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不動産ふどうさん取得しゅとくぜい

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不動産ふどうさん取得しゅとくぜい(ふどうさんしゅとくぜい)は、地方ちほう税法ぜいほう昭和しょうわ25ねん法律ほうりつだい226ごう)にもとづき、不動産ふどうさん取得しゅとくたいしてされる税金ぜいきんで、普通ふつうぜいである。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

不動産ふどうさん取得しゅとくしたひとに、「その不動産ふどうさん所在しょざいする都道府県とどうふけん」が税金ぜいきん道府県どうふけんぜい)である。市町村しちょうそん毎年まいとし課税かぜいする固定こてい資産しさんぜいちがって、不動産ふどうさん取得しゅとくしたときいちだけおさめる。いわゆる流通りゅうつうぜい一種いっしゅであり、不動産ふどうさん移転いてんという事実じじつ着目ちゃくもくしてされるものである。不動産ふどうさん取得しゅとくたいする利益りえき着目ちゃくもくしてされるものではない。したがって、1にちでも所有しょゆうけん取得しゅとくした場合ばあいでも課税かぜい対象たいしょうとなるほか、所有しょゆうけん移転いてんともな契約けいやく合意ごういにより解除かいじょされた場合ばあいにおいても、移転いてん事実じじつがあるかぎ課税かぜいがなされる。

課税かぜい対象たいしょうとなる不動産ふどうさん取得しゅとく[編集へんしゅう]

不動産ふどうさんとは土地とちおよ家屋かおくである。土地とち定着ていちゃくした工作こうさくぶつ立木たちき課税かぜい対象たいしょうにならない。課税かぜい実務じつむじょう民法みんぽううえ権利けんり取得しゅとく概念がいねんじゅんじて原始げんし取得しゅとく承継しょうけい取得しゅとく大別たいべつされる。

原始げんし取得しゅとく[編集へんしゅう]

原始げんし取得しゅとくとは、不動産ふどうさん存在そんざいしなかった場所ばしょあらたに不動産ふどうさんもうけることをす。

  • 公有こうゆう水面すいめんてによる土地とち取得しゅとく
  • 家屋かおく新築しんちく増築ぞうちく
  • 家屋かおく改築かいちく改築かいちくについては、それによって家屋かおく価格かかく増加ぞうかしたとみとめられる場合ばあいのみ、増加ぞうかした価額かがく課税かぜい標準ひょうじゅんとみなす
  • 取得しゅとく時効じこう民法みんぽう289じょう民法みんぽう397じょうにより時効じこう取得しゅとく原始げんし取得しゅとくかいされている)

承継しょうけい取得しゅとく[編集へんしゅう]

承継しょうけい取得しゅとくとは、すで存在そんざいする不動産ふどうさんゆずけることをす。

ただし、例外れいがいとして以下いかのような非課税ひかぜい規定きていがある。

  • 非課税ひかぜい団体だんたいくに地方ちほう公共こうきょう団体だんたいなどによる不動産ふどうさん取得しゅとく課税かぜい対象たいしょうがいである(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの3)。
  • 形式けいしきてき取得しゅとく非課税ひかぜい相続そうぞく包括ほうかつ遺贈いぞうふくむ)・法人ほうじん合併がっぺい共有きょうゆうぶつ分割ぶんかつなどによる不動産ふどうさん取得しゅとくは、形式けいしきてき取得しゅとくとして課税かぜい対象たいしょうとはならない(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの7)。
  • 用途ようとによる非課税ひかぜい公共こうきょうよう道路どうろ保安ほあんりん墓地ぼち公共こうきょうよう運河うんが水道すいどう用地ようちもちいあく水路すいろ・ためいけつつみとう・みぞようきょうするために取得しゅとくした土地とちは、課税かぜい対象たいしょうとならない(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの4だい3こう)。
  • 区画くかく整理せいりによる換地かんち取得しゅとくは、非課税ひかぜいである。
  • そのほか、政策せいさくてき理由りゆうによる非課税ひかぜい規定きてい多数たすうある。

納税のうぜい義務ぎむしゃ[編集へんしゅう]

不動産ふどうさん所有しょゆうけん取得しゅとくしゃである(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの2だい1こう)。個人こじん法人ほうじんわない。

課税かぜい標準ひょうじゅん[編集へんしゅう]

課税かぜい標準ひょうじゅん原則げんそくとして、取得しゅとくにおける不動産ふどうさん価格かかくすなわち適正てきせい時価じかとされる(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうだい5ごう)。ここでいう適正てきせい時価じかとは、公正こうせい取引とりひきによる値引ねびき値上ねあげはいした時価じかであるとされるため、実際じっさい売買ばいばい価格かかく建築けんちく工事こうじ使用しようされない

