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ワーテルローの戦 たたか い は陸戦 りくせん (1815年 ねん )
戦闘 せんとう (せんとう、英 えい : Combat, Battle 、羅 ら : proelium 、プロエリウム)は、相互 そうご に敵対 てきたい する二 ふた つの勢力 せいりょく による暴力 ぼうりょく の相互 そうご 作用 さよう である。
戦闘 せんとう が行 おこな われている場所 ばしょ を戦場 せんじょう (せんじょう)、戦地 せんち といい、歴史 れきし 的 てき に戦闘 せんとう (合戦 かっせん など)が行 おこな われた場所 ばしょ は古戦場 こせんじょう (こせんじょう)と呼 よ ぶことがある。歴史 れきし 的 てき な慣習 かんしゅう によって、「―の戦 たたか い」、「―の合戦 かっせん 」、「―の会戦 かいせん 」という用語 ようご も用 もち いられる。
ここでは戦闘 せんとう 一般 いっぱん に関 かん する軍事 ぐんじ 学 がく の研究 けんきゅう を概説 がいせつ する。
戦闘 せんとう とは一般 いっぱん 的 てき に敵対 てきたい している部隊 ぶたい が特定 とくてい の目的 もくてき を達成 たっせい するために戦闘 せんとう 力 りょく を行使 こうし する行動 こうどう 、またはその行動 こうどう によって引 ひ き起 お こされる一連 いちれん の交戦 こうせん 状 じょう 況 きょう であり、具体 ぐたい 的 てき には索敵 さくてき 、機動 きどう 、攻撃 こうげき ・防御 ぼうぎょ 、追撃 ついげき ・後退 こうたい 行動 こうどう と段階 だんかい 的 てき に進展 しんてん する。戦闘 せんとう において部隊 ぶたい を指導 しどう するのは戦術 せんじゅつ であり、戦闘 せんとう の目的 もくてき や投入 とうにゅう される戦力 せんりょく の装備 そうび 、規模 きぼ は作戦 さくせん 計画 けいかく によって決定 けってい される。戦闘 せんとう では敵 てき と敵 てき 施設 しせつ に対 たい して武器 ぶき 、兵器 へいき を使用 しよう して殺傷 さっしょう することによって抵抗 ていこう 行動 こうどう を排除 はいじょ 、破壊 はかい し、作戦 さくせん 目標 もくひょう を達成 たっせい することが主要 しゅよう な作業 さぎょう となる。戦闘 せんとう 当事 とうじ 者 しゃ である兵士 へいし たちは非常 ひじょう に強 つよ い肉体 にくたい 的 てき ・精神 せいしん 的 てき なストレス を受 う けながら戦闘 せんとう 行動 こうどう をとることになるため、被弾 ひだん や被爆 ひばく で死 し 傷 きず するだけでなく、衝撃 しょうげき 的 てき な経験 けいけん からPTSD などの精神 せいしん 疾患 しっかん を患 わずら う場合 ばあい もある。また戦闘 せんとう は戦闘 せんとう 当事 とうじ 者 しゃ 双方 そうほう ともに生死 せいし の狭間 はざま という極限 きょくげん 状況 じょうきょう において活動 かつどう するため、戦場 せんじょう 心理 しんり と呼 よ ばれる特別 とくべつ な心理 しんり 状態 じょうたい になることもある。そのため、戦闘 せんとう 力 りょく の要素 ようそ として火力 かりょく や機動 きどう 力 りょく などのほかに軍事 ぐんじ 的 てき リーダーシップ が含 ふく まれると考 かんが えられている。
戦闘 せんとう を構成 こうせい する諸 しょ 要素 ようそ や相互 そうご の関係 かんけい 性 せい 、そして戦闘 せんとう の形態 けいたい や構造 こうぞう 、原理 げんり に関 かん する最古 さいこ の研究 けんきゅう として古代 こだい 中国 ちゅうごく における孫子 まごこ (紀元前 きげんぜん 535年 ねん - ?)の研究 けんきゅう 業績 ぎょうせき が挙 あ げられるが、彼 かれ の後 のち に研究 けんきゅう が発展 はってん することはなかった。ヨーロッパにおいてもナポレオン戦争 せんそう が発生 はっせい する前 まえ にはヴェゲティウス (4世紀 せいき 頃 ごろ )、マウリキウス (539 - 602)、レオ [要 よう 曖昧 あいまい さ回避 かいひ ] 、ド・サックス 、フリードリヒ2世 せい などの先駆 せんく 的 てき な研究 けんきゅう がある。