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副葬品ふくそうひん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

副葬品ふくそうひん(ふくそうひん)は葬儀そうぎさいして死者ししゃとも埋葬まいそうされる器物きぶつである。なお人間にんげん動物どうぶつなど生物せいぶつころしてともめることを殉葬という。

概要がいよう

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副葬品ふくそうひんは、死者ししゃとむらうえあるいは死後しご必要ひつようかんがえられたために、とも埋葬まいそうされる物品ぶっぴんである。こういった文化ぶんか形態けいたい人間にんげんたんなる現象げんしょうではなく、特別とくべつ意味いみがあるものだととらえるようになって以降いこう発達はったつしたとかんがえられており、その様式ようしき様々さまざまではあるものの、先史せんし時代じだいからすでに死者ししゃとも様々さまざま物品ぶっぴん埋葬まいそうされている。火葬かそうにおいては、ともかんおさめられ遺体いたいともやされるものもあれば、火葬かそうはかおさめられる段階だんかい遺骨いこつとも埋葬まいそうされるものもある。

もっと原初げんしょてき形態けいたいは、ひと生活せいかつするうえで必要ひつようとされる食品しょくひんや、あるいは当人とうにん生前せいぜん使用しようしていた道具どうぐ、あるいはしんなごませる草花くさばななど、死者ししゃ自身じしんかれないし彼女かのじょきそれを埋葬まいそうした当事とうじしゃらにとって身近みぢか物品ぶっぴんであったとかんがえられており、今日きょう考古学こうこがくにおいて発掘はっくつされる墳墓ふんぼなど埋葬まいそうあとからは、当時とうじしのばせる様々さまざま遺物いぶつ出土しゅつどしている。こういった活動かつどう現代げんだいつらなるヒト直系ちょっけい祖先そせんだけではなく、異説いせつもあるがネアンデルタールじん社会しゃかいにもあったともかんがえられている。

とも埋葬まいそうされる物品ぶっぴんという意味いみでは、かん衣類いるいさらには死者ししゃ手向たむけられかんおさめられるはなとも火葬かそうされたり埋葬まいそうされるが、これらはあま意識いしきして副葬品ふくそうひんあつかいされることはない。これらは死者ししゃおさめる容器ようきであったり、遺体いたいといえども人間にんげんとしての尊厳そんげんがある以上いじょう着衣ちゃくい状態じょうたい標準ひょうじゅんてきであり、死者ししゃ存在そんざい不可分ふかぶんなためである。しかし前述ぜんじゅつのネアンデルタールじん埋葬まいそうあとれいでは、化石かせき花粉かふん見出みいだされたため、埋葬まいそうさいしてはなそなえたとかんがえられ、その意味いみでははな副葬品ふくそうひんである。

より実際じっさいてき意味いみでの副葬品ふくそうひんでは、遺体いたいそのものとは関係かんけいないが、故人こじん関係かんけいのある物品ぶっぴんともほうむられたり、あるいは宗教しゅうきょうてき価値かちかんから死後しご世界せかい必要ひつようかんがえられるもの副葬品ふくそうひんとしてそなえられる。たとえば日本にっぽん仏教ぶっきょう様式ようしきでは、火葬かそうとなったのちたましいしばら徒歩とほ三途さんずかわまであるかないといけない(たびをする)ために、火葬かそうまえかんなかには三途さんずかわわたちんであるめいぜにと、道中どうちゅう必要ひつようべいしおという最低限さいていげん食料しょくりょうが、ちいさな布製ぬのせいふくろおさめられて遺体いたいえられる。なお余禄よろくではあるが、その日本にっぽんでは、通例つうれいとして火葬かそうさいきてしまうまわりの物品ぶっぴんかんおさめることもしばしばおこなわれる。

また、宗教しゅうきょうかんもとづく死後しご必要ひつようかんがえられるもの故人こじんえん物品ぶっぴんだけではなく、権力けんりょくしゃなど特定とくてい社会しゃかいてき地位ちいったものでは、その地位ちい相応ふさわしいとかんがえられるもの特別とくべつ用意よういされとも埋葬まいそうされる場合ばあいもある。使つか必要ひつようだとかんがえれば、殉死じゅんしなどのかたち使つかいそのものを副葬品ふくそうひんとする場合ばあいもあったが、こういったかんがかた人権じんけんなど社会しゃかい通念つうねん発達はったつ(→人道じんどう)にもともない、それを代用だいようする人形にんぎょうまされたりするようにもなっている(→兵馬へいば埴輪はにわ)。

