世界せかい国際こくさい関係かんけい学会がっかい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

世界せかい国際こくさい関係かんけい学会がっかい (International Studies Association; ISA)[1]は、8000にんちかい会員かいいんを、北米ほくべい大陸たいりく、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカなどにようし、2018ねん国際こくさい学会がっかいのプログラムによれば、大会たいかい報告ほうこく希望きぼうしゃは8700にん実際じっさい報告ほうこくしゃは6000にん、パネルは1300パネル、若手わかてポスドクなどが30%をめる、学会がっかいである。[2] コロナの時期じき2ねんほど延期えんきになっていたが、2022ねん3月のNashvilleでの国際こくさい会議かいぎ対面たいめんが3000にん、オンラインが1000にん程度ていど2023ねん3つきのMontrealでの国際こくさい会議かいぎは、対面たいめんが5000にん、オンラインが1000にん程度ていどとされている。若手わかておお世界せかい最大さいだい国際こくさい関係かんけい学会がっかいである。 

概要がいよう[編集へんしゅう]

北米ほくべい本部ほんぶき、北米ほくべい欧州おうしゅう南米なんべいアジア太平洋たいへいようアフリカオセアニアロシアなどの研究けんきゅうしゃにより構成こうせいされる、国際こくさい政治せいじがく国際こくさい関係かんけいろん安全あんぜん保障ほしょうろん地域ちいき研究けんきゅう国際こくさい経済けいざい国際こくさい社会しゃかいなどを研究けんきゅうする学会がっかいであり、これらの研究けんきゅう分野ぶんやにおいては世界せかい規模きぼ学会がっかいである。それぞれの地域ちいき地域ちいき部会ぶかいち、Asia Pacific RegionもISAで3,4番目ばんめおおきな地域ちいきリージョンとして存在そんざいする。このあいだ、オーストラリア、香港ほんこん、シンガポールなどで毎年まいとしISA Asia Pacificの会議かいぎ開催かいさいし、2023ねん8がつ8,9,10にちにはTokyo、早稲田大学わせだだいがく開催かいさいされる[3]予定よていである。年次ねんじ大会たいかい以外いがいに、欧州おうしゅうカナダ南米なんべいアジアアフリカなどで例年れいねん5-10ちかい地域ちいき大会たいかい開催かいさいしている。[4]

歴代れきだい会長かいちょうには、Richard Snyder, William Fox, Harold Jacobson, Bruce Russett, David Singer, Susan Strange, James Caporaso, Jacek Kugler, William Thompson, Ann Tickner, Thomas Veiss, Amitav Acharya, T. V. Paulなど各々おのおの研究けんきゅう分野ぶんや代表だいひょうする人物じんぶつえらばれており、2018ねんからはPatric Jamesが会長かいちょう, 2021ねんは、Kristian Skrede Gleditsch,22-23ねんは、Deborah Avant[5]会長かいちょうとなっている。ジェンダー・クウォータせいすすんでおり、近年きんねん女性じょせい役員やくいんおおくをめる。

事務じむきょく執行しっこう[編集へんしゅう]

現在げんざい事務じむきょくは、コネチカット大学だいがくにあり、スタッフは、Mark A. Boyer事務じむ局長きょくちょうに、14にんのメンバーと2めい大会たいかいプログラム委員いいんからなっている。[6] 

Governing Council(執行しっこう)は、25めいの、3年間ねんかんにわたる、会長かいちょうふく会長かいちょう会計かいけい拡大かくだいメンバー、プログラム委員いいん事務じむ局長きょくちょうら、25めいのほかに、雑誌ざっし編集へんしゅうちょう11めい、33のセクション・Caucus委員いいんかい委員いいんちょう、6つの地域ちいき委員いいんちょうからなり、総勢そうぜい75めい前後ぜんこうおおきな執行しっこう会議かいぎひらかれる。それらをまとめるのが会長かいちょうふく会長かいちょう拡大かくだいメンバー・事務じむ局長きょくちょう事務じむきょくである。とく長期ちょうきにわたって事務じむ局長きょくちょうつとめたThomas Volgy の時代じだい会員かいいんおおきく拡大かくだいして3000にん規模きぼから7000にん規模きぼへと飛躍ひやくした。また若手わかて研究けんきゅうしゃと、べいおう以外いがい海外かいがい研究けんきゅうしゃ包摂ほうせつしてった。現在げんざい、Global South Caucus[7]や、アジア太平洋たいへいようなど、アジア・中東ちゅうとう、アフリカやみなみアジアにも会員かいいん拡大かくだいしている。

活動かつどう[編集へんしゅう]

中心ちゅうしんてき活動かつどう年次ねんじ大会たいかいかく地域ちいきでの研究けんきゅう大会たいかいである。規模きぼおおきいため、通常つうじょうは3,4のおおきなホテルの会議かいぎしつり、国際こくさい会議かいぎ開催かいさいちゅうまち一角いっかく全体ぜんたい大会たいかい参加さんかしゃでおおわれる。近年きんねん若手わかてドクタークラスの報告ほうこくえ、2わり程度ていどから3わりちかくまで若手わかて研究けんきゅうしゃめ、活気かっきある大会たいかいとなっている。また、トランプ大統領だいとうりょう移民いみん入国にゅうこく禁止きんしれいを7カ国かこくイスラムけんくにしたときには、全体ぜんたいかいつうじて中東ちゅうとう中央ちゅうおうアジアなどとむす国際こくさい会議かいぎホットラインつくられた。

