そうどうせん

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ポリネシアのそうどうせん
ハワイイロア
ホクレア
そうどうせんでのしゅ練習れんしゅう
"HSV-1 Joint Venture" 実験じっけんよう巨大きょだいなウェーブ・ピアーサーがた軍用ぐんよう高速こうそくそうどうせん
SWATH船型せんけい従来じゅうらいそうどうせん比較ひかく
噴射ふんしゃこうにちぼし Foilcat
海上保安庁かいじょうほあんちょうひりゆうかた消防しょうぼうせん
エアポートラインフェニックス
内海うつみフェリーサンオリーブシー

そうどうせん(そうどうせん、カタマラン、catamaran)とは、2つの船体せんたい(ハル、Hull)を甲板かんぱん平行へいこうつないだふね

歴史れきし[編集へんしゅう]

みなみ太平洋たいへいようポリネシア原住民げんじゅうみんが、古来こらいよりもちいていたカタマランは、そうどうせん一種いっしゅであり、英語えいごなどのヨーロッパの言語げんごでは、そうどうせん意味いみでそのままこのカタマランのかたりもちいることがおおい。英語えいごのカタマランはタミルでシングル・アウトリガーカヌーを意味いみするKattumaramに由来ゆらいする。このタイプのふねはオーストロネシアじん移住いじゅうによってスリランカ定着ていちゃくしたとかんがえられている。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

2そうふねをつないだ形状けいじょうであることから、下部かぶ船体せんたい細長ほそながくしてもひろいデッキ(甲板かんぱん)がつくれる。これにより安定あんていせいたかくてかたむき(ヒール)がちいさく、また水面すいめん船体せんたい形状けいじょう細長ほそなが出来できることから巡航じゅんこう速度そくどたかくすることができるため、外洋がいようヨットのデザインとして採用さいようされることもおおいが、モノハル(Mono-hull)とばれるたんどうがた通常つうじょうのヨットにくらべるとヒールにはつよいものの、一旦いったん転覆てんぷくすると転覆てんぷくしたまま「安定あんてい」してしまうので復原ふくげんせいわるくなるデメリットがある。

また、旋回せんかいなどの運動うんどう性能せいのうおとるため、軍艦ぐんかんなどには不向ふむきとされてきたが、近年きんねんでは、流体りゅうたい力学りきがくもちいた船舶せんぱく工学こうがく発展はってんにより、高速こうそくてい燃費ねんぴ成功せいこうした。

そうどうせんかんがえはふるくからあったが、これまでの木製もくせい鋼鉄こうてつせい船体せんたいでは、2つの下部かぶ船体せんたいとそれらを結合けつごうする上部じょうぶ船体せんたいによりおおくの構造こうぞう部材ぶざい必要ひつようとしており、またみずとの接触せっしょく面積めんせきひろくなるために抵抗ていこう不利ふりもあるため、たんどうせんせきくらべて総合そうごうてき優位ゆういつことが出来できなかったが、小水しょうすいせん面積めんせきそうどうせん(SWATH)船型せんけい採用さいようや20世紀せいきまつごろから軽量けいりょうなアルミ合金ごうきんやFRPせい船体せんたい使用しよう可能かのうになると、高速こうそく航行こうこうもとめられる観光かんこうせんカーフェリーといった客船きゃくせん中心ちゅうしん実用じつようてきふねつくられている。一方いっぽう海域かいいきによってはたんどうがたとはことなるそうどうせん独特どくとくれがしょう乗客じょうきゃく船酔ふなよいしやすい場合ばあいもある。

最近さいきんアメリカスカップなどではACCのように炭素たんそ繊維せんいもちいて軽量けいりょうつくられたそうどうせん左右さゆうにLがた水中すいちゅうつばさ(ダガーボード)を設置せっちし、高速こうそくには船体せんたい完全かんぜん浮上ふじょうさせてたたかわれるようになった。これと翼状よくじょうのセール(ウイングセール)により、最高さいこう速度そくど時速じそく80キロをえるようになっている。

ウェーブ・ピアーサー[編集へんしゅう]

21世紀せいき初頭しょとう現在げんざいでは、下部かぶ船体せんたい形状けいじょうをさらに前後ぜんご細長ほそながくすることでみやつこ抵抗ていこう最小限さいしょうげんにする「ウェーブ・ピアーサー」がた高速こうそくせんがいくつも就航しゅうこうしている。1まんそうトン以上いじょう大型おおがた高速こうそくせんの「ナッチャンRera」では排水はいすいりょうがた船体せんたいでありながら36ノットもの高速こうそく航行こうこう可能かのうである。

さんどうせん[編集へんしゅう]

さらに、中央ちゅうおうしゅ船体せんたいりょうわきふく船体せんたいの3つの船体せんたいをデッキでつないだトリマランやさんどうせんばれる船型せんけいもあり、やはり高速こうそく航行こうこうてきした形状けいじょうとして少数しょうすうふねつくられている。

小水しょうすいせん面積めんせきそうどうせん[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「en:Small-waterplane-area twin hull」を参照さんしょう

小水しょうすいせん面積めんせきそうどうせん(SWATH)またははんぼつすいがたそうどうせんとはみやつこ抵抗ていこう要因よういんとなる喫水線きっすいせん付近ふきんしぼまれている船体せんたいである。海洋かいよう調査ちょうさせん音響おんきょう測定そくていかんひとし使用しようされる。構造こうぞうじょう喫水きっすいめんしぼまれているので搭載とうさいできる機関きかんおおきさや配置はいち制限せいげんされる。従来じゅうらいそうどうせんよりも喫水線きっすいせんふかくなる。波浪はろうたか場合ばあい高速こうそくでの航行こうこう安定あんていせいたかい。構造こうぞうてきには2せき並行へいこうして配置はいちされた潜水せんすいかんうえ船体せんたいっているような、あるいは幅広はばひろたんどうせんふね底部ていぶ中央ちゅうおうおおきくえぐって喫水きっすいめんじょう空洞くうどうもうけた状態じょうたいである。 1938ねんにカナダじんFrederick G. Creedによって発明はつめいされ、1946ねんにイギリスで特許とっきょ取得しゅとくされた。1960年代ねんだいから70年代ねんだい海洋かいよう調査ちょうさせん潜水せんすいかん救難きゅうなんかん使用しようされた。

両頭りょうとうがたそうどうせん[編集へんしゅう]

両頭りょうとうがたそうどうせんとは推進すいしん船体せんたい前後ぜんごにそれぞれそなえられたそうどうせんわたぶねとう使用しようされる。構造こうぞうじょう頻繁ひんぱんおな区間くかん往復おうふくし、前後ぜんごこうから乗降じょうこうする。

そうどうせんれい[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

SailGPで使用しようされる「F50」ヨット

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]