国民こくみん健康けんこう保険ほけんぜい

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日本にっぽん国民こくみん医療いりょう制度せいど区別くべつ、2020年度ねんど[1]
公費こうひ負担ふたん医療いりょう給付きゅうふ 3ちょう1222おくえん007.3%)
後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう給付きゅうふ 15ちょう2868おくえん035.3%)
医療いりょう保険ほけんとう給付きゅうふ
19ちょう3653おくえん
(45.1%)
被用者ひようしゃ保険ほけん
10ちょう2934おくえん
(24.0%)
協会きょうかいけんぽ 5ちょう7040おくえん013.3%)
健康けんこう保険ほけん組合くみあい 3ちょう5259おくえん008.2%)
船員せんいん保険ほけん 184おくえん000.0%)
共済きょうさい組合くみあい 1ちょう0450おくえん002.4%)
国民こくみん健康けんこう保険ほけん 8ちょう7628おくえん020.4%)
その労災ろうさいなど 3091おくえん000.7%)
患者かんじゃとう負担ふたん 5ちょう1922おくえん012.2%)
総額そうがく 42ちょう9665おくえん(100.0%)

国民こくみん健康けんこう保険ほけんぜい(こくみんけんこうほけんぜい)とは、国民こくみん健康けんこう保険ほけんおこな市町村しちょうそんが、国民こくみん健康けんこう保険ほけんようする費用ひようてることを目的もくてきとして、保険ほけんしゃぞくする世帯せたい世帯せたいぬしたいする税金ぜいきんであり(地方ちほう税法ぜいほう703じょうの4)、分類ぶんるいじょう地方ちほうぜい直接ちょくせつぜい目的もくてきぜい該当がいとうする。一方いっぽう市町村しちょうそん地方ちほう税法ぜいほう規定きていによらず保険ほけんりょう徴収ちょうしゅうする場合ばあいや、国民こくみん健康けんこう保険ほけん組合くみあい保険ほけんりょう徴収ちょうしゅうする場合ばあいは、国民こくみん健康けんこう保険ほけんりょうぶ。

ぜい方式ほうしきりょう方式ほうしき[編集へんしゅう]

  • 国民こくみん健康けんこう保険ほけん制度せいどようする費用ひよう徴収ちょうしゅう方式ほうしきとして国民こくみん健康けんこう保険ほけんほうだい76じょうでは、保険ほけんりょう方式ほうしきさだめており、保険ほけんぜい方式ほうしき例外れいがいである。だが、実態じったいは、大半たいはん地方ちほう公共こうきょう団体だんたい保険ほけんぜい方式ほうしき採用さいようしている。これは保険ほけんぜい方式ほうしき採用さいようしたほうが、徴収ちょうしゅうけん時効じこうながくなることや、滞納たいのう処分しょぶん優先ゆうせん順位じゅんいたかくなるとう理由りゆうからである。ただし保険ほけんぜい方式ほうしき採用さいようしている自治体じちたいであっても、納税のうぜいしゃけの納付のうふ書類しょるいでは「保険ほけんりょう」としょうしていることがある。
  • 医療いりょうぶんくわえ、後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえんぶんがくふくまれる。
  • 40さいから64さいものは、介護かいご保険ほけんりょう相当そうとうするがくが、介護かいごぶんとして国民こくみん健康けんこう保険ほけん税額ぜいがくふくまれる。
  • 75さい以上いじょうもの(65さい以上いじょう75さい未満みまんものにあっては、政令せいれいさだめる程度ていど障害しょうがい状態じょうたいにあるむね当該とうがい後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう広域こういき連合れんごう認定にんていけたもの)は、適用てきよう除外じょがい該当がいとうしなければ後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう保険ほけんわる(高齢こうれいしゃ医療いりょう確保かくほかんする法律ほうりつ50じょう、51じょう)。

納税のうぜい義務ぎむしゃ[編集へんしゅう]

  • 国民こくみん健康けんこう保険ほけんぜい世帯せたい単位たんいとし、世帯せたいぬし納付のうふ義務ぎむしゃになる。 世帯せたいぬし保険ほけんしゃ場合ばあいも、世帯せたいぬし納税のうぜい義務ぎむしゃ擬制ぎせい世帯せたいぬし)となる(ただし賦課ふか算定さんてい数値すうちからははずれる)。

賦課ふか方式ほうしき[編集へんしゅう]

