マウレタニア・ティンギタナ

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ぞくしゅう位置いち

マウレタニア・ティンギタナラテン語らてんご: Mauritania Tingitana)はマ帝国まていこくぞくしゅうである。領域りょういきは、現在げんざいモロッコ北部ほくぶにあたる。きたはジブラルタル海峡かいきょうめんした半島はんとうまでで、海峡かいきょうめんして州都しゅうとティンギス英語えいごばんげん タンジェ)がある。みなみアトラス山脈さんみゃくきた位置いちするヴォルビリスサラ・コロニアげん ラバト)まで[1]ひがしムルヤがわ英語えいごばんマウレタニア・カエサリエンシスぞくしゅうせっしている。そのぞくしゅうないおも植民しょくみんとしてバナサ(英語えいごばん)、セプテム(英語えいごばん)(げん セウタ)、ルサディール(英語えいごばん)(げん メリリャ)、リクス(英語えいごばん)(げん アライシュ)などがある[2]

歴史れきし[編集へんしゅう]

ローマの属国ぞっこくであったマウレタニアおう プトレマイオス(英語えいごばん)がAD40ねんぼっしたのちマ帝国まていこく皇帝こうていクラウディウスはその国土こくどぞくしゅうとし、東西とうざいに2つに分割ぶんかつして統治とうちした。その西側にしがわ部分ぶぶんがマウレタニア・ティンギタナである。429ねんヴァンダルぞくがジブラルタル海峡かいきょうわたりこの地方ちほう進出しんしゅつするまで、マ帝国まていこくぞくしゅうであった。

ぞくしゅうもっと重要じゅうよう都市としヴォルビリスで、マ帝国まていこくにとって西にしアフリカの経済けいざいおよ政治せいじ中心ちゅうしんであった。肥沃ひよく国土こくど小麦こむぎオリーブ・オイル生産せいさんし、帝都ていとローマ輸出ゆしゅつすることで、このとみをもたらした。考古学こうこがく研究けんきゅうより、このにも通商つうしょうたずさわるユダヤじんコミュニティーがあったことがかっている[3]。そのほか重要じゅうよう産品さんぴんとしては紫色むらさきいろ染料せんりょう高級こうきゅう木材もくざいライオンヒョウなどの動物どうぶつ輸出ゆしゅつされていた。また、マウリじん(ムーアじん優秀ゆうしゅう騎兵きへいとして需要じゅようたかかった。

都市とし一覧いちらん[編集へんしゅう]

マウレタニア・ティンギタナぞくしゅうない主要しゅよう都市とし
ローマ時代じだい都市としめい 同左どうさ ラテン語らてんご表記ひょうき 現代げんだい都市としめい
ぞく州都しゅうと ティンギス Tingis タンジェ(モロッコ)
ヴォルビリス Volubilis
サラ・コロニア Sala Colonia ラバト(モロッコ 首都しゅと
セプテム Septem セウタ(スペイン 飛地とびちりょう
ルサディール Rusadir メリリャ(スペイン 飛地とびちりょう
ユリア・ヴァレンティア・バナサ Iulia Valentia Banasa
リクス Lixus アライシュ(モロッコ)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]