だが、近代 きんだい 的 てき な戦闘 せんとう 理論 りろん が成立 せいりつ したのはナポレオンの時代 じだい に入 はい ってからである。ナポレオン・ボナパルト (1769 - 1821)は軍事 ぐんじ 理論 りろん に関 かん する論文 ろんぶん を執筆 しっぴつ しなかったが、士気 しき が物的 ぶってき 要素 ようそ に対 たい して三 さん 倍 ばい の効果 こうか をもたらすこと、また機動 きどう 的 てき に戦力 せんりょく を運用 うんよう する重要 じゅうよう 性 せい を指摘 してき するなどの研究 けんきゅう 成果 せいか を残 のこ した。ナポレオンの幕僚 ばくりょう でもあったアントワーヌ・アンリ・ジョミニ はナポレオンの軍事 ぐんじ 思想 しそう の本質 ほんしつ を理論 りろん 化 か し[要 よう 出典 しゅってん ] 、戦闘 せんとう を規定 きてい する戦 たたか いの原則 げんそく を確立 かくりつ した。それは主力 しゅりょく をある決定的 けっていてき な地点 ちてん 、敵 てき の側面 そくめん や背後 はいご に対 たい して集中 しゅうちゅう させるという普遍 ふへん 的 てき な原則 げんそく である。またナポレオン戦争 せんそう で参加 さんか したカール・フォン・クラウゼヴィッツ (1780 - 1831)はジョミニとは別 べつ のアプローチでナポレオンの軍事 ぐんじ 思想 しそう を解釈 かいしゃく し、独自 どくじ のアプローチで戦闘 せんとう の法則 ほうそく 、戦闘 せんとう 力 りょく の要素 ようそ 、攻撃 こうげき や防御 ぼうぎょ の行動 こうどう を体系 たいけい 化 か した。クラウゼヴィッツの戦闘 せんとう 理論 りろん は敵 てき の殲滅 せんめつ を目的 もくてき とする暴力 ぼうりょく 的 てき な行動 こうどう によって定義 ていぎ されるものであり、戦闘 せんとう 力 りょく の優劣 ゆうれつ によって勝敗 しょうはい が決定 けってい されるものと定式 ていしき 化 か される。
ジョミニやクラウゼヴィッツに影響 えいきょう を受 う けた研究 けんきゅう 者 しゃ たちは後 のち に戦闘 せんとう の研究 けんきゅう を理論 りろん 的 てき に発展 はってん させるための研究 けんきゅう 成果 せいか を残 のこ してきた。アメリカではデニス・ハート・マハン (1802-1871)はジョミニの影響 えいきょう の下 した で戦闘 せんとう にいて依拠 いきょ するべき原則 げんそく を提示 ていじ し、ドイツではヘルムート・カール・ベルンハルト・フォン・モルトケ は訓令 くんれい 戦術 せんじゅつ と包囲 ほうい を重視 じゅうし した機動 きどう 理論 りろん を提起 ていき した。一方 いっぽう のフランスではチャールズ・アルダン・ドゥ・ピッグ によって戦闘 せんとう における士気 しき という心理 しんり 的 てき 要素 ようそ を解明 かいめい して戦闘 せんとう 理論 りろん の研究 けんきゅう に寄与 きよ した。海上 かいじょう 戦闘 せんとう の研究 けんきゅう 者 しゃ であるアルフレッド・セイヤー・マハン (1840 - 1914)はジョミニや父親 ちちおや のデニス・ハート・マハンの影響 えいきょう の下 した で陸上 りくじょう 戦闘 せんとう の研究 けんきゅう を海上 かいじょう 戦闘 せんとう に応用 おうよう することに成果 せいか を挙 あ げ、戦闘 せんとう の一般 いっぱん 理論 りろん が地理 ちり 的 てき 環境 かんきょう の変化 へんか にも適応 てきおう 可能 かのう であることを示 しめ した。またモルトケの研究 けんきゅう を受 う け継 つ いだアルフレート・フォン・シュリーフェン (1833 - 1913)は戦闘 せんとう における殲滅 せんめつ の原理 げんり を発展 はってん させて包囲 ほうい 殲滅 せんめつ の教義 きょうぎ を確立 かくりつ し、その研究 けんきゅう 成果 せいか はシュリーフェンプラン として結実 けつじつ した。コルマール・フォン・デア・ゴルツ はモルトケやシュリーフェンの影響 えいきょう の下 した でそれまでのドイツにおける戦闘 せんとう の研究 けんきゅう を総合 そうごう し、フランスやイギリスに紹介 しょうかい する役割 やくわり を果 は たした。