国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい

国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい
各国かっこく語ご表記ひょうき United Nations Security Council（英語えいご） Conseil de sécurité des Nations unies（フランス語ふらんすご） Совет Безопасности Организации Объединённых Наций（ロシア語ご） 联合国こく安全あんぜん理事りじ会かい（中国ちゅうごく語ご） Consejo de Seguridad de las Naciones Unidas（スペイン語ご） مجلس أمن الأمم المتحد（アラビア語ご）
国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい会議かいぎ場じょう（2005年ねん1月がつ）
概要がいよう	主要しゅよう機関きかん
略称りゃくしょう	UNSC
代表だいひょう	シエラレオネ（議長ぎちょう国こく）
状況じょうきょう	活動かつどう中ちゅう
活動かつどう開始かいし	1946年ねん
本部ほんぶ	国連こくれん本部ほんぶビル （アメリカ・ニューヨーク州しゅうのニューヨーク）
公式こうしきサイト	UNSC
United Nations Security Council Portal:国際こくさい連合れんごう

国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい（こくさいれんごうあんぜんほしょうりじかい、英語えいご: United Nations Security Council、UNSC）は、国際こくさい連合れんごうの主要しゅよう機関きかんの1つ。世界せかいの平和へいわと安全あんぜんの維持いじに主要しゅような責任せきにんを負おっており、国際こくさい連合れんごうの6つの主要しゅよう機関きかんの中なかで最もっとも大おおきな権限けんげんを持もち、法的ほうてきに国連こくれん加盟かめい国こくに拘束こうそく力りょくを持もつ決議けつぎを行おこなうことができる、事実じじつ上じょうの最高さいこう意思いし決定けってい機関きかんである。

特徴とくちょう

日本語にほんごでは安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい・国連こくれん安保理あんぽり・安保理あんぽり（あんぽり）とも略称りゃくしょうされる。

安保理あんぽりが機能きのうしなくなった場合ばあい、国連こくれん総会そうかいが「平和へいわのための結集けっしゅう」決議けつぎに基もとづき、軍事ぐんじ的てき措置そちを含ふくむ行動こうどうを加盟かめい国こくに対たいし勧告かんこくすることができる。

構成こうせい

5ヶ国かこくの常任じょうにん理事りじ国こく（Permanent members 5, P5）と、加盟かめい国こくの中なかから総会そうかいで選えらばれる10ヶ国かこくの「非ひ常任じょうにん理事りじ国こく（Non-Permanent members）」の計けい15ヶ国かこくから構成こうせいされている（国連こくれん憲章けんしょう第だい23条じょう1項こう）。1965年ねんの改革かいかく以前いぜんは、非ひ常任じょうにん理事りじ国こくは6ヶ国かこくで、計けい11ヶ国かこくであった。

非ひ常任じょうにん理事りじ国こくの任期にんきは2年ねん（国連こくれん憲章けんしょう第だい23条じょう2項こう）。現在げんざいは地域ちいきグループによって西欧せいおうその他た2、東欧とうおう1、アジア太平洋たいへいよう2、中南米ちゅうなんべい2、アフリカ3の配分はいぶんになっている。

非ひ常任じょうにん理事りじ国こくの選出せんしゅつは総会そうかいにおける選挙せんきょで行おこなわれる。毎年まいとし半数はんすうを改選かいせんし、投票とうひょうは国連こくれん加盟かめい国こくの無む記名きめい投票とうひょうによる。選出せんしゅつには2/3の賛成さんせいが必要ひつようで（国連こくれん憲章けんしょう第だい18条じょう2項こう）、どの国々くにぐにも条件じょうけんを満みたさない場合ばあいは何なん度どでも再さい投票とうひょうを行おこなう。日本にっぽんは非ひ常任じょうにん理事りじ国こくとして11期き務つとめ、延のべ22年間ねんかんに渡わたって非ひ常任じょうにん理事りじ国こくを務つとめたことになり、世界せかい最多さいたである。

各かく理事りじ国こくの代表だいひょうは、国連こくれん本部ほんぶに常駐じょうちゅうすることが国連こくれん憲章けんしょうで義務ぎむづけられている（国連こくれん憲章けんしょう第だい28条じょう1項こう）。これは緊急きんきゅう事態じたいに際さいして迅速じんそくに集あつまって会合かいごうを開ひらくことができるようにするためである。国際こくさい連盟れんめいがしばしば緊急きんきゅう時ときに素早すばやい対応たいおうができず、結果けっか的てきに第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの勃発ぼっぱつを防ふせげなかったことへの反省はんせいからであった。

理事りじ国こく

詳細しょうさいは「国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい理事りじ国こくの一覧いちらん」を参照さんしょう

