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函館はこだて連隊れんたい区く

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

函館はこだて連隊れんたい区く（はこだてれんたいく）は、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんの連隊れんたい区くの一ひとつ。前身ぜんしんは函館はこだて大隊だいたい区くである。北海道ほっかいどうの一部いちぶ地域ちいきの徴兵ちょうへい・召集しょうしゅう等ひとし兵事へいじ事務じむを取とり扱あつかった。実務じつむは函館はこだて連隊れんたい区く司令しれい部ぶが執行しっこうした。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、同どう域いきに函館はこだて地区ちく司令しれい部ぶが設もうけられ、地域ちいき防衛ぼうえい体制たいせいを担任たんにんした。

沿革えんかく

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1894年ねん（明治めいじ27年ねん）10月がつ19日にちの大隊だいたい区く司令しれい部ぶ条例じょうれい改正かいせい（明治めいじ27年ねん勅みことのり令れい第だい178号ごう）により函館はこだて大隊だいたい区くが設置せっちされ、第だい7師し管かん第だい13旅たび管かんに属ぞくした。また、同時どうじに改正かいせいされた「陸軍りくぐん管区かんく表ひょう」（明治めいじ27年ねん勅みことのり令れい第だい177号ごう）により、管轄かんかつ区域くいきが定さだめられた。

1896年ねん（明治めいじ29年ねん）4月がつ1日にち、函館はこだて大隊だいたい区くは連隊れんたい区く司令しれい部ぶ条例じょうれい（明治めいじ29年ねん勅みことのり令れい第だい56号ごう）によって連隊れんたい区くに改組かいそされ、旅たび管かんが廃止はいしとなり引ひき続つづき第だい7師し管かんに属ぞくした[1]。1899年ねん7月がつ21日にち、司令しれい部ぶが函館はこだて区く船見ふなみ町まちに移転いてんした[2]。

1903年ねん（明治めいじ36年ねん）2月がつ14日にち、改正かいせいされた「陸軍りくぐん管区かんく表ひょう」（明治めいじ36年ねん勅みことのり令れい第だい13号ごう）が公布こうふとなり、再ふたたび旅たび管かんが採用さいようされ連隊れんたい区くは第だい7師し管かん第だい13旅たび管かんに属ぞくした。

日本にっぽん陸軍りくぐんの内地ないち19個こ師団しだん体制たいせいに対応たいおうするため陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改正かいせい（明治めいじ40年ねん9月がつ17日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）され[3]、1907年ねん（明治めいじ40年ねん） 10月がつ1日にち、全国ぜんこく的てきに管轄かんかつ区域くいきの大幅おおはばな変更へんこうが実施じっしされたが、北海道ほっかいどうについてはほとんど変更へんこうがなかった。

1910年ねん（明治めいじ43年ねん）3月がつ11日にち、札幌さっぽろ連隊れんたい区くから後志しりべ国こく区域くいきの編入へんにゅうなど、管轄かんかつ区域くいきの変更へんこうが実施じっしされた[4]。

1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）4月がつ6日にち、日本にっぽん陸軍りくぐんの第だい三さん次じ軍備ぐんび整理せいりに伴ともない陸軍りくぐん管区かんく表ひょうが改正かいせい（大正たいしょう14年ねん軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）され[5]、同年どうねん5月がつ1日にち、旅たび管かんは廃はいされ引ひき続つづき第だい7師し管かんの所属しょぞくとなった。

1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）8月がつ1日にち、函館はこだて連隊れんたい区くは北部ほくぶ軍ぐん管区かんく旭川あさひかわ師し管かんに属ぞくすることとなった。ただし、北部ほくぶ軍ぐん管区かんくを管轄かんかつとする北部ほくぶ軍ぐん司令しれい部ぶが設置せっちされる同年どうねん12月がつ2日にちまで、北部ほくぶ軍ぐん管区かんくに関かんする事項じこうは施行しこうが延期えんきされた[6]。1945年ねんには作戦さくせんと軍政ぐんせいの分離ぶんりが進すすめられ、軍ぐん管区かんく・師し管区かんくに司令しれい部ぶが設もうけられたのに伴ともない、同年どうねん3月がつ24日にち、連隊れんたい区くの同どう域いきに地区ちく司令しれい部ぶが設もうけられた[7]。地区ちく司令しれい部ぶの司令しれい官かん以下いか要員よういんは連隊れんたい区く司令しれい部ぶ人員じんいんの兼任けんにんである。同年どうねん4月がつ1日にち、旭川あさひかわ師し管かんは旭川あさひかわ師し管区かんくと改称かいしょうされた[8]。

管轄かんかつ区域くいきの変遷へんせん

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1894年ねん10月がつ19日にち、函館はこだて大隊だいたい区くが設置せっちされ、管轄かんかつ区域くいきが次つぎのとおり定さだめられた[9]。