フェルディナン・フォッシュ はドゥ・ピッグの研究 けんきゅう に影響 えいきょう を受 う けるとともにドイツの殲滅 せんめつ の原理 げんり を受容 じゅよう しており、特 とく に士気 しき などの精神 せいしん 的 てき 要素 ようそ を戦闘 せんとう の理論 りろん において位置 いち づけた。航空 こうくう 戦闘 せんとう に戦闘 せんとう の理論 りろん を始 はじ めて応用 おうよう したジュリオ・ドゥーエ は陸上 りくじょう や海上 かいじょう とは異 こと なる地理 ちり 的 てき 、技術 ぎじゅつ 的 てき 条件 じょうけん の下 した で行 おこな われる戦闘 せんとう が理論 りろん 的 てき にどのような作戦 さくせん を可能 かのう とするかを明 あき らかにした。またジョン・フレデリック・チャールズ・フラー は現代 げんだい の戦闘 せんとう の理論 りろん を研究 けんきゅう するための科学 かがく 的 てき な方法 ほうほう 論 ろん を準備 じゅんび し、戦 たたか いの原則 げんそく を現代 げんだい の戦闘 せんとう の形態 けいたい に応 おう じて発展 はってん させた。フレデリック・ランチェスター (1868 - 1946)は戦闘 せんとう の数学 すうがく 的 てき モデル化 か に取組 とりく み、特 とく に戦闘 せんとう 力 りょく と戦闘 せんとう 結果 けっか の因果 いんが 的 てき な関係 かんけい を定式 ていしき 化 か した。
戦闘 せんとう の理論 りろん において戦闘 せんとう の本質 ほんしつ をはじめて哲学 てつがく 的 てき に定義 ていぎ したクラウゼヴィッツは戦争 せんそう との関係 かんけい から戦闘 せんとう の性格 せいかく を捉 とら えている。クラウゼヴィッツの見解 けんかい によれば、戦争 せんそう とは政治 せいじ の延長 えんちょう として位置 いち づけられており、政策 せいさく の道具 どうぐ として戦争 せんそう が特徴付 とくちょうづ けられることを論 ろん じており、これを現実 げんじつ の戦争 せんそう と呼 よ んでいる。同時 どうじ にクラウゼヴィッツは政策 せいさく の道具 どうぐ として戦争 せんそう を見 み なさずあくまで政治 せいじ に対 たい して孤立 こりつ 的 てき な行動 こうどう として戦争 せんそう を見 み なした場合 ばあい 、戦争 せんそう 本来 ほんらい の性格 せいかく が無 む 制限 せいげん の暴力 ぼうりょく にあることを明 あき らかにして絶対 ぜったい 戦争 せんそう として定式 ていしき 化 か した。彼 かれ の戦闘 せんとう の基本 きほん 的 てき な概念 がいねん は絶対 ぜったい 戦争 せんそう と同様 どうよう に本来 ほんらい の性格 せいかく が敵 てき の殲滅 せんめつ に他 た ならないことを論 ろん じている。なぜならば、「戦闘 せんとう は即 すなわ ち闘争 とうそう であり、この闘争 とうそう の目的 もくてき は敵 てき の撃滅 げきめつ もしくは征服 せいふく である」ためであり、これが戦闘 せんとう の最 もっと も簡潔 かんけつ な概念 がいねん であると定義 ていぎ づけた。彼 かれ にとって戦争 せんそう におけるあらゆる戦略 せんりゃく 的 てき な行動 こうどう は戦闘 せんとう に行 い き着 つ くのであって、個々 ここ の戦闘 せんとう はその規模 きぼ を問 と わず、戦争 せんそう 全体 ぜんたい の目的 もくてき に従属 じゅうぞく する目標 もくひょう のために行 おこな われる。
戦闘 せんとう とは戦争 せんそう の階層 かいそう 構造 こうぞう の中 なか で理解 りかい することができる。ここでは戦闘 せんとう の下位 かい における交戦 こうせん 、そして戦闘 せんとう の上位 じょうい における作戦 さくせん と戦争 せんそう について概観 がいかん する(Field Manual 100-5を参考 さんこう )。
交戦 こうせん (engagements) - 敵対 てきたい する戦力 せんりょく 間 あいだ で発生 はっせい する小 しょう 衝突 しょうとつ 、小競 こぜ り合 あ いを指 さ す。ただし、片方 かたがた の戦力 せんりょく が防御 ぼうぎょ 行動 こうどう に出 で ている場合 ばあい は、これが戦闘 せんとう に発展 はってん することはない。ただし航空 こうくう 戦 せん においてはミサイル、機関 きかん 砲 ほう が使用 しよう された時点 じてん で交戦 こうせん と見 み なされる。
