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ベルグレイヴィア

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベルグレイヴィア
ベルグレイヴィアの位置(グレーター・ロンドン内)
ベルグレイヴィア
ベルグレイヴィア
グレーター・ロンドンにおけるベルグレイヴィアの位置いち
えいしき座標ざひょう
TQ275795
ロンドン
特別とくべつ
セレモニアル
カウンティ
グレーター・ロンドン
リージョン
構成こうせいこくイングランドの旗 イングランド
くにイギリスの旗 イギリス
郵便ゆうびん地域ちいきLONDON
郵便ゆうびん番号ばんごうSW1X, SW1W
市外しがい局番きょくばん020
警察けいさつメトロポリタン
消防しょうぼうロンドン
救急きゅうきゅう医療いりょうロンドン
欧州おうしゅう議会ぎかいロンドン
英国えいこく議会ぎかい
  • シティ・オブ・ロンドン&ウェストミンスター (en
    チェルシー&フラム (en
ロンドン議会ぎかい
場所ばしょ一覧いちらん
イギリス
イングランド
ロンドン
北緯ほくい5129ふん53びょう 西経せいけい009ふん16びょう / 北緯ほくい51.498 西経せいけい0.1545 / 51.498; -0.1545座標ざひょう: 北緯ほくい5129ふん53びょう 西経せいけい009ふん16びょう / 北緯ほくい51.498 西経せいけい0.1545 / 51.498; -0.1545
地図
ベルグレイヴィアはバッキンガム宮殿きゅうでん地図ちず中央ちゅうおう)の西側にしがわハイド・パーク緑色みどりいろわくないあみけ)の南側みなみがわ位置いちする

ベルグレイヴィアえい: Belgravia[bɛlˈɡrvɪə][1])は、セントラル・ロンドン (Central London) のいち地区ちく[2]ウェスト・エンド・ロンドンシティ・オブ・ウェストミンスターケンジントン・アンド・チェルシーまたががった場所ばしょにある地区ちく

ベルグレイヴィアはちょう高級こうきゅう住宅じゅうたくがいとしてられており、世界せかいもっとゆたかな地区ちくの1つである。グローヴナー・エステート (Grosvenor Estateとしてられる一帯いったいは、現在げんざいでもウェストミンスター公爵こうしゃくによる家族かぞく経営けいえい不動産ふどうさん会社かいしゃグローヴナー・グループによってそのほとんどが保有ほゆうされている。この地区ちくは、公爵こうしゃく保有ほゆうする爵位しゃくいの1つ、ベルグレイヴ子爵ししゃくえい: Viscount Belgrave)にそのちなんでいる。1967ねんされた不動産ふどうさん賃借ちんしゃくけん改革かいかくほう英語えいごばん[3]もとで、これらの地所じしょ自由じゆう保有ほゆうけんは、おおくがかつての間借まがじん売却ばいきゃくされることになった。

地区ちくバッキンガム宮殿きゅうでん南西なんせい位置いちしている。名目めいもくじょうその境界きょうかいせんは、北側きたがわナイツブリッジ(ここでは地区ちくではなく道路どうろす)、東側ひがしがわグローヴナー・プレイス英語えいごばんとバッキンガム・パレス・ロード、南側みなみがわピムリコ・ロード西側にしがわスローン・ストリートとされている[4]

歴史れきし

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アッパー・ベルグレイヴ・ストリート、ベルグレイヴィア(えい: Upper Belgrave Street, Belgravia

この地区ちく名前なまえは、ウェストミンスター公爵こうしゃく保有ほゆうする爵位しゃくいの1つ、ベルグレイヴ子爵ししゃくえい: Viscount Belgrave)にちなんだものである。チェシャーにあるむら・ベルグレイヴ (Belgrave, Cheshireは、公爵こうしゃく・グローヴナーおも邸宅ていたくであるイートン・ホール英語えいごばんから2マイル (3.2 km)の場所ばしょにある。

