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国鉄こくてつDT32かたち台車だいしゃ

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DT32Eかたち台車だいしゃ(モハ484-292)

国鉄こくてつDT32かたち台車だいしゃ(こくてつDT32がただいしゃ)は、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)が開発かいはつした鉄道てつどう車両しゃりょうよう台車だいしゃいち形式けいしきである。

概説がいせつ

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国鉄こくてつしん性能せいのう電車でんしゃだいいち世代せだい量産りょうさん空気くうきばね台車だいしゃであるDT23・DT24けい改良かいりょう後継こうけい機種きしゅとして、特急とっきゅうがた電車でんしゃおよび急行きゅうこうがた電車でんしゃ動力どうりょく台車だいしゃであるほん形式けいしきと、基本きほん設計せっけいおなじくする付随ふずい台車だいしゃTR69設計せっけいされた。

これらは1962ねん昭和しょうわ37ねん)より製造せいぞう開始かいしされた451けい・471けい直流ちょくりゅう急行きゅうこうがた電車でんしゃはつ採用さいようされ、この時期じき以降いこうしんせいされた、185けい直流ちょくりゅう特急とっきゅうがた電車でんしゃまでの特急とっきゅう急行きゅうこうがた電車でんしゃうち特殊とくしゅ仕様しよう381けい直流ちょくりゅう特急とっきゅうがた電車でんしゃ781けい交流こうりゅう特急とっきゅうがた電車でんしゃのぞかく系列けいれつ電動でんどうしゃに、細部さいぶ改良かいりょうかさねつつ20ねん以上いじょうにわたって採用さいようされた。また、117けい直流ちょくりゅう近郊きんこうがた電車でんしゃ0ばん台車だいしゃ417けい直流ちょくりゅう近郊きんこうがた電車でんしゃにも採用さいようされている。

構造こうぞう

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DT32/TR69けい台車だいしゃ概略がいりゃく(ブレーキとう省略しょうりゃく
a-台車だいしゃわく / b-車輪しゃりん / c-まくらばり / d-まくらばね装置そうち / e-ボルスタアンカー / f-じくばこ / g-じくばね装置そうち / h-じくダンパ

国鉄こくてつ電車でんしゃよう量産りょうさん台車だいしゃとしてははつインダイレクトマウント空気くうきばね台車だいしゃである。

台車だいしゃわく

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電気でんきしき気動車きどうしゃようDT18より採用さいようはじまり、駆動くどうきゅう性能せいのう電車でんしゃよう台車だいしゃであるDT20確立かくりつされた設計せっけい手法しゅほう踏襲とうしゅうする。

通常つうじょう圧延あつえん鋼板こうはんプレス成型せいけいした部品ぶひん溶接ようせつしてて、左右さゆうがわわくとそれらを連結れんけつする2ほんのトランサム(よこはり)を一体化いったいかして梯子はしごじょうとした、軽量けいりょうにして充分じゅうぶん強度きょうどモノコック構造こうぞう台車だいしゃわく構成こうせいする。

じくはDT21・DT23・DT24などとおなじ2,100 mmである。

がわわくそのものの基本きほん設計せっけいはDT21以降いこう国鉄こくてつ電車でんしゃよう台車だいしゃ標準ひょうじゅんとなっていたものを踏襲とうしゅうしているが、まくらばね方式ほうしき変更へんこうにより中央ちゅうおうげて弓形きゅうけいとする必要ひつようしょうじたため、新規しんき設計せっけいされている。また、DT23では軽量けいりょう目的もくてきとして過度かどうす板材いたざい当初とうしょもち[1]、さらにがわわくそのものに軽量けいりょうあなけいあな)をもうけるなどしていたが、高速こうそくかつ長距離ちょうきょり特急とっきゅう運用うんよう酷使こくしされた結果けっか短期間たんきかん台車だいしゃわく亀裂きれつとう問題もんだいこして台車だいしゃわく交換こうかんいられた[2]ことにたいする反省はんせいからほん形式けいしきでは軽量けいりょうあなもうけられず、部材ぶざいあつなども通常つうじょうとされている[3]

