スター48

2001年ねん1月がつに地上ちじょうに落下らっかしたスター48の残骸ざんがいと現場げんばを調しらべるサウジの検査官けんさかん

スター48はニュー・ホライズンズ探査たんさ機き等とう、多おおくの探査たんさ機きや人工じんこう衛星えいせいの打うち上あげに使用しようされた固体こたい燃料ねんりょうロケットである。通常つうじょうは上段じょうだんロケットとして使用しようされる。サイオコール（現げんATKランチ・システムズ・グループ）開発かいはつ・生産せいさん。

"48"は燃料ねんりょうのおよその直径ちょっけいに由来ゆらいする。派生はせい型がたではこの数字すうじの後のちに一ひとつかそれ以上いじょうの文字もじや番号ばんごう(一いち例れいとして"-2")が社内しゃない整理せいり番号ばんごうの末尾まつびにつけられる。サイオコール社内しゃないでは初期しょきはTE-M-711、後のちにTE-M-799として分類ぶんるいされていた。接頭せっとう辞じ"T"はサイオコールの略りゃくで、続つづく文字もじはロケットエンジンを開発かいはつした部門ぶもんを意味いみしている。この場合ばあい"E"はElkton,Mdを意味いみする。なおサイオコールはスター48の他ほかに、スター37やスター40も開発かいはつしている。

運用うんよう

スター48が最もっとも一般いっぱん的てきに使用しようされた例れいはスペースシャトルとデルタIIの上段じょうだんである。他たのロケットでも同様どうように使用しようされるが頻度ひんどは低ひくい。シャトルは低てい軌道きどうまでしか衛星えいせいを運はこべないので、より高たかい軌道きどうへ衛星えいせいを投入とうにゅうするには、スター48を備そなえるペイロード・アシスト・モジュール (PAM) が使用しようされた。

静止せいし軌道きどうへ投入とうにゅうするためには最終さいしゅう的てきな運搬うんぱん手段しゅだんを必要ひつようとするので、このような任務にんむにおいてはスピン安定あんてい式しきの上段じょうだんロケットとしてスター48が使用しようされる。衛星えいせいと結合けつごうしたスター48は、シャトルの貨物かもつ室しつやデルタロケットの頂いただき上部じょうぶから放出ほうしゅつされる際さいに、ターンテーブルを用もちいておよそ毎まい分ぶん60回転かいてんのスピンを与あたえられる。通常つうじょうのスター48では、エンジンの燃焼ねんしょう後ごにヨーヨーデスピン技術ぎじゅつを使用しようして回転かいてんを止とめ、その後ご衛星えいせいを分離ぶんりする。派生はせい型がたの"スター48V"は、噴射ふんしゃ中ちゅうに3軸じく姿勢しせい制御せいぎょを可能かのうとするための推力すいりょく偏向へんこうノズルを装備そうびしている。スター48Vは、1995年ねんに打うち上あげに失敗しっぱいしたコネストガロケットと、ミノタウロスIV+ロケットの上段じょうだんに使用しようされた（2013年ねん時点じてんで使用しよう例れいはこの2回かいのみ）。

アンタレスロケットのオプションとして使用しようできる3段だんには、スター48BVが用意よういされる。スター48BVは、デルタIIロケットの3段だんやPAMで使つかわれたスター48Bに推力すいりょく偏向へんこう式しきのノズルを採用さいようしたタイプである。

スター48エンジンは、ニュー・ホライズンズ探査たんさ機きの打うち上あげに使つかわれたアトラスVロケットの3段だん目めにも使用しようされた。この上段じょうだんロケットは探査たんさ機きを分離ぶんりした後のち、探査たんさ機き本体ほんたいが木星もくせいに到達とうたつするより先さきに、木星もくせい軌道きどうに到達とうたつした 。2015年ねんには冥王星めいおうせいの軌道きどうと交差こうさして200百ひゃく万まんkmまで接近せっきんする予定よていである。

1993年ねんにGPS衛星えいせいの打うち上あげに使用しようされたスター48PAMは、2001年ねん1月がつにサウジアラビアの砂漠さばくに燃もえ尽つきずに落下らっかした。