二に式しき二に十じゅう粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほう

ホ5 二に式しき二に十じゅう粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほう

ホ5 二に式しき二に十じゅう粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほう（手前てまえ） 中央ちゅうおうはホ103 一式いっしき十じゅう二に・七なな粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほう（タイ王国おうこく空軍くうぐん博物館はくぶつかん収蔵しゅうぞう品ひん）
概要がいよう
種類しゅるい	航空こうくう機関きかん砲ほう
製造せいぞう国こく	大日本帝国だいにっぽんていこく
設計せっけい・製造せいぞう	中央ちゅうおう工業こうぎょう
性能せいのう
口径こうけい	20mm
銃身じゅうしん長ちょう	900mm
使用しよう弾薬だんやく	20x94mm弾だん 弾頭だんとう重量じゅうりょう119g（二式曳光徹甲弾）同どう77g（二に式しき焼しょう夷えびす榴弾りゅうだん）
装弾そうだん数すう	ベルト給きゅう弾だん式しき 150発はつ（四よん式しき戦せん一いち型がた甲かぶと）
作動さどう方式ほうしき	ショートリコイル
全長ぜんちょう	1,444mm
重量じゅうりょう	37.0kg
発射はっしゃ速度そくど	750発はつ/min.
銃口じゅうこう初速しょそく	735m/s

二に式しき二に十じゅう粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほう（にしきにじゅうみりこていきかんほう） ホ5/ホ五ごは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん時どきの大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんの航空こうくう機関きかん砲ほう。二に式しき機関きかん砲ほう、二に式しき固定こてい機関きかん砲ほうとも。

概要がいよう

一式いっしき戦闘せんとう機き「隼はやぶさ」を筆頭ひっとうに多おおくの陸軍りくぐん機きに搭載とうさいされ、太平洋戦争たいへいようせんそうにおける主力しゅりょく航空こうくう機関きかん砲ほうであった口径こうけい12.7mm（12.7x81ｍｍSR弾だん）のホ103 一式いっしき十じゅう二に・七なな粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほうをベースに、機関きかん部ぶなどを20x94ｍｍみりめーとる弾だんに対応たいおう・大型おおがた化かした口径こうけい20mmの機関きかん砲ほうである。

軽量けいりょう砲弾ほうだん（弾丸だんがん）を使用しようするホ103の特質とくしつを受うけ継つぎ、本ほん砲ほうは同おなじ口径こうけい20mmながら20x125弾だんを使用しようするホ1 試製しせい二に十じゅう粍みりめーとる旋回せんかい機関きかん砲ほう・ホ3 試製しせい二に十じゅう粍みりめーとる固定こてい機関きかん砲ほうよりも砲弾ほうだん重量じゅうりょうが約やく25%も軽かるいが相応そうおうの威力いりょくを持もち、またアメリカ軍ぐんの口径こうけい12.7mm（12.7x99弾だん）のAN/M2（ブローニング M2重じゅう機関きかん銃じゅうの航空こうくう機関きかん銃じゅう型がた。ホ103のベース）より砲ほう自体じたいの重量じゅうりょうは軽量けいりょうに、かつサイズはコンパクトに抑おさえられ発射はっしゃ速度そくども勝まさる高性能こうせいのう機関きかん砲ほうであった。徹とおる甲きのえ弾だんによる射撃しゃげき試験しけんでは射程しゃてい100mで20mmの装甲そうこうを貫通かんつうした。

弾たま種しゅは二に式しき曳光徹とおる甲かぶと弾だん、二に式しき曳光榴弾りゅうだん、二に式しき焼しょう夷えびす榴弾りゅうだん、マ202（特殊とくしゅ焼しょう夷えびす榴弾りゅうだん）、二に式しき代用だいよう弾だん（訓練くんれん用ようの演習えんしゅう弾だん）である。

実戦じっせん

本ほん砲ほうは二に式しき複ふく座ざ戦闘せんとう機き「屠ほふ龍りゅう」丁ひのと型がた（キ45改あらため丁ひのと）の上向うわむき砲ほうを手始てはじめに、陸軍りくぐん単座たんざ単発たんぱつ戦闘せんとう機きとして初はじめて20mm機関きかん砲ほう（ドイツから弾薬だんやくと共ともに輸入ゆにゅうしたマウザー砲ほう（MG151/20））を装備そうびした三さん式しき戦闘せんとう機き「飛燕ひえん」一いち型がた丙へい（キ61-I丙へい）の後続こうぞくである一いち型がた丁ちょう（キ61-I丁ひのと）にホ103（翼つばさ砲ほう）とともに搭載とうさいされた。

中なかでも「大だい東亜とうあ決戦けっせん機き」として大戦たいせん後半こうはんの主力しゅりょく戦闘せんとう機きとして、中国ちゅうごく戦線せんせん・フィリピン戦線せんせん・ビルマ戦線せんせん・沖縄おきなわ戦線せんせん・本土ほんど防空ぼうくう戦せんなどに従事じゅうじし、その戦歴せんれきやアメリカ軍ぐんのテストにより「日本にっぽん最優秀さいゆうしゅう戦闘せんとう機き」の評価ひょうかを受うけた四よん式しき戦闘せんとう機き「疾風しっぷう」は、一いち型がた甲きのえ（キ84-I甲かぶと）にて2門もんの機首きしゅ砲ほうホ103とともに翼つばさ砲ほうとして本ほん砲ほうを2門もん、一いち型がた乙おつ（キ84-I乙おつ）にて機首きしゅ砲ほうを本ほん砲ほうに換かわ装そうし、計けい4門もんを装備そうびした。四よん式しき戦せんの総そう生産せいさん数すうは一いち型がた甲かぶとをメインに日本にっぽん陸海りくかい軍ぐん機き第だい3位いとなる約やく3,500機きであり、大戦たいせん後期こうきの主力しゅりょく戦闘せんとう機きであったためホ5を最もっとも多おおく集中しゅうちゅう的てきに装備そうびした機きであった。