戦闘 せんとう (battles) - 戦闘 せんとう とはある目的 もくてき を達成 たっせい するため(作戦 さくせん を通 つう じて)に敵対 てきたい する戦力 せんりょく によって組織 そしき 的 てき に行 おこな われる戦術 せんじゅつ 的 てき な衝突 しょうとつ であり、交戦 こうせん の集合 しゅうごう 体 たい である。各種 かくしゅ 戦力 せんりょく の特徴 とくちょう によってその進展 しんてん はさまざまであり、非常 ひじょう に広範 こうはん な地域 ちいき において長時間 ちょうじかん にわたって行 おこな われることがあるが、即時 そくじ 決戦 けっせん となる場合 ばあい もある。交戦 こうせん において双方 そうほう が事態 じたい を発展 はってん させていくと戦闘 せんとう に至 いた る場合 ばあい もある。
作戦 さくせん - 戦闘 せんとう を円滑 えんかつ かつ合理 ごうり 的 てき に遂行 すいこう するために計画 けいかく 実行 じっこう されるのが作戦 さくせん である。この作戦 さくせん に基 もと づいて戦闘 せんとう は進 すす められる。戦闘 せんとう は作戦 さくせん の下位 かい 概念 がいねん である。
戦争 せんそう - 戦争 せんそう とは主 おも に国家 こっか 間 あいだ において方面 ほうめん 作戦 さくせん 及 およ び一連 いちれん の作戦 さくせん が継続 けいぞく 的 てき に実行 じっこう されている状況 じょうきょう であり、作戦 さくせん ・戦闘 せんとう の集合 しゅうごう 体 たい であると言 い える。
戦闘 せんとう における勝敗 しょうはい が戦力 せんりょく の優劣 ゆうれつ によって決定 けってい 付 つ けられることを示 しめ した数 かず の法則 ほうそく (Law of numbers)はクラウゼヴィッツによって提唱 ていしょう された。彼 かれ の見解 けんかい によれば、部隊 ぶたい の数量 すうりょう が勝利 しょうり を決定 けってい し、数 すう 的 てき な優位 ゆうい 性 せい こそが唯一 ゆいいつ の勝利 しょうり の原因 げんいん である。またクラウゼヴィッツは戦闘 せんとう を分析 ぶんせき する上 じょう では部隊 ぶたい の性質 せいしつ にも着目 ちゃくもく することで、この数 かず の法則 ほうそく は時代 じだい や地域 ちいき を問 と わずあらゆる戦闘 せんとう に一般 いっぱん 的 てき に適応 てきおう 可能 かのう であることを主張 しゅちょう する。クラウゼヴィッツのこの理論 りろん は後 のち に戦闘 せんとう の理論 りろん として明確 めいかく に整理 せいり されることになり、部隊 ぶたい の戦闘 せんとう 能力 のうりょく は両 りょう 軍 ぐん のそれぞれの数 すう 的 てき な戦力 せんりょく と戦力 せんりょく の性質 せいしつ 、そして戦闘 せんとう に影響 えいきょう を及 およ ぼす環境 かんきょう 変数 へんすう の積 せき によって求 もと められ、青 あお 軍 ぐん と赤軍 せきぐん の両 りょう 軍 ぐん の部隊 ぶたい の戦闘 せんとう 能力 のうりょく を割 わ った数 かず が戦果 せんか として求 もと められることを明 あき らかにした。これを数式 すうしき として表 あらわ すと次 つぎ のようになる。
O
=
N
r
V
r
Q
r
N
b
V
b
Q
b
{\displaystyle O={\frac {N_{r}V_{r}Q_{r}}{N_{b}V_{b}Q_{b}}}}
Nは部隊 ぶたい の兵員 へいいん 、Vは戦闘 せんとう に影響 えいきょう する環境 かんきょう の変数 へんすう 、Qは部隊 ぶたい の特性 とくせい 、rは赤軍 せきぐん 、bは青 あお 軍 ぐん 、Oは戦闘 せんとう 結果 けっか であり、戦闘 せんとう 結果 けっか が両 りょう 軍 ぐん の戦闘 せんとう 能力 のうりょく によって定量 ていりょう 的 てき に決定 けってい されることが分 わ かる。同様 どうよう の法則 ほうそく 化 か はランチェスターによるランチェスターの法則 ほうそく やオシポフによるオシポフ方程式 ほうていしき としてまとめられている。
