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デルタロケット

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デルタ (ロケット)から転送てんそう
デルタロケットファミリー

デルタ (Delta) ロケットは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく開発かいはつ運用うんようされている人工じんこう衛星えいせいよう中型ちゅうがたロケット。40ねん以上いじょうちょうきにわたって改良かいりょうくわえつつ打上うちあげが継続けいぞくされている。最新さいしんデルタIVシリーズはだい1だんしん設計せっけいされた大型おおがたロケットであり、2002ねんはつ飛行ひこうし、2004ねん12月にはHeavyコンフィギュレーション機体きたいはつ飛行ひこうした。

歴史れきし

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デルタDロケットによる通信つうしん衛星えいせいインテルサットいちごうげ(ケープ・カナベラル、1965ねん4がつ6にち

デルタは元々もともとソー中距離ちゅうきょり弾道弾だんどうだん (IRBM)もと段式だんしき打上うちあげロケットへと発展はってんさせたソーロケットシリーズが母体ぼたいになっている。「デルタ」はソーの2だん(のひとつ)の名称めいしょうであり、本来ほんらいは「ソー・デルタ」だったが、アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく (NASA) が軍事ぐんじよう打上うちあげにもちいるさいにデルタと改称かいしょうしたものである。製造せいぞうはダグラスしゃマクドネル・ダグラスしゃ現在げんざいボーイングしゃ吸収きゅうしゅうされている)。

はつ飛行ひこう1960ねんで、このとき失敗しっぱいしたが以後いご順調じゅんちょう成功せいこうおさめ、改良かいりょうがたがデルタA-Nまで様々さまざま形態けいたいもちいられた。さらに、デルタ0300・1914・2914などのモデルがつづいたが、スペースシャトル就役しゅうえきにより1980年代ねんだい中盤ちゅうばん一旦いったん生産せいさんられた。

しかし、1986ねん1がつ28にちチャレンジャーごう爆発ばくはつ事故じこによりシャトルの運用うんよう中断ちゅうだん、シャトルによる民間みんかん衛星えいせい打上うちあげも以後いご中止ちゅうしされたため、デルタの開発かいはつ生産せいさん再開さいかいされた。この結果けっか、デルタII(デルタ2)とばれる一連いちれんのシリーズ(6900/7900番台ばんだい)が誕生たんじょうし、1989ねんから運用うんよう開始かいしされ、現在げんざいいたっている。

1960ねん以来いらいデルタの1だんは、エンジンこそLR79-7→MB3-1→MB3-3→RS-27 (A/C) とわったものの、一貫いっかんして推進すいしんざい液体えきたい酸素さんそ/ケロシン使つかった液体えきたい燃料ねんりょうロケットエンジンもちいている。1だん直径ちょっけいは2.4 mであるが、ながさは燃料ねんりょうタンクの増量ぞうりょうともななん延長えんちょうされている。

だい2だんストラップ・オン・ブースター増強ぞうきょうすることで能力のうりょく倍増ばいぞうさせたデルタIIIが開発かいはつされたが、失敗しっぱいつづいたために信用しんようきずくことができず、また後継こうけいのデルタIVの完成かんせいちかづきデルタIIIを存続そんぞくさせる意義いぎうしなわれたため、3号機ごうきげをもって退役たいえきするはこびとなっている[1]

しん設計せっけいしただい1だんとデルタIIIのだい2だんわせた[1]デルタIVシリーズは、ちゅうりょうきゅう機体きたい2002ねん11月と2003ねん3がつ打上うちあげに成功せいこうし、重量じゅうりょうきゅう2004ねん12月と2009ねん1がつげられた。エンジンのバルブ、ねつ交換こうかんだい2だん液体えきたい水素すいそタンクを三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう[1]酸化さんかざいタンクをボーイングが、それぞれ製造せいぞうしている。

デルタロケットは、これまでにシリーズをとおして300ちか打上うちあげげがおこなわれている。最新さいしんのデルタIVシリーズは、アメリカの軍事ぐんじ衛星えいせいアメリカ国家こっか偵察ていさつきょく(NRO)やアメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく (NASA) などのかく政府せいふ機関きかん衛星えいせいげるために開発かいはつされたもので、どう趣旨しゅし開発かいはつされたアトラスVともに、軍事ぐんじ衛星えいせいなどのげの中核ちゅうかくをなしてきた[2]