また、三さん式しき戦せん「飛燕ひえん」二に型がた（キ61-II改あらため）が搭載とうさいしたハ140の不調ふちょうにより、エンジンをハ112-IIに換かわ装そうし誕生たんじょうした五ご式しき戦闘せんとう機き一いち型がた（キ100-I）もホ103（翼つばさ砲ほう）とともに機首きしゅ砲ほうとして本ほん砲ほうを2門もん搭載とうさいしている。

このほか、元もとは司令しれい部ぶ偵察ていさつ機きである一いち〇〇式しき司令しれい部ぶ偵察ていさつ機き「新司しんじ偵」三さん型がた（キ46-III）はその高性能こうせいのうゆえにB-29撃墜げきついを目めされ、一部いちぶが防空ぼうくう戦闘せんとう機きに転用てんようされ三さん型がた乙おつ（キ46-III乙おつ）と三さん型がた乙おつ+丙へい（キ46-III乙おつ+丙へい）が本ほん砲ほうを機首きしゅに2門もん搭載とうさいし、独立どくりつ飛行ひこう第だい17中隊ちゅうたいなどの防空ぼうくう部隊ぶたいが装備そうびし本土ほんど防空ぼうくう戦せんに従事じゅうじした。

一式いっしき戦せん「隼はやぶさ」三さん型がた（キ43-III）でも本ほん砲ほう2門もんへの換かわ装そう計画けいかくがあったが（キ43-III乙おつ）、試作しさくのみに終おわった。キ43-III乙おつ不ふ採用さいようの経緯けいいについては従来じゅうらい語かたられてきた機体きたい性能せいのうの低下ていかではなく（上昇じょうしょう力りょく・上昇じょうしょう限度げんどはキ43-III甲かぶとよりわずかに劣おとるものの急降下きゅうこうか性能せいのうは向上こうじょう）、既すでにキ43-III甲かぶと用ようの発動はつどう機き架かが大量たいりょうに用意よういされていたためとされる。

なお、遠距離えんきょり戦闘せんとう機き（遠とお戦せん）キ83、高々たかだか度ど戦闘せんとう機きキ87・キ94-II・キ108/キ108改あらためなどの各かく試作しさく機きも搭載とうさい予定よていであった。

搭載とうさい機き

機首きしゅ砲ほうとしてホ5を2門もん、翼つばさ砲ほうとしてホ103を2門もん装備そうびした五ご式しき戦せん一いち型がた（キ100-I）。展示てんじ機きのため砲ほうは取とり除のぞかれている

• 一式いっしき戦闘せんとう機き「隼はやぶさ」（キ43）
• 二に式しき複ふく座ざ戦闘せんとう機き「屠ほふ龍りゅう」（キ45改あらため）
• 三さん式しき戦闘せんとう機き「飛燕ひえん」（キ61）
• 四よん式しき戦闘せんとう機き「疾風しっぷう」（キ84）
• 五ご式しき戦闘せんとう機き（キ100）
• 一いち〇〇式しき司令しれい部ぶ偵察ていさつ機き「新司しんじ偵」（キ46）
• キ102
• 四よん式しき重じゅう爆撃ばくげき機き「飛ひ龍りゅう」（キ67）

他た

現存げんそん砲ほう

日本にっぽん国内こくないでは大阪おおさか府ふ交野かたの市し星田ほしだにて、2005年ねん（平成へいせい17年ねん）3月がつ16日にちに第だい2京阪けいはん道路どうろ工事こうじ作業さぎょう中ちゅうに地中ちちゅうから見みつかったホ5が、同おなじく出土しゅつどしたホ103・ハ40・プロペラ・機体きたい残骸ざんがいとともに同市どうしのスポーツ施設しせつに展示てんじされている。約やく60年ねんが経たっての発見はっけんであるが出土しゅつど品ひんの状態じょうたいは総そうじて良好りょうこうで、ホ5は砲身ほうしん付根つけねが曲まがっているだけで原型げんけいを留とめている。

なおこの出土しゅつど品ひんは、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）7月がつ9日にち正午しょうご頃ごろの同市どうし星田ほしだ村むら上空じょうくうにおけるP-51との空戦くうせんで撃墜げきついされた、飛行ひこう第だい56戦隊せんたい（伊丹いたみ飛行場ひこうじょう駐屯ちゅうとん）所属しょぞく・中村なかむら純一じゅんいち陸軍りくぐん少尉しょうい（死後しご陸軍りくぐん中尉ちゅういに特進とくしん）の搭乗とうじょう機きである三さん式しき戦せん「飛燕ひえん」一いち型がた丁ちょう（キ61-I丁ひのと）ないし二に型がた（キ61-II改あらため）のものであることが判明はんめいしている。中村なかむら中尉ちゅういは被ひ撃墜げきつい時じに乗じょう機きより脱出だっしゅつし落下傘らっかさん降下こうかしたものの、P-51に落下傘らっかさん索さくを切きられ戦死せんし（墜死ついし）しており、遺体いたいは同地どうち住民じゅうみんの手てにより弔とむらわれ同地どうちには慰霊いれい碑ひが建たてられている。

日本にっぽん国外こくがいには一いち定数ていすうが現存げんそんしている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 橋立はしだて伝蔵でんぞう監修かんしゅう『日本にっぽん陸軍りくぐん機きキ番号ばんごうカタログ』文ぶん林堂はやしどう、1997年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん兵器へいき一覧いちらん