クラウゼヴィッツは現実 げんじつ の戦闘 せんとう が机上 きじょう のそれと全 まった く異 こと なる性格 せいかく を持 も つ要素 ようそ として摩擦 まさつ (クラウゼヴィッツ) を考案 こうあん している。摩擦 まさつ とは地形 ちけい 、天候 てんこう などの自然 しぜん 環境 かんきょう や敵 てき の不規則 ふきそく な行動 こうどう 、偶発 ぐうはつ 的 てき な出来事 できごと などを含 ふく む障害 しょうがい を指 さ している。実際 じっさい に計画 けいかく を実行 じっこう に移 うつ すと予測 よそく 不可能 ふかのう な事態 じたい が連続 れんぞく し、計画 けいかく が依拠 いきょ していた前提 ぜんてい が崩 くず れる場合 ばあい がある。戦闘 せんとう において摩擦 まさつ はさまざまな形 かたち で現 あらわ れるが、その一 ひと つに情報 じょうほう 的 てき 要素 ようそ がある。戦闘 せんとう においては敵 てき 部隊 ぶたい は通常 つうじょう 偽装 ぎそう ・隠蔽 いんぺい によって自 みずか らの存在 そんざい をできるだけ知 し らせないように努 つと めるため、敵 てき 部隊 ぶたい の情報 じょうほう を得 え ることは基本 きほん 的 てき に容易 ようい ではない。断片 だんぺん 的 てき な情報 じょうほう を総合 そうごう 的 てき に分析 ぶんせき するだけでなく、変化 へんか する状況 じょうきょう に応 おう じて情報 じょうほう を更新 こうしん することも必要 ひつよう である。しかし状況 じょうきょう の全 すべ てについて完璧 かんぺき に把握 はあく することは事実 じじつ 上 じょう 不可能 ふかのう であり、指揮 しき 官 かん は常 つね に不完全 ふかんぜん な情報 じょうほう に頼 たよ って決断 けつだん を下 くだ す必要 ひつよう 性 せい がある。この情報 じょうほう の不 ふ 確実 かくじつ 性 せい は摩擦 まさつ の中 なか でも特 とく に戦場 せんじょう の霧 きり と名 な づけてられており、戦場 せんじょう における意思 いし 決定 けってい の困難 こんなん 性 せい を示 しめ している。
作戦 さくせん 計画 けいかく の立案 りつあん において、作戦 さくせん の目的 もくてき 、敵 てき 部隊 ぶたい の規模 きぼ や配置 はいち 、作戦 さくせん に投入 とうにゅう 可能 かのう な部隊 ぶたい 、作戦 さくせん 区域 くいき の地形 ちけい などに基 もと づいて策定 さくてい し、戦闘 せんとう を具体 ぐたい 的 てき にどのように遂行 すいこう するのかを計画 けいかく する。例 たと えば敵 てき に対 たい する攻勢 こうせい 作戦 さくせん を立案 りつあん する場合 ばあい 、敵 てき の位置 いち や規模 きぼ などについて考慮 こうりょ した上 うえ で、どのような機動 きどう 攻撃 こうげき (包囲 ほうい ・迂回 うかい ・突破 とっぱ など)を行 おこな うのかを決定 けってい して攻勢 こうせい を計画 けいかく する。この過程 かてい で必要 ひつよう な武器 ぶき 弾薬 だんやく 、時間 じかん 、予想 よそう される失敗 しっぱい のリスクなどを考慮 こうりょ して具体 ぐたい 的 てき な運用 うんよう が決 き められていく。
作戦 さくせん が策定 さくてい された後 のち 、上級 じょうきゅう 指揮 しき 官 かん からまず各 かく 級 きゅう 指揮 しき 官 かん に作戦 さくせん 内容 ないよう が伝 つた えられる。この内容 ないよう に基 もと づいて作戦 さくせん 部隊 ぶたい はそれぞれが自分 じぶん の任務 にんむ を理解 りかい して装備 そうび を整備 せいび し、砲兵 ほうへい 部隊 ぶたい や航空 こうくう 部隊 ぶたい に火力 かりょく 支援 しえん を要請 ようせい し、兵站 へいたん 組織 そしき から弾薬 だんやく や食料 しょくりょう などを受 う け取 と り、戦闘 せんとう を準備 じゅんび する。
