僕ぼくの贈おくりもの (アルバム)

『オフ・コース1 ⁄ 僕ぼくの贈おくりもの』
オフ・コース の スタジオ・アルバム
リリース	1973年ねん6月がつ5日にち (1973-06-05)
ジャンル	ポップス ロック フォーク
レーベル	EXPRESS ⁄ 東芝とうしば音楽おんがく工業こうぎょう
プロデュース	橋場はしば正敏まさとし オフ・コース
オフ・コース アルバム 年表ねんぴょう
- オフ・コース1 ⁄ 僕ぼくの贈おくりもの （1973年ねん (1973)） この道みちをゆけば ⁄ オフ・コース・ラウンド2 （1974年ねん (1974)）
『オフ・コース1 ⁄ 僕ぼくの贈おくりもの』収録しゅうろくのシングル
「僕ぼくの贈おくりもの ⁄ めぐり逢あう今いま」 リリース: 1973年ねん2月がつ20日はつか (1973-02-20)

『オフ・コース1 ⁄ 僕ぼくの贈おくりもの』（オフ・コース1 ぼくのおくりもの）は、1973年ねん6月がつ5日にちに発売はつばいされたオフコース（当時とうじの表記ひょうきはオフ・コース）通算つうさん1作さく目めのオリジナル・アルバム。

『僕ぼくの贈おくりもの』のジャケット撮影さつえいが行おこなわれた根岸ねぎし森林公園しんりんこうえん（横浜よこはま市し中ちゅう区く）

解説かいせつ

オフコースが小田おだ和正かずまさ・鈴木すずき康博やすひろの2人組にんぐみとなって約やく1年ねん後ごの1972年ねん夏なつ、デビュー・アルバム制作せいさくのプランが持もち上あがり、それぞれに書かき溜ためたオリジナル曲きょくを持もち寄よってレコーディングが行おこなわれた。全曲ぜんきょくが小田おだ・鈴木すずきのオリジナル曲きょくで構成こうせいされ、デビュー以降いこうそれまでにリリースされた3枚まいのシングルは、他人たにんの作品さくひんだからとの理由りゆうにより収録しゅうろくされなかった。プロデュースは当時とうじアリスを手てがけていた橋場はしば正敏まさとしが担当たんとうしたが、メンバーとの関係かんけいはあまり良好りょうこうではなかったという。

レコーディング・メンバーは小田おだ・鈴木すずきの他ほかに矢沢やざわ透とおる（ドラムス）、重実しげざね博はく（ベース）。この2人ふたりは、杉田すぎた二郎じろうがジローズで活動かつどうしていた頃ころバックを務つとめたことがあり、その頃ころからオフコースとも親したしくなっていた。基本きほんの音おとはすべてこの4人にんで録音ろくおんされた。重実しげざねによれば「ともかく時間じかんがかかった。オフコースは2人ふたりとも、まぁうまい人ひとたちだったけど、今いまよりずっと下手へただったんだ。センスなんかも良よいんだけど、今いまに比くらべるとやっぱり下手へただった。で、キンちゃん（矢沢やざわ）も僕ぼくもテクニシャンじゃないし、いわば4人にんとも下手へただったわけ。だから録音ろくおんの時とき、曲きょくの最後さいごまで辿たどり着つくのがやっとみたいな。4人にんのうち3人にんがうまくいっても誰だれかひとりが間違まちがえたり」「楽器がっきを重かさねた数かずはそれほど多おおくなくて、コーラスがダビングの中なかでは比重ひじゅうを占しめてたね。当時とうじ、コーラスが多重たじゅうっていうのは日本にっぽんで画期的かっきてきだったと思おもう。マルチ・レコーディングが始はじまったばかりで録音ろくおん技術ぎじゅつ自体じたい、未熟みじゅくな頃ころだもの。だから例たとえば音質おんしつを決きめるのに、最初さいしょはただ録ろくっておいて、ミックス・ダウンの段階だんかいで決きめればいいみたいに考かんがえていたわけ。本当ほんとうは、最初さいしょに良よい音おとで録ろくっておかないと、後うしろではそれ程ほど変かえられないんだよね。……でも本当ほんとうに、必死ひっしになってなんとか良よいものをつくろうって、根性こんじょうの結集けっしゅうみたいな迫力はくりょくはあった。制作せいさく期間きかんは……二にか月げつ位いやってたかなぁ? 当時とうじのアルバム制作せいさくとしては、時間じかんをとっていたほうだと思おもう。もっとも歌謡かよう曲きょくに比くらべればだけど。僕ぼくのギャラが全部ぜんぶで5万まん円えん位くらいでした」と、後のちに当時とうじのレコーディングの模様もようをこう語かたっていた。