しかしながら、最高さいこう速度そくど向上こうじょう使用しよう条件じょうけん変化へんかなど、走行そうこう条件じょうけん変化へんかにより台車だいしゃわく各部かくぶ亀裂きれつ発生はっせいすることとなり、途中とちゅうがわはりよこはりいたあつを9 mmから12 mmに強化きょうかした。稼働かどうちゅういたあつ9 mm台車だいしゃわくおおくは途中とちゅういたあつ12 mmに強化きょうかした台車だいしゃわく交換こうかんされた。

じくばこ支持しじ機構きこう

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ウィングばねとペデスタルのうごき(ちゅう、ダンパは省略しょうりゃく

DT21以来いらいじくばこ左右さゆうつばさがた金具かなぐけ、それぞれにコイルばねをせてがわわくからの荷重かじゅうささえるウィングばねしきじくばこ支持しじ機構きこう採用さいようする。

この方式ほうしきじくばこ上下動じょうげどう案内あんないにペデスタルとばれるすりどうめんつガイドレールを必要ひつようとし、たん周期しゅうき適切てきせつ保守ほしゅおこなわない場合ばあいすりどうめん摩耗まもう隙間すきましょうじて高速こうそく走行そうこう車軸しゃじくの1じくへび行動こうどう誘発ゆうはつしやすくなる、という問題もんだいかかえている。しかし、その反面はんめん構造こうぞう単純たんじゅんで、しかも各社かくしゃ特許とっきょ依存いぞんしない設計せっけいであるため、その製造せいぞうコストが低廉ていれんとなるというメリットがあり、保守ほしゅじょう既存きそんインフラ対応たいおう可能かのうであるてん有利ゆうりであった。

それゆえ、国鉄こくてつではさい末期まっき1985ねん昭和しょうわ60ねん)に円錐えんすい積層せきそうゴム採用さいようすることでペデスタルをはいしたDT50けい台車だいしゃ量産りょうさんされるまで、四半世紀しはんせいきながきにわたりこの方式ほうしき標準ひょうじゅんてき採用さいようされつづけている。

また、ほん形式けいしきではぜん世代せだい特急とっきゅう急行きゅうこうがた電車でんしゃよう空気くうきばね台車だいしゃであったDT23・DT24にはなかったオイルダンパかくじくばこに1ずつ付加ふかすることでじくばこ鋭敏えいびん上下動じょうげどう抑止よくしし、高速こうそく運転うんてん走行そうこう特性とくせい改善かいぜんはかっている。

まくらばね支持しじ機構きこう

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ベローズしきあるいはダイアフラムしき空気くうきばねによる、インダイレクトマウントしきまくらばね装置そうちそなえる。

インダイレクトマウントしき空気くうきばね台車だいしゃ開発かいはつ過程かてい考案こうあんされた、軽量けいりょうのためにまくら機構きこう省略しょうりゃくしたまくらばね支持しじ方式ほうしきひとつである。

この方式ほうしきでは車体しゃたい荷重かじゅうしんさらまくらはりまくらばね → がわわくじくばこ支持しじ装置そうちじゅん伝達でんたつされ、牽引けんいんりょくしんさらまくらはりボルスタアンカーがわわくじくばこ支持しじ装置そうちじゅん伝達でんたつされる。

このうち、まくらはり直上ちょくじょうにあって車体しゃたい台車だいしゃ回転かいてんじく軸受じくうけ担当たんとうするしんさらについては、直径ちょっけいおおきくとって大型おおがたし、また軸受じくうけがわ形状けいじょう工夫くふうしてすりどう面積めんせき拡大かくだいすることで台車だいしゃ回転かいてん抑制よくせい直進ちょくしん安定あんていせいたかめ、台車だいしゃの2へび行動こうどう発生はっせい抑止よくしする、だいみちこころさら構造こうぞうとなっている。

この構造こうぞう1959ねん昭和しょうわ34ねん)の川崎かわさき車輌しゃりょうOK-22東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうTS-313(京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつデハ1000かたち電車でんしゃ (初代しょだい))および1960ねん昭和しょうわ35ねん)の川崎かわさき車輌しゃりょうOK-23・OK-24(山陽電気鉄道さんようでんきてつどう2000けい電車でんしゃ)といくつかの私鉄してつ台車だいしゃなどですで採用さいようれいがあった。

