(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ダンゴウオ科 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ダンゴウオ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ランプフィッシュから転送てんそう
ダンゴウオ
イボダンゴ Eumicrotremus orbis
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
つな : しんひれつな Neopterygii
上目うわめ : とげひれ上目うわめ Acanthopterygii
: カサゴ Scorpaeniformes
: カジカ Cottoidei
うえ : ダンゴウオうえ Cyclopteroidea
: ダンゴウオ Cyclopteridae
英名えいめい
Lumpfishes
Lumpsuckers
下位かい分類ぶんるい
本文ほんぶん参照さんしょう

ダンゴウオ学名がくめいCyclopteridae)は、カサゴカジカ所属しょぞくする魚類ぎょるい分類ぶんるいぐんひとつ。北半球きたはんきゅうつめたいうみ分布ぶんぷし、ダンゴウオホテイウオなど6ぞく27しゅ所属しょぞくする[1]

まるみをびた独特どくとく体型たいけいと、からだひょうおお無数むすう突起とっき、および吸盤きゅうばんじょう変形へんけいしたはらひれ特徴とくちょうのグループである[2]めい由来ゆらいは、ギリシアの「kyklos(円形えんけい)」と「pteryx(ひれ)」から[3]

分布ぶんぷ生態せいたい

[編集へんしゅう]

ダンゴウオ魚類ぎょるいはすべて海水かいすいぎょで、北極ほっきょくかいふくめた北半球きたはんきゅう寒冷かんれいうみ分布ぶんぷする[1]。ほとんどの仲間なかまきた太平洋たいへいようおも生息せいそくいきとし、北大西洋きたたいせいよう分布ぶんぷするものはランプサッカー Cyclopterus lumpus などごく少数しょうすうかぎられる[3]

一般いっぱんそこせいせいで、吸盤きゅうばんじょうはらひれ使つかっていわいた姿すがた観察かんさつされる[4]あさ沿岸えんがん岩礁がんしょうむものから、深海しんかいしかかる大陸棚たいりくだな大陸たいりく斜面しゃめん上部じょうぶ生活せいかつする種類しゅるいまで、分布ぶんぷ水深すいしんはさまざまである[3]例外れいがいてきに、ホテイウオ Aptocyclus ventricosus のように成魚せいぎょ深海しんかい中層ちゅうそう浮遊ふゆう生活せいかつおく種類しゅるいもいる[3][4]

しょくせい肉食にくしょくせいで、おも多毛たもうるい甲殻こうかくるい軟体動物なんたいどうぶつ捕食ほしょくする[3]一部いちぶ種類しゅるいは、みず空気くうきむことでフグのようにからだおおきくふくらませることができる[3]産卵さんらん通常つうじょう沿岸えんがん浅海せんかいおこなわれ、前述ぜんじゅつのホテイウオなどは、繁殖はんしょく沖合おきあいから長距離ちょうきょり回遊かいゆうおこなうことがられる[3][4]ゆうたまご保護ほごする習性しゅうせいをもつ[3]

形態けいたい

[編集へんしゅう]
イボダンゴぞくの1しゅEumicrotremus phrynoides)。風船ふうせんのようなまるからだと、からだひょうおおういぼじょう突起とっき本科ほんか魚類ぎょるい特徴とくちょうである

ダンゴウオ魚類ぎょるいは、まるみをびた球状きゅうじょうからだをもつことがおおきな特徴とくちょうである[1]からだひょうおおくの突起とっきおおわれ、そのかず形態けいたい、および配列はいれつ同定どうていのための重要じゅうよう形質けいしつとなっている[3]

体長たいちょう10cm程度ていど小型こがたしゅおおいが、最大さいだいでは全長ぜんちょう60cmにまで成長せいちょうする[1][3]ぶくろをもたない[3]

フウセンウオ動画どうが

吸盤きゅうばんのように変化へんかしたはらひれは、おなじダンゴウオうえぞくするクサウオ共通きょうつうする特徴とくちょうである[1]りょうグループともにえら開口かいこうちいさく、体側たいそく側線そくせん[1]

背鰭せびれは2つあり、だい1背鰭せびれは4-8ほんとげじょうだい2背鰭せびれは8-13ほんの軟条からなる[1]。クサウオとはことなり、背鰭せびれしりひれ尾鰭おびれ連続れんぞくしない[1]

背鰭せびれ基底きていはいずれもみじかく、だい1背鰭せびれ皮下ひかうずもれることがある[1]しりひれみじかとげじょうき、7-13軟条で構成こうせいされ、だい2背鰭せびれたいざいする[1]えらじょうこつは6ほんで、椎骨ついこつは23-29[3]

ランプフィッシュキャビア

[編集へんしゅう]

ランプフィッシュキャビアとはランプフィッシュのさかなたまごフランスドイツではさかなたまご総称そうしょうキャビアという言葉ことば使用しようする場合ばあいがある。日本にっぽんでは、キャビアとうと、チョウザメたまご場合ばあいおおく、誤解ごかいされやすいが、ランプフィッシュキャビアは、上記じょうきにもべたとおり、ランプフィッシュのさかなたまご意味いみである。ランプフィッシュのたまご本来ほんらいいろうすピンク色ぴんくいろだが、現地げんちではふるくから様々さまざまいろ着色ちゃくしょくされて食用しょくようきょうされていた[5][出典しゅってん無効むこう]比較的ひかくてき安価あんか美味びみ

