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プログレッシブ・ハウス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Progressive house
様式ようしきてき起源きげん ハウストランスバレアレス・ビート英語えいごばん
文化ぶんかてき起源きげん 1990年代ねんだい前半ぜんはんヨーロッパ
使用しよう楽器がっき シンセサイザードラムマシンシーケンサーサンプラーキーボードパソコン鍵盤けんばん楽器がっき
関連かんれん項目こうもく
エレクトロ・ハウス - ハード・ハウス - アップリフティング・トランス - リキッド・ファンク英語えいごばん
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プログレッシブ・ハウス (Progressive house) は、ハウスミュージック細分さいぶんるいであり、1990年代ねんだい前半ぜんはん台頭たいとうし、当初とうしょは1980年代ねんだいのアメリカやヨーロッパのハウスの自然しぜん発達はったつとしてイギリス発展はってんしてった。

語源ごげん[編集へんしゅう]

ポピュラー音楽おんがく文脈ぶんみゃくにおいて「プログレッシブ」という単語たんごは、エクスペリメンタル・ロック主流しゅりゅうロック音楽おんがく区別くべつするため最初さいしょに1970年代ねんだいひろ使つかわれた。そういった音楽おんがく既存きそんのロック音楽おんがくたいするべつのアプローチを開拓かいたくしようとこころみたものであり[1]なかにはクラシック器楽きがくきょく共演きょうえんすること美的びてき要素ようそ際立きわだたせようというこころみもあった。これは「もっと自意識じいしき過剰かじょう芸術げいじゅつてきなロックの分野ぶんや」といわれるプログレッシブ・ロックへとみちびいた[2]

ディスコ音楽おんがくのハウスにおいても、標準ひょうじゅんてきなアプローチから実験じっけんてきなスタイルをけようとする同様どうよう願望がんぼうにより、「プログレッシブ」という単語たんご採用さいようするうごきがDJプロデューサーあいだられた。DJでプロデューサーのカール・クレイグによると、「プログレッシブ」といういいかたイタロ・ディスコ言及げんきゅうするさいに1980年代ねんだい前半ぜんはんデトロイト使つかわれたという[3]。この音楽おんがくフィラデルフィア・ソウルのシンフォニックなサウンドからではなくジョルジオ・モロダーユーロディスコ英語えいごばんからの影響えいきょうけたので、「プログレッシブ」とばれた[3]。デトロイトでは、テクノ台頭たいとう先立さきだち、アレクサンダー・ロボトニック英語えいごばんKlein + M.B.O.英語えいごばんやカプリコーンといったアーティストがアメリカでディスコの終焉しゅうえん出来でき空白くうはくめた[3][4]。1980年代ねんだい後半こうはんには、イギリスの音楽おんがくジャーナリストサイモン・レイノルズ英語えいごばん808ステイトジ・オーブティム・シムノン (Bomb the Bass)、そしてシェイメンといったアーティストのアルバムを記述きじゅつするために「プログレッシブ・ダンス」といういいかた使つかはじめた。1990ねんから1992ねんまで、「プログレッシブ」といういいかたハウスのサブジャンルである「プログレッシブ・ハウス」をりゃくした俗語ぞくごとして使つかわれていた[5]

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

プログレッシブ・ハウスはダブディープ・ハウス要素ようそおおきなリフ楽曲がっきょくながさがながいことを特徴とくちょうとしている[6]。この様式ようしきはそれ自体じたい聖歌せいかようコーラスクレッシェンドドラム・ロール英語えいごばん省略しょうりゃくすることユーロトランスヴォーカル・トランス英語えいごばん区別くべつした[6]つよさはおとそう規則きそくてきくわえたりらしたりすることであたえられる[7]フレーズ典型てんけいてきにはふたつの小節しょうせつちからによる、しばしばあたらしい、しくはことなったメロディやリズムではじまる[8]

プログレッシブ・ハウスのメロディは、ときによんふんつづくこともあるながいビルドアップ部分ぶぶんをしばしば特徴とくちょうとする。これはそのブレイクダウン、そしてクライマックスとつづ[8]プログレッシブ・ロックというジャンルに共通きょうつうする要素ようそとしては、延長えんちょうされた、あるいはむすばれた楽章がくしょう楽曲がっきょく使用しようや、複雑ふくざつさがしていること、反復はんぷくなどがあるが、つね4つリズムきざてんわらない[9]。ハウスのさら実験じっけんてき部分ぶぶんはプログレッシブであると記述きじゅつされる[10]。このジャンルを非難ひなんする人々ひとびとは、プログレッシブ・ハウスはエリート主義しゅぎてき過剰かじょう生産せいさんされていると指摘してきしている[11]

歴史れきし[編集へんしゅう]

プログレッシブ・ハウスはハウスが登場とうじょうする当初とうしょから台頭たいとうしていた[12]。プログレッシブ・ハウスのルーツはイギリス、ヨーロッパ、オーストラリア、そしてきたアメリカでの1990年代ねんだい前半ぜんはんのレイブやクラブ・シーンに辿たどこと出来できる。アメリカのハウス、イギリスのハウス、イタリアのハウス、ドイツのハウス、そしてテクノの連携れんけいがこの時代じだいひろおこなわれた[5]。プログレッシブ・ハウスというかたおも伝統でんとうてきなアメリカのハウスとあたらしいレイブのハウスとを区別くべつするため使つかわれた[5]。プログレッシブ・ハウスはシカゴのアシッド・ハウスのサウンドからの離脱りだつだった[12]。この専門せんもん用語ようごはそのアメリカのルーツから分離ぶんりしてったハウスのあたらしいサウンドを記述きじゅつして、1990ねんから1992ねんごろにレイブのシーンからあらわれた[5]。プログレッシブ・ハウスというラベルは初期しょきすう年間ねんかんはしばしばトランスと相互そうごえられて使用しようされた[5]。よりハードコアで、ダンスに集中しゅうちゅうするスタイルがレイヴで全盛ぜんせいとなり、その支持しじりつがイングランドのクラブにおいてがったので、プログレッシブ・ハウスははんレイブとして記述きじゅつされた[11]。1990年代ねんだいなかばまでには、プログレッシブ・ハウスはハウスの主流しゅりゅうになっていた[12]

