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ワインのにお

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ワインのにおい』
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
録音ろくおん 1975ねん7がつ2にち – 11がつ6にち (1975-07-02 – 1975-11-06)
ジャンル
レーベル EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI
プロデュース 武藤むとう敏史としふみ
チャート最高さいこう順位じゅんい
  • 62オリコン
  • 登場とうじょう回数かいすう14かい(オリコン)
オフ・コース アルバム 年表ねんぴょう
  • ワインのにお
  • (1975ねん (1975)
『ワインのにおい』収録しゅうろくシングル
  1. ねむれぬよる昨日きのうへの手紙てがみ
    リリース: 1975ねん12がつ20日はつか (1975-12-20)
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ワインのにお』(ワインのにおい)は、1975ねん12月20にち発売はつばいされたオフコース当時とうじ表記ひょうきはオフ・コース)通算つうさん3さくオリジナル・アルバム

解説かいせつ

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ほんさくから武藤むとう敏史としふみプロデューサーとして参加さんか以後いご、『FAIRWAY[注釈ちゅうしゃく 1]までプロデュースをがける。武藤むとう1973ねん4がつ東芝とうしば音楽おんがく工業こうぎょう当時とうじ入社にゅうしゃトワ・エ・モワりりィなどをプロデュース怪我けがのためいち休養きゅうよう。オフコースを担当たんとうするはなしがったのは入院にゅういんちゅうのこと。「病院びょういんに、当時とうじ制作せいさく部長ぶちょう見舞みまいにてくれたとき、『オフコースっているか』ってわれて。もちろんらないはずがない。ぼく学生がくせい時代じだいからってたし。それでプロデュースするのはどうかかれたけど、もう半年はんとしちか入院にゅういんしていて、たして自分じぶんなおって仕事しごともどれるか不安ふあんだったし、それをかんがえるほうが先決せんけつだったから、すぐに返事へんじはできなかった」と、そのきっかけについてこたえている。

オフコースはこのアルバムリリースの前年ぜんねんである1974ねん10月26にち中野なかのサンプラザおこなわれたリサイタル『“あきゆくまちで”』にてこのコンサートの直前ちょくぜん発売はつばいされたシングル「わすゆき[注釈ちゅうしゃく 2]自分じぶんたちのぞんでリリースしたきょくではないとしてうたわなかった[注釈ちゅうしゃく 3]。それまでのプロデューサーで『わすゆき』をすすめた橋場はしば正敏まさとしとは以前いぜんからいがくなかったが、このいちけん原因げんいん橋場はしばとオフコースの関係かんけいさらいがわるくなってしまう。最終さいしゅうてき橋場はしば喧嘩けんかわかれのかたちでオフコースのプロデューサーをりることになり、後任こうにん武藤むとう打診だしんされることとなった。

プロデューサー交代こうたいはないは武藤むとう快復かいふくつということで一時いちじちゅうき、退院たいいんあらためて検討けんとうされ、武藤むとう小田おだ鈴木すずきった。そのときの印象いんしょう武藤むとうは「だいいち印象いんしょうは、みんながうほどとっつきにくいというかんじはなかった。いきなり音楽おんがくはなしからはいったし、音楽おんがくってのは遠慮えんりょもなにもないからね。それに、とっつきにくいっていうのはそうえるだけであって中味なかみはそうじゃない。ホットでしょう。それがすぐかったし」とこたえ、プロデュースを担当たんとうすることがまったことについては「担当たんとうすることになったときは、もうどうしようかとおもうくらいうれしかった。素晴すばらしいグループだし、やってみたかったし。でもうれしい反面はんめん相当そうとう大物おおものだからね。かるひとにはわかるわけ、かれらがすごひとたちだっていうことは。ぼく学生がくせい時代じだい音楽おんがくをやってたころから、そのあたりひとたちにオフコースの存在そんざい有名ゆうめいだった。みんながスリー・コードでだれにでもはじける音楽おんがくをやってる時代じだいに、すでにしっかりしたコードで、きちっとした音楽おんがくせいでやってたし、メッセージ・フォークが主流しゅりゅうになったころも“メッセージがないと音楽おんがくをやる人間にんげんじゃない”みたいな雰囲気ふんいきなか勇気ゆうきって音楽おんがく一本槍いっぽんやりでやってた。素晴すばらしいことだとおもってたね、ずっと。だから、音楽おんがくてきにはすごくやりたかったけど、大物おおものだし、うまくちかづけるかとか、不安ふあんはいっぱいあった。でもわかかったし夢中むちゅうだったから、いろんなこと全部ぜんぶあわせても、やりたいとおもった」と、こたえている。