地区ちく大半たいはんは、元々もともとリチャード・グローヴナー (だい2だいウェストミンスター侯爵こうしゃく)英語えいごばん保有ほゆうしていたもので、かれは1820年代ねんだいからこの開発かいはつした。トーマス・キュービット英語えいごばん土建どけん業者ぎょうしゃ中心ちゅうしんとして開発かいはつ参加さんかしている。ベルグレイヴィアはしろ漆喰しっくいかべいえけられたグランドテラスが特徴とくちょうで、そのなかでもベルグレイヴ・スクエア英語えいごばんイートン・スクエア英語えいごばん有名ゆうめいである。また開発かいはつ当初とうしょから、ロンドンちゅうもっと高級こうきゅう住宅じゅうたくがいのひとつとしてられている。上流じょうりゅう階級かいきゅうけにデザインされた建物たてものには、小売こうりぎょう旗艦きかんてんやスタジオも入居にゅうきょし、フィリップ・トレーシードナ・アイダ英語えいごばんジェニー・パッカム英語えいごばんHEMYCA英語えいごばんなどがみせしている。ベルグレイヴィアの南端なんたんはピムリコ・ロードで仕切しきられ、一風いっぷうわったアンティークショップや、アーサー・ブレット(えい: Arthur Brett)が手掛てがけたブランドなどの高級こうきゅう家具かぐ内装ないそうショールームがならんでいる。にぎやかな商店しょうてん巨大きょだい現代げんだいてきオフィスがいホテル娯楽ごらく施設しせつがある周囲しゅうい地区ちくくらべても、ロンドン中心ちゅうしんにしては比較的ひかくてき閑静かんせい地区ちくである。大使館たいしかん数多かずおお存在そんざいし、とくにベルグレイヴ・スクエアに集中しゅうちゅうしている。

だい世界せかい大戦たいせん巨大きょだい邸宅ていたく一部いちぶごうしん上流じょうりゅう階級かいきゅう住宅じゅうたくタウンハウスではなくなったが、一方いっぽうでその新規しんき利用りようは、大使館たいしかんやチャリティ事業じぎょう本部ほんぶ専門せんもん学会がっかいなど特定とくてい業種ぎょうしゅ限定げんていされた。21世紀せいき初頭しょとうには、これらの邸宅ていたく一部いちぶふたた住居じゅうきょ利用りようされるようになったが、これには戦後せんごすぐとくらべてふる邸宅ていたくにオフィスをかまえる魅力みりょくうすれたことや、ロンドン在住ざいじゅうちょう富裕ふゆうそう (super-richが、1939ねん以来いらい最高さいこう水準すいじゅんにまでえたことが理由りゆうとしてげられる。ベルグレイヴィアの平均へいきんてき住宅じゅうたく価格かかくは、2010ねん3がつ時点じてんで660まんポンドだったが[5]地区ちくには1けんじつに1おくポンド、1平方へいほうフィートあたり4,671ポンドの価値かちがある邸宅ていたく数多かずおおくあり[6]、これらは世界中せかいじゅうもっと高額こうがく住宅じゅうたくでもある[ちゅう 1]

2013ねん段階だんかいで、ベルグレイヴィアの住宅じゅうたくよう不動産ふどうさんは、出身しゅっしんこくやその世界せかい各地かくちほかにも高級こうきゅう住宅じゅうたく保有ほゆうしているような、海外かいがい富裕ふゆうそうによって保有ほゆうされているものもおおかった。このため、ぬし海外かいがい不動産ふどうさんきょいているなどの理由りゆうで、になっている不動産ふどうさんおおい。この現状げんじょうは、地域ちいき近所きんじょいを減少げんしょうさせる一端いったんとなっている[9]

広場ひろばとお

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ベルグレイヴ・スクエア

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ベルグレイヴィアの地図ちず中央ちゅうおう緑色みどりいろになっている部分ぶぶんがベルグレイヴ・スクエアである
英国えいこく精神せいしん学会がっかい (Royal College of Psychiatristsきゅう所在地しょざいち、ベルグレイヴ・スクエア