レコーディングは、他たのスケジュールの合間あいまを縫ぬって進すすめられ、約やく1か月げつ半はんで終了しゅうりょうした。収録しゅうろくされた11曲きょく中ちゅう、3曲きょくだけが新あらたに作つくったもので、その他たはステージで歌うたい続つづけてきた曲きょくだった。

A-1「僕ぼくの贈おくりもの」は、シングルとは別べつミックスで、エンディングも20秒びょうほど短みじかい。

A-4「水曜日すいようびの午後ごご」はライブでは鈴木すずきがリードボーカルを取とっていた。小田おだが持もち寄よったこの歌うたを聞きいた鈴木すずきが「いい歌うただね」と言いうと小田おだが「だったら、ヤスが歌うたってみるか?」と持もちかけ、実現じつげんしたという。しかし、レコーディングでは「作者さくしゃが歌うたったほうがいい」というディレクターの意向いこうで小田おだがリード・ボーカルをとっている。根本ねもと要かなめが「オフコースの曲きょくの中なかでいちばん好すき」とコメントしており、1996年ねん、阿蘇あそで行おこなわれたスターダスト・レビューとのジョイントコンサートで小田おだ自身じしん「まさかまたこの歌うたを歌うたうとは思おもわなかった」と言いいながら披露ひろうした。小田おだが交通こうつう事故じこからの復帰ふっき後ご初はつのスターダスト・レビューとのジョイントコンサートでも歌うたっている。

B-5「さわやかな朝あさをむかえるために」は小田おだの作詞さくし・作曲さっきょくだが、リード・ボーカルは鈴木すずきがとっている。この他ほかA-2「よみがえるひととき」を小田おだ、A-6「でももう花はなはいらない」とB-4「静しずかな昼下ひるさがり」を鈴木すずきがそれぞれリード・ボーカルを手てがけているが、それ以外いがいの曲きょくは小田おだと鈴木すずきのデュエット。後のちに、何故なぜ「さわやかな朝あさをむかえるために」のボーカルを担当たんとうする事ことになったか、とのファンから寄よせられた質問しつもんに対たいし、鈴木すずきは自身じしんの公式こうしきホームページで「ボクが歌うたっていたことさえ忘わすれていました。思おもい出だせません」「はぁ、ボクが歌うたっていたことすら忘わすれていました。そうだったでしたっけ?」と答こたえている。

A-1「僕ぼくの贈おくりもの」とA-4「水曜日すいようびの午後ごご」、A-6「でももう花はなはいらない」は後のちにベスト・アルバム『SELECTION 1973-78』に収録しゅうろくされた。

ジャケットは横浜よこはま市しの根岸ねぎし森林公園しんりんこうえんで撮影さつえいされた。2人ふたりの前まえにある白しろいピアノはジャケット撮影さつえい用ように作つくった模型もけい。

この頃ころ、小田おだは東北大学とうほくだいがく工学部こうがくぶ建築けんちく学科がっかを卒業そつぎょうしてから1年ねん後ご、オフコースの活動かつどうと並行へいこうして早稲田大学わせだだいがく大学院だいがくいん理工りこう学がく研究けんきゅう科かに進学しんがく、建築けんちくと音楽おんがくのどちらをとるかの答こたえをまだ出だせずにいた。一方いっぽう、鈴木すずきは東京工業大学とうきょうこうぎょうだいがく工学部こうがくぶ制御せいぎょ工学科こうがっかを卒業そつぎょう後ご、内定ないていしていた安川電機やすかわでんきへの就職しゅうしょくを辞退じたいしてミュージシャンとしての活動かつどうへ踏ふみ出だしていた。

収録しゅうろく曲きょく

SIDE A

#	タイトル	作詞さくし・作曲さっきょく	時間じかん
1.	「僕ぼくの贈おくりもの」	小田おだ和正かずまさ	3'17"
2.	「よみがえるひととき」	小田おだ和正かずまさ	2'43"
3.	「彼かれのほほえみ」	鈴木すずき康博やすひろ	3'22"
4.	「水曜日すいようびの午後ごご」	小田おだ和正かずまさ	2'47"
5.	「地球ちきゅうは狭せまくなりました」	小田おだ和正かずまさ	2'39"
6.	「でももう花はなはいらない」	鈴木すずき康博やすひろ	3'59"