日本にっぽんN-IおよびN-IIロケットはデルタの技術ぎじゅつ導入どうにゅうしてつくられており[3][4]主要しゅよう部分ぶぶん米国べいこくせいである。H-Iについても1だんはデルタようしゅエンジンと固体こたい燃料ねんりょうロケットブースターを使用しようしており[5]米国べいこくせい技術ぎじゅつ割合わりあいたかい(詳細しょうさいかくロケットの項目こうもく参照さんしょう)。

形式けいしき構成こうせい

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初期しょきのデルタ(ソー・デルタ)

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MB-3 ブロック II エンジンをそなえる。推力すいりょく従来じゅうらいの680 kNから760 kNに増強ぞうきょうされた。

13号機ごうきでEPE2、14号機ごうきで EPE3をげた。

  • 上段じょうだんがAJ10-118Dに更新こうしんされた。3ftタンクが延長えんちょうされ、よりこうエネルギーの酸化さんかざい使用しようされ、半導体はんどうたい素子そしもちいた誘導ゆうどう装置そうち搭載とうさいされた。
  • デルタ計画けいかくは'暫定ざんてい'から'運用うんよう'状態じょうたいになった。
  • 91 kgを静止せいしトランスファ軌道きどう投入とうにゅうする能力のうりょくゆうする。

15号機ごうきによって1962ねん12月13にちNASAの2番目ばんめ通信つうしん衛星えいせいであるリレー 1げられた。NASAにとって最初さいしょ能動のうどうてき衛星えいせいだった。

16号機ごうきによって1963ねん2がつ13にち17b射場しゃじょうからシンコム1ごうげられた。チオコールせいのスター13B固体こたい燃料ねんりょうロケットが軌道きどう投入とうにゅう使用しようされた。

1963ねん7がつ26にち、シンコム2ごう太陽たいよう同期どうき軌道きどう投入とうにゅうされたがデルタロケットの性能せいのう制約せいやくにより軌道きどうが33°傾斜けいしゃした。

  • 3だん従来じゅうらいのアルタイルからスカウトロケットに使用しようするため開発かいはつされたABL X-258をそなえたアルタイル2にかわそうした。76 mmながくなり、10%おもくなったが推力すいりょくけい65%えた。
試験しけんてき太陽たいよう観測かんそく衛星えいせいOSO-4をげた。
  • 推力すいりょく増強ぞうきょうがたのデルタロケットとしてられる。
  • 推力すいりょく増強ぞうきょうがたのデルタCにキャスター 1固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットを3ほんそなえる。

25号機ごうきは1964ねん8がつ19にち.最初さいしょ静止せいし通信つうしん衛星えいせいであるシンコム 3ごうげた。
30号機ごうきは1965ねん4がつ6にちインテルサット1ごうげた。

  • 推力すいりょく増強ぞうきょうがたのデルタロケットとしてられる。
  • 1965ねん
  • デルタDよりも45 kgおも静止せいしトランスファ軌道きどう投入とうにゅうできる。
  • キャスター2はキャスター1固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットと比較ひかくしてどう規模きぼ推力すいりょく燃焼ねんしょう時間じかんながい。
  • MB-3 ブロック III コアエンジンは推力すいりょくが8.9 kNおおきい。
  • 2だんAJ10-118Eを採用さいようし、直径ちょっけい従来じゅうらいの0.84 mから1.40 mに拡大かくだいされた。エンジン燃焼ねんしょう時間じかんは2ばいになった。
  • さい着火ちゃっか回数かいすう無制限むせいげんにするため加圧かあつようヘリウムタンクが追加ついかされた。
  • 3だんはアルタイル2またはFW-4Dの2機種きしゅ選択せんたく可能かのうだった。のちにデルタE1としてくわえられた。
  • アジェナからあたらしいフェアリングが導入どうにゅうされた。

1965ねん11月6にち最初さいしょのデルタEによって気象きしょう衛星えいせいGEOS 1がげられた。

製作せいさくされなかった[6]

  • デルタEの派生はせい機種きしゅで2段式だんしき
  • 生物せいぶつ衛星えいせい1ごうと2ごうげに使用しようされた。

1号機ごうきが1966ねん12月14にち. 生物せいぶつ衛星えいせい1ごうげに使用しようされた。
2号機ごうきが1967ねん9がつ7にち. 生物せいぶつ衛星えいせい2ごうげに使用しようされた。

  • より大型おおがたチオコール スター37D固体こたい燃料ねんりょうロケットを3だん使用しよう
  • 1968ねん7がつ4にち; エクスプローラー38ごうげに使用しようされた。