国鉄こくてつではけんおさむ設備せつびなどの制約せいやくにより、ダイレクトマウントしき[4]採用さいよう困難こんなんであった[5]ことから、保守ほしゅ作業さぎょうせい配慮はいりょしつつ、心地ごこち改善かいぜん効果こうかがあり、しかもまくら廃止はいしにより台車だいしゃ重量じゅうりょう軽量けいりょう達成たっせいできる次善じぜんさくとして、この方式ほうしき採用さいようされたとられる。

なお、ほん形式けいしきおよびTR69ではがわ受が省略しょうりゃくされているほか、DT23けい同様どうよう空気くうきばねを採用さいようしたことによるロール剛性ごうせい低下ていかおぎない、心地ごこち改善かいぜんはかることを目的もくてきとして、まくら装置そうち下部かぶトーションバーによるアンチローリング装置そうち標準ひょうじゅん搭載とうさいしている。

仕様しよう

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  • 形式けいしき - 2じく動力どうりょく台車だいしゃ
  • 車体しゃたい支持しじ機構きこう - インダイレクトマウントしきだいみちこころさら方式ほうしき
  • まくらばね - ベローズしきあるいはダイアフラムしき空気くうきばね
  • 台車だいしゃわく - 鋼板こうはんプレスざい溶接ようせつ組立くみたて
  • じくばね - コイルしきウィングばね
  • じくばこ支持しじ装置そうち - じくばこもり(ペデスタル)方式ほうしき
  • じく距 - 2,100 mm
  • 車輪しゃりんみち - 860 mm
  • 備考びこう - アンチローリング装置そうちとしてトーションバーを装備そうび

派生はせい形式けいしき

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長期間ちょうきかんにわたって国鉄こくてつ電車でんしゃ標準ひょうじゅん台車だいしゃひとつとして量産りょうさんされた形式けいしきであるが、元々もともとDT21けい基本きほん誕生たんじょうしたものであったこともあり、国鉄こくてつけとしてはサフィックス追加ついかによるしょう改良かいりょうかえされたものの、バリエーションモデルは同系どうけい付随ふずい台車だいしゃであるTR69をのぞくと、まくらばねの支持しじ機構きこう変更へんこうした301けい電車でんしゃようの2しゅ(DT34・TR204)およびキハ40けい気動車きどうしゃ (2だい)ようの2しゅ(DT44・TR227)にかぎられた。

これにたい私鉄してつけはとくにインダイレクトマウントに拘束こうそくされる理由りゆうはなく[6]ほん形式けいしきをダイレクトマウントしき変更へんこうした仕様しようのものが川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうによってほん形式けいしき量産りょうさん期間きかんちゅう製造せいぞうされた電車でんしゃ装着そうちゃくして供給きょうきゅうされている[7]