ベルグレイヴ・スクエア英語えいごばんは、19世紀せいきつくられたまちとして最大さいだいかつもっと壮大そうだいなもので、ベルグレイヴィア地区ちく中心ちゅうしんでもある。広場ひろばは、地区ちく開発かいはつたずさわったトーマス・キュービット英語えいごばんが、当時とうじだい2だいグローヴナー伯爵はくしゃく初代しょだいウェストミンスター侯爵こうしゃくロバート・グローヴナー依頼いらいけ、1820年代ねんだい建設けんせつしたものである。周辺しゅうへん邸宅ていたくは、ほとんどが1840ねんまでに入居にゅうきょしゃめられた。

元々もともと計画けいかくでは、4つのテラスに、それぞれしろ漆喰しっくいかべいえが11けん南西なんせいのテラスにだけ12けんならぶというデザインだった。また私有しゆうのセントラル・ガーデンがいた独立どくりつした邸宅ていたくが3つのかくつくられた。番地ばんちのナンバリングは、きたからはん時計とけいまわりにおこなわれる。北西ほくせいのテラスには1番地ばんちから11番地ばんち西にしかく邸宅ていたくには12番地ばんち南西なんせいのテラスには13番地ばんちから23番地ばんち南角みのずみ邸宅ていたくには24番地ばんち南東なんとうのテラスには25番地ばんちから36番地ばんちひがしかく邸宅ていたくには37番地ばんち北東ほくとうのテラスには38番地ばんちから48番地ばんちてられている。最初さいしょ建築けんちくにややおくれをかたちで、北側きたがわかく独立どくりつした邸宅ていたくてられ、これに49番地ばんちてられた。これは、1851ねんにキュービットがシドニー・ハーバートのためにてたものである。テラスはジョージ・バーセヴィ[訳語やくご疑問ぎもんてん] (George Baseviによってデザインされた。かどてられた邸宅ていたくなか最大さいだいの、ひがしかくにあるシーフォード・ハウス英語えいごばんは、フィリップ・ハードウィック英語えいごばんによってデザインされ、西にしかくにある邸宅ていたくロバート・スマーク英語えいごばんによって設計せっけいされた。この四角しかくまちには、クリストファー・コロンブスシモン・ボリバルホセ・デ・サン=マルティンエンリケ航海こうかい王子おうじ初代しょだいウェストミンスター侯爵こうしゃくぞうや、建築けんちくジョージ・バーセヴィ[訳語やくご疑問ぎもんてん]胸像きょうぞう、さらにイタリア出身しゅっしん彫刻ちょうこくエンツォ・プラツォッタ英語えいごばんによる彫刻ちょうこく "Homage to Leonardo, the Vitruvian Man" などが設置せっちされている[10]

イートン・スクエア

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1827ねんせいペトロ教会きょうかい、イートン・スクエア
現在げんざいせいペトロ教会きょうかい

イートン・スクエア英語えいごばんは、ウェストミンスター公爵こうしゃく・グローヴナーによっててられた3つのガーデン・スクエア(緑地りょくち広場ひろば)の1つである。この名前なまえはグローヴナーおも邸宅ていたくであるイートン・ホール英語えいごばんにある、チェシャーのイートン荘園しょうえん由来ゆらいする。イートン・スクエアは地域ちいき中心ちゅうしんてきなベルグレイヴ・スクエアよりおおきく、そしてやや質素しっそである。どちらも後述こうじゅつするチェスター・スクエア英語えいごばんよりはおおきく華麗かれいである。最初さいしょ区画くかくは、1827ねんにトーマス・キュービットによって設計せっけいされた。