また研究けんきゅう大会たいかい以外いがいにも、各国かっこく言論げんろん自由じゆう独裁どくさい体制たいせいによる知識ちしきじん弾圧だんあつたいして調査ちょうさ委員いいんかいもうけており、声明せいめいすなど、自由じゆう人権じんけんまも姿勢しせい維持いじしている。

コロナの時期じきいち活動かつどう停止ていししたが、2022ねんからふたた活発かっぱつとなり、2023ねんおおくの地域ちいきで、東京とうきょう大会たいかいふく対面たいめん会議かいぎひらかれる[8]

日本にっぽんとISA[編集へんしゅう]

日本にっぽんとISAの関係かんけいふるく、とく1990年代ねんだいおおきく関係かんけい発展はってんした。これはイェール大学だいがく助教授じょきょうじゅ日本にっぽんもどった佐藤さとう英夫ひでお筑波大学つくばだいがくもと教授きょうじゅ)の役割やくわりおおきい。日本にっぽんからは、Governing Council のメンバーに、佐藤さとう英夫ひでお筑波大学つくばだいがく)、猪口いのぐちたかし東京大学とうきょうだいがく)、羽場はば久美子くみこ法政大学ほうせいだいがく、のち青山学院大学あおやまがくいんだいがく)がえらばれている。Amitav Acharya会長かいちょうがGlobal South を強調きょうちょうし、アジア・アフリカへのシフトを拡大かくだいするなかで、羽場はば久美子くみこ青山学院大学あおやまがくいんだいがく)は、2016-17ねんふく会長かいちょう選出せんしゅつされ、アジアへの展開てんかい拡大かくだいした[9]。 その羽場はばは、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきふく会長かいちょう会長かいちょうにも選出せんしゅつされている[10]。2021-22ねんには、片田かたださおりみなみカリフォルニア大学だいがく)がふく会長かいちょう選出せんしゅつされている[11]。John Ikenberryは、2会長かいちょう立候補りっこうほしたが、ジェンダー・クウォータ―が強力きょうりょくなか選出せんしゅつされなかった。ジョセフ・ナイは、Distinguished Professors Panel など、現在げんざいいたるまでおおきな役割やくわりたしている。

日本にっぽんでは、日本にっぽん国際こくさい政治せいじ学会がっかい(JAIR)の40周年しゅうねん年次ねんじ大会たいかい(1997ねん佐藤さとう英夫ひでおかも武彦たけひこ理事りじちょう)のときに、ISAとともにおおきな共同きょうどう大会たいかい開催かいさいした。

2023ねん8がつ早稲田大学わせだだいがくでの大会たいかい「インド・アジア太平洋たいへいよう国際こくさい関係かんけいにおけるアジアの役割やくわり、Anthropocene, Peace and Security」[12][13][14]は、登録とうろくしゃが500にんをこえ、インド、ASEAN, 中国ちゅうごく、アジア各国かっこく、アメリカ、欧州おうしゅうふくめ、おおくの研究けんきゅうしゃつどとなっている。次期じき大会たいかいはインドが予定よていされている。

現在げんざいも、ISA(世界せかい国際こくさい関係かんけい学会がっかい)は、IPSA(世界せかい政治せいじ学会がっかい)とならんで、政治せいじがく国際こくさい政治せいじがく世界せかい最大さいだい組織そしきであり、若手わかて研究けんきゅうしゃ就職しゅうしょく前後ぜんこう国際こくさい学会がっかいでの報告ほうこくかさね、論文ろんぶん雑誌ざっし掲載けいさいする登竜門とうりゅうもんであり、また中堅ちゅうけん壮年そうねん大家たいかにとっても世界せかい代表だいひょうてき国際こくさい関係かんけい研究けんきゅうしゃ報告ほうこくし、世界せかい最先端さいせんたん研究けんきゅう成果せいかをそれぞれの分野ぶんやで、吸収きゅうしゅうし、知己ちき知識ちしき拡大かくだいするアリーナとなっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ http://www.isanet.org/
  2. ^ {{Cite |ISA 59th Annual Convention, Program; Power of Rules and Rule of Power, San Francisco, California, April 4-7, 2018.|Title=|ISA Annual Convention|accessdate=2018ねん4がつ16にち}}
  3. ^ ISA Asia-Pacific Region Conference 2023, Tokyo”. www.isanet.org. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  4. ^ {{Cite web |url=https://www.isanet.org/Conferences/Archive%7CTitle=Past ISA Conferences and Programs|Accessdate=2018ねん4がつ16にち}}
  5. ^ President”. www.isanet.org. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  6. ^ {{Cite web |url=https://www.isanet.org/ISA/Headquarters; url=https://www.isanet.org/ISA/Headquarters/Staff%7Caccessdate=2014ねん4がつ16にち}}
  7. ^ [8] https://www.isanet.org/ISA/Caucuses/Global-South-Caucus/Leadership
  8. ^ Upcoming ISA Conferences and Events”. www.isanet.org. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  9. ^ ISA, 57th Annual Convention, Atlanta, 2016. 58th Annual Convention, Baltimore, 2017.
  10. ^ [6]https://www.isanet.org/ISA/Regions/Asia-Pacific/Leadership
  11. ^ [7]https://www.isanet.org/ISA/Governance/ExComm
  12. ^ ISA Asia-Pacific Region Conference 2023, Tokyo”. www.isanet.org. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  13. ^ ISA Asia-Pacific”. www.facebook.com. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん
  14. ^ ISA-AP 2023: Call For Proposals”. www.isanet.org. 2023ねん2がつ23にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • International Studies Association, 58th Annual Convention, Baltimore, 2017. 59th Annual Convention, San Francisco, 2018.