武藤むとう過去かこのアルバムにたいして、きょくひとつひとつはいが全体ぜんたいにまとまりがなく、つくかたのポリシーがない。オフコース自身じしんつポリシーをあらわせずにわっていると、ずっとそうおもっていた。そこで、「もっと充分じゅうぶん時間じかんをとってかれらのやりたいようにつくれるあたえる、それも大切たいせつなことだとおもう」とかんがえ、二人ふたり満足まんぞくできるくらい時間じかんをかけることにした。結果けっか、1975ねん7がつからはじまったレコーディングは500あいだえ、当時とうじサディスティック・ミカ・バンドっていたレコーディング時間じかん最長さいちょう記録きろく更新こうしんした。こまかいおとひとつひとつにまで時間じかんがかけられ、いままでとはあまりにちがうやりかたに「そんなことしていいのか」と、小田おだ鈴木すずきなんおもったという。アルバム制作せいさくかえって武藤むとうは「小田おだ鈴木すずき両氏りょうしともにスタジオのなか物狂ものぐるいの音楽おんがくてき格闘かくとうをした」「ながいブランクののちだけにきょくのストックもいっぱいあって、どのきょくえら収録しゅうろくするかが格闘かくとうはじまり。なんなんもミーティングをかえしたうえ採用さいようしたきょくでもスタジオにはいってからまたいろいろ手直てなおしをしたり、まさに二人ふたりぼくとの格闘かくとう連続れんぞくであった」とかたっている。

オフコースは橋場はしばがプロデューサー時代じだい東芝とうしばEMIの「だい1制作せいさく」の管轄かんかつアーティストだったが、武藤むとうがプロデューサーに就任しゅうにんは「だい2制作せいさく」に移籍いせきしている。

A-1「あめに」のイントロでかれるくるま走行そうこうおんはレコーディング最終さいしゅう豪雨ごううなか小田おだ当時とうじ愛車あいしゃトヨタ・セリカはしらせ、そのおと録音ろくおんしたもの。

A-3「ねむれぬよる」は、小田おだいた当初とうしょバラードだったが[注釈ちゅうしゃく 4]、「それまでのアルバムには無条件むじょうけん理屈りくつきにたのしめるようなきょくや、シンプルなきょくすくなすぎたのではないか」という武藤むとう助言じょげんにより8ビートにリアレンジされた。

A-5「ワインのにおい」ははじめて荒井あらい由実ゆみのステージをたときにまとめたきょくだと小田おだのち雑誌ざっしのインタビューでこたえている。しかし、「ユーミンにささげたきょく」とはなし変質へんしつして理解りかいされてしまい、雑誌ざっし「ギターブック」での小田おだあて質問しつもんにそのような内容ないよう垣間見かいまみられるが、小田おだただしいいきさつを説明せつめいしている。のち小田おだが「こころ[注釈ちゅうしゃく 5]のカップリングとしてセルフ・カヴァーした。

B-1「に」で矢沢やざわとおる演奏えんそうした楽器がっきとしてクレジットされている“Tawanji(タワンジ)”とは、たわしスポンジのこと。当初とうしょマラカス使つか予定よていだったが納得なっとくいくおとせず、矢沢やざわ発案はつあんでたわしでスポンジをこすった。

B-3「あめはげしく」はのち鈴木すずきがアルバム『FORWARD[注釈ちゅうしゃく 6]にてセルフカヴァーした。

B-4「あいうた」は「カーペンターズうたってもらえないか」とかんがえ、1976ねんに「I’ll Be Coming Home」という英語えいごばん制作せいさくしデモテープをおくった。結局けっきょく実現じつげんはしなかったがリチャード・カーペンターから「たしかにあのとき、オフコースのデモテープはとどいていた」と、コメントをもらったという。のち小田おだが「つたえたいことがあるんだ[注釈ちゅうしゃく 7]のカップリングとしてセルフ・カヴァーし、『LOOKING BACK 2[注釈ちゅうしゃく 8]にも収録しゅうろくされた。

B-6「老人ろうじんのつぶやき」は、NHKみんなのうた』へのきょく提供ていきょう依頼いらいけてつくったが採用さいようことわられたきょくのちに『Eテレタイムマシン 秘宝ひほうスペシャル』オープニングテーマに採用さいようされた。

ジャケット写真しゃしん新宿しんじゅく御苑ぎょえん撮影さつえいされた。

収録しゅうろくきょく

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  1. あめ (2'37")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  2. 昨日きのうへの手紙てがみ (3'04")
    きょく) 鈴木すずき康博やすひろ
  3. ねむれぬよる (3'16")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  4. 倖せなんて (2'42")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  5. ワインのにお (3'12")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  6. あれからきみ (3'14")
    きょく) 鈴木すずき康博やすひろ
  1. (2'52")
    きょく) 鈴木すずき康博やすひろ
  2. 少年しょうねんのように (1'34")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  3. あめはげしく (3'13")
    きょく) 鈴木すずき康博やすひろ
  4. あいうた (4'12")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
  5. 幻想げんそう (3'13")
    ) 小田おだ和正かずまさきょく) 鈴木すずき康博やすひろ
  6. 老人ろうじんのつぶやき (4'25")
    きょく) 小田おだ和正かずまさ
全曲ぜんきょく編曲へんきょく : オフ・コース

