航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜい

航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜい（こうくうきねんりょうぜい）とは、航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう（昭和しょうわ47年ねん3月がつ31日にち法律ほうりつ第だい7号ごう）に基もとづいて課かされる日本にっぽんの租税そぜいである。

概要がいよう

課税かぜい物件ぶっけんは航空機こうくうき燃料ねんりょうである（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう3条じょう）。納税のうぜい義務ぎむ者しゃは、航空機こうくうきの所有しょゆう者しゃや使用しよう者しゃなど（国くに・地方ちほう公共こうきょう団体だんたいを除のぞく。）として規定きていされている（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう4条じょうから6条じょうまで）。税率ぜいりつは航空機こうくうきに積つみ込こまれた航空機こうくうき燃料ねんりょう1キロリットルにつき26,000円えんが原則げんそくであるが（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう11条じょう）、訪日ほうにち外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃ（インバウンド）需要じゅようを地方ちほうにも波及はきゅうさせることを目的もくてきとして、2011年ねん4月がつ1日にちから2028年ねん3月がつ31日にちまでの間あいだに航空機こうくうきに積つみ込こまれる航空機こうくうき燃料ねんりょうについては18,000円えんである（租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほう90条じょうの8）。税収ぜいしゅうの13分ぶんの2（2022年ねん4月がつ1日にちから2024年ねん3月がつ31日にちまでの間あいだは13分ぶんの4、2024年ねん4月がつ1日にちから2025年ねん3月がつ31日にちまでの間あいだは9分ぶんの2）は、航空機こうくうき燃料ねんりょう譲与じょうよ税法ぜいほうの規定きていにより、航空機こうくうき燃料ねんりょう譲与じょうよ税ぜいとして空港くうこう関係かんけい市町村しちょうそん及および空港くうこう関係かんけい都道府県とどうふけんに対たいして譲与じょうよされる。

2021年度ねんど税制ぜいせい改正かいせいでは、新型しんがたコロナウィルス対策たいさくとして同どう年度ねんど限かぎりの措置そちとして9,000円えんにまで引ひき下さげた。

2022年度ねんど以降いこうについては、1キロリットルにつき18,000円えん。

航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜいは、税収ぜいしゅうの13分ぶんの2（2022年ねん4月がつ1日にちから2024年ねん3月がつ31日にちまでの間あいだは13分ぶんの4、2024年ねん4月がつ1日にちから2025年ねん3月がつ31日にちまでの間あいだは9分ぶんの2）が航空機こうくうき燃料ねんりょう譲与じょうよ税ぜいとして、地方ちほう空港くうこうの整備せいびなどに充あてるため自治体じちたいに配分はいぶんされている。

この場合ばあいの航空機こうくうきとは、人ひとが乗のって航空こうくうの用ように供きょうすることができる飛行機ひこうき、回転かいてん翼つばさ航空機こうくうき、飛行船ひこうせん、発動はつどう機きを有ゆうする滑空かっくう機きである（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう2条じょう1号ごう、航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう施行しこう令れい2条じょう）。従したがって、ドローンのような無人むじんのものの燃料ねんりょうは対象たいしょう外がいである。

そのうえで、航空機こうくうき燃料ねんりょうとは、航空機こうくうきの燃料ねんりょう用ように供きょうされる炭化たんか水素すいそ油あぶら（炭化たんか水素すいそとその他たの物ものとの混合こんごう物ぶつ又または単一たんいつの炭化たんか水素すいそを含ふくむ。）とされる（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう2条じょう2号ごう）ので、ジェット燃料ねんりょうのほか、回転かいてん翼つばさ航空機こうくうき及および飛行船ひこうせんの燃料ねんりょうも含ふくまれる。

国際こくさい便びんの燃料ねんりょうには課税かぜいされない（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう8条じょう1項こう）ほか、揮発きはつ油ゆ税ぜいの対象たいしょうである場合ばあいも課税かぜいされない（同どう条じょう2項こう）。

原則げんそくとして、航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜいの納税のうぜい地ちは航空機こうくうき燃料ねんりょうの積せき込こみの場所ばしょと規定きていされているが、申請しんせいをして国税庁こくぜいちょう長官ちょうかんの承認しょうにんを受うけたときは、その承認しょうにんを受うけた場所ばしょを納税のうぜい地ちとする納税のうぜい地ち特例とくれいが認みとめられている（航空機こうくうき燃料ねんりょう税法ぜいほう9条じょう1項こう）｡

このため、大半たいはんの航空機こうくうきはその購入こうにゅう時点じてんなどにおいて、納税のうぜい地ちの承認しょうにんを受うけておいて、どこで給油きゅうゆしても一いち箇所かしょで納税のうぜい手続てつづきができるようにすることが一般いっぱん化かしている。

なお、沖縄おきなわ路線ろせん航空機こうくうき、離島りとう路線ろせん航空機こうくうきについては税率ぜいりつその他たにおいて特例とくれいが定さだめられている（租税そぜい特別とくべつ措置そち法ほう90条じょうの8の2、90条じょうの9）。

税収ぜいしゅうの推移すいい

財務省ざいむしょうの統計とうけいを参照さんしょう（単位たんい:百ひゃく万まん円えん）

• 財務省ざいむしょうの統計とうけいを参照さんしょう（単位たんい:100万まん円えん。単位たんい未満みまん切捨きりすて）。決算けっさんベース。総額そうがくは一般いっぱん会計かいけい分ぶんと地方ちほう譲与じょうよ分ぶんとなる。
• 令れい和わ 4年度ねんど 45,487 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん 13,996
• 令れい和わ 3年度ねんど 45,011 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん 14,663
• 令れい和わ 2年度ねんど 10,957 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん02,435
• 令れい和わ元もと年度ねんど 65,317 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,515
• 平成へいせい30年度ねんど 67,707 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん15,046
• 平成へいせい29年度ねんど 67,136 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,919
• 平成へいせい28年度ねんど 66,037 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,675
• 平成へいせい27年度ねんど 65,972 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,660
• 平成へいせい26年度ねんど 66,973 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,883
• 平成へいせい25年度ねんど 67,099 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,911
• 平成へいせい24年度ねんど 63,463 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,103
• 平成へいせい23年度ねんど 59,460 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん13,213
• 平成へいせい22年度ねんど 88,555 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん13,624
• 平成へいせい21年度ねんど 93,678 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん14,412
• 平成へいせい20年度ねんど 98,774 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん15,196
• 平成へいせい19年度ねんど104,046 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,007
• 平成へいせい18年度ねんど106,946 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,453
• 平成へいせい17年度ねんど104,696 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,107
• 平成へいせい16年度ねんど104,007 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,001
• 平成へいせい15年度ねんど107,486 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,536
• 平成へいせい14年度ねんど106,484 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,382
• 平成へいせい13年度ねんど101,401 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,062
• 平成へいせい12年度ねんど104,048 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,007
• 平成へいせい11年度ねんど103,101 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん15,862
• 平成へいせい10年度ねんど106,472 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん16,380
• 平成へいせい 9年度ねんど103,931 内ない地方ちほう譲与じょうよ分ぶん15,989

関連かんれん項目こうもく

• 空港くうこう整備せいび特別とくべつ会計かいけい
• 税理士ぜいりし
• 国税庁こくぜいちょう
• 税務大学校ぜいむだいがっこう

外部がいぶリンク

• 航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜい｜国税庁こくぜいちょう
• 『航空機こうくうき燃料ねんりょう税ぜい』 - コトバンク