SIDE B

#	タイトル	作詞さくし・作曲さっきょく	時間じかん
1.	「歩あるこう」	鈴木すずき康博やすひろ	2'53"
2.	「ほんの少すこしの間あいだだけ」	小田おだ和正かずまさ	2'05"
3.	「貼はり忘わすれた写真しゃしん」	鈴木すずき康博やすひろ	2'52"
4.	「静しずかな昼下ひるさがり」	鈴木すずき康博やすひろ	2'16"
5.	「さわやかな朝あさをむかえるために」	小田おだ和正かずまさ	3'47"

クレジット

オール・ヴォーカル：オフ・コース

ベーシック・アレンジ：オフ・コース、重実しげざね博はく、矢沢やざわ透とおる

ストリングス・ブラス・アレンジ：青木あおき望のぞむ

Time : Side 1 (3'17")(2'43")(3'22")(2'47")(2'39")(3'59")  Side 2 (2'53")(2'05")(2'52")(2'16")(3'47")

■ミュージシャン
小田おだ和正かずまさ	:	Piano Fender “Rhodes” Electric Piano Martin D-41 Acoustic Guitar
鈴木すずき康博やすひろ	:	Martin D-41 Acoustic Guitar Conga, 口笛くちぶえ
重実しげざね博はく	:	Fender Jazz Bass
矢沢やざわ透とおる （アリス）	:	Drums
チト河内かわち （六ろく文ぶん銭ぜに）	:	Drums (B-1のみ)
柳田やなぎだヒロ （六ろく文ぶん銭ぜに）	:	Fender “Rhodes” Electric Piano (B-1,B-3)
羽田はた健太郎けんたろう	:	Fender “Rhodes” Electric Piano (A-6)
大野おおの俊三しゅんぞう	:	Trumpet (B-1)

鈴木すずき武久たけひさ	:	Trumpet (B-1)
三森みもり一郎いちろう	:	Tenor Saxophone (B-1)
鈴木すずき重雄しげお	:	Tenor Saxophone (B-1)
村岡むらおか健けん	:	Baritone Saxophone (B-1)
金山かなやま功いさお	:	Bell, Grockenspiel (A-1)
山内やまうち喜美子きみこ	:	Harp (A-1)
大富おおとみ篠しの亮あきら	:	Fagot (B-4)
堀口ほりぐち忠司ただし	:	Violin (A-3)

■スタッフ
Recording Engineer	:	小菅こすが憲一けんいち, 蜂屋はちや量りょう夫おっと 伊藤いとう猛たけし
Re-Mixing & Mastering Engineer :
		小菅こすが憲一けんいち

Producer : 橋場はしば正敏まさとし, オフ・コース

Album Design : 加藤かとう薫かおる

Photography : 波多はた健二けんじ

TOCT-25631, TOCT-95031

『オフ・コース1 ⁄ 僕ぼくの贈おくりもの』
オフ・コース の スタジオ・アルバム
リリース	2005年ねん3月がつ24日にち (2005-03-24) (TOCT-25631) 2009年ねん1月がつ21日にち (2009-01-21) (TOCT-95031)
ジャンル	ポップス ロック フォーク
時間じかん	32分ふん56秒びょう (TOCT-25631) 33分ふん14秒びょう (TOCT-95031)
レーベル	EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI (TOCT-25631) EXPRESS ⁄ EMI Music Japan (TOCT-95031)
プロデュース	橋場はしば正敏まさとし オフ・コース
EANコード
EAN 4988006195912 (TOCT-25631) EAN 4988006218345 (TOCT-95031)

解説かいせつ

2005年ねん、レコード・デビュー35周年しゅうねんにあわせ“オリジナル・アルバム15タイトル紙しジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍ざいせき中ちゅうのオリジナル作品さくひんがリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁そうていを復刻ふっこくした紙かみジャケット仕様しようにてリリースされた。2009年ねんにはSHM-CDフォーマット、通常つうじょうのプラ・ケース仕様しようで再発さいはつされた。