常任じょうにん理事りじ国こく

詳細しょうさいは「国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい常任じょうにん理事りじ国こく」を参照さんしょう

安保理あんぽり常任じょうにん理事りじ国こくは、中国ちゅうごく、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの5ヶ国かこくである。英語えいごの「Permanent members」から「P5」と呼よばれる。

1945年ねん10月がつ24日にちの国際こくさい連合れんごう設立せつりつ当時とうじの安保理あんぽり常任じょうにん理事りじ国こくはアメリカ、フランス、イギリス、中華民国ちゅうかみんこく、ソ連それんで、いずれも第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんに勝利しょうりした連合れんごう国こくである。

その後ご、1971年ねん10月がつ25日にちに中華民国ちゅうかみんこくが持もっていた中国ちゅうごくの代表だいひょう権けんが中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに引ひき継つがれた（アルバニア決議けつぎ）。また、1991年ねん12月25日にちにソ連それん崩壊ほうかいに伴ともない代表だいひょう権けんがロシアに引ひき継つがれた。ただし、常任じょうにん理事りじ国こくの国名こくめいが明記めいきされている国連こくれん憲章けんしょう第だい5章しょう第だい23条じょうそのものは2022年ねん現在げんざいも改正かいせいされていない。

現在げんざいの首脳しゅのう

• 
  中国ちゅうごく
  習近平ひらた（最高さいこう指導しどう者しゃ）
• 
  フランス
  エマニュエル・マクロン（大統領だいとうりょう）
• 
  ロシア
  ウラジーミル・プーチン（大統領だいとうりょう）
• 
  イギリス
  キア・スターマー（首相しゅしょう）
• 
  アメリカ
  ジョー・バイデン （大統領だいとうりょう）

非ひ常任じょうにん理事りじ国こく

非ひ常任じょうにん理事りじ国こくは再任さいにん出来できず、必かならず退任たいにんする。選出せんしゅつの手順てじゅんはまず各かく地域ちいきグループが候補こうほを選えらび、国連こくれん総会そうかいで承認しょうにんされる。

非ひ常任じょうにん理事りじ国こく一覧いちらん（公式こうしきサイト記載きさい順じゅん）

国くに	地域ちいきグループ	任期にんき
アルジェリア	アフリカ	2024年ねん1月がつ1日にち - 2025年ねん12月31日にち
エクアドル	GRULAC	2023年ねん1月がつ1日にち - 2024年ねん12月31日にち
ガイアナ	GRULAC	2024年ねん1月がつ1日にち - 2025年ねん12月31日にち
日本にっぽん	アジア太平洋たいへいよう	2023年ねん1月がつ1日にち - 2024年ねん12月31日にち
マルタ	WEOG	2023年ねん1月がつ1日にち - 2024年ねん12月31日にち
モザンビーク	アフリカ	2023年ねん1月がつ1日にち - 2024年ねん12月31日にち
韓国かんこく	アジア太平洋たいへいよう	2024年ねん1月がつ1日にち - 2025年ねん12月31日にち
シエラレオネ	アフリカ	2024年ねん1月がつ1日にち - 2025年ねん12月31日にち
スロベニア	EEG	2024年ねん1月がつ1日にち - 2025年ねん12月31日にち
スイス	WEOG	2023年ねん1月がつ1日にち - 2024年ねん12月31日にち

日本にっぽんの非ひ常任じょうにん理事りじ国こく入いり

2024年ねん現在げんざい、日本にっぽんは13回かい非ひ常任じょうにん理事りじ国こく選挙せんきょに立候補りっこうほして、1978年ねんに辞退じたいした1度どを除のぞいて12回かい当選とうせんしており、加盟かめい国こくの中なかで最多さいたとなっている。1958年ねん-1959年ねん、1966年ねん-1967年ねん、1971年ねん-1972年ねん、1975年ねん-1976年ねん、1981年ねん-1982年ねん、1987年ねん-1988年ねん、1992年ねん-1993年ねん、1997年ねん-1998年ねん、2005年ねん-2006年ねん、2009年ねん-2010年ねん、2016年ねん-2017年ねんに理事りじ国こくを務つとめたほか、2023年ねん-2024年ねんの理事りじ国こくに選出せんしゅつされている。2018年ねん現在げんざいの通算つうさんの期間きかんは22年ねんとなった。日本にっぽんが12回かい当選とうせんする一方いっぽう、140ヶ国かこくは1度どだけの選出せんしゅつか未み選出せんしゅつである。2008年ねん10月がつ17日にちに実施じっしされた2009-10年ねんの改選かいせんに当あたっては、アジア・グループ枠わくでは日本にっぽんの他ほかにイランが立候補りっこうほしていた。