具体ぐたいてきには、市町村しちょうそんにおける固定こてい資産しさん課税かぜい台帳だいちょう価格かかく登録とうろくされている場合ばあいは、その価格かかくもちいる(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの21だい1こう)。ただし、新築しんちく家屋かおくなど固定こてい資産しさん課税かぜい台帳だいちょう登録とうろくされていない場合ばあいぞう改築かいちく地目ちもく変更へんこうとう固定こてい資産しさん課税かぜい台帳だいちょう価格かかくによることが適当てきとうでない場合ばあいは、固定こてい資産しさんぜい共通きょうつう固定こてい資産しさん評価ひょうか基準きじゅんによって価格かかく決定けっていする(どうじょうだい2こう)。そして、適正てきせい時価じかとしての性質せいしつは、固定こてい資産しさん評価ひょうか基準きじゅん市価しか動向どうこう考慮こうりょした基準きじゅん採用さいようすることによって担保たんぽされているとされる。

原始げんし取得しゅとく[編集へんしゅう]

  • 新築しんちく家屋かおくについては、固定こてい資産しさん課税かぜい台帳だいちょう価格かかく登録とうろくされていないため、固定こてい資産しさん評価ひょうか基準きじゅんにより評価ひょうか価格かかく決定けっていする。固定こてい資産しさん評価ひょうか基準きじゅんでは、評価ひょうか方法ほうほう木造もくぞう家屋かおく木造もくぞう家屋かおく鉄骨てっこつづくり鉄筋てっきんコンクリートづくり軽量けいりょう鉄骨てっこつづくりとう)に区分くぶんされているため、都道府県とどうふけん市町村しちょうそん分担ぶんたんして家屋かおく評価ひょうかおこなっている。

承継しょうけい取得しゅとく[編集へんしゅう]

  • 課税かぜい対象たいしょう不動産ふどうさん取得しゅとく時点じてんにおける固定こてい資産しさん課税かぜい台帳だいちょう登録とうろくされている価格かかくによる。農地のうちほうだい5じょう届出とどけで許可きょかによる農地のうち転用てんようとう地目ちもく変更へんこうがあったときは、固定こてい資産しさん評価ひょうか基準きじゅんにより評価ひょうか価格かかく決定けっていする。

 結果けっかとしてはおおむ固定こてい資産しさんぜい課税かぜい標準ひょうじゅんがくおなじものをもちいることとなるが、固定こてい資産しさんぜい年初ねんしょにおける価格かかくもちいるのにたいして、不動産ふどうさん取得しゅとくぜいでは取得しゅとくにおける価格かかくもちいるため、取得しゅとくのタイミングによっては固定こてい資産しさんぜいにおける課税かぜい標準ひょうじゅんがくことなる価格かかくとなることもある。

課税かぜい標準ひょうじゅん特例とくれい[編集へんしゅう]

  • 個人こじんまた法人ほうじん新築しんちく住宅じゅうたく取得しゅとくしたときに、住宅じゅうたくゆか面積めんせきが50~240平方へいほうメートル(一戸建いっこだ以外いがい賃貸ちんたい住宅じゅうたくは40~240平方へいほうメートル)であり、みずか居住きょじゅうするほか賃貸ちんたい親族しんぞくまわせた場合ばあいは、課税かぜい標準ひょうじゅん算定さんていについて、いちにつき1,200まんえん税額ぜいがくにして36まんえん)を控除こうじょする(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの14だい1こう)。新築しんちく住宅じゅうたく認定にんてい長期ちょうき優良ゆうりょう住宅じゅうたく場合ばあいは、平成へいせい21ねん6がつ4にちから平成へいせい26ねん3がつ31にちまでに取得しゅとくおこなわれた場合ばあいかぎり、いちにつき1300まんえん控除こうじょする。
  • 個人こじん自己じこ居住きょじゅうようきょうする既存きそん住宅じゅうたく購入こうにゅうしたときに、住宅じゅうたくゆか面積めんせきが50~240平方へいほうメートルであり、ちく20ねん以内いない耐火たいか建築けんちくぶつ場合ばあいちく25ねん以内いない)であれば、新築しんちく年度ねんどおうじて評価ひょうかがくから控除こうじょする(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの14だい3こう)。法人ほうじんには適用てきようされず、また取得しゅとくしたもの居住きょじゅうする必要ひつようがある。
  • 住宅じゅうたくよう土地とち宅地たくち評価ひょうか土地とち)の取得しゅとくたいしては、平成へいせい18ねん1がつ1にちから平成へいせい27ねん3がつ31にちまでに取得しゅとくおこなわれた場合ばあいかぎり、課税かぜい標準ひょうじゅん当該とうがい土地とち価格かかくの2ぶんの1のがくとなる(地方ちほう税法ぜいほう附則ふそくだい11じょうの5)。
  • 新築しんちく住宅じゅうたくよう土地とち取得しゅとくしたときに、一定いってい要件ようけん該当がいとうする場合ばあいは、税額ぜいがく軽減けいげんする(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの24だい1こう)。
  • 個人こじん自己じこ居住きょじゅうようきょうする既存きそん住宅じゅうたくよう土地とち取得しゅとくしたときに、一定いってい要件ようけん該当がいとうする場合ばあいは、税額ぜいがく軽減けいげんする(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの24だい2こう)。
  • これらの軽減けいげん措置そちけるためには、当該とうがい不動産ふどうさん取得しゅとくしゃ都道府県とどうふけん申告しんこくする必要ひつようがある。