イートン・スクエアの住宅じゅうたくベイ3つぶんおおきさがある巨大きょだい建物たてものである。古典こてんてき様式ようしき規則正きそくただしいテラスがつながれており、4かいもしくは5かいてになっている建物たてものには、屋根裏やねうら地下ちかしつ厩舎きゅうしゃ改造かいぞうしたアパート (Mewsなどがかくされている。このスクエアはロンドン最大さいだいのスクエアのひとつで、キングス・ロードからひがしつづく、道路どうろとしてのイートン・スクエアなどで6つのコンパートメントにけられている(スローン・スクエアがキングス・ロードの北東ほくとうはしたり、そこからひがしつづくのがイートン・スクエアである)[11]。イートン・スクエアは地区ちく主要しゅよう道路どうろでもあり、現在げんざい交通こうつうりょうおおい。東西とうざいはしるこの道路どうろちょうじくじょう分断ぶんだんし、南北なんぼくはしちいさな2ほん道路どうろがさらにスクエアをけている。スクエアの住宅じゅうたくはほとんどがしろ漆喰しっくいかべだが、いくつかの住宅じゅうたくレンガかべとなっている。

だい世界せかい大戦たいせんまえ、イートン・スクエアはたしかに上流じょうりゅう階級かいきゅう居住きょじゅうだったが、ロンドンいちゆたかな人物じんぶつ居住きょじゅうするメイフェアやベルグレイヴィアの地区ちく(ベルグレイヴ・スクエア、グローヴナー・スクエア英語えいごばんセント・ジェームズ・スクエア英語えいごばんパーク・レーン英語えいごばん)ほどの高級こうきゅう住宅じゅうたくがいではなかった。戦後せんご先述せんじゅつ土地とちおも商業しょうぎょう施設しせつ学会がっかい本部ほんぶとしての利用りよう転換てんかんされたが、イートン・スクエアはそのほとんどが住居じゅうきょようとして維持いじされ、この結果けっかもっと高級こうきゅう住宅じゅうたくがいにまでのぼめた。1950年代ねんだいすう年間ねんかんに、85番地ばんちから87番地ばんちロンドン・カウンティ・カウンシル英語えいごばんによる女子じょしよう収容しゅうようしょとして使つかわれ、街角まちかど生活せいかつする150にん前後ぜんこう女子じょしがここに宿泊しゅくはくさせられた。いくつかの住宅じゅうたく現在げんざい分割ぶんかつされずに使つかわれているが、スクエアの建物たてものおおくは、グローヴナー・エステート (Grosvenor Estateによって分割ぶんかつされてフラットやメゾネットとしてもちいられている。これらのおおくは、元々もともと住宅じゅうたくを1つ以上いじょう横断おうだんするように側面そくめん分割ぶんかつされ、その改修かいしゅうにはすうひゃくまんポンドがかけられた。スクエアの外装がいそう建設けんせつ当時とうじそのままにのこされ、現代げんだい調ちょう建物たてものはひとつとしてんでいない。スクエアの自由じゆう保有ほゆうけんは、そのほとんどすべてを現在げんざいでもグローヴナー・グループ保有ほゆうしており、ジェラルド・グローヴナー (だい6だいウェストミンスター公爵こうしゃく)はロンドンにおける自身じしん邸宅ていたくをこの一角いっかくいていた。またかれ先代せんだいであるロバート・グローヴナー (だい5だいウェストミンスター公爵こうしゃく)英語えいごばんが1920年代ねんだい屋敷やしきはらうまでは、公爵こうしゃくのロンドンでの邸宅ていたく華麗かれい独立どくりつしたタウンハウスグローヴナー・ハウス英語えいごばんだった。現在げんざい建物たてものこわされ、パーク・レーンの屋敷やしき跡地あとちにはグローヴナー・ハウス・ホテル英語えいごばんてられている。

スクエアのひがしはしせいペトロ教会きょうかい英語えいごばんである。イングランド国教こっきょうかいぞくするこの教会きょうかい古典こてんてき様式ようしきてられた巨大きょだい建物たてもので、6ほんはしらいたイオニアしきポルチコ時計とけいだい有名ゆうめいである。設計せっけいヘンリー・ヘイクウィル英語えいごばんおこない、建設けんせつはイートン・スクエアの最初さいしょ改修かいしゅうおこなわれていた1824ねんから1827ねんにかけておこなわれた。

