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ES-702

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ES-702
用途ようと: 上段じょうだん軌道きどう投入とうにゅうようエンジン
推進すいしんざい: 液体えきたい水素すいそ/液体えきたい酸素さんそ
開発かいはつねん: 1980年代ねんだい
サイクル: ガス発生はっせいサイクル
おおきさ
ぜんこう
直径ちょっけい 140.19 m (459.9 ft)
乾燥かんそう重量じゅうりょう 255.8 kg (564 lb)
推力すいりょく重量じゅうりょう
性能せいのう
真空しんくうちゅうでの推力すいりょく 425びょう
真空しんくうちゅうでの推力すいりょく 7000kgf
燃焼ねんしょうしつ圧力あつりょく 25.0kgf/cm2A
設計せっけいしゃ
開発かいはつ機関きかん: 東京大学とうきょうだいがく宇宙うちゅう航空こうくう研究所けんきゅうじょ
推進すいしん技術ぎじゅつしゃ:
設計せっけいチーム:

ES-702東京大学とうきょうだいがく宇宙うちゅう航空こうくう研究所けんきゅうじょ宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ(ISAS))によって開発かいはつされた液体えきたい水素すいそ/液体えきたい酸素さんそ推進すいしんざいとする推力すいりょく7トンきゅう上段じょうだんようロケットエンジンである[1][2]。10トンきゅうLOX/LH2エンジンの成果せいかをコンポーネントレベルでフィードバックしており、LE-5の開発かいはつ失敗しっぱいした場合ばあいには10トンきゅうエンジンをバックアップとして使用しようする予定よていであった[1]

ほん搭載とうさいした実機じっきげられることはなかったが、開発かいはつ過程かていられた知見ちけんLE-5シリーズをはじめとする日本にっぽんえきすい/えきさんけい推進すいしんけい開発かいはつ活用かつようされた。

概要がいよう

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液体えきたい酸素さんそ(LOX)と液体えきたい水素すいそ(LH2)を推進すいしんざいとした実際じっさい稼動かどうした最初さいしょのロケットエンジンである。 当初とうしょてい軌道きどう投入とうにゅう能力のうりょくは500kgのM-2Hだい2だんようエンジンとして1970ねんだいから開発かいはつはじめられた[3][4]

噴射ふんしゃ装置そうち合計ごうけい90同心円どうしんえん配置はいちされターボポンプの吐出としゅつ圧力あつりょく液体えきたい水素すいそポンプが44kg/cm2A、液体えきたい酸素さんそポンプが35kg/cm2Aだった。 ターボポンプ宇宙研うちゅうけん方式ほうしきしょうされる直列ちょくれつじく反転はんてんしき中央ちゅうおうにタービンがあり、ガス発生はっせいからのガスで液体えきたい水素すいそポンプ駆動くどうようのタービンを駆動くどう反転はんてんする液体えきたい酸素さんそポンプ駆動くどうようのタービンを駆動くどうする構造こうぞうだった[5]

推進すいしんざいのタンクは液体えきたい水素すいそタンクは再生さいせい冷却れいきゃく気化きかした水素すいそガスで加圧かあつし、液体えきたい酸素さんそタンクはタービンの排気はいき液体えきたい酸素さんそねつ交換こうかん気化きかして液体えきたい酸素さんそタンクを加圧かあつする構造こうぞうだった。液体えきたい水素すいそ液体えきたい酸素さんそおな割合わりあい燃焼ねんしょうするためにPU制御せいぎょべんでターボポンプから吐出はきだされた液体えきたい水素すいそ一部いちぶをタンクにもどして調整ちょうせいした[5]

構造こうぞう

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エンジンの燃焼ねんしょうサイクルはガス発生はっせいサイクル採用さいようし、ガス発生はっせい発生はっせいさせた水素すいそリッチな低温ていおん燃焼ねんしょうガスをもちいてターボポンプ駆動くどうし、燃料ねんりょう昇圧しょうあつする。 駆動くどうもちいられた燃焼ねんしょうガスは排出はいしゅつされる。