国鉄こくてつ電車でんしゃ
  • TR69ほん形式けいしき付随ふずい台車だいしゃばん基礎きそブレーキがかたしき踏面ブレーキからTR62などと同様どうようディスクブレーキ変更へんこうされており、このためかくじく2ずつ装着そうちゃくされたローターそれぞれに対応たいおうするブレーキキャリパーがトランサムからすようにして装着そうちゃくされている。また、このディスクブレーキキャリパー装着そうちゃくのためにトランサムそのものの位置いちもDT32とはことなり、やや車軸しゃじくよりに移設いせつされている。
  • DT32A・TR69A481けい特急とっきゅうがた電車でんしゃようとして採用さいよう
  • DT32B・TR69B従来じゅうらいがた使用しよう実績じっせき反映はんえいし、ベローズしき空気くうきばねのままで耐久たいきゅうせい向上こうじょう、またボルスタアンカーをより丈夫じょうぶなものに設計せっけい変更へんこうし、車軸しゃじくみち増大ぞうだいしたタイプ。量産りょうさんちゅう165けいなどから採用さいよう開始かいしされた。
  • DT32C・TR69C181けい特急とっきゅうがた電車でんしゃの100ばん台車だいしゃ採用さいよう。181けいゆかめんたかさが系列けいれつよりもひくいため、それにわせた設計せっけい変更へんこう実施じっしされている。
  • DT32D・TR69D581・583けい寝台しんだい特急とっきゅうがた電車でんしゃ採用さいよう。DT32B・TR69Bを基本きほんとしつつ、いたあつしてじゅう装備そうび車体しゃたいおもどう系列けいれつでの使用しようそなえ、またまくらばねをベローズしきからダイアフラムしき変更へんこうしたが、昼夜ちゅうやわぬ過酷かこく運用うんようもあってトラブルが続出ぞくしゅつした。
  • DT32E・TR69E:485けいようとして、1971ねん昭和しょうわ46年度ねんどせい途中とちゅうより採用さいようどう時期じき製造せいぞうの489けい一部いちぶと、183けい特急とっきゅうがた電車でんしゃにも採用さいようされた。DT32D・TR69Dでの設計せっけい変更へんこう反映はんえいし、DT32A・TR69Aの空気くうきばねをダイアフラムしき変更へんこうしたもの。
  • TR69F:TR69Bの空気くうきばねをダイアフラムしき変更へんこうしたもの。サロ110かたち1200番台ばんだい以降いこう採用さいようされた。
  • DT32F・TR69J417けい近郊きんこうがた電車でんしゃようとして採用さいよう。DT32E・TR69Eを基本きほんにブレーキシリンダーやじくばこ周辺しゅうへん凍結とうけつたいゆき対策たいさく実施じっししたもの。
  • DT32G・TR69G北海道ほっかいどうけに新造しんぞうされた485けい1500番台ばんだいようとして採用さいよう。DT32Fと同様どうようたいゆき対策たいさくこうじているが、DT32Gではかたしきであった基礎きそブレーキ装置そうちりょういだしき変更へんこうし、鋳鉄ちゅうてつせいせいつねかるく踏面にててそのねつゆきみをふせぐ「たいゆきブレーキ」の使用しよう可能かのうとし、さら踏面清掃せいそう装置そうち付加ふかして降雪こうせつ制動せいどうりょく向上こうじょうはかっている。
TR69Hかたち(クハ481-326)
DT34がた(クモハ300-2)
  • DT34・TR204地下鉄ちかてつよう301けい通勤つうきんがた電車でんしゃようとして設計せっけい通勤つうきんがたとして、そして在来ざいらいせんけとしてはつ採用さいようとなる、車体しゃたい直結ちょっけつのベローズしき空気くうきばねによるダイレクトマウントしきまくら装置そうちそなえる。ただしじくばこ支持しじ機構きこうのオイルダンパは省略しょうりゃくされ、DT34のみ103けいおなじMT55をおも電動でんどうとしてそうする必要ひつようから車輪しゃりんみちが910 mmに拡大かくだいされている。なお、103けいのDT33ではMT55の直径ちょっけい増大ぞうだいからじくあいだ距離きょり通常つうじょうよりながい2,300 mmであったのにたいし、DT34ではまくら車体しゃたい直結ちょっけつ方式ほうしきとなっていて構造こうぞうことなることから、通常つうじょうおなじ2,100 mmとなっている。
国鉄こくてつ気動車きどうしゃ
DT44 (TR227)
  • DT44・TR227まくらばねがコイルばねではゆき固着こちゃく問題もんだいとなるキハ40けい気動車きどうしゃ (2だい)酷寒こっかん地形ちけいかん地形ちけい採用さいようじくばこ支持しじ機構きこう簡素かんそなペデスタル+じくばねしきで、このためがわわく新規しんき設計せっけいされているが、まくらよりうえはDT32E・TR69E以降いこう共通きょうつう部品ぶひん採用さいようして保守ほしゅコストの低減ていげんはかっている。じくばねには、ゴムの被覆ひふくゆきみをふせぐ「エリゴばね」が採用さいようされている。1978ねん昭和しょうわ53ねん)から、DT46共通きょうつうはかられたDT44A・TR227Aにってわられた。
私鉄してつ
  • 川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう
    • KW-9・KW-10西鉄にしてつ2000かたち電車でんしゃ全車ぜんしゃ西鉄にしてつ5000かたち電車でんしゃだい1しゃからだい5しゃまでに採用さいようほん形式けいしきまくらばねをダイレクトマウントしきとし、1,435 mm軌間きかんよう変更へんこうしたもの。KW-9が電動でんどうしゃよう、KW-10が制御せいぎょしゃようで、基礎きそブレーキはいずれも踏面へんしきブレーキを採用さいよう。なお、5000けいだい6しゃ以降いこう採用さいようされたKW-9A・10Aは、サフィックスが付与ふよされただけのバリエーションモデルとされるが、がわわく角形かくがた断面だんめん変更へんこう)・じくばこ支持しじ機構きこう円筒えんとう案内あんないしき変更へんこう)と主要しゅよう全面ぜんめんてきしん設計せっけいのものにわっており、実質じっしつてきにはまったくのべつ形式けいしきである。
    • KW-12神戸こうべ電気でんき鉄道てつどう3000けい電車でんしゃだい1編成へんせいからだい7編成へんせいまで採用さいようほん形式けいしきのダイレクトマウントばん相当そうとうする。山岳さんがく線区せんくようのため、基礎きそブレーキは踏面りょういだしきである。
    • KW-15・KW-16山陽さんよう電鉄でんてつ3050けい電車でんしゃ1973ねん昭和しょうわ48ねん)・1977ねん昭和しょうわ52ねんせいの11りょう採用さいよう。KW-9・10と同系どうけいだがブレーキシリンダーがダイアフラムしきとなって内装ないそうされているてんことなる。
    • KW-27・KW-28山陽さんよう電鉄でんてつ3050けい電車でんしゃ1978ねん昭和しょうわ53ねん)・1979ねん昭和しょうわ54ねんせいの6りょう採用さいよう。KW-15・16の同等どうとうひんであるが、ブレーキシリンダーが通常つうじょうのシリンダーしきもどってがわわくけられるなど、各部かくぶ形状けいじょう若干じゃっかんことなる。
  • 川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう
    • TH-1000T従来じゅうらい製造せいぞうメーカーごとに台車だいしゃ形式けいしきことなっていた京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつデハ1000かたち電車でんしゃ (初代しょだい)台車だいしゃ形式けいしき統合とうごうによる保守ほしゅ合理ごうり目的もくてきとして川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうで1971ねん設計せっけいされ、京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ車両しゃりょう納入のうにゅうする川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう川崎重工業かわさきじゅうこうぎょうとしての社内しゃない形式けいしきKW-11)と東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうの2しゃ合計ごうけい136両分りょうぶん製造せいぞうされた。1,435 mm軌間きかんようまくらばね装置そうちがダイレクトマウントしき変更へんこうされ、地下鉄ちかてつせんしゃとしてこう加減かげんそく運用うんよう充当じゅうとうされることから基礎きそブレーキとして踏面りょういだしきブレーキをそなえ、かくがわわくに2ずつブレーキシリンダーが露出ろしゅつしてけられている。
  • 日立製作所ひたちせいさくしょ
    • KH-39・KH-39A・KH-55・KH-55A:京王帝都電鉄けいおうていとでんてつ5000けい電車でんしゃよう製造せいぞうされた台車だいしゃ国鉄こくてつDT32とおなじインダイレクトマウントしきで、京王線けいおうせんようの1,372 mm軌間きかん対応たいおうであるが、標準軌ひょうじゅんきにも対応たいおうできる構造こうぞうとなっている。じくばねオイルダンパはなく、ブレーキワークはりょういだき・かたしとかく形式けいしきことなる。
  • 日本車輌製造にっぽんしゃりょうせいぞう
    • NA-312A:おなじく京王けいおう5000けい電車でんしゃよう
海外かいがい
  • 台湾たいわん鉄路てつろ管理かんりきょく
    • KH-125・KH-126:1986ねん日立製作所ひたちせいさくしょせい。DR2900けい・DR3000けい気動車きどうしゃようとして設計せっけいされた動力どうりょく台車だいしゃ(KH-125)および付随ふずい台車だいしゃ(KH-126)。いずれもDT32を基本きほんとするが、基礎きそブレーキ装置そうち台湾たいわん鉄路てつろ管理かんりきょく(TRA)の仕様しよう要求ようきゅう適合てきごうさせるため、DT32Gと同様どうようりょういだしき踏面ブレーキに変更へんこうしている。また気動車きどうしゃようであるため、KH-125にはトランサムにしゅ電動でんどう支持しじえて最終さいしゅう減速げんそくてんどう防止ぼうしようリンクの支持しじ追加ついかされている。台湾たいわんでの使用しよう条件じょうけんわせて、DT32Gにしてはりまくらはり強化きょうかしている。