製作せいさくされなかった[6]

  • 1だん推進すいしんざいのタンクを延長えんちょうし、直径ちょっけい8ft (2.4 m) に拡大かくだい胴体どうたいにくびれがない。
  • 3だんユナイテッド・テクノロジーFW-4D 固定こてい燃料ねんりょうモータを採用さいよう
  • 3段式だんしき
  • 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー (MB-3 ブロック III) にキャスター2ブースターを3増設ぞうせつ
  • 3だんにアポジキックモータとしてスター37Dを搭載とうさい
  • 1968ねんから1971ねんにかけて12げに成功せいこう[7]
  • デルタ Mの派生はせい機種きしゅで2段式だんしき
  • 1968ねんから1972ねんにかけて9かい デルタ Nがげられ、8かいげに成功せいこうした[8]

'スーパー シックス'

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  • デルタ Mまたはデルタ N は3ほん固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットをそなえる。
  • 1,000ポンド (450 kg) を静止せいし軌道きどう投入とうにゅうする。

げの信頼しんらいせい

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1969ねんから1978ねんにかけてソーデルタはNASAでもっともおおげられたロケットでけい84かいげられた(スカウトは2番目ばんめおおげられたロケットで32かいげられた)[9]。 NASAは自身じしん衛星えいせいげるだけでなく、同様どうよう政府せいふほか機関きかん外国がいこく政府せいふ人工じんこう衛星えいせいげも実費じっぴげをおこなった。NASA以外いがいの63衛星えいせいがNASAによってげられた。84以外いがいに7失敗しっぱいしくは部分ぶぶんてき失敗しっぱいだった(成功せいこうりつは91.6%だった)[10]

初期しょきのデルタ(数字すうじ形式けいしきのモデル)

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デルタ2000シリーズ(2914)

以後いご4けた数字すうじ構成こうせいあらわ方式ほうしきになった。

4けた (1000): 1だんコアステージ構成こうせい
3けた (100) : 1だん固体こたいブースタ個数こすう (0/3/6/9)
2けた (10) : 2だん構成こうせい
1けた (1) : 3だん構成こうせい
  • デルタ0000 (1972ねんから1973ねんまで使用しよう)
0300, 0900
  • デルタ1000 (1972ねんから1973ねんまで使用しよう)
1604, 1900, 1910, 1913, 1914
  • デルタ2000 (1974ねん1がつから1981ねんごろまで使用しよう)
2310, 2313, 2410, 2910, 2913, 2914
  • デルタ3000 (1975ねん12月から1989ねんごろまで使用しよう)
3910, 3913, 3914, 3920, 3924
4925, 5920

デルタ 904

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1972ねん7がつ23にちランドサット1ごうげではじめて固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットを9ほんそなえ、2だんには改良かいりょうされたAJ10-118Fそなえた仕様しようげられた。このソー・デルタの機種きしゅは904として識別しきべつされる[11]

デルタ 1000シリーズ

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  • 延長えんちょうされたタンクと直径ちょっけい8ft (2.4 m) のフェアリングをそなえる。愛称あいしょう従来じゅうらい機種きしゅられたくびれがない直径ちょっけい8フィートに由来ゆらいする"ストレイト-エイト"である。
  • 9ほんのキャスターII補助ほじょロケットをそなえる。
  • 最初さいしょげに成功せいこうした1000シリーズは1972ねん9がつ22にちエクスプローラー47ごうである[11]

デルタ 2000シリーズ

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  • 新型しんがたロケットダイン RS-27 しゅエンジンと延長えんちょうタンクを特徴とくちょうとする。直径ちょっけいはくびれのない8フィートである。
  • デルタ2910は1975ねんのランドサット2ごうと1978ねんのランドサット3ごうげに使用しようされた。
  • デルタ2914は1977ねん7がつ14にち日本にっぽん気象きしょう衛星えいせいひまわり、1978ねん4がつ7にち放送ほうそう衛星えいせいゆり1ごうげに使用しようされた[12]

デルタ 3000シリーズ

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  • 増強ぞうきょうされたキャスターIV固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットをそなえる。1だんは1000-や2000-とおなじである。
  • 同様どうようにPAM (Payload Assist Module)/スター 48B固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットが導入どうにゅうされた。のちにデルタIIの3だん使用しようされる。
  • デルタ3914は1976ねん5がつにアメリカ政府せいふげの承認しょうにん取得しゅとくした[11]