著名ちょめい初期しょき作品さくひん[編集へんしゅう]

1992ねん6がつに、雑誌ざっしミクシマグ英語えいごばん』が当時とうじいち獲得かくとくしていたプログレッシブ・ハウスの曲目きょくもくリストを掲載けいさいした[5]

著名ちょめいなアーティスト、レーベル、DJ[編集へんしゅう]

プログレッシブ・ハウスをつく商業しょうぎょうてき成功せいこう賞賛しょうさんあたえられたアーティストにはレフトフィールド英語えいごばんドラム・クラブ英語えいごばん, スプーキー英語えいごばん、そしてフェイスレスがいる[12]。よりおおくのプログレッシブ・ハウスのサウンドをリリースしている初期しょきのレーベルは、ハード・ハンド、カウボーイ、オム・レコード英語えいごばんゲリラ・レコード英語えいごばんがある[6]人気にんきがあって、初期しょきのプログレッシブ・ハウスのDJにはガット・デコール英語えいごばんSash!英語えいごばんサッシャ (DJ)英語えいごばん, ジョン・ディグウィード英語えいごばん、そしてポール・オーケンフォールド英語えいごばんがいる。

このジャンルに関連かんれんしているそののアーティストにはエルナン・カッタネオ英語えいごばんデイヴ・シーマン英語えいごばんニック・ウォーレン英語えいごばんジェイソン・ジョリンズ英語えいごばんダニー・ハウエルズ英語えいごばんアンソニー・パッパ英語えいごばんやディンカがいる[8]。2006ねん達成たっせいされたチャートでの成功せいこうデッドマウスFaxing Berlin英語えいごばんという楽曲がっきょくだったKaskadeジョン・ダールベック英語えいごばんアヴィーチーモグアイ英語えいごばんスウェディッシュハウスマフィア同様どうようにダンス・チャートでプログレッシブ・ハウスの楽曲がっきょく発売はつばいした。これらのアーティストたちは2000年代ねんだい後半こうはんにアメリカのプロデューサーによるプログレッシブ・ハウスの復活ふっかつかれたこと関係かんけいしている。ビッグ・ルーム・ハウスはプログレッシブ・ハウスのメロディックな性質せいしつっており、それがエレクトロ・ハウスからちからむすいて、だい規模きぼ音楽おんがくさい人気にんきがある。

Djtunes英語えいごばんは、2013ねん中頃なかごろトム・ノーヴィ英語えいごばん、ダニエル・ポートマン、デヴィッド・ゲッタ、クンGroeneveldやR.I.O.英語えいごばんもっとれているプログレッシブ・ハウスのアーティストであるといている[13]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Kevin Holm-Hudson (2008).Genesis and the Lamb Lies Down on Broadway,Ashgate, p.75, (ISBN 0754661474).
  2. ^ Michael Campbell (2008).Popular Music in America, Schirmer, p.251, (ISBN 0495505307).
  3. ^ a b c Reynolds, S., Generation Ecstasy: Into the World of Techno and Rave Culture (New York: Routledge, 1999), p. 16.
  4. ^ Reynolds, S., Generation Ecstasy: Into the World of Techno and Rave Culture (New York: Routledge, 1999), p. 22.
  5. ^ a b c d e f Phillips, Dom, Trance-Mission, Mixmag, June 1992.
  6. ^ a b c Reynolds, Simon (2012). Energy Flash: A Journey Through Rave Music and Dance Culture. Soft Skull Press. ISBN 1593764774. https://books.google.com.au/books?id=o5wGKnxoTAwC 2013ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  7. ^ Price, Emmett George (2010). "House music". Encyclopedia of African American Music. Vol. 3. ABC-CLIO. p. 406. ISBN 0313341990. 2013ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん
  8. ^ a b c Electronica Genre Guide: Progressive”. Music Faze. 2013ねん7がつ18にち閲覧えつらん
  9. ^ Borthwick, Stuart; Ron Moy (2004). Popular Music Genres: An Introduction. Edinburgh University Press. p. 75. ISBN 0748617450. https://books.google.com.au/books?id=r4bmVbNSnk4C 2013ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん 
  10. ^ Mattingly, Rick (2002). The Techno Primer: The Essential Reference for Loop-based Music Styles. Hal Leonard Corporation. p. 36. ISBN 0634017888. https://books.google.com.au/books?id=VT7_x7m-RWcC 2013ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  11. ^ a b Scott, Mireille (1999). Rave America: New School Dancesscapes. ECW Press. p. 134. ISBN 1550223836. https://books.google.com.au/books?id=iPLsz1RC1MYC 2013ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  12. ^ a b c d Bogdanov, Vladimir (2001). All music guide to electronica: the definitive guide to electronic music. Backbeat Books. p. xiii. ISBN 0879306289. https://books.google.com.au/books?id=GJNXLSBlL7IC 2013ねん4がつ20日はつか閲覧えつらん 
  13. ^ Top 100 progressive house artists”. Djtunes. 2013ねん7がつ18にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]