使用しようされるターボポンプTP-703は"宇宙研うちゅうけん方式ほうしき"とされるほかるいない独創どくそうてき形式けいしきである。

LE-5シリーズとの比較ひかく

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主要しゅようしょもと一覧いちらん
  ES-702 ES-1001 LE-5 LE-5A LE-5B
燃焼ねんしょうサイクル ガス発生はっせいサイクル ガス発生はっせいサイクル ガス発生はっせいサイクル エキスパンダブリードサイクル
(ノズルエキスパンダ)
エキスパンダブリードサイクル
(チャンバエキスパンダ)
真空しんくうちゅう推力すいりょく 68.6kN (7.0 tf)[6] 98kN (10.0 tf)[7] 102.9kN (10.5 tf) 121.5kN (12.4 tf) 137.2kN (14 tf)
混合こんごう 5.2 6.0 5.5 5 5
膨張ぼうちょう 40 40 140 130 110
空中くうちゅう推力すいりょく (びょう) 425[8] 425[9] 450 452 447
燃焼ねんしょう圧力あつりょく (MPa) 2.45 3.51 3.65 3.98 3.58
液体えきたい水素すいそターボポンプ回転かいてんすう (rpm) 41,000 46,310 50,000 51,000 52,000
液体えきたい酸素さんそターボポンプ回転かいてんすう (rpm) 16,680 21,080 16,000 17,000 18,000
全長ぜんちょう (m) 2.68 2.69 2.79
質量しつりょう (kg) 255.8 259.4[10] 255 248 285

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b たな亘弘のぶひろ et al. 1983.
  2. ^ たな亘弘のぶひろ et al. 1983.
  3. ^ ISASニュース 1981.10 No.007 研究けんきゅう紹介しょうかい えきすいロケットエンジンの開発かいはつ
  4. ^ 大林おおばやし辰藏たつぞう科学かがく衛星えいせい計画けいかくへの提案ていあん」『日本航空にほんこうくう宇宙うちゅう学会がっかいだい22ごう日本航空にほんこうくう宇宙うちゅう学会がっかい、1974ねん7がつ、pp.365-371、doi:10.2322/jjsass1969.22.365ISSN 0021-4663 
  5. ^ a b 液体えきたい水素すいそロケットエンジン」『Newtonだい2かんだい10ごう教育きょういくしゃ、1982ねん 10がつごう、138-142ぺーじ 
  6. ^ 開口かいこう40のノズルスカートを装着そうちゃく推力すいりょくは48.52kN (4.9 tf)
  7. ^ 開口かいこう40のノズルスカートを装着そうちゃく推力すいりょくは66.64kN (6.8 tf)
  8. ^ 開口かいこう40のノズルスカートを装着そうちゃく推力すいりょくは286.8
  9. ^ 開口かいこう40のノズルスカートを装着そうちゃく推力すいりょくは291.6
  10. ^ 計算けいさん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • たな亘弘のぶひろなり芳博よしひろ倉谷くらたに健治けんじ秋葉あきば二郎じろう岩間いわまあきらえきすい/えきさんエンジンの開発かいはつ」『宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ報告ほうこく. 特集とくしゅうだい6かん宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう、1983ねん3がつ、55-106ぺーじNAID 110000222623 
  • たな亘弘のぶひろなり芳博よしひろ丸田まるた秀雄ひでお秋葉あきば二郎じろう倉谷くらたに健治けんじえきすい/えきさんステージの開発かいはつ」『宇宙うちゅう科学かがく研究所けんきゅうじょ報告ほうこく. 特集とくしゅうだい6かん宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう、1983ねん3がつ、13-54ぺーじNAID 110000222622 
  • 液体えきたい水素すいそロケットエンジン」『Newtonだい2かんだい10ごう教育きょういくしゃ、1982ねん 10がつごう、138-142ぺーじ 

関連かんれん項目こうもく

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