  • 北海道ほっかいどう
函館はこだて区く・亀田かめだ郡ぐん・上磯かみいそ郡ぐん・松前まさき郡ぐん・檜山ひやま郡ぐん・爾志にし郡ぐん・茅部かやべ郡ぐん（渡島ととう国こく） 久遠くどお郡ぐん・奥尻おくしり郡ぐん・太櫓ふとろ郡ぐん・瀬棚せたな郡ぐん・島牧しままき郡ぐん・寿都すっつ郡ぐん・歌棄うたすつ郡ぐん・磯谷いそだに郡ぐん・岩内いわうち郡ぐん・古宇ふるう郡ぐん（後志しりべ国こく） 山越やまぐい郡ぐん（胆振いぶり国こく）

1896年ねん4月がつ1日にち、連隊れんたい区くへ改組かいそされた際さいに管轄かんかつ区域くいきの変更へんこうはなかった[1]。

1897年ねん（明治めいじ30年ねん）4月がつ1日にち、札幌さっぽろ連隊れんたい区くへ後志しりべ国こく岩内いわうち郡ぐん・古宇ふるう郡ぐんを移管いかんした[10]。

1907年ねん10月がつ1日にち、全国ぜんこく的てきに管轄かんかつ区域くいきの変更へんこうが行おこなわれたが、函館はこだて連隊れんたい区くでは実施じっしされなかった[11]。この時点じてんでの管轄かんかつ区域くいきは次つぎのとおり。

  • 北海道ほっかいどう
函館はこだて区く・亀田かめだ郡ぐん・上磯かみいそ郡ぐん・松前まさき郡ぐん・檜山ひやま郡ぐん・爾志にし郡ぐん・茅部かやべ郡ぐん（渡島ととう国こく） 久遠くどお郡ぐん・奥尻おくしり郡ぐん・太櫓ふとろ郡ぐん・瀬棚せたな郡ぐん・島牧しままき郡ぐん・寿都すっつ郡ぐん・歌棄うたすつ郡ぐん・磯谷いそだに郡ぐん（後志しりべ国こく） 山越やまぐい郡ぐん（胆振いぶり国こく）

1910年ねん3月がつ11日にち、次つぎのとおり管轄かんかつ区域くいきが変更へんこうされた[4]。札幌さっぽろ連隊れんたい区くから後志しりべ国こく区域くいきと胆振いぶり国こく虻田あぶた郡ぐん（虻田あぶた村むら・弁べん辺べ村むらを除のぞく）を編入へんにゅうした。

  • 北海道ほっかいどう
函館はこだて区く・亀田かめだ郡ぐん・上磯かみいそ郡ぐん・松前まさき郡ぐん・檜山ひやま郡ぐん・爾志にし郡ぐん・茅部かやべ郡ぐん（渡島ととう国こく） 久遠くどお郡ぐん・奥尻おくしり郡ぐん・太櫓ふとろ郡ぐん・瀬棚せたな郡ぐん・島牧しままき郡ぐん・寿都すっつ郡ぐん・歌棄うたすつ郡ぐん・磯谷いそだに郡ぐん・岩内いわうち郡ぐん・古宇ふるう郡ぐん・小樽おたる区く・小樽おたる郡ぐん・高島たかしま郡ぐん・忍路おしょろ郡ぐん・余市よいち郡ぐん・古平ふるびら郡ぐん・美国びくに郡ぐん・積丹しゃこたん郡ぐん（後志しりべ国こく） 山越やまぐい郡ぐん・虻田あぶた郡ぐん 虻田あぶた村むら 弁べん辺べ村むらヲ除じょク（胆振いぶり国こく）

1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）3月がつ31日にち、函館はこだて区くを函館はこだて市しに、小樽おたる区くを小樽おたる市しに変更へんこうした[12]。

1925年ねん5月がつ1日にち、北海道ほっかいどうに関かんして管轄かんかつ区域くいきの表記ひょうきを、次つぎのとおり市しと支庁しちょうによるものに変更へんこうした[13]。その後ご、廃止はいしされるまで変更へんこうはなかった。