デルタ 4000シリーズ

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  • ふるいMB-3しゅエンジンを延長えんちょうされたタンクとキャスターIV固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットをそなえる。
  • 2かいだけげられた。
  • はじめてデルタ-Kの2だん使用しようされた。

デルタ 5000シリーズ

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  • 1だんRS-27エンジンと延長えんちょうされたタンクとキャスターIVA固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットをそなえる。
  • 1かいだけ使用しようされた。

デルタ II シリーズ

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デルタIIロケット

デルタIIシリーズはデルタ6000とデルタ7000の2種類しゅるい派生はせい機種きしゅ軽量けいりょうきゅう重量じゅうりょうきゅう)から構成こうせいされる。

デルタ 6000シリーズ

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1986ねんチャレンジャーごう爆発ばくはつ事故じこによりデルタロケットのげが継続けいぞくされるようになりデルタII開発かいはつされた。

  • 延長えんちょうがたタンクを1だんそなえ12フィートぶん推進すいしんざい搭載とうさいりょうえた。
  • キャスター IVA固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットが導入どうにゅうされた。に6ほん点火てんかされ飛行ひこうちゅうに3ほん点火てんかされる。
  • デルタ6900 (1989ねん2がつはつ飛行ひこう)
6925

デルタ 7000シリーズ

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  • しゅエンジンにRS-27A導入どうにゅうし、こう高度こうどてい高度こうどにおける効率こうりつ改善かいぜんした
  • ハーキュリーズしゃATK)のGEM-40固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットを導入どうにゅうした。全長ぜんちょうびたが軽量けいりょうされたことにより積載せきさいりょうえた。

デルタ II ミッド・ライト

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7000シリーズは3だんたず固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットがすくない(3ほんか4ほん)。通常つうじょうはNASAの小型こがた衛星えいせいげに使用しようされた。

  • デルタ7900 (1990ねん11月にはつ飛行ひこう)
7320, 7326, 7425, 7920, 7925

デルタ II ヘビー

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デルタ II 792X はデルタIIIからの増強ぞうきょうされたGEM-46固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットをそなえる。

  • デルタII ヘビー (7920H) (2003ねん8がつはつ飛行ひこう)

デルタIII (8000-シリーズ)

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マクドネル・ダグラス/ボーイングはデルタIII (デルタ3) は大型おおがたする人工じんこう衛星えいせい需要じゅよう対応たいおうするため外形がいけい4mのフェアリング装着そうちゃくしたもので、全長ぜんちょうおさえるために1だん燃料ねんりょうタンクを4mと大型おおがたしたさきふとし外観がいかん特徴とくちょうである。さらに、固体こたいブースターもGEM(グラファイトエポキシモーター)に大型おおがたして推力すいりょくし、2だん液体えきたい酸素さんそ液体えきたい水素すいそ推進すいしんざいとするRL-10B-2がた変更へんこうされ、LEOに8,292kg、静止せいしトランスファ軌道きどう (GTO) に3,810kgのペイロードを投入とうにゅう可能かのうである。 1998ねん8がつ・1999ねん5がつ打上うちあげに失敗しっぱいして商用しょうよう衛星えいせい喪失そうしつしたため、あらためて2000ねん8がつ打上うちあげをおこない、試験しけんようペイロードを中高なかだか軌道きどう投入とうにゅうすることに成功せいこうした。

概要がいよう

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  • 2段式だんしき上段じょうだん燃料ねんりょう効率こうりつひくいのでたんだん液体えきたい水素すいそ燃料ねんりょう上段じょうだん更新こうしんし、性能せいのう向上こうじょうして固定こてい射場しゃじょうでの工数こうすう削減さくげんした。エンジンはセントール上段じょうだんロケット使用しようされているプラット&ホイットニーのRL-10をそなえた。水素すいそ燃料ねんりょうタンクの直径ちょっけいは4mでオレンジしょく断熱だんねつざい露出ろしゅつしており、よりほそ液体えきたい酸素さんそタンクとエンジンは点火てんかまでおおわれている。燃料ねんりょうタンクは日本にっぽん三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう製造せいぞうされた[1]
  • 横風おうふう影響えいきょうらすために1だんのケロシンのタンクはふとくなり、ながさは短縮たんしゅくされ直径ちょっけい上段じょうだん衛星えいせいフェアリングの直径ちょっけいわせられている。
  • 9ほんのGEM-46固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットがそなえられる。そのうち3ほん推力すいりょく偏向へんこうノズルをそなえる。