後世こうせい社会しゃかいかかわり

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副葬品ふくそうひんは、様々さまざま社会しゃかい各々おのおの形態けいたいがあるものの、こと権力けんりょくしゃなどでは財宝ざいほうなど後世こうせいにも通用つうようする貴重きちょう物品ぶっぴんともおさめられる場合ばあいもある。また、当時とうじ文化ぶんか技術ぎじゅついきらした工芸こうげいひんなどがおさめられる場合ばあいもある。

盗掘とうくつ

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死者ししゃ当人とうにんや、その死者ししゃたいする弔意ちょういから副葬品ふくそうひんおさめたがわからすると迷惑めいわくなことかもしれないが、財産ざいさんてき価値かちがある副葬品ふくそうひんおさめられた墳墓ふんぼ中身なかみるためにかえされるい、その遺物いぶつぬすまれる場合ばあいもある。こういった行為こうい盗掘とうくつというが、高価こうか副葬品ふくそうひん古代こだいよりはか泥棒どろぼうねら対象たいしょうとなった。

ただ、副葬品ふくそうひんおさめるがわとしてははか泥棒どろぼうほどこしをするためにおこなっているわけでもないため、遺体いたい副葬品ふくそうひんとをまもるための工夫くふうらされたケースも歴史れきしじょうおお見出みいだされる。埋葬まいそう場所ばしょ秘匿ひとくすることもあったが、なかにはにせはか用意よういしてはか泥棒どろぼうらしたり、あるいは構造こうぞう工夫くふう厳重げんじゅう封印ふういんするなどして、はからされるのをふせいだりした。そのなかには呪術じゅじゅつなどちょうつねてきちからにその加護かごもとめたとかんがえられるものもられた。

しかしこういった埋葬まいそうがわ盗掘とうくつがわ知恵ちえくらべでは、後述こうじゅつするように考古学こうこがく調査ちょうさ対象たいしょうとして研究けんきゅうされることもあれば、いようにらされた結果けっかとして副葬品ふくそうひん後世こうせい埋葬まいそうしゃとは無関係むかんけい場所ばしょで、高価こうか財宝ざいほうなんらかの記念きねんぶつとしてあつかわれている場合ばあいもある。たとえば王家おうけたに近隣きんりんでは後世こうせい盗掘とうくつ地場じば産業さんぎょう村落そんらくまで形成けいせいされたほか、ワッケーロからんではプレ・インカ墳墓ふんぼ副葬品ふくそうひんである土器どき地域ちいき厄除やくよ祈願きがんのおまもりとして流通りゅうつうしているため、それを発掘はっくつしてはあるものもいるほか、挙句あげく盗掘とうくつ対象たいしょうとなるはかつからないようになると、この副葬品ふくそうひん土器どきせた精巧せいこう贋作がんさくまで流通りゅうつう、これら土器どき考古学こうこがくてき調査ちょうさ混乱こんらんまねいている。

なお、副葬品ふくそうひん盗掘とうくつは、歴史れきしてき価値かちのある墓所はかしょだけでこるわけではない。イギリスのように、土葬どそうめずらしくないくにでは、死者ししゃ生前せいぜんものともはかれることもおおく、それをねらっての盗難とうなんこうたないとされる[1][出典しゅってん無効むこう]

考古学こうこがく

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考古学こうこがく範疇はんちゅうでは、盗掘とうくつ副葬品ふくそうひん当時とうじ重要じゅうよう手掛てがかりとなる。これらが当時とうじ文化ぶんか風土ふうど如実にょじつあらわしているためであるが、その意味いみ副葬品ふくそうひんのある墳墓ふんぼ一種いっしゅタイムカプセルとして機能きのうする。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ザ!世界せかい仰天ぎょうてんニュース - 2014ねん5がつ7にち 奇妙きみょうなコトがこるスペシャル 頭蓋骨ずがいこつなにかた

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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