ヴォルター式しき望遠鏡ぼうえんきょう

ヴォルター望遠鏡ぼうえんきょうの3種類しゅるいの構成こうせい

チャンドラX線せん観測かんそく衛星えいせいのヴォルター望遠鏡ぼうえんきょうの図ず

ヴォルター式しき望遠鏡ぼうえんきょう（ヴォルターしきぼうえんきょう、英えい: Wolter telescope）はX線せん用ように設計せっけいされた望遠鏡ぼうえんきょうである。

反射はんしゃ面めんに対たいする角度かくどとして定義ていぎした時ときの入射にゅうしゃ角かくが微小びしょうな角度かくどの反射はんしゃを用もちいる。通常つうじょう、可視かし光線こうせんにおいてはレンズによる屈折くっせつや放物線ほうぶつせん形状けいじょうの鏡かがみで光ひかりを反射はんしゃさせることにより、望遠鏡ぼうえんきょうをつくることができる。これに対たいして、X線せんは屈折くっせつを起おこさせる材質ざいしつはあるものの（但ただしX線せんの屈折くっせつ率りつは1より小ちいさい為ため、可視かし光用みつもちレンズとは逆ぎゃくの両りょう凹型の形状けいじょうで集しゅう光ひからし、又また単たん段だんでの屈折くっせつ率りつは低ひくく一般いっぱんに多段ただんに重かさねる必要ひつようがある）、望遠鏡ぼうえんきょうに使つかえる程ほどの透過とうか率りつの物質ぶっしつは無ない。また、鏡面きょうめんに対たいして垂直すいちょくに近ちかい入射にゅうしゃ領域りょういきでは、X線せんは反射はんしゃしないで、散乱さんらんもしくは吸収きゅうしゅうされてしまうので、従来じゅうらいの方式ほうしきでX線せんを観測かんそくする望遠鏡ぼうえんきょうを製造せいぞうすることは困難こんなんである。

反射はんしゃ面めんに対たいする角度かくどが極きわめて小ちいさい入射にゅうしゃの領域りょういき（一般いっぱん的てきには10分ふんから2度ど程度ていどまで）ならば、X線せんは反射はんしゃを起おこすため、X線せん用ようの鏡かがみを作つくることができる。このような鏡かがみは、斜はす入射にゅうしゃ鏡きょう (grazing incidence mirror) と呼よばれる。1952年ねん、ドイツの物理ぶつり学者がくしゃハンス・ヴォルターは、このような鏡かがみのみを用もちいて作つくることのできる望遠鏡ぼうえんきょうの設計せっけい方法ほうほうを3種類しゅるい提示ていじした。これらは、I型がた、II型がた、III型がたと呼よばれていて、それぞれに長所ちょうしょ・欠点けってんがある。

チャンドラX線せん観測かんそく衛星えいせいやXMM-Newtonなどで、この望遠鏡ぼうえんきょうは使つかわれている。

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