デルタIIIのげは最初さいしょの2かい失敗しっぱいし、3かいだけが模擬もぎ衛星えいせい軌道きどう投入とうにゅうした。

デルタIVロケット
デルタIVロケット ミディアム-プラス (4,2)
デルタIVロケット ヘビー、ケープ・カナベラル(2004ねん12月10にち

アメリカ空軍くうぐん発展はってんがた使つかてロケット (Evolved Expendable Launch Vehicle: EELV) 計画けいかく一環いっかんとしてマクドネル・ダグラス/ボーイングはデルタIVを提案ていあんした。部材ぶざい技術ぎじゅつ既存きそん機種きしゅから流用りゅうようすること計画けいかくねらいでボーイングとロッキード・マーティンはそれぞれのEELVを開発かいはつした。デルタIVはアラバマしゅうDecaturしん工場こうじょう生産せいさんされる。

デルタIVは、デルタIIIまでの直径ちょっけい2.4mでLox/ケロシン燃料ねんりょう一段いちだんまったことなる。しん設計せっけい直径ちょっけい5.1mもある1だんコアステージ(共通きょうつうコアブースタ、CBC)は、1970年代ねんだいスペースシャトルのしゅエンジン以来いらいとなる新規しんき開発かいはつ液体えきたい酸素さんそ/液体えきたい水素すいそ推進すいしんざいとしたRS-68がた液体えきたい燃料ねんりょうロケットエンジン採用さいようした。このエンジンはコスト低減ていげん主眼しゅがんかれ、低圧ていあつ燃焼ねんしょうしつ圧力あつりょく単純たんじゅん構造こうぞうのノズルを特徴とくちょうとしている。燃焼ねんしょうしつとノズルの上部じょうぶはソビエト連邦れんぽう開発かいはつされたチャンネルウォール構造こうぞうれている。ノズル下部かぶアブレーションによる冷却れいきゃくもちいている。また、2だんデルタIIIおなRL10B-2がた液体えきたい燃料ねんりょうロケットエンジンである。とう配管はいかん電気でんき回路かいろ必要ひつようせいのぞかれた。ペイロードにあわせ3種類しゅるい5形式けいしき構成こうせい可能かのうで、CBCだけの中型ちゅうがたから、デルタIIIよりさらに大型おおがたした直径ちょっけい60インチの固体こたい燃料ねんりょうブースター (GEM-60G) を装着そうちゃくしたちゅうりょうきゅう3形式けいしき、1だんにCBCを3ほんたばねた重量じゅうりょうきゅうがある。これにより静止せいしトランスファ軌道きどう (GTO) にたいするペイロードは4,210kgから13,130kgまでの質量しつりょう対応たいおうする。

  • ミディアム (2003ねん3がつはつ飛行ひこう)
  • ミディアム-プラス (4,2) (2002ねん11月はつ飛行ひこう)
  • ミディアム-プラス (5,2)
  • ミディアム-プラス (5,4) (2009ねん12月はつ飛行ひこう)
  • ヘビー (2004ねん12月はつ飛行ひこう)

デルタロケットの番号ばんごうシステム

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1972ねんマクドネルダグラスは4けた番号ばんごう従来じゅうらい名称めいしょうわりに導入どうにゅうした。あたらしいシステムではデルタロケットのあたらしい改善かいぜん変更へんこうにより対応たいおうすること出来できる。(そして枯渇こかつするアルファベットの問題もんだい解決かいけつできる)1けたはタンクとエンジンの形式けいしき、2けた固体こたい補助ほじょ燃料ねんりょうロケットのかず、3けたは2だん、4けたは3だんをあらわす[13]