サウジアラビアの辞退じたい

サウジアラビアは2013年ねん10月がつ17日にちに一いち度どは当選とうせんしたが、翌よく18日にちに安保理あんぽりのメカニズム・二に重じゅう基準きじゅんが国際こくさい紛争ふんそうへの適切てきせつな対応たいおうを不可能ふかのうにしていると批判ひはんして、非ひ常任じょうにん理事りじ国こく入いりを辞退じたいするとの声明せいめいを行おこなった。このため、サウジアラビアの代かわりとなる非ひ常任じょうにん理事りじ国こくを選えらぶやり直なおしの投票とうひょうが12月6日にちに行おこなわれ、ヨルダンが選出せんしゅつされた。

決議けつぎ

「国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいにおける拒否きょひ権けん」も参照さんしょう

意思いし決定けっていは9ヶ国かこくの理事りじ国こく以上いじょうの賛成さんせい票ひょうによる。ただし、重要じゅうよう問題もんだいである実質じっしつ事項じこうの決定けっていにおいては、安保理あんぽり常任じょうにん理事りじ国こくは拒否きょひ権けんを有ゆうし、1ヶ国かこくでも反対はんたいすると成立せいりつしない（大国たいこく一致いっちの原則げんそくと言いう、ただし紛争ふんそうの平和へいわ的てき解決かいけつ及および地域ちいき的てき取と極ごく又または地域ちいき的てき機関きかんによる地方ちほう的てき紛争ふんそうの平和へいわ的てき解決かいけつに基もとづく決定けっていについては、紛争ふんそう当事とうじ国こくは投票とうひょうを棄権きけんしなければならない）。これを国家こっか主権しゅけんの平等びょうどうに反はんしているとして疑問ぎもん視しする声こえも多おおいが、5ヶ国かこくの一致いっちにより決議けつぎの実効じっこう性せいを保たもち、かつ安保理あんぽり常任じょうにん理事りじ国こくが世界せかいの安全あんぜん保障ほしょうに関かんして重大じゅうだいな責任せきにんを負おう為ため、このような制度せいどが設もうけられている。しかし、現実げんじつには国益こくえき偏重へんちょうの拒否きょひ権けん行使こうしが横行おうこうしている。

世界せかいの安全あんぜん保障ほしょうにとって脅威きょういとなる存在そんざい・国家こっかが現あらわれた場合ばあい、理事りじ会かいで対応たいおうが議論ぎろんされてしかるべき対応たいおうがなされる事ことになっている。これは、拒否きょひ権けんとの矛盾むじゅんが生しょうじないように安全あんぜん保障ほしょうに関かんして理事りじ国こく間あいだで見解けんかいが決裂けつれつすることはあり得えないという前提ぜんていに基もとづくものである。しかし、実際じっさいには冷戦れいせん当初とうしょから安保理あんぽり常任じょうにん理事りじ国こくで特とくにアメリカとソ連それんの対立たいりつにより、意思いし決定けっていが成なされない事態じたいが多おおく発生はっせいした（詳くわしくは、国際こくさい連合れんごうの歴史れきしを参照さんしょう）。

このため1950年ねんに「平和へいわのための結集けっしゅう決議けつぎ」が採択さいたくされて、安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいが決定けっていを下くだすことができない場合ばあいは緊急きんきゅう特別とくべつ総会そうかいを開ひらいて問題もんだい解決かいけつを行おこなうことができるようになり、安全あんぜん保障ほしょうに関かんする一定いっていの権限けんげんが総会そうかいにも付与ふよされた。

議長ぎちょう国こく

詳細しょうさいは「国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい議長ぎちょう」を参照さんしょう

安保理あんぽり議長ぎちょう国こくは構成こうせい国こくの英語えいご名めいでアルファベット順じゅん・1ヶ月かげつ単位たんいで交代こうたいする持もち回まわり制せいとなっている。

2024年ねんの安保理あんぽり議長ぎちょう国こく

国くに	月つき
フランス （France）	1月がつ
ガイアナ (Guyana)	2月がつ
日本にっぽん （Japan）	3月がつ
マルタ （Malta）	4月がつ
モザンビーク (Mozanbique)	5月
韓国かんこく （Republic of Korea）	6月がつ
ロシア （Russian Federation）	7月がつ
シエラレオネ （Sierra Leone）	8月がつ
スロベニア （Slovenia）	9月
スイス （Switzerland）	10月
イギリス （United Kingdom)	11月
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく （United States)	12月

補助ほじょ機関きかん

安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの補助ほじょ機関きかんとして以下いかのようなものがある。

• 軍事ぐんじ参謀さんぼう委員いいん会かい
• 平和へいわ構築こうちく委員いいん会かい

ほか

常任じょうにん理事りじ国こく改革かいかく

詳