採用さいようされた車両しゃりょう

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同等どうとうひん流用りゅうようひん事業じぎょうしゃからの中古ちゅうこひん使用しようする車両しゃりょう、DT32けい台車だいしゃ装着そうちゃくしたまま改造かいぞうされた車両しゃりょう事業じぎょうしゃからDT32けい台車だいしゃ装着そうちゃくしたままゆず使用しようされている車両しゃりょう(あるいは過去かこ使用しようされた車両しゃりょう)をふくむ。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 初期しょきのモデルでは6 mm鋼板こうはん使用しようし、車軸しゃじく中空ちゅうくう車軸しゃじくもちいていた。
  2. ^ これにより台車だいしゃわくいたあつを9 mmに変更へんこうした。
  3. ^ このためそう重量じゅうりょうじくみでやく7.5 tとなり、どう時代じだい同種どうしゅ台車だいしゃとしては一般いっぱんてき重量じゅうりょうとなっている。もっとも、自重じちょうおも581・583けい寝台しんだい特急とっきゅう電車でんしゃについてはさらに補強ほきょう対策たいさくおこなったDT32D・TR69Dでさえ強度きょうど不足ふそくし、初期しょきトラブル多発たはつ一因いちいんとなった。
  4. ^ ほん台車だいしゃ新幹線しんかんせんよう試作しさくしゃけダイレクトマウントしき試作しさく台車だいしゃ各種かくしゅ並行へいこうして設計せっけいされており、ダイレクトマウントしき効用こうようすで認識にんしきされていた。
  5. ^ こころさら部分ぶぶん台車だいしゃ車体しゃたい分離ぶんりする従来じゅうらいがた台車だいしゃことなり、ダイレクトマウントしき以後いごのボルスタレスしき場合ばあいまくらばねとなる空気くうきばねの上部じょうぶ車体しゃたい台車だいしゃ分離ぶんりされ、センターピンを車体しゃたいがわたないことから、けんおさむとうでの台車だいしゃあつかいがことなる。このため、かり台車だいしゃ別途べっと用意よういする必要ひつようしょうじるなど、いくつかのてんあつかいに相違そういがある。この問題もんだい1979ねん昭和しょうわ54ねん)の201けい通勤つうきんがた電車でんしゃ試作しさくにも再度さいど表面ひょうめんし、このさいにもダイレクトマウントしき試験しけん採用さいようされたが、結局けっきょく量産りょうさんがた保守ほしゅじんつよ反対はんたいほん形式けいしきどうじ、だいみちこころさら方式ほうしきによるインダイレクトマウントしきとすることで決着けっちゃくした。このため、国鉄こくてつ在来ざいらいせんけでは2じく駆動くどうシステムの制約せいやくから選択肢せんたくし存在そんざいしなかったキハ90けい気動車きどうしゃキハ181けい気動車きどうしゃなどのしん系列けいれつ気動車きどうしゃ例外れいがいとして、DT50でボルスタレス台車だいしゃ採用さいようされるまで、こころさら車体しゃたい台車だいしゃ分離ぶんりできない方式ほうしき制式せいしき採用さいようされていない。
  6. ^ インダイレクトマウントしきのものも存在そんざいする
  7. ^ それらはがわわく形状けいじょう寸法すんぽう、それにウィングばねのじくばこ支持しじ形状けいじょうほん形式けいしきのそれと一致いっちあるいは酷似こくじしており、製造せいぞうたってプレスがた流用りゅうようおこなわれたものとられる。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 『ステンレスカー』、山陽電気鉄道さんようでんきてつどう1961ねん(2500ごう新造しんぞう発行はっこうされたパンフレット)
  • 日本にっぽん機械きかい学会がっかいへん鉄道てつどう車両しゃりょうのダイナミクス 最新さいしん台車だいしゃテクノロジー』、電気でんきしゃ研究けんきゅうかい1994ねん
  • 川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ 車両しゃりょう事業じぎょう本部ほんぶ へん蒸気じょうき機関きかんしゃからちょう高速こうそく車両しゃりょうまで 写真しゃしん兵庫ひょうご工場こうじょう90ねん鉄道てつどう車両しゃりょう製造せいぞう』、交友こうゆうしゃ翻刻ほんこく)、1996ねん

関連かんれん項目こうもく

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