XMM-Newton

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XMM-Newton
XMM-Newton
XMM-Newton 模型もけい
所属しょぞく ESA
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ Dornier Satellitensysteme
(プライムコントラクター)
公式こうしきページ ESA Science & Technology: XMM-Newton
国際こくさい標識ひょうしき番号ばんごう 1999-066A
カタログ番号ばんごう 25989
状態じょうたい 運用うんようちゅう
目的もくてき Xせん天文学てんもんがく
計画けいかく期間きかん 2年間ねんかん以上いじょう
打上うちあ アリアン5G
打上うちあ日時にちじ 1999ねん12月10にち
物理ぶつりてき特長とくちょう
最大さいだい寸法すんぽう 16 m
太陽たいよう電池でんちパドルつばさはしあいだ
質量しつりょう 3800 kg
姿勢しせい制御せいぎょ方式ほうしき 3じく姿勢しせい制御せいぎょ
軌道きどう要素ようそ
軌道きどう 楕円だえん軌道きどう
きんてん高度こうど (hp) 7,000 km
とおてん高度こうど (ha) 114,000 km
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 40
軌道きどう周期しゅうき (P) 48あいだ
観測かんそく機器きき
EPIC The three European Photon Imaging Cameras
RGS The two Reflection Grating Spectrometers
OM Optical Monitor
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XMM-Newton (X‐ray Multi-Mirror Mission ‐ Newton) は、欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん (ESA) のXせん観測かんそく衛星えいせいである。名前なまえアイザック・ニュートンからている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

計画けいかく当初とうしょHigh Throughput X‐ray Spectroscopy MissionばれていたXMM-Newtonは、1999ねん12がつ10日とおかに、フランスりょうギアナにある欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん(ESA)のギアナ宇宙うちゅうセンターからアリアン5ロケットによりげられた。XMM-Newtonは軌道きどう傾斜けいしゃかく40遠地点えんちてん高度こうど114,000km、きん地点ちてん高度こうど7,000kmの楕円だえん軌道きどうせられ、軌道きどう周期しゅうきは48あいだである。

このミッションは1984ねん提案ていあんされ、1985ねん承認しょうにんされた。1993ねんにプロジェクトチームが正式せいしき発足ほっそくし、1996ねん開発かいはつ開始かいしされた。衛星えいせい製作せいさく試験しけん1997ねん3月から1999ねん9がつにかけておこなわれた。当初とうしょの2年間ねんかんのミッションとして計画けいかくされていたが、衛星えいせい状態じょうたい良好りょうこうであることから幾度いくどもミッションが延長えんちょうされており、2016ねん11月には2018ねん12月31にちまでの延長えんちょう決定けっていされた[1]観測かんそく実行じっこうとデータの蓄積ちくせきは、スペインにあるESAの宇宙うちゅう科学かがくセンターによっておこなわれている。また、イギリスライセスター大学だいがく設置せっちされたXMM-Newtonサーベイ科学かがくセンターにもデータアーカイブが設置せっちされている。

衛星えいせい[編集へんしゅう]

衛星えいせいおもさは3800kgで、ながさ10.8mのXせん望遠鏡ぼうえんきょう搭載とうさいしている。Xせん望遠鏡ぼうえんきょうは3あり、それぞれ58まいヴォルターIしき反射はんしゃきょうそな[2]そうしゅうこう面積めんせきは4,300平方へいほうcmである。EPIC (The three European Photon Imaging Cameras) は、0.2KeVから12KeVのXせん感度かんどつカメラである。スペクトルの分析ぶんせき補完ほかんするため、3望遠鏡ぼうえんきょうのうちの2には2.5KeV以下いかのXせん分散ぶんさんさせて観測かんそくする Reflection Grating Spectrometer (RGS) がそなけられている[3][4]。また、Xせん観測かんそくする天体てんたい同時どうじ可視かしこうおよ紫外線しがいせん波長はちょう観測かんそくするため、Optical Monitor (OM) とばれる口径こうけい30cmのリッチー・クレチアンしき望遠鏡ぼうえんきょう搭載とうさいされている[3]

主要しゅよう成果せいか[編集へんしゅう]

XMM-Newtonは、地球ちきゅうから100おく光年こうねん距離きょりにあるだい質量しつりょう銀河ぎんがだんXMMXCS 2215-1738[5]、70おく光年こうねん距離きょりにある銀河ぎんがだん2XMM J0830[6]発見はっけんした。SCP 06F6という天体てんたいは、2006ねん2がつハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう (HST) によって発見はっけんされたが、2006ねん8がつおこなわれたXMM-Newtonによる観測かんそくによって、超新星ちょうしんせいよりも2けたあかるいXせん検出けんしゅつされた[7][8]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ TWO-YEAR EXTENSIONS CONFIRMED FOR ESA'S SCIENCE MISSIONS”. 欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん (2016ねん11月22にち). 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  2. ^ X-RAY MIRRORS”. 欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん (2013ねん4がつ3にち). 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ a b INSTRUMENTS”. 欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん (2015ねん8がつ18にち). 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  4. ^ 田村たむら隆幸たかゆき (2003ねん). “Xせん天文てんもん衛星えいせい XMM-Newton”. 宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう 宇宙うちゅう科学かがく情報じょうほう解析かいせきセンター. 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  5. ^ Massive galaxy cluster found 10 billion light years away”. Space & Earth magazine (2006ねん6がつ6にち). 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  6. ^ Dr. Emily Baldwin (2008ねん8がつ27にち). “XMM discovers monster galaxy cluster”. Astronomy Now. 2017ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  7. ^ Brumfiel, Geoff (2008). “How they wonder what you are”. Nature. doi:10.1038/news.2008.1122. ISSN 0028-0836. 
  8. ^ Gänsicke, Boris T.; Levan, Andrew J.; Marsh, Thomas R.; Wheatley, Peter J. (2009). “SCP 06F6: A CARBON-RICH EXTRAGALACTIC TRANSIENT AT REDSHIFTz≃ 0.14?”. The Astrophysical Journal 697 (2): L129-L132. arXiv:arXiv:0809.2562v2. Bibcode2009ApJ...697L.129G. doi:10.1088/0004-637X/697/2/L129. ISSN 0004-637X. 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]