  • 北海道ほっかいどう
函館はこだて市し・小樽おたる市し・渡島ととう支庁しちょう・檜山ひやま支庁しちょう・後志しりべ支庁しちょう

司令しれい官かん

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  • 安東あんどう貞一郎ていいちろう 歩兵ほへい少佐しょうさ：1896年ねん4月がつ1日にち[14] - 不ふ詳しょう
  • 穂積ほづみ丹たん五郎ごろう 歩兵ほへい少佐しょうさ：不ふ詳しょう - 1898年ねん10月がつ1日にち
  • 奥宮おくのみや正勝まさかつ 歩兵ほへい少佐しょうさ：1898年ねん10月がつ1日にち - 11月1日にち
  • 奥宮おくのみや正勝まさかつ 後備こうび歩兵ほへい少佐しょうさ：1898年ねん11月1日にち - 1900年ねん1月がつ11日にち
  • 平野ひらの参さん郎ろう 歩兵ほへい少佐しょうさ：1900年ねん1月がつ11日にち -
  • 島しま良忠よしただ 歩兵ほへい少佐しょうさ：1901年ねん11月1日にち - 1902年ねん11月1日にち
  • 内藤ないとう基はじめ 歩兵ほへい少佐しょうさ：1902年ねん11月1日にち - 1906年ねん11月19日にち
  • 桜井さくらい利吉としきち 歩兵ほへい少佐しょうさ：1906年ねん11月19日にち - 1912年ねん3月がつ8日にち
  • 佐藤さとう房ぼう隆たかし 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1912年ねん3月がつ8日にち - 1912年ねん9月がつ28日にち
  • 五十嵐いがらし多た一いち 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1912年ねん9月がつ28日にち - 1915年ねん12月23日にち
  • 安原やすはら瀧蔵たきぞう 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1915年ねん12月23日にち - 1917年ねん8月がつ6日にち
  • 益えき満まん竹之助たけのすけ 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1917年ねん8月がつ6日にち - 1921年ねん6月がつ28日にち[15]
  • 辰巳たつみ富吉とみきち 歩兵ほへい中佐ちゅうさ：1921年ねん6月がつ28日にち[15] - 1923年ねん8月がつ6日にち[16]
  • 長谷川はせがわ国太郎くにたろう 歩兵ほへい大佐たいさ：1923年ねん8月がつ6日にち[16] -
  • 牛島うしじま貞吉さだきち 歩兵ほへい大佐たいさ：不ふ詳しょう - 1928年ねん8月がつ10日とおか[17]
  • 井上いのうえ澄きよし 歩兵ほへい大佐たいさ：1928年ねん8月がつ10日とおか[17] -
  • 松尾まつお英一ひでかず 歩兵ほへい大佐たいさ：1934年ねん8月がつ1日にち - 1937年ねん3月がつ1日にち[18]
  • 松井まつい源之助げんのすけ 歩兵ほへい大佐たいさ：1937年ねん3月がつ1日にち - 1938年ねん3月がつ31日にち[19]
  • 山田やまだ三郎さぶろう 大佐たいさ：1943年ねん3月がつ1日にち - 1944年ねん7月がつ14日にち[20]
函館はこだて連隊れんたい区く兼けん函館はこだて地区ちく司令しれい官かん
  • 松尾まつお英一ひでかず 予備よび役やく陸軍りくぐん少将しょうしょう：1945年ねん3月がつ31日にち[21] -

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ29年ねん3月がつ16日にち勅みことのり令れい第だい24号ごう）
  2. ^ 『官報かんぽう』第だい4825号ごう、明治めいじ32年ねん8月がつ1日にち。
  3. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』57-58頁ぺーじ。
  4. ^ a b 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ43年ねん3月がつ11日にち軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）
  5. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』101頁ぺーじ。
  6. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ15年ねん7月がつ24日にち軍令ぐんれい陸りく第だい20号ごう）
  7. ^ 『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』480頁ぺーじ。
  8. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（昭和しょうわ20年ねん2月がつ9日にち軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）
  9. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ27年ねん10月がつ19日にち勅みことのり令れい第だい177号ごう）
  10. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ29年ねん12月4日にち勅みことのり令れい第だい381号ごう）
  11. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（明治めいじ40年ねん9月がつ17日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）
  12. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（大正たいしょう12年ねん3月がつ31日にち軍令ぐんれい陸りく第だい3号ごう）
  13. ^ 陸軍りくぐん管区かんく表ひょう（大正たいしょう14年ねん4月がつ6日にち軍令ぐんれい陸りく第だい2号ごう）
  14. ^ 『官報かんぽう』第だい3832号ごう、明治めいじ29年ねん4月がつ11日にち。
  15. ^ a b 『官報かんぽう』第だい2673号ごう、大正たいしょう10年ねん6月がつ29日にち。
  16. ^ a b 『官報かんぽう』第だい3306号ごう、大正たいしょう12年ねん8月がつ7日にち。
  17. ^ a b 『官報かんぽう』第だい488号ごう、昭和しょうわ3年ねん8月がつ11日にち。
  18. ^ 福川ふくかわ 2001, 675頁ぺーじ.
  19. ^ 『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 陸軍りくぐん篇へん』283頁ぺーじ。
  20. ^ 『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 陸軍りくぐん篇へん』342頁ぺーじ。
  21. ^ 「第だい７４号ごう　昭和しょうわ２０年ねん３月がつ３１日にち　陸軍りくぐん異動いどう通報つうほう」 アジア歴史れきし資料しりょうセンター Ref.C12120937900 

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 防衛ぼうえい研修けんしゅう所しょ戦史せんし室しつ『陸軍りくぐん軍ぐん戦備せんび』朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ〈戦史せんし叢書そうしょ〉、1979年ねん。
  • 外山とやま操みさお編へん『陸海りくかい軍ぐん将官しょうかん人事じんじ総覧そうらん 陸軍りくぐん篇へん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、1981年ねん。
  • 福川ふくかわ秀樹ひでき 編著へんちょ『日本にっぽん陸軍りくぐん将官しょうかん辞典じてん』芙蓉ふよう書房しょぼう出版しゅっぱん、2001年ねん。ISBN 4829502738。 
  • 『官報かんぽう』
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