番号ばんごう 1けた
(だい1だん/補助ほじょロケット)
2けた
(補助ほじょロケットのかず)
3けた
(だい2だん)
4けた
(だい3だん)
備考びこう
(ヘビー仕様しよう)
0 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
MB-3 エンジン
キャスター2固体こたい燃料ねんりょうロケット
固体こたい燃料ねんりょうロケットなし AJ-10エンジン搭載とうさいがたデルタ 3だんなし N/A
1 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
MB-3 エンジン
キャスター2 固体こたい燃料ねんりょうロケット
N/A TR-201エンジン搭載とうさいがたデルタ N/A
2 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
RS-27エンジン
キャスター2 固体こたい燃料ねんりょうロケット
2固体こたい燃料ねんりょうロケット (またはデルタIVHの場合ばあい液体えきたい燃料ねんりょう補助ほじょロケット) AJ-10エンジン搭載とうさいがたデルタK FW-4D (飛行ひこうせず)
3 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
RS-27エンジン
キャスター4固体こたい燃料ねんりょうロケット
SRB 3 デルタ III 低温ていおん上段じょうだん, RL-10B-2エンジン スター37D
4 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
MB-3 エンジン
キャスター4A SRB
SRB 4 デルタIV 直径ちょっけい4m 低温ていおん上段じょうだん, RL-10B-2 エンジン スター37E
5 燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
RS-27 エンジン
キャスター4A SRB
N/A デルタ IV 直径ちょっけい5m 低温ていおん上段じょうだん, RL-10B-2 エンジン スター48B/PAM-D
6 燃料ねんりょうタンク追加ついか延長えんちょうがたソー
RS-27 エンジン
キャスター4A SRB
SRB 6 N/A スター37FM
7 燃料ねんりょうタンク追加ついか延長えんちょうがたソー
RS-27A エンジン
GEM 40 SRB
N/A N/A GEM 46 SRB
8 強化きょうかがた燃料ねんりょうタンク延長えんちょうがたソー
RS-27A エンジン
GEM 46 SRB
N/A
9 デルタIV CBC
RS-68エンジン
9のSRB 1だんに2のCBCを並列へいれつ追加ついか

この番号ばんごうシステムは2005ねんあたらしいシステムが導入どうにゅうされたことにより廃止はいしされた[14]実際じっさいには、このシステムは使用しようされていない。

番号ばんごう 1けた
(だい1だん/補助ほじょロケット)
2けた
(補助ほじょロケットのかず)
3けた
(だい2だん)
4けた
(だい3だん)
備考びこう
(ヘビー仕様しよう)
0 N/A 固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットなし N/A 3だんなし N/A
1 N/A N/A
2 さら延長えんちょうされたタンクのソー
RS-27A エンジン
GEM 40 SRB
SRB (デルタIVHの場合ばあい液体えきたい燃料ねんりょう補助ほじょロケット) 2 AJ-10エンジン搭載とうさいがたデルタ K GEM 46 SRB
3 さら延長えんちょうされたタンクのソー
RS-27A エンジン
GEM 46 SRB
SRB 3 N/A N/A
4 デルタ IV CBC
RS-68エンジン
SRB 4 デルタ IV 直径ちょっけい4m 低温ていおん上段じょうだん, RL-10B-2 エンジン 1だんに2のCBCを並列へいれつ追加ついか
5 N/A N/A デルタ IV 直径ちょっけい5m 低温ていおん上段じょうだん, RL-10B-2 エンジン スター48B/PAM-D N/A
6 N/A スター37FM
7 N/A
8
9 9のSRB

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d ドーピングには用心ようじん - 中型ちゅうがたから背伸せのびした大型おおがたロケット「デルタIII」、マイナビニュース. (2016ねん8がつ10日とおか). 2018ねん9がつ14にち閲覧えつらん
  2. ^ スペースXとロシアによってたおされた米国べいこく基幹きかんロケット、マイナビニュース. (2016ねん8がつ24にち). 2018ねん9がつ13にち閲覧えつらん
  3. ^ JAXA N-Iロケット”. 日本にっぽん宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう. 2016ねん8がつ13にち閲覧えつらん
  4. ^ JAXA N-IIロケット”. 日本にっぽん宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう. 2016ねん8がつ13にち閲覧えつらん
  5. ^ JAXA H-Iロケット”. 日本にっぽん宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう. 2016ねん8がつ13にち閲覧えつらん
  6. ^ a b Jos Heyman (January 8, 2008). “Delta beyond 1974 (incl. Delta 2)”. Directory of U.S. Military Rockets and Missiles. 8 June 2012閲覧えつらん
  7. ^ Delta M”. Encyclopedia Astronautica. 2012ねん6がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2012ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  8. ^ Delta N”. Encyclopedia Astronautica. 2008ねん3がつ5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2008ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  9. ^ NASA Historical Data Book, Vol. III”. NASA. 2018ねん3がつ29にち閲覧えつらん
  10. ^ Listing of Thor-Delta Vehicles”. NASA. 2018ねん3がつ29にち閲覧えつらん
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関連かんれん項目こうもく

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