レーシャ・ウクライーンカ

レーシャ・ウクライーンカ Леся Українка
誕生たんじょう	1871年ねん2月がつ25日にち ロシア帝国ていこく ヴォルィーニ県けん ノヴォフラード・ヴォルィーンシクィイ
死没しぼつ	(1913-08-01) 1913年ねん8月がつ1日にち（42歳さい没ぼつ） ロシア帝国ていこく スラミ
職業しょくぎょう	詩人しじん、作家さっか、文学ぶんがく者しゃ
国籍こくせき	ウクライナ
市民しみん権けん	ロシア帝国ていこく
代表だいひょう作さく	『森もりの歌うた』
親族しんぞく	父ちち:ペトロ・アントノヴィチ・コサッチ、母はは:オレーナ・プチールカ、姉あね:オーリハ・ペトロヴナ・コザハ・クリヴィニウク
署名しょめい
ウィキポータル 文学ぶんがく

レーシャ・ウクライーンカ（ウクライナ語ご: Леся Українка；1871年ねん2月がつ25日にち‐1913年ねん8月がつ1日にち）は、ウクライナの女性じょせい作家さっか、詩人しじん、翻訳ほんやく者しゃ、文学ぶんがく評論ひょうろん家か。レーシャ・ウクラインカとも。本名ほんみょうはラルィーサ・クウィートカ・コーサチュ（Лариса Квітка-Косач）。ウクライナの女性じょせい作家さっかオレーナ・プチールカの娘むすめ、啓蒙けいもう家かのムィハーイロ・ドラホマーノウの姪めい。

概要がいよう

1871年ねん2月がつ25日にちにロシア帝国ていこくヴォルィーニ県けん ノヴォフラード・ヴォルィーンシクィイ町まちで生うまれた。青年せいねん時代じだいは西にしウクライナのヴォルィーニ地方ちほうで過すごした。幼おさない頃ころから病弱びょうじゃくで、結核けっかくを患わずらっていた。学校がっこうや大学だいがくなどへ行いけなかったが、人文じんぶん科学かがくを中心ちゅうしんとした家庭かてい教育きょういくを受うけた。治療ちりょうのためにしばしば南方なんぽうのクリミア、グルジア、イタリア、エジプトなどを訪おとずれた。ギリシア語ご、ラテン語らてんご、英語えいご、ドイツ語ご、イタリア語ご、フランス語ふらんすご、ベラルーシ語ご、ポーランド語ご、ロシア語ごなど幾いくつかの外国がいこく語ごを完璧かんぺきに使つかいこなし、ハインリヒ・ハイネ、ヴィクトル・ユーゴー、ジョージ・ゴードン・バイロン、アダム・ミツキェヴィチ、ホメーロスなどの作品さくひん、1902年ねんにはマルクス・エンゲルスの『共産党きょうさんとう宣言せんげん』のウクライナ語ご訳やくを完成かんせいさせた。1890年ねんに妹いもうとのために『東洋とうよう民族みんぞくの古代こだい史し』という教科書きょうかしょを著あらわした。文学ぶんがく界かいにデビューしたのは1884年ねんである。リヴィウの雑誌ざっし『星ほし』で「鈴蘭すずらん」と「サッポー」という二ふたつの詩しを発表はっぴょうした。当時とうじから「レーシャ・ウクライーンカ」（ウクライナ人じんのレーシャ）の筆名ひつめいも使つかい始はじめた。1893年ねんに『歌うたの翼つばさの上うえに』、1899年ねんに『思おもいと夢ゆめ』、1902年ねんに『反響はんきょう』などの詩集ししゅうを出版しゅっぱんした。

