培さいばいされている。

明治めいじ時代じだいはいると政府せいふ奨励しょうれいもあって、1874ねん明治めいじ7ねんごろから、勝沼かつぬま周辺しゅうへんでワインの製造せいぞうはじめられた。しかし、ワインが日本人にっぽんじん嗜好しこうわなかったためか、醸造じょうぞうだか消費しょうひりょうともなかなかえなかった。ようやくだい1世界せかい大戦たいせんのちになって、ブドウの作付さくづ面積めんせき、ワインの醸造じょうぞうだか増加ぞうかはじめた。だい世界せかい大戦たいせんなかには、電波でんぱ探知たんちもちいるロッシェルしお酒石酸しゅせきさんカリウム-ナトリウム、KNaC4H4O6)の原料げんりょうとなる酒石酸しゅせきさんるため、ワイン醸造じょうぞう奨励しょうれいされた。戦後せんご洋食ようしょく拡大かくだいともない、ワインの醸造じょうぞうりょう激増げきぞうし、各地かくち生産せいさんされるようになった。

平成へいせい25ねん2013ねんさんのブドウ収穫しゅうかくりょうは18まん9700t(出荷しゅっかりょうは17まん3600t)で、結果けっか面積めんせきは1まん7400ha。都道府県とどうふけんべつにみた収穫しゅうかくりょう割合わりあいは、山梨やまなしけん全国ぜんこくの26%(4まん8200t)、長野ながのけんが14%(2まん6800t)、山形やまがたけんが9%(1まん6600t)、岡山おかやまけんが8%(1まん5300t)、福岡ふくおかけんが5%(9170t)となっており、この5けん全国ぜんこくやく61%をめている[1]

近年きんねんは、北海道ほっかいどう内陸ないりく位置いちする空知そらち地方ちほう南部なんぶ(岩見沢いわみざわ三笠みかさ栗山くりやままち浦臼うらうすまちなど)や、上川かみかわ地方ちほう(富良野ふらの中富良野なかふらのまち上富良野かみふらのまち鷹栖たかすまち東川ひがしがわまち鷹栖たかすまちなど)、後志しりべ地方ちほう(余市よいちまち仁木につきまちなど)、渡島ととう地方ちほうでのワインようブドウ品種ひんしゅ生産せいさんえている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ イギリス英語えいご発音はつおん[ˈvɪnjəd] ヴィンニャッドゥ、[ˈvɪnjɑːd] ヴィ(ン)ニャードゥ
  2. ^ アメリカ英語えいご発音はつおん[ˈvɪnjərd] ヴィンニャードゥ
  3. ^ フランス語ふらんすご発音はつおん: [viɲɔbl] ヴィニョーブル

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょう大臣だいじん官房かんぼう統計とうけい (2014ねん2がつ13にち). 平成へいせい25年産ねんさん日本にっぽんなし、ぶどうの結果けっか面積めんせき収穫しゅうかくりょうおよ出荷しゅっかりょう. 農林のうりん水産すいさん統計とうけい. http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kazyu/pdf/syukaku_ninasi_13.pdf 2014ねん6がつ20日はつか閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]