収録しゅうろく曲きょく

1. 僕ぼくの贈おくりもの
2. よみがえるひととき
3. 彼かれのほほえみ
4. 水曜日すいようびの午後ごご
5. 地球ちきゅうは狭せまくなりました
6. でももう花はなはいらない
7. 歩あるこう
8. ほんの少すこしの間あいだだけ
9. 貼はり忘わすれた写真しゃしん
10. 静しずかな昼下ひるさがり
11. さわやかな朝あさをむかえるために

クレジット

• リマスタリング・エンジニア：行方なみかた洋一よういち
• ジャケット資料しりょう協力きょうりょく：喜多きた雅美まさみ (サウンドステーション)
• ライナーノーツ：田家たや秀樹ひでき

リリース履歴りれき

#	発売はつばい日び	リリース	規格きかく	品番ひんばん	備考びこう
1	1973年ねん6月がつ5日にち (1973-06-05)	エキスプレス ⁄ 東芝とうしば音楽おんがく工業こうぎょう	LP	ETP-8258	ゲートフォールドジャケット。定価ていか：1800円えん
2	197?年とし (197?)	エキスプレス ⁄ 東芝とうしばEMI	LP	ETP-8258	ゲートフォールドジャケット。東芝とうしばEMIへの社名しゃめい変更へんこうと価格かかく改定かいてい：2000円えん
3	197?年とし (197?)		LP	ETP-72118	シングルジャケットによる再発さいはつ規格きかく。価格かかく改定かいてい：2300円えん。後ごの紙かみジャケットCDはこれを基準きじゅんに作成さくせい。
4	1979年ねん (1979)		CT	ZT25-319
5	1983年ねん11月21日にち (1983-11-21)		CD	CA35-1040	初はつCD化か（以降いこう全すべてアーティスト非ひ監修かんしゅうによる再発さいはつ）。
6	1985年ねん9月がつ28日にち (1985-09-28)		CD	CA32-1156	品番ひんばんおよび価格かかく改定かいてい。
7	1987年ねん7月がつ5日にち (1987-07-05)		CD	CA25-1480	オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12枚まい組ぐみCD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)の中なかの1枚まい。
			CT	ZH22-1850	オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12本ほん組ぐみカセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)の中なかの1本ほん。
8	1991年ねん6月がつ7日にち (1991-06-07)		CD	TOCT-6201
9	1992年ねん6月がつ24日にち (1992-06-24)		CD	TOCT-6560	音蔵おとぞうシリーズでの再発さいはつ。
10	1998年ねん2月がつ25日にち (1998-02-25)		CD	TOCT-10084	Q盤ばんシリーズでの再発さいはつ。
11	1998年ねん11月18日にち (1998-11-18)		CD	TOCT-10542	オリジナル・アルバム+ライブ・アルバム全ぜん13タイトルの14枚まい組ぐみCD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)の中なかの1枚まい。
12	2001年ねん6月がつ27日にち (2001-06-27)		CD	TOCT-10771	スーパーリマスタリングシリーズでの再発さいはつ。
13	2005年ねん3月がつ24日にち (2005-03-24)		CD	TOCT-25631	紙かみジャケット仕様しよう（見開みひらきジャケットは再現さいげんされていない）。24ビット・デジタル・リマスタリング音源おんげんによる再発さいはつ。
14	2009年ねん1月がつ21日にち (2009-01-21)	エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン	SHM-CD	TOCT-95031
15	2019年ねん9月がつ25日にち (2019-09-25)	UNIVERSAL MUSIC JAPAN	MQA/UHQCD	UPCY-40034	【ハイレゾCD名めい盤ばんシリーズ オフコース編へん】の1枚まい。オリジナル・アナログ・テープを基もとにした2015年ねん (2015)192kHzきろへるつ/24bitマスターを176.4kHzきろへるつ/24bitに変換へんかんして収録しゅうろく。グリーン・カラー・レーベルコートによる、生産せいさん限定げんてい盤ばん。クリアファイル型がたの帯おびは付属ふぞくしていない。
16	2020年ねん10月がつ28日にち (2020-10-28)	USM JAPAN / UNIVERSAL MUSIC LLC	CD	UPCX-4278	オリジナル14作品さくひん、ライブ2作品さくひん、ベスト3作品さくひん、サウンドトラック1作品さくひんを1BOXに収録しゅうろくした全ぜん21枚まい組ぐみCD BOX『コンプリート・アルバム・コレクションCD BOX』(UPCY-9923)の中なかの1タイトル。12cm紙しジャケット仕様しよう。

外部がいぶリンク

• 僕ぼくの贈おくりもの  – Discography

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