分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

ダンゴウオにはNelson(2016)の体系たいけいにおいて6ぞく27しゅみとめられている[1]。かつては本科ほんかきんえんのクサウオと1つのとしてまとめられていたほか[6]、ホテイウオ(Aptocyclinae;ホテイウオのみをふくむ)とダンゴウオ(Cyclopterinae)の2設置せっちすることもあった[7]。2015ねん北海道大ほっかいどうだい兵庫ひょうご県立けんりつだい研究けんきゅうチームによりコンペイトウ・コブフウセンウオ・ナメフウセンウオの三種さんしゅどういちしゅであることが確認かくにんされた[8]

ランプサッカー(Cycloterus lumpus)。ヨコヅナダンゴウオともばれる、本科ほんかちゅう最大さいだいしゅたまごはランプフィッシュキャビアとばれ、塩漬しおづけとして利用りようされている。近年きんねん資源しげんりょう減少げんしょういちじるしい[2]
ダンゴウオ Lethotremus awae (ダンゴウオぞく)。北日本きたにっぽん沿岸えんがん普通ふつうにみられる、体長たいちょう4cm程度ていど小型こがたしゅからだしょくには変化へんかおお[4]
ホテイウオ Aptocyclus ventricosus (ホテイウオぞく)。空気くうきみ、からだふくらませた状態じょうたい北海道ほっかいどうでは「ゴッコ」ともばれ、郷土きょうど料理りょうりゴッコじる材料ざいりょうとして珍重ちんちょうされる[4]
  • イボダンゴぞく Eumicrotremus
    • イボダンゴ Eumicrotremus orbis
    • コンペイトウ Eumicrotremus asperrimus
    • ナメダンゴ Eumicrotremus taranetzi
    • ヒゲダンゴ Eumicrotremus barbatus
    • ヒラダンゴ Eumicrotremus schmidti
    • フウセンウオ Eumicrotremus pacificus
    • Eumicrotremus andriaschevi
    • Eumicrotremus derjugini
    • Eumicrotremus eggvinii
    • Eumicrotremus fedorovi
    • Eumicrotremus gyrinops
    • Eumicrotremus phrynoides
    • Eumicrotremus soldatovi
    • Eumicrotremus spinosus
    • Eumicrotremus tartaricus
    • Eumicrotremus terraenovae
  • オキフウセンウオぞく Cyclopteropsis
    • コブフウセンウオ Cyclopteropsis bergi
    • ナメフウセンウオ Cyclopteropsis lindbergi
    • Cyclopteropsis brashnikowi
    • Cyclopteropsis inarmatus
    • Cyclopteropsis jordani
    • Cyclopteropsis mcalpini
    • Cyclopteropsis popovi
  • ダンゴウオぞく Lethotremus
  • ホテイウオぞく Aptocyclus
  • Cyclopsis ぞく
    • Cyclopsis tentacularis
  • Cyclopterus ぞく

出典しゅってん脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j k 『Fishes of the World Fifh Edition』 pp.494-495
  2. ^ a b 『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.299-300
  3. ^ a b c d e f g h i j k l Cyclopteridae”. FishBase. 2010ねん6がつ12にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e 日本にっぽん海水かいすいぎょ』 pp.242-243
  5. ^ ちょう潜入せんにゅう!リアルスコープハイパー 2014ねん2がつ1にち放送ほうそうぶん
  6. ^ 『Fishes of the World Second Edition』 pp.271-273
  7. ^ 『Fishes of the World Third Edition』 p.328
  8. ^ “ダンゴウオ:別種べっしゅ80ねん以上いじょうじつどういちしゅ 北大ほくだい研究けんきゅうチーム”. 毎日新聞まいにちしんぶん (毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ). (2015ねん2がつ22にち). オリジナルの2015ねん2がつ22にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150222015118/http://mainichi.jp/select/news/20150222k0000e040093000c.html 2019ねん11月3にち閲覧えつらん 
  9. ^ 中層ちゅうそう遊泳ゆうえいせいのダンゴウオるいとしてかつて記載きさいされていた Pelagocyclus vitiazi は、ほんしゅシノニムである(『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.338-339)。

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fifth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2016ねん ISBN 978-1-118-34233-6
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Third Edition』 Wiley & Sons, Inc. 1994ねん ISBN 0-471-54713-1
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Second Edition』 Wiley & Sons, Inc. 1984ねん ISBN 0-471-86475-7
  • Gene S. Helfman, Bruce B. Collette, Douglas E. Facey, Brian W. Bowen 『The Diversity of Fishes Second Edition』 Wiley-Blackwell 2009ねん ISBN 978-1-4051-2494-2
  • 岡村おかむらおさむあまおか邦夫くにお監修かんしゅう日本にっぽん海水かいすいぎょやま溪谷社けいこくしゃ 1997ねん ISBN 4-635-09027-2

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]