ラウフェイ

ラウフェイまたはナール（古こノルド語ご: Laufey, Nál）は北欧ほくおう神話しんわの巨人きょじんファールバウティの妻つまで、ロキ、ヘルブリンディ、ビューレイストの母ははであった。

彼女かのじょの名めいラウフェイは「葉は（lauf）の島しま（ey）」を意味いみし、木きのケニングとなっている。別名べつめいのナールは「針はり」を意味いみし、『ソルリの話はなし（Sörla þáttr）』ではこの別名べつめいが使つかわれる理由りゆうとして彼女かのじょが「か細ぼそく弱々よわよわしかった」からとしているが、この説明せつめいは疑問ぎもん視しされている。

ラウフェイについては以上いじょうの他ほかは何なにも知しられていないが、息子むすこロキがアース神かみ族ぞくとほぼ同等どうとうに扱あつかわれ、またロキがしばしば「ラウフェイの息子むすこ」「ラウフェイの子こ」「ファールバウティとラウフェイまたはナールの子こ」といったケニングで呼よばれ、父ちちの名なを冠かんしたものよりも母ははの名なを冠かんしたもので呼よばれる場合ばあいが多おおいことから、ラウフェイもまたアース神しん族ぞくの一員いちいんであったとする仮説かせつがある。

ノルウェー南東なんとう、エストフォル県けんフヴァレル地方ちほうのラウエル島とう（Lauer）は、彼女かのじょに由来ゆらいして名なづけられた。

参考さんこう文献ぶんけん

• V.G.ネッケル他た編へん『エッダ 古代こだい北欧ほくおう歌謡かよう集しゅう』谷口たにぐち幸男ゆきお訳わけ、新潮社しんちょうしゃ、1973年ねん、ISBN 978-4-10-313701-6。
• 「スノリ『エッダ』「詩語しご法ほう」訳注やくちゅう」谷口たにぐち幸男ゆきお訳やく、『広島大学ひろしまだいがく文学部ぶんがくぶ紀要きよう』第だい43巻かんNo.特輯とくしゅう号ごう3、1983年ねん。
• ジョン・リンドウ『Norse mythology : a guide to the gods, heroes, rituals, and beliefs』 Oxford University Press 、2002年ねん、ISBN 0-19-515382-0