戦闘 せんとう で敵 てき を殲滅 せんめつ するためには、まず敵 てき の動 うご きを「拘束 こうそく 」することが必要 ひつよう である。迅速 じんそく に機動 きどう する敵 てき に対 たい して確実 かくじつ に機動 きどう 攻撃 こうげき を行 おこな うことは難 むずか しいため、迂回 うかい や包囲 ほうい によって敵 てき の機動 きどう 力 りょく を減衰 げんすい させる。敵 てき の拘束 こうそく に成功 せいこう したら、敵 てき の戦闘 せんとう 力 りょく を無力 むりょく 化 か ・低下 ていか させるために、敵 てき を混乱 こんらん に陥 おちい らせる「攪乱 かくらん 」を行 おこな う。攪乱 かくらん によって敵 てき 部隊 ぶたい の連携 れんけい を分断 ぶんだん して組織 そしき 的 てき な抵抗 ていこう を封 ふう じ込 こ め、逆襲 ぎゃくしゅう の間隙 かんげき を与 あた えないように努 つと める。
戦闘 せんとう では常 つね に位置 いち の優位 ゆうい 性 せい を巡 めぐ る攻防 こうぼう があり、戦場 せんじょう では敵 てき 味方 みかた がしばしば移動 いどう している。この移動 いどう は「機動 きどう 」と呼 よ ばれ、この能力 のうりょく は機動 きどう 力 りょく と考 かんが えられており、機動 きどう 力 りょく は緊要 きんよう 地形 ちけい の確保 かくほ や迂回 うかい ・包囲 ほうい などの敵 てき との移動 いどう 速度 そくど を争 あらそ う戦術 せんじゅつ 行動 こうどう に大 おお きな影響 えいきょう を与 あた える。また敵 てき を拘束 こうそく ・攪乱 かくらん して無力 むりょく 化 か すれば、最終 さいしゅう 的 てき に火力 かりょく 攻撃 こうげき ・突撃 とつげき を行 おこな う。これを「打撃 だげき 」と呼 よ び、ここで敵 てき を制圧 せいあつ することができる。
戦闘 せんとう 後 ご に敵 てき の一部 いちぶ が孤立 こりつ 化 か して残存 ざんそん していれば、戦果 せんか 拡張 かくちょう が行 おこな われる。戦果 せんか 拡張 かくちょう によってより多 おお くの被害 ひがい を敵 てき に与 あた え、戦闘 せんとう の戦果 せんか をより拡大 かくだい することができる。またこれに続 つづ いて戦場 せんじょう から離脱 りだつ する敵 てき に対 たい して追撃 ついげき が行 おこな われる場合 ばあい もある。作戦 さくせん が終了 しゅうりょう してからは、戦場 せんじょう を捜索 そうさく して、死傷 ししょう 者 しゃ に適当 てきとう な処置 しょち 、遺棄 いき 物 ぶつ を収集 しゅうしゅう などの戦場 せんじょう 掃除 そうじ を行 おこな い、死傷 ししょう 者 しゃ を収容 しゅうよう 、情報 じょうほう を収集 しゅうしゅう 、略奪 りゃくだつ を防止 ぼうし する。
陸戦 りくせん は陸上 りくじょう で実施 じっし される戦闘 せんとう である。徒歩 とほ 、装 そう 輪 わ などの複数 ふくすう の機動 きどう 手段 しゅだん と部隊 ぶたい 編制 へんせい 、多様 たよう な攻撃 こうげき ・防御 ぼうぎょ ・後退 こうたい 行動 こうどう の戦術 せんじゅつ 行動 こうどう 、火器 かき が発達 はったつ した現代 げんだい では長短 ちょうたん 射程 しゃてい 、直 ちょく 曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 射撃 しゃげき などを有機 ゆうき 的 てき に組 く み合 あ わせて行 おこな われる。また陸地 りくち は人間 にんげん の生活 せいかつ 基盤 きばん が存在 そんざい するため、陸戦 りくせん は複雑 ふくざつ な心理 しんり 的 てき 影響 えいきょう を与 あた える。加 くわ えて陸戦 りくせん は非常 ひじょう に多様 たよう な側面 そくめん を持 も っており、作戦 さくせん 、地形 ちけい 、気候 きこう 、時間 じかん 帯 たい 、戦術 せんじゅつ などにより様々 さまざま に分類 ぶんるい することができる。
野戦 やせん - 人工 じんこう 建築 けんちく 物 ぶつ がほとんど存在 そんざい しない地域 ちいき における陸上 りくじょう 戦闘 せんとう 。
