ニール・ゲーレルス・スウィフト

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニール・ゲーレルス・スウィフト
Neil Gehrels Swift Observatory
Swift
基本きほん情報じょうほう
NSSDC ID 2004-047A
所属しょぞく NASA / ゴダード宇宙うちゅう飛行ひこうセンター
しゅ製造せいぞう業者ぎょうしゃ Spectrum Astro
打上うちあ日時にちじ 2004-11-20 17:16:00 UTC
打上うちあ場所ばしょ SLC 17
ケープカナベラル空軍くうぐん基地きち
打上うちあ Delta II 7320-10C
ミッション期間きかん 6 ねん [1]
(19ねん5かげつと8にち経過けいか)
質量しつりょう 1470.0 kg
軌道きどう高度こうど 600 km
軌道きどう周期しゅうき ~ 90 ふん
形式けいしき coded mask (BAT)
Wolter I (XRT)
Ritchey-Chrétien (UVOT)
観測かんそく波長はちょう γ線がんませんXせんUV可視かしこう
口径こうけい 30 cm (UVOT)
開口かいこう面積めんせき 5,200 cm² (BAT)
焦点しょうてん距離きょり 381 cm (UVOT)
観測かんそく装置そうち
BAT Burst Alert (gamma-ray) Telescope
XRT X-Ray Telescope
UVOT UltraViolet・Optical telescope
公式こうしきサイト http://swift.gsfc.nasa.gov
テンプレートを表示ひょうじ

ニール・ゲーレルス・スウィフト[2] (The Neil Gehrels Swift Observatory[3]) 、旧称きゅうしょうスウィフト (The Swift Gamma-Ray Burst Mission) は、2004ねん11月20にちデルタIIによってげられたガンマ線がんませんバースト観測かんそく衛星えいせいである。NASAエクスプローラー計画けいかくの、とくにMIDEX (Medium-class Explorer)のひとつとして、アメリカイギリスイタリアによって共同きょうどう開発かいはつされた。NASAのゴダード宇宙うちゅう飛行ひこうセンターによって運用うんよう管理かんりされている。2018ねん1がつ10日とおか、このミッションをひきいたゴダード宇宙うちゅう飛行ひこうセンターの主任しゅにん研究けんきゅういんニール・ゲーレルス英語えいごばん(2017ねん2がつ6にちぼつ)のこうたたえて、この宇宙うちゅうを「ニール・ゲーレルス・スウィフト (Neil Gehrels Swift Observatory)」と改称かいしょうすることが発表はっぴょうされた[2]

概要がいよう[編集へんしゅう]

スウィフトは複数ふくすう波長はちょう観測かんそくできる宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうで、ガンマ線がんませんバーストの研究けんきゅう利用りようされている。3種類しゅるい観測かんそく機器きき搭載とうさいしており、ガンマ線がんませんXせん紫外線しがいせん可視かしこうかく領域りょういきで、ガンマ線がんませんバーストとそのざんこう観測かんそくすることができる。

スウィフトは"BAT"とばれる視野しやひろガンマ線がんません望遠鏡ぼうえんきょう天空てんくう監視かんししており、ガンマ線がんませんバーストの発生はっせい検知けんちすると、モーメンタムホイール利用りようして、地上ちじょうからの管制かんせいなしに衛星えいせいをその方向ほうこうけることができる。この素早すばやきをえる様子ようすから「Swift」(和名わみょうアマツバメ)と命名めいめいされた。「Swift」という名前なまえなにかの頭文字かしらもじならべたものではない。スウィフトの観測かんそくデータはすべ地上ちじょうおくられ、プロジェクトに参加さんかしている研究けんきゅうしゃ利用りようできるようになっている。

また、スウィフトがガンマ線がんませんバーストを検出けんしゅつすると、その情報じょうほうただちに地上ちじょう研究けんきゅうしゃ通知つうちされる。これにより、地上ちじょう大型おおがた望遠鏡ぼうえんきょう使用しようしてバースト直後ちょくご天体てんたい詳細しょうさい観測かんそくすることも可能かのうとなった。

ガンマ線がんませんバーストが発生はっせいしていないときあいだたいには、外部がいぶ研究けんきゅうしゃ目的もくてきでの利用りよう依頼いらいすることもできる。

衛星えいせい指令しれいおくるスウィフト・ミッション・オペレーティング・センターはペンシルベニアしゅうステートカレッジにあり、ペンシルベニア州立しゅうりつ大学だいがくとその下請したうけ企業きぎょう運営うんえいしている。しゅたる地上ちじょう基地きちケニア沿岸えんがんマリンディにあり、イタリア宇宙うちゅう機関きかん運営うんえいしている。データセンターはゴダード宇宙うちゅう飛行ひこうセンターレスター大学だいがくにある。

衛星えいせいはSpectrum Astroしゃ(現在げんざいジェネラル・ダイナミクス買収ばいしゅうされている)によって製造せいぞうされた。

観測かんそく装置そうち[編集へんしゅう]

スウィフトは3種類しゅるい観測かんそく装置そうち搭載とうさいし、ガンマ線がんません・Xせん紫外線しがいせん可視かし光線こうせんわたひろ領域りょういきガンマ線がんませんバーストとそのざんこう観測かんそくすることができる。

Burst Alert Telescope (BAT)
2ステラジアンひろ視野しやをもつガンマ線がんません(15-150k電子でんしボルト望遠鏡ぼうえんきょうで、ガンマ線がんませんバーストの検出けんしゅつ使用しようされる。バーストを発見はっけんすると探査たんさ姿勢しせいえてくわしい観測かんそくはじめる。年間ねんかんおよそ100ガンマ線がんませんバーストがBATにより発見はっけんされている[4]
Xせん望遠鏡ぼうえんきょう (X-ray Telescope, XRT)
BATが検出けんしゅつしたガンマ線がんませんバーストをXせん(0.3-10k電子でんしボルト)でつい観測かんそくする。ざんこうスペクトル観測かんそくするほか、バーストの位置いちしぼみにも利用りようされる。XRTはJET-X宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうのために開発かいはつされたハードウェアをもとにしている[4]
むらさきがい/可視かしこう望遠鏡ぼうえんきょう (UV/Optical Telescope, UVOT)
XRTと同様どうようにバーストのつい観測かんそく使用しようされる。ざんこう紫外線しがいせん可視かしこう(170-600ナノメートル)で観測かんそくし、0.5びょうかく精度せいど発生はっせい位置いち特定とくていできる。あかるいざんこうではスペクトルの観測かんそく可能かのうで、その場合ばあいあか方偏かたへんうつりもとづいてバーストまでの距離きょりはかることができる。XMMニュートン搭載とうさい機器ききの1つである可視かしこうモニター (OM) を設計せっけいのベースとしている[4]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]