イヴァン・トゥラーシュ画が「レーシャ・ウクライナカの肖像しょうぞう」（1900年ねん）

左ひだり:オルハ・コビリアンスカとレーシャ（1901年ねん）

イヴァン・フランコ、ムィハーイロ・フルシェーウシクィイをはじめ、多おおくのウクライナの知識ちしき人じんと交流こうりゅうを持もち、女性じょせい解放かいほう運動うんどうやウクライナ民族みんぞく解放かいほう運動うんどうに関かかわり、詩人しじんの役目やくめは自民じみん族ぞくを目覚めざめさせることにあると信しんじた。晩年ばんねんに詩劇しげきの作家さっかとして頭角とうかくをあらわし、20以上いじょうの作品さくひんを書かいた。その中なかには『青あおい薔薇ばら』（1896年ねん）、『夢中むちゅう』（1901年ねん）、『秋あきの昔話むかしばなし』（1905年ねん）、『地下ちか墓地ぼちにて』（1905年ねん）、『カッサンドラ』（1907年ねん）、『森林しんりん中ちゅう』（1909年ねん）、『貴族きぞく婦人ふじん』（1910年ねん）、『地ちの原はらにて』（1910年ねん）、『マルティアン弁護士べんごし』（1911年ねん）、『岩いわの主あるじ』（1912年ねん）、『狂きょう宴えん』（1913年ねん）などがある。最高さいこう作さくは、古代こだいウクライナの多神教たしんきょうの神話しんわなどをモチーフに、人界じんかいの男性だんせいと神かみ界かいの女性じょせいの愛あいを描えがいた『森もりの歌うた』（1911年ねん）という詩劇しげきである。『森もりの歌うた』はバレエやオペラが作つくられている。文学ぶんがく評論ひょうろん家かとして「ブコヴィナにおける小しょうロシア作家さっか」（1900年ねん）、「近代きんだいイタリア文学ぶんがくにおける二ふたつの傾向けいこう」、「近代きんだいポーランド文学ぶんがく論ろん」、「近代きんだい社会しゃかい演劇えんげき」、「文学ぶんがくにおける理想郷りそうきょう」などを著あらわした。1913年ねん8月がつ1日にち、グルジアのスラミ市し（現げんトビリシ）で病死びょうしした。キエフのバキコヴェ墓地ぼち に葬ほうむられた。

生誕せいたん100周年しゅうねんを記念きねんしたソビエト連邦れんぽうの切手きって（1971年ねん）

生誕せいたん150周年しゅうねん切手きって『森もりの歌うた』のルカシュとマフカ。ソフィア・カラッファ＝コルバウト 画が（2020年ねん）

生誕せいたん150周年しゅうねん記念きねん（銀貨ぎんか）（2021年ねん）

参考さんこう文献ぶんけん

• （日本語にほんご） 伊東いとう孝之たかゆき, 井内いうち敏夫としお, 中井なかい和夫かずお編へん　『ポーランド・ウクライナ・バルト史し』 (世界せかい各国かっこく史し; 20)－東京とうきょう: 山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ, 1998年ねん. ISBN 9784634415003
• （日本語にほんご） 黒川くろかわ祐次ゆうじ『物語ものがたりウクライナの歴史れきし : ヨーロッパ最後さいごの大国たいこく』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ 1655〉、2002年ねん。ISBN 4121016556。 NCID BA58381220。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:20312319。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003673751-00。 
• （ウクライナ語ご） Леся Українка. Документи і матеріали. 1871—1970. К. 1971

関連かんれん文献ぶんけん

• 原田はらだ義也よしや「レーシャ・ウクラインカ再読さいどく : ウクライナ文学ぶんがくにおけるナショナル・アイデンティティ」『スラヴ研究けんきゅう』第だい54巻かん、北海道大学ほっかいどうだいがくスラブ研究けんきゅうセンター、2007年ねん、207-224頁ぺーじ、2024年ねん3月がつ3日にち閲覧えつらん。 

外部がいぶリンク

• （英語えいご） 「レーシャ・ウクライーンカ」『ウクライナ大だい辞典じてん』
• （ウクライナ語ご） レーシャ・ウクライーンカの作品さくひん
• （ウクライナ語ご） レーシャ・ウクライーンカのオンライン事典じてん
• （ウクライナ語ご） 『森もりの歌うた』（ソ連それん時代じだいの映画えいが）

関連かんれん項目こうもく

• マフカ 森もりの歌うた - レーシャ・ウクライーンカ作品さくひん『森もりの歌うた』を原作げんさくとしたウクライナのアニメ
• レーシャ・ウクライーンカ博物館はくぶつかん