アッパー・ベルグレイヴ・ストリート

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アッパー・ベルグレイヴ・ストリート(えい: Upper Belgrave Street)ははばひろ一方いっぽう通行つうこうとおりで、住居じゅうきょようもちいられており、しろ漆喰しっくいりの印象いんしょうてきかべうつくしい。とおりはベルグレイヴ・スクエアの南東なんとうかくからイートン・スクエアの北東ほくとうかくまでつながる[11]

とおりはとく高級こうきゅう人気にんきたか場所ばしょで、世界せかいもっと高級こうきゅう邸宅ていたくのうちいくつかはこのとおりにてられている。また、イートン・スクエアにある邸宅ていたく以上いじょうだい邸宅ていたくもいくつか存在そんざいする。住宅じゅうたくのほとんどは現在げんざいフラットへ分割ぶんかつされ、平方へいほうフィートあたり3,500ポンド購入こうにゅうすることができる。

建物たてものおおくは、トーマス・キュービットによって1820年代ねんだいから1830年代ねんだい建設けんせつされたものである。13番地ばんちはイギリスおうウィリアム4せい庶子しょしのためにつくられた[ちゅう 2]

詩人しじんであるアルフレッド・テニスンは、1880ねんから1881ねんにかけて9番地ばんち居住きょじゅうしていた。また作家さっか銀行ぎんこう経済けいざい学者がくしゃとして活動かつどうしたウォルター・バジョットは、おな時期じきに12番地ばんち居住きょじゅうしている。

ベルグレイヴ・スクエアとのかくにあたる36番地ばんちは、ベルギー大使たいし公邸こうていとしてもちいられている。

チェスター・スクエア

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チェスター・スクエア

チェスター・スクエア英語えいごばんはよりちいさい住居じゅうきょようのガーデン・スクエアで、グローヴナーによっててられた3つのガーデン・スクエアのうち最後さいご完成かんせいしたものである。この名前なまえは、公爵こうしゃく居宅きょたくであるイートン・ホールにちかまちチェスターからられている。公爵こうしゃくのメンバーは、チェスター選挙せんきょ (City of Chester (UK Parliament constituency)代表だいひょう国会こっかい議員ぎいんつとめていた[12]。1.5エーカー (6,100 m2)のにわには、がきよう低木ていぼくくさえられている。1997ねんには改装かいそう工事こうじおこなわれ、1867ねん英国えいこく陸地りくち測量そくりょうきょく英語えいごばん制作せいさくした地図ちずどおりの設計せっけいもどされた。

かつての住民じゅうみんには、2番地ばんちんでいた詩人しじんマシュー・アーノルド、24番地ばんちんでいた作家さっかメアリー・シェリー、72番地ばんちんでいた医師いしジョン・リデル英語えいごばん、73番地ばんちんでいた英国えいこく首相しゅしょうマーガレット・サッチャー英国えいこく亡命ぼうめい1940ねんから1945ねんまで77番地ばんちんでいたオランダ女王じょおうウィルヘルミナなどがげられる[13]

ウィルトン・クレセント

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ウィルトン・クレセント(手前てまえかくが15番地ばんち)。おくはたけられている部分ぶぶんがシンガポール大使館たいしかんである

ウィルトン・クレセント英語えいごばんは、ベルグレイヴ・スクエアの北西ほくせいにある三日月みかづきじょうとおりである。ベルグレイヴィア開発かいはつ目的もくてきとし1821ねんつくられたワイアット計画けいかくえい: The original 1821 Wyatt plan for Belgravia)にもとづいて、グローヴナー地所じしょ測量そくりょう・トーマス・カンディ2せい (Thomas Cundy IIによってつくられた[14]。この名前なまえ初代しょだいウェストミンスター侯爵こうしゃく次男じなんだい2だいウィルトン伯爵はくしゃくちなんでけられた。またとおりは1825ねんに、ウィリアム・ハワード・セス=スミス(えい: William Howard Seth-Smith)によってつくられた。