クレジット

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TOCT-25634, TOCT-95034

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『ワインのにおい』
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
録音ろくおん 1975ねん7がつ2にち – 11がつ6にち (1975-07-02 – 1975-11-06)
ジャンル
時間じかん
プロデュース 武藤むとう敏史としふみ
EANコード
EAN 4988006195943 (TOCT-25634)
EAN 4988006218383 (TOCT-95034)
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解説かいせつ

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2005ねん、レコード・デビュー35周年しゅうねんにあわせ“オリジナル・アルバム15タイトルジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍ざいせきちゅうのオリジナル作品さくひんがリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁そうてい復刻ふっこくしたかみジャケット仕様しようにてリリースされた。2009ねんにはSHM-CDフォーマット、通常つうじょうのプラ・ケース仕様しよう再発さいはつされた。

収録しゅうろくきょく

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  1. あめ
  2. 昨日きのうへの手紙てがみ
  3. ねむれぬよる
  4. 倖せなんて
  5. ワインのにお
  6. あれからきみ
  7. 少年しょうねんのように
  8. あめはげしく
  9. あいうた
  10. 幻想げんそう
  11. 老人ろうじんのつぶやき

クレジット

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  • リマスタリング・エンジニア:行方なみかた洋一よういち
  • ジャケット資料しりょう協力きょうりょく喜多きた雅美まさみ (サウンドステーション)
  • ライナーノーツ:田家たや秀樹ひでき

リリース履歴りれき

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# 発売はつばい リリース 規格きかく 品番ひんばん 備考びこう
1 1975ねん12がつ20日はつか (1975-12-20) エキスプレス ⁄ 東芝とうしばEMI LP ETP-72123  セカンドプレスからおびのデザインが一新いっしんされた
2 1979ねん (1979) CT ZT25-321  
3 1983ねん11月21にち (1983-11-21) CD CA35-1032 はつCD以降いこうすべてアーティスト監修かんしゅうによる再発さいはつ)。
4 1985ねん9がつ28にち (1985-09-28) CD CA32-1158 品番ひんばんおよび価格かかく改定かいてい
5 1987ねん7がつ5にち (1987-07-05) CD CA25-1483 オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12まいぐみCD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)のなかの1まい
CT ZH22-1853 オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12ほんぐみカセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)のなかの1ほん
6 1991ねん6がつ7にち (1991-06-07) CD TOCT-6203  
7 1992ねん6がつ24にち (1992-06-24) CD TOCT-6562 音蔵おとぞうシリーズでの再発さいはつ
8 1998ねん2がつ25にち (1998-02-25) CD TOCT-10086 Qばんシリーズでの再発さいはつ
9 1998ねん11月18にち (1998-11-18) CD TOCT-10544 オリジナル・アルバム+ライブ・アルバムぜん13タイトルの14まいぐみCD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)のなかの1まい
10 2001ねん9がつ7にち (2001-09-07) CD TOCT-10774 スーパーリマスタリングシリーズでの再発さいはつ
11 2005ねん3がつ24にち (2005-03-24) CD TOCT-25634 かみジャケット仕様しよう。24ビット・デジタル・リマスタリング音源おんげんによる再発さいはつ
12 2009ねん1がつ21にち (2009-01-21) エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン SHM-CD TOCT-95034  

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ FAIRWAY1978ねん10月5にち発売はつばい EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-80040
  2. ^ わすゆき」 1974ねん10がつ20日はつか (1974-10-20)発売はつばい EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI 7":ETP-20074
  3. ^ わすゆき」はメンバーである、小田おだ和正かずまさ鈴木すずき康博やすひろとも作詞さくし作曲さっきょくやヴォーカルろく以外いがいのレコーディングにかかわっていなく、レコード会社かいしゃがわ意向いこうでオフコースがわ納得なっとくしない状態じょうたい制作せいさくされた楽曲がっきょくだった。また、そののライブでも解散かいさんまで1うたっていない。
  4. ^ 鈴木すずきいわく「透明とうめい雰囲気ふんいき」。
  5. ^ こころ2007ねん8がつ15にち発売はつばい Little Tokyo ⁄ BMG JAPAN CD:FHDL-7004
  6. ^ FORWARD2004ねん12月8にち発売はつばい EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI CD:TOCT-25563
  7. ^ つたえたいことがあるんだ1997ねん7がつ24にち発売はつばい Little Tokyo ⁄ FUNHOUSE SCD:FHDL-1106
  8. ^ LOOKING BACK 22001ねん5月16にち発売はつばい Little Tokyo ⁄ FUN HOUSE CD:FHCL-2018

出典しゅってん

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  1. ^ 【CD】ワインのにおい<初回しょかい生産せいさん限定げんていばん” (日本語にほんご). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社かぶしきがいしゃ. 2017ねん2がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ 【SHM-CD】ワインのにおい<完全かんぜん生産せいさん限定げんていばん” (日本語にほんご). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社かぶしきがいしゃ. 2017ねん2がつ3にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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音楽おんがく配信はいしんサイト

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ハイレゾ配信はいしん

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