探査たんさ機き

小惑星しょうわくせい探査たんさ機きはやぶさ

無人むじん海洋かいよう探査たんさ機きかいこう

探査たんさ機き（たんさき）とは、何なんらかの現象げんしょうをその起おきている場所ばしょにまで移動いどうしていって観測かんそくし、これを記録きろくする機械きかい装置そうちや、あるいは観測かんそく者しゃを輸送ゆそうするための乗物のりものに、観測かんそく機器ききが積つまれているものである。

概要がいよう

探査たんさ機きは、何なんらかの調査ちょうさを広範囲こうはんいにわたって調しらべる機械きかいの総称そうしょうで、移動いどう能力のうりょくと観測かんそく用ようのセンサーなどを備そなえ、また場合ばあいによってはそこから得えたデータを分析ぶんせきする能力のうりょくも持もつ。人間にんげんが乗のるものを「有人ゆうじん探査たんさ機き」と呼よび、自動じどう機器ききだけで構成こうせいされたものを「無人むじん探査たんさ機き」（→無人むじん機き）と呼よぶが、この他ほかにも利用りようされる場所ばしょにもよって様々さまざまな区分くわけがあり、その用途ようとにもよって機能きのうは様々さまざまである。

人間にんげんは、その歴史れきしの開闢かいびゃく以来いらい、様々さまざまなことを知しろうとしてきた。この理由りゆうは好奇心こうきしんの成なりせる技わざであったり、あるいはそれよりもはるかに切実せつじつで実利じつり的てきな理由りゆう（「今いまいる場所ばしょ・状況じょうきょうより快適かいてきな場所ばしょが他たに無ないか」など）であったりと様々さまざまであるが、探査たんさ機きはそういった人間にんげんの活動かつどうを補助ほじょするために、人間にんげん自身じしんによって作つくられた道具どうぐの一種いっしゅである。

有人ゆうじん・無人むじんの区別くべつを別べつにすれば、探査たんさ機きには送おくり出だした側がわに戻もどるものと、戻もどらず永遠えいえんの彼方かなたに飛とび去さってしまうものがある。大抵たいていの場合ばあいにおいて後者こうしゃの「行いきっ放ぱなし」のタイプは人道じんどう的てき見地けんちから有人ゆうじん探査たんさ機きで行おこなわれることはまず無ないが、その一方いっぽうで観測かんそくした情報じょうほうをデータとして、通信つうしんにより発進はっしん元もとに送おくり返かえす機能きのうを持もつ。「帰かえって来くる」種類しゅるいの探査たんさ機きでは、観測かんそくした情報じょうほうを内部ないぶで記録きろくする記憶きおく媒体ばいたいを備そなえ、帰還きかん後ごにこの中なかの情報じょうほうが分析ぶんせきされ、役立やくだてられる。

なお探査たんさ機きの多おおくは、人間にんげんが直接ちょくせつ行おこなって調査ちょうさできない環境かんきょうを観測かんそくすることが主要しゅような仕事しごととしており、有人ゆうじん探査たんさ機きの場合ばあいは内部ないぶの人間にんげんを外そとの環境かんきょうから守まもる機能きのうも併あわせ持もつが、無人むじん探査たんさ機きでもそういった苛酷かこくな環境かんきょうから内部ないぶの精密せいみつな装置そうちを保護ほごするため、相応そうおうの耐久たいきゅう力りょくを必要ひつようとし、装甲そうこうなどによって耐久たいきゅう性せいを追加ついかさせる場合ばあいもある。

探査たんさ機きの種類しゅるい

ラジオゾンデ

広ひろく利用りようされている高層こうそう気象きしょう観測かんそくの装置そうちで、水素すいそ入はいりゴム風船ふうせんの浮力ふりょくによって観測かんそく装置そうちを持もち上あげる。「ラジオ」の名なの通とおり、電波でんぱを使つかって観測かんそくデータを送信そうしんする機能きのうがあるが使つかい捨すてで、いずれは風船ふうせんのガスが抜ぬけ墜落ついらくする。外そと環境かんきょうから内部ないぶ装置そうちを守まもるために発泡はっぽうスチロールに覆おおわれている。

宇宙うちゅう探査たんさ機き

一般いっぱんに最もっとも探査たんさ機きとしての注目ちゅうもく度どが高たかい分野ぶんやで、ロケットにより宇宙うちゅう空間くうかんや他たの天体てんたいに向むけ送おくり込こまれる。有人ゆうじん探査たんさではいわゆるサンプルリターン（採取さいしゅした試料しりょうを持もち帰かえること）などが期待きたいされるが、無人むじん探査たんさ機きもロボット工学こうがくなどの発達はったつにも拠より、無人むじんでサンプルリターンを行おこなえるものも登場とうじょうしている。また人工じんこう知能ちのうなどを搭載とうさいして探査たんさ機き自体じたいをロボット化か、火星かせい探査たんさでは従来じゅうらいの衛星えいせい軌道きどう上じょうからの撮影さつえいや探査たんさ機き着陸ちゃくりく地点ちてんに限定げんていされたバイキング計画けいかくより先さきの、火星かせい表面ひょうめんを実際じっさいに探査たんさ機きが走はしって横断おうだんするマーズ・パスファインダーなども行おこなわれている。

無人むじん航空機こうくうき

単たんなるラジオコントロール飛行機ひこうきにカメラなどを搭載とうさいして撮影さつえいを行おこなうことは古ふるくからしばしば行おこなわれたが、無人むじん航空機こうくうきではオートパイロットを更さらに進歩しんぽさせた自力じりきでの飛行ひこう機能きのうを備そなえ、危険きけん空域くういきの偵察ていさつ行動こうどう（軍事ぐんじ地域ちいきから災害さいがい地域ちいきまで様々さまざま）や農薬のうやくの空中くうちゅう作業さぎょうなどといった実際じっさいの作業さぎょうを行おこなうものもあり、こと探査たんさ機きとしてはいつ噴火ふんかするか判わからない火山かざんの調査ちょうさなどを行おこなう。災害さいがいではレスキューロボット開発かいはつの一環いっかんとして、小型こがた無人むじん航空機こうくうきによる被災ひさい者しゃの捜索そうさくや被災ひさい地域ちいきの調査ちょうさも計画けいかくされている。

無人むじん潜水せんすい艦かん

宇宙うちゅうと並ならんで、人知じんちがいまだ及およばない世界せかいの筆頭ひっとうに海中かいちゅうがある。無人むじん潜水せんすい艦かんないし無人むじん潜水せんすい艇ていでは、軍事ぐんじ面めんでは掃海そうかい任務にんむもあるが、一般いっぱんでは海底かいてい調査ちょうさによる資源しげん開発かいはつも期待きたいされる。また、宇宙うちゅう探査たんさでもエウロパのように液体えきたいの「海うみ」が存在そんざいしていることが知しられている天体てんたいもあり、これの探索たんさくでも威力いりょくを発揮はっきすることが期待きたいされている。

また学術がくじゅつ的てきな調査ちょうさの外そとにも、災害さいがい発生はっせい時じに危険きけんなエリアに投入とうにゅうされ、被災ひさい現場げんばの調査ちょうさと被災ひさい者しゃの発見はっけんを行おこなうことを目的もくてきとする分野ぶんやもあり、こちらはレスキューロボットと呼よばれる。

関連かんれん項目こうもく

• ロボット - 無人むじん機き
• 宇宙うちゅう開発かいはつ