19世紀せいきから20世紀せいきにかけて、この場所ばしょ英国えいこく高位こうい警察官けいさつかん大使たいし公務員こうむいん住宅じゅうたくとしてもちいられていた。ヴィクトリア女王じょおう曾孫そうそんたる、初代しょだいマウントバッテン・オブ・ビルマ伯爵はくしゃくルイス・マウントバッテンは、長年ながねんウィルトン・クレセント2番地ばんち居住きょじゅうしていた。今日きょうではこの場所ばしょに、かれいえだったことをしめブルー・プラーク設置せっちされている[15]。ベルグレイヴィアの地区ちく同様どうよう、ウィルトン・クレセントもしろかべ住宅じゅうたくけられたグランド・テラスが特徴とくちょうである。また住宅じゅうたくとおりに沿って三日月みかづきじょうつくられ、とおりのほとんど、とくにクレセント南側みなみがわには漆喰しっくいかべのバルコニーがけられている。クレセント北側きたがわ住宅じゅうたく石造いしづくりでおおわれた5かいての建物たてものだが、これらは1908ねんから1912ねんあいだ表層ひょうそう修理しゅうりされている。住宅じゅうたく大半たいはん元々もともと漆喰しっくいかべつくられたものだが、改装かいそう工事こうじおこなわれた期間きかんに、いくつかの住宅じゅうたく石造いしづくりのかべ変更へんこうされた。いえにはくろ鉄製てつせいのバルコニーがけられている。

このとおりには、ルクセンブルクシンガポール大使館たいしかんいている[16][17]

ウィルトン・クレセントはラウンズ・スクエア英語えいごばんならびにラウンズ・ストリートのひがし位置いちし、ベルグレイヴ・スクエアの北西ほくせいたる。またウィルトン・プレイス英語えいごばんけて、ナイツブリッジ主要しゅよう道路どうろることができる。また東側ひがしがわではベルギー大使館たいしかんがあるグローヴナー・クレセントに隣接りんせつしている[18]。さらに東側ひがしがわにはバッキンガム宮殿きゅうでんがある。

ジョージ・バーナード・ショーによる戯曲ぎきょくバーバラ少佐しょうさ英語えいごばん』では、レディ・ブリトマート(えい: Lady Britomart)の自宅じたくとしてウィルトン・クレセントが登場とうじょうする。2007ねんには、ロンドン庭園ていえん協会きょうかいえい: The London Gardens Society)によって、クレセントのなか腹部ふくぶにあるウィルトン・ガーデンにどうメダルがあたえられた。

ラウンズ・スクエア

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ラウンズ・スクエア(右側みぎがわ木々きぎ)にはい部分ぶぶんのラウンズ・ストリート

ラウンズ・スクエア英語えいごばんは、ベルグレイヴィアの地区ちく同様どうようしろ漆喰しっくいかべのグランド・テラスが特徴とくちょうである。東側ひがしがわにはウィルトン・クレセント、そしてベルグレイヴ・スクエアが存在そんざいする。スクエアは西側にしがわスローン・ストリート平行へいこうはしり、北側きたがわには百貨店ひゃっかてんハーヴェイ・ニコルズナイツブリッジえきなどが存在そんざいする。この場所ばしょにも、世界せかいもっと高級こうきゅう邸宅ていたくがいくつか存在そんざいする。ロシア実業じつぎょうロマン・アブラモヴィッチは、2008ねんにこのスクエアにある漆喰しっくいかべ住宅じゅうたくを2けん購入こうにゅうした。2つにつながれた住宅じゅうたくには8つのベッドルームがあり、購入こうにゅう当時とうじ総額そうがく15おくポンドの価値かちがあるとされている[19]。スクエアにある住宅じゅうたくおおくは、ジョージ・バーセヴィ[訳語やくご疑問ぎもんてん]設計せっけいしたものである。

ミック・ジャガージェームズ・フォックスは、スクエアにあるレナード・プラグ英語えいごばん邸宅ていたく映画えいが撮影さつえいおこなったことがある[19]。またE・F・ベンソン英語えいごばん小説しょうせつ "The Countess of Lowndes Square"意味いみ:ラウンズ・スクエアの伯爵はくしゃく夫人ふじん)ではこの地区ちく舞台ぶたい使つかわれている[20]