免税めんぜいてん[編集へんしゅう]

上記じょうき課税かぜい標準ひょうじゅんがく以下いかたない場合ばあいは、不動産ふどうさん取得しゅとくぜいされない(地方ちほう税法ぜいほうだい73じょうの15の2)。

  • 土地とち取得しゅとく:10まんえん土地とち取得しゅとくしたから1ねん以内いない隣地りんち取得しゅとくした場合ばあい両方りょうほう取得しゅとくがくわせたがく計算けいさんする)
  • 家屋かおく取得しゅとくのうち新築しんちくぞう改築かいちくによるもの:1共同きょうどう住宅じゅうたくとうについては1区画くかく)につき23まんえん
  • 家屋かおく承継しょうけい取得しゅとく:1共同きょうどう住宅じゅうたくとうについては1区画くかく)につき12まんえん

その補足ほそく不動産ふどうさん取得しゅとくぜいのあらまし - 神奈川かながわけん3ページ

課税かぜい標準ひょうじゅん不動産ふどうさん価格かかくですが、軽減けいげん措置そち適用てきようにより不動産ふどうさん価格かかくから一定いっていがく控除こうじょされる場合ばあいは、控除こうじょがく課税かぜい標準ひょうじゅんがくとなります。
共有きょうゆう取得しゅとくされた場合ばあいは、かく共有きょうゆうしゃ持分もちぶんおうじた課税かぜい標準ひょうじゅんがくについて免税めんぜいてん適用てきようします。

税率ぜいりつ納税のうぜい[編集へんしゅう]

  • 標準ひょうじゅん税率ぜいりつは4%である。ただし、平成へいせい18ねん4がつ1にちから平成へいせい27ねん3がつ31にちまでのあいだ住宅じゅうたくまた土地とち取得しゅとくおこなわれた場合ばあいかぎり、標準ひょうじゅん税率ぜいりつを3%とする特例とくれいもうけられている(地方ちほう税法ぜいほう附則ふそくだい11じょうの2)。
  • 納税のうぜいについては、都道府県とどうふけんから送付そうふされる納税のうぜい通知つうちしょによっておさめる(普通ふつう徴収ちょうしゅう)。

その[編集へんしゅう]

  • 承継しょうけい取得しゅとくについては、おも不動産ふどうさん移転いてん登記とうき課税かぜい資料しりょうとしているため、移転いてん登記とうきすうヶ月かげつ納税のうぜい通知つうちしょ送付そうふされることになり、課税かぜいには対象たいしょう不動産ふどうさんがさらに転売てんばいされている場合ばあいもある。
  • 普通ふつう徴収ちょうしゅう課税かぜいにかかる事務じむりょうおおいが、取得しゅとくいちかぎりの税金ぜいきんのため、平成へいせい19年度ねんど調しらべじょう課税かぜいがく道府県どうふけんぜい全体ぜんたいわずか3%にすぎない(固定こてい資産しさんぜい市町村しちょうそんぜいの40%をめる)。
  • 道府県どうふけんみんぜいくらべて、評価ひょうかがくたかとう理由りゆうによる不服ふふくもうてがおおく、徴収ちょうしゅうりつもややひく傾向けいこうにある。
  • 不動産ふどうさん取得しゅとくぜい消滅しょうめつ時効じこう期間きかんは5ねんである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]