陣地 じんち 戦 せん - いくつもの野戦 やせん 築城 ちくじょう ・陣地 じんち が準備 じゅんび された地域 ちいき で行 おこな われる戦闘 せんとう 。戦線 せんせん が膠着 こうちゃく し、その野戦 やせん 陣地 じんち が逐次 ちくじ 増強 ぞうきょう されてきている場合 ばあい に発生 はっせい する(塹壕 ざんごう 戦 せん はこれに含 ふく まれる)。
攻 おさむ 城 しろ 戦 せん - 一方 いっぽう が要塞 ようさい ・城砦 じょうさい に立 た て篭 こ もって防 ぼう 勢 ぜい をとり、敵対 てきたい する戦力 せんりょく がそれに対 たい して攻撃 こうげき して起 お こる戦闘 せんとう (近代 きんだい 以降 いこう は要塞 ようさい 戦 せん と呼 よ ばれる)。
籠城 ろうじょう 戦 せん - 攻撃 こうげき を仕掛 しか けてくる敵 てき に対 たい し要塞 ようさい ・城砦 じょうさい に立 た て篭 こ もって迎 むか え撃 う つ戦闘 せんとう 。攻 おさむ 城 しろ 戦 せん の守勢 しゅせい 側 がわ からの呼称 こしょう (因 ちな みに、ではあるが南北戦争 なんぼくせんそう で目 め と鼻 はな の先 さき にある要塞 ようさい 同士 どうし で戦闘 せんとう が行 おこな われた事例 じれい があった)。
遊 ゆう 撃 げき 戦 せん - 敵 てき 戦力 せんりょく の後方 こうほう または敵 てき の支配 しはい 地域 ちいき における戦闘 せんとう (ゲリラ戦 せん とほぼ同義 どうぎ )。
湿地 しっち 戦 せん - 湿地 しっち などの湿 しめ り気 け の多 おお い場所 ばしょ での戦闘 せんとう 。
雪 ゆき 中 ちゅう 戦 せん - 寒冷 かんれい 地 ち における戦闘 せんとう 。
砂漠 さばく 戦 せん - 砂漠 さばく 地域 ちいき における戦闘 せんとう 。
上陸 じょうりく 戦 せん - 上陸 じょうりく を試 こころ みる戦力 せんりょく とそれを阻止 そし しようとする戦力 せんりょく が衝突 しょうとつ する海岸 かいがん ・川岸 かわぎし における戦闘 せんとう 。
機動 きどう 戦 せん - 部隊 ぶたい が機動 きどう しながら遂行 すいこう される戦闘 せんとう [ 注 ちゅう 1] 。
会戦 かいせん - 大 だい 規模 きぼ な部隊 ぶたい が決戦 けっせん を目的 もくてき として準備 じゅんび した上 うえ で、戦場 せんじょう で対峙 たいじ してから行 おこな われる戦闘 せんとう 。主 おも に近代 きんだい の世界 せかい 大戦 たいせん 以前 いぜん の戦闘 せんとう を指 さ す。
遭遇 そうぐう 戦 せん - 機動 きどう 中 ちゅう に敵 てき と不用意 ふようい に接触 せっしょく して起 お こる戦闘 せんとう をいう。会戦 かいせん の対義語 たいぎご 。
白兵戦 はくへいせん - 近接 きんせつ 戦闘 せんとう 部隊 ぶたい による突撃 とつげき を主要 しゅよう な戦術 せんじゅつ 行動 こうどう とした戦闘 せんとう [ 1] 。
海戦 かいせん は水域 すいいき において海上 かいじょう 戦力 せんりょく が戦術 せんじゅつ 的 てき に衝突 しょうとつ した戦闘 せんとう をいう。気象 きしょう 、水路 すいろ 、海洋 かいよう 短波 たんぱ 、潮汐 ちょうせき などに影響 えいきょう され、また補給 ほきゅう ・整備 せいび の関係 かんけい から持久 じきゅう 戦 せん を実施 じっし することができず、決戦 けっせん となり、またその結果 けっか も完全 かんぜん な勝利 しょうり か殲滅 せんめつ 的 てき 敗北 はいぼく のどちらかになる傾向 けいこう が強 つよ い。特徴 とくちょう として水域 すいいき における戦闘 せんとう であるために陸上 りくじょう 戦力 せんりょく のように地形 ちけい を戦力 せんりょく 化 か することが殆 ほとん どできず、兵器 へいき の性能 せいのう が戦闘 せんとう の勝敗 しょうはい を直接的 ちょくせつてき に決 き める。そのため海戦 かいせん はランチェスターの法則 ほうそく が殆 ほとん どそのまま適用 てきよう される。分類 ぶんるい には以下 いか のようなものが代表 だいひょう 的 てき に挙 あ げられるが、さらに特殊 とくしゅ 作戦 さくせん 、監視 かんし ・哨戒 しょうかい 、情報 じょうほう 戦 せん 、指揮 しき 統制 とうせい 、電子 でんし 戦 せん 、補給 ほきゅう などが関 かか わる。