教育きょういく

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交通こうつう

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ロンドン地下鉄ちかてつ最寄もよえきは、ハイド・パーク・コーナーえきナイツブリッジえきスローン・スクエアえきである。ナショナル・レールやチューブ[ちゅう 3]長距離ちょうきょりバスの地点ちてんになっているヴィクトリアえきは、地区ちく東側ひがしがわにある。セントラル・ロンドンのかく地域ちいきかうバスの定期ていき運航うんこう便びんは、グローヴナー・プレイスから発車はっしゃしている[21]

小説しょうせつやポップ・カルチャーに登場とうじょうするベルグレイヴィア

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アンソニー・トロロープいた小説しょうせつ、『当世とうせいかた英語えいごばんThe Way We Live Now、『フィニアス・フィン英語えいごばんPhineas Finn、『かえってきたフィニアス英語えいごばんPhineas Redux"The Prime Minister" (en"The Duke's Children" (enでは、19世紀せいきのベルグレイヴィアが詳細しょうさいえがかれる。

イーヴリン・ウォーによる小説しょうせつブライズヘッド再訪さいほう英語えいごばん』では、ベルグレイヴィアのポント・ストリート英語えいごばんが、英国えいこく上流じょうりゅう階級かいきゅう特異とくい性格せいかくあたえられたエポニムだとされる。

G・K・チェスタトンによるブラウン神父しんぷシリーズの短編たんぺん奇妙きみょう足音あしおとThe Queer Feet では、大変たいへん上品じょうひん架空かくうのホテル・ヴァーノン(えい: Vernon)が登場とうじょうする。この作品さくひん現在げんざいウィキメディア・コモンズウィキソース英語えいごばんむことができる[22]作者さくしゃのチェスタトンはおおくの作品さくひんで、ベルグレイヴィアによく環境かんきょうをその舞台ぶたい設定せっていしている[よう出典しゅってん]

ナンシー・ミットフォード代表だいひょうさく "Love in a Cold Climate" (enでは、ヒロインに最良さいりょう人付ひとづいをさせようとするおばが、"Keep her nose firmly to Pont Street"意味いみはなをしっかりポント・ストリートにけときな)とはなす。

"Chawles" とのペンネームでかれた作品さくひん "Flunkeyania Or Belgravian Morals" は、雑誌ざっしパール英語えいごばん』で連載れんさいされた作品さくひんのひとつである[23]。この雑誌ざっしヴィクトリアあさ発行はっこうされた、ポルノ雑誌ざっしつたわっている。

1971ねんから1975ねんにかけて放送ほうそうされた英国えいこく人気にんきテレビシリーズ "Upstairs, Downstairs" (enでは、リチャード・ベラミー(初代しょだいハヴァーシャムのベラミー子爵ししゃく[ちゅう 4]邸宅ていたくがイートン・プレイス165番地ばんち設定せっていされた[24]実際じっさいのイートン・プレイス65番地ばんち外観がいかん撮影さつえいおこなわれたが、このさい番地ばんちめいあらわ玄関げんかんばしら表示ひょうじには、「1」の表記ひょうきされた[24]。この作品さくひん1903ねんから1930ねん舞台ぶたいに、ベラミー家庭かていない労働ろうどうしゃ使用人しようにんたちの生活せいかつえが作品さくひんで、エドワードちょう時代じだい英語えいごばん騒々そうぞうしさ、だいいち世界せかい大戦たいせん戦後せんごの1920年代ねんだい1929ねんウォうぉル街るがいだい暴落ぼうらく世界せかい恐慌きょうこう物語ものがたり登場とうじょうする。2010ねんには、メイン・キャラクターの1人ひとりであるローズ・バック (Rose Buckげ、1936ねん舞台ぶたいに、彼女かのじょがホランドつとめるハウスキーパーとしてイートン・プレイス165番地ばんちもどってくるとのミニ・シリーズが開始かいしされた。