  • 賦課ふか方式ほうしきには、市町村しちょうそんによってことなり、おもに4方式ほうしき所得しょとくわり資産しさんわり保険ほけんしゃ均等きんとうわり世帯せたい平等びょうどうわり)・3方式ほうしき所得しょとくわり保険ほけんしゃ均等きんとうわり世帯せたい平等びょうどうわり)・2方式ほうしき所得しょとくわり保険ほけんしゃ均等きんとうわり)がある。
  • 加入かにゅうしゃのうち、40さいから64さいものは、介護かいご保険ほけんだい2ごう保険ほけんしゃ該当がいとうすることから、別途べっと介護かいごぶん加算かさんされる。

賦課ふか数値すうち決定けってい[編集へんしゅう]

  • 国民こくみん健康けんこう保険ほけん運営うんえいについては、市町村しちょうそん国民こくみん健康けんこう保険ほけん運営うんえい協議きょうぎかい設置せっちされており、原則げんそくとして国民こくみん健康けんこう保険ほけん運営うんえい協議きょうぎかい答申とうしんもとづいて市町村しちょうそん条例じょうれい決定けっていされる。

徴収ちょうしゅう方法ほうほう[編集へんしゅう]

市町村しちょうそんによりことなるが、口座こうざ振替ふりかえひとしにより納付のうふする方法ほうほう一般いっぱんてきである。なお公的こうてき年金ねんきん受給じゅきゅうしゃについては、2008ねん平成へいせい20ねん)から開始かいしされた後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいど創設そうせつともない、特別とくべつ徴収ちょうしゅうによる公的こうてき年金ねんきんから天引てんび納付のうふとなる。 ただし、口座こうざ振替ふりかえによる納付のうふ希望きぼうする場合ばあいには、申請しんせいにより口座こうざ振替ふりかえ切換きりかえることが可能かのうである。

かく自治体じちたい保険ほけんぜいりょうがく年額ねんがく)のれい[編集へんしゅう]

医療いりょうぶん[編集へんしゅう]

以下いかは2020年度ねんど(れい2年度ねんど)の医療いりょうぶん税額ぜいがくである。医療いりょうぶん最高さいこう限度げんどがく市町村しちょうそんによらず一律いちりつで63まんえん(れい4年度ねんどよりは65まんえん)である。(*のついた市町村しちょうそんは2017年度ねんど税額ぜいがく)

  均等きんとうわり 平等びょうどうわり 所得しょとくわり
((所得しょとく-33まんえん)×)
資産しさんわり
固定こてい資産しさんぜい年額ねんがく×)
モデルケース1 モデルケース2
幌加内ほろかないまち* 23,800 13,500 2.13% 28.79% 185,841えん 66,481えん
札幌さっぽろ 17,750 32,020 9.46% 317,762えん 179,372えん
日野ひの 28,800 0 5.20% 233,240えん 100,040えん
富士ふじ 24,000 19,200 6.4% 8.0% 268,480えん 130,880えん
豊田とよだ 26,100 22,000 5.13% 242,851えん 118,381えん
広島ひろしま 25,399 26,837 7.89% 298,910えん 155,123えん
福岡ふくおか 21,814 22,020 7.82% 286,790えん 150,968えん

後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえんぶん[編集へんしゅう]

以下いかは2020年度ねんど(れい2年度ねんど)の後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえんぶん税額ぜいがくである。最高さいこう限度げんどがく市町村しちょうそんによらず一律いちりつで19まんえん(れい4年度ねんどよりは20まんえん)である。(*のついた市町村しちょうそんは2017年度ねんど税額ぜいがく)

  均等きんとうわり 平等びょうどうわり 所得しょとくわり
((所得しょとく-33まんえん)×)
資産しさんわり
固定こてい資産しさんぜい年額ねんがく×)
モデルケース1 モデルケース2
幌加内ほろかないまち* 6,400 3,600 0.56% 7.58% 49,492えん 17,672えん
札幌さっぽろ 5,730 10,330 3.09% 103,393えん 58,393えん
日野ひの 9,600 0 1.50% 72,450えん 30,150えん
富士ふじ 9,600 8,400 2.3% 99,010えん 49,510えん
豊田とよだ 6,800 65,00 1.8% 74,560えん 37,960えん
広島ひろしま 8,232 8,699 2.47% 97,696えん 50,770えん
福岡ふくおか 8,099 8,175 3.05% 109,806えん 58,059えん

介護かいご保険ほけんぶん[編集へんしゅう]