水上 みずかみ 打撃 だげき 戦 せん - 水上 みずかみ 艦艇 かんてい を以って敵 てき の水上 すいじょう 艦艇 かんてい 、地上 ちじょう 戦力 せんりょく 、陸地 りくち の施設 しせつ などに対 たい して砲 ほう やミサイルなどで攻撃 こうげき する戦闘 せんとう 。
空母 くうぼ 航空 こうくう 打撃 だげき 戦 せん - 航空 こうくう 母艦 ぼかん の航空 こうくう 隊 たい を用 もち いて敵艦 てきかん 隊 たい に対 たい して航空 こうくう 攻撃 こうげき を行 おこな う戦闘 せんとう 。
対空 たいくう 戦闘 せんとう - 敵 てき の航空 こうくう 戦力 せんりょく に対 たい して航空 こうくう 攻撃 こうげき を妨害 ぼうがい するために対空 たいくう ミサイルや機関 きかん 砲 ほう などで攻撃 こうげき を行 おこな う戦闘 せんとう 。
対 たい 潜 せん 戦闘 せんとう - 潜水 せんすい 艦 かん に対 たい する対 たい 潜 せん 艦艇 かんてい 、航空機 こうくうき による戦闘 せんとう をいう。その要領 ようりょう として、聴音 ちょうおん ソナー 、アクティブソナー などを用 もち いて捜索 そうさく 、探知 たんち して対 たい 潜 せん 魚雷 ぎょらい 、対 たい 潜 せん ミサイル で攻撃 こうげき を行 おこな う。また潜水 せんすい 艦 かん の攻撃 こうげき に迅速 じんそく に対応 たいおう するために精度 せいど を犠牲 ぎせい にして行 おこな う攻撃 こうげき を行 おこな う場合 ばあい もある。
機雷 きらい 戦 せん - 戦略 せんりゃく 的 てき 、作戦 さくせん 的 てき 、戦術 せんじゅつ 的 てき な機雷 きらい の敷設 ふせつ と掃海 そうかい 。
航空 こうくう 戦 せん は航空 こうくう 戦力 せんりょく による戦闘 せんとう をいう。航空 こうくう 戦 せん は極 きわ めて迅速 じんそく に進展 しんてん し、また地球 ちきゅう 上 じょう あらゆる場所 ばしょ で発生 はっせい し、高度 こうど な打撃 だげき 力 りょく で敵 てき と交戦 こうせん できる特徴 とくちょう がある。航空 こうくう 戦力 せんりょく は長時間 ちょうじかん その空域 くういき に駐留 ちゅうりゅう することはできないため、その進展 しんてん は即時 そくじ 決戦 けっせん であり、敵 てき 航空 こうくう 戦力 せんりょく を撃破 げきは することによって航空 こうくう 優勢 ゆうせい を得 え ることができる。確保 かくほ ただし空軍 くうぐん はその戦力 せんりょく の特徴 とくちょう 上 じょう から作戦 さくせん によって分類 ぶんるい している。
戦略 せんりゃく 的 てき 航空 こうくう 作戦 さくせん - 敵 てき の戦略 せんりゃく 要地 ようち ・要 よう 線 せん に対 たい する攻撃 こうげき を行 おこな う作戦 さくせん をいう。
戦術 せんじゅつ 的 てき 航空 こうくう 作戦 さくせん - 作戦 さくせん 地域 ちいき において味方 みかた 陸上 りくじょう 及 およ び海上 かいじょう 戦力 せんりょく と連携 れんけい して敵 てき 部隊 ぶたい を攻撃 こうげき する作戦 さくせん をいう。
防空 ぼうくう 作戦 さくせん - 侵攻 しんこう する敵 てき 航空 こうくう 戦力 せんりょく を撃破 げきは 、妨害 ぼうがい することにより防護 ぼうご 対象 たいしょう を防護 ぼうご する作戦 さくせん をいう。
戦闘 せんとう とは戦力 せんりょく が直接的 ちょくせつてき に戦闘 せんとう 力 りょく を行使 こうし し、相手 あいて を排除 はいじょ してでも目的 もくてき を達成 たっせい しようとする場合 ばあい に発生 はっせい するものであるため、ここで述 の べる戦闘 せんとう は厳密 げんみつ には戦闘 せんとう ではない。しかし闘争 とうそう の形態 けいたい として一般 いっぱん 的 てき に認知 にんち されている。
^ 旧 きゅう 軍用 ぐんよう 語 ご では運動 うんどう 戦 せん 。
^ 旧 きゅう 軍用 ぐんよう 語 ご では遠 とお 戦 せん ・火 ひ 戦 せん (火器 かき を用 もち いた戦闘 せんとう )と対比 たいひ されることがある。
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