ITV放送ほうそうされたドラマ『ダウントン・アビー』では、グランサム伯爵はくしゃくいもうとであるレディ・ロザムンド・ペインズウィックが、ベルグレイヴ・スクエアにんでいる設定せっていである。またレディ・ローズ・マクレアの恋人こいびとピムリコにあるウォリック・スクエア(えい: Warwick Square在住ざいじゅうとされ、伯爵はくしゃく次女じじょレディ・イーディス・クロウリーは、この場所ばしょを「活気かっきいベルグレイヴィア」(えい: "Belgravia without the bustle")と表現ひょうげんする。

BBC放送ほうそうされたドラマ『SHERLOCKだい2シーズンだい1では、『ベルグレービアの醜聞しゅうぶん』としょうして、シャーロック・ホームズシリーズ最初さいしょ短編たんぺんボヘミアの醜聞しゅうぶん』を下敷したじきにしたエピソードが放送ほうそうされた[25]。この作品さくひんでは、写真しゃしんもと王室おうしつ強請ねだアイリーン・アドラーがベルグレイヴィア在住ざいじゅうとの設定せっていで、彼女かのじょ邸宅ていたく外観がいかんはイートン・スクエア44番地ばんち撮影さつえいされた(内装ないそうウェールズニューポート撮影さつえいされている)[26][27]

ウディ・アレン映画えいがマッチポイント』では、裕福ゆうふく実業じつぎょうむすめであるクロエ・ヒューイット(えんじエミリー・モーティマー)が、主人公しゅじんこうのクリス・ウィルトン(えんじジョナサン・リース=マイヤーズ)に、自分じぶんがベルグレイヴィアでそだったことをげるシーンがある。

関係かんけいしゃ

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ひじりミカエル教会きょうかい、ベルグレイヴィア

居住きょじゅうしゃ

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過去かこに、この地区ちく居住きょじゅうした人物じんぶつ著名ちょめいじんとしては、以下いかげることができる。なお「」がけられた人物じんぶつは、こちらを出典しゅってんとした[4]1974ねんなぞ失踪しっそうげたジョン・ビンガム (だい7だいルーカン伯爵はくしゃく)は、ロウワー・ベルグレイヴ・ストリート46番地ばんち居住きょじゅうしていた。

出身しゅっしんしゃ

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また、この地区ちくは、ウィンストン・チャーチルちちランドルフ・チャーチルや、俳優はいゆうクリストファー・リー生誕せいたんでもある[31][32][33]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 2010ねん現在げんざいの660まんポンドは2023ねん時点じてんの1069まんポンド、1おくポンドは2023ねん時点じてんの1.62おくポンドに相当そうとうする[7]。また1平方へいほうフート (0.093 m2)より、地価ちか(1平方へいほうフィートあたり4,671ポンド)を1平方へいほうメートルあたりに換算かんさんするとおよそ50,225ポンド(2023ねん時点じてんの8.13まんポンド)となる。2013ねん英国えいこくポンドにたいしてえんやすゆるやかにすすんだ時期じきであり[8]単純たんじゅん計算けいさんとして2013ねんはじめ終値おわりね平均へいきんると1ポンドあたり157.59えんとなる。これをもちいてそれぞれの換算かんさんすると、2013ねん日本円にほんえん換算かんさんして、2010ねん現在げんざいの660まんポンドはおよそ11おく6,300まんえん、2010ねん現在げんざいの1おくポンドはおよそ176おく5,000まんえん地価ちか(1平方へいほうメートルあたりおよそ50,225ポンド)は1平方へいほうメートルあたりおよそ885まん6,500えんとなる。
  2. ^ ウィリアム4せいは、ヴィクトリア女王じょおう先代せんだいたるおうで、彼女かのじょ伯父おじである。
  3. ^ チューブはロンドン地下鉄ちかてつ愛称あいしょう
  4. ^ えい: Richard Bellamy (later 1st Viscount Bellamy of Haversham)
  5. ^ えい: Lieutenant Colonel Philip Edward Hardwick1875ねんなま・1919ねんぼつ
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出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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