以下いかは2020年度ねんど(れい2年度ねんど)の介護かいご保険ほけんぶん税額ぜいがくである。最高さいこう限度げんどがく市町村しちょうそんによらず一律いちりつで17まんえんである。40さいから64さい家族かぞくがいる場合ばあい対象たいしょうとなる。(*のついた市町村しちょうそんは2017年度ねんど税額ぜいがく)

  均等きんとうわり 平等びょうどうわり 所得しょとくわり
((所得しょとく-33まんえん)×)
資産しさんわり
固定こてい資産しさんぜい年額ねんがく×)
モデルケース1 モデルケース2
幌加内ほろかないまち* 11,200 0 0.54% 34,658えん 18,598えん
札幌さっぽろ 5,330 7,380 2.53% 75,471えん 47,371えん
日野ひの 12,300 0 1.5% 58,650えん 32,850えん
富士ふじ 15,600 0 2.2% 81,140えん 45,740えん
豊田とよだ 9,400 5,800 1.55% 59.785えん 36,435えん
広島ひろしま 8796 6,771 2.16% 73,395えん 45,159えん
福岡ふくおか 9,737 7,448 3.06% 96,384えん 59,107えん

モデルケース[編集へんしゅう]

ケース1:夫婦ふうふ2にん(ともに40さい..64さい) +子供こども2にん未成年みせいねん)、年収ねんしゅう400まんえん所得しょとく260まんえん)、家族かぞく全員ぜんいん固定こてい資産しさん税額ぜいがく合計ごうけい10まんえん
福岡ふくおかでは医療いりょうぶん
均等きんとうわりがく:21,814えん×4にん=87,256えん
平等びょうどうわりがく:22,020えん
所得しょとくわりがく:{260まんえん-33まんえん基礎きそ控除こうじょ)}×7.82%=177,514えん
医療いりょうぶん金額きんがく合計ごうけいで:286,790えん
同様どうよう後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえん分合ぶんごうけい金額きんがくが109,806えんとなり
同様どうよう介護かいご保険ほけん分合ぶんごうけい金額きんがくが96,384えん (二人ふたりが40..64さい)
ぜん合計ごうけいは492,980えんとなる
ケース2:独身どくしん女性じょせい単身たんしん世帯せたい年収ねんしゅう250まんえん所得しょとく170まんえん)、固定こてい資産しさん税額ぜいがく0えん
福岡ふくおかでは
均等きんとうわりがく:21,814えん×1人ひとり=21,814えん
平等びょうどうわりがく:22,020えん
所得しょとくわりがく:{170まんえん-33まんえん基礎きそ控除こうじょ)}×7.82%=107,134えん
医療いりょうぶん金額きんがく合計ごうけいで:150,968えん
同様どうよう後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえん分合ぶんごうけい金額きんがくが58,059えんとなり
合計ごうけいで209,027えんとなる。
保険ほけんしゃが40-64さいである場合ばあいにはさらに介護かいご保険ほけんぶん59,107えん付加ふかされる。

てい所得しょとくしゃ世帯せたい減免げんめん措置そち[編集へんしゅう]

てい所得しょとくしゃ世帯せたいたいしては減免げんめん措置そちこうじられており、医療いりょうぶん後期こうき高齢こうれいしゃ支援しえんぶん介護かいご保険ほけんぶんのそれぞれにたいし、(保険ほけんしゃあたりの)均等きんとうわりと(世帯せたいあたりの)平等びょうどうわり減免げんめんされる。世帯せたい保険ほけんしゃすうおうじた3段階だんかい所得しょとく基準きじゅんがくさだめられ、これ以下いか場合ばあいにそれぞれ7わり、5わり、2わり軽減けいげんされる。

れい5年度ねんどにおいては

  • 7わり軽減けいげん基準きじゅんがく : 基礎きそ控除こうじょがく(43まんえん)
  • 5わり軽減けいげん基準きじゅんがく : 基礎きそ控除こうじょがく(43まんえん) + 29まんえん × (保険ほけんしゃすう)
  • 2わり軽減けいげん基準きじゅんがく : 基礎きそ控除こうじょがく(43まんえん) + 53.5まんえん × (保険ほけんしゃすう)

なお、上記じょうきのモデルケースはいずれも所得しょとく基準きじゅんがくよりたかく、軽減けいげん対象たいしょうにならない。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ れい2(2020)年度ねんど 国民こくみん医療いりょう概況がいきょう』(レポート)厚生こうせい労働省ろうどうしょう、2022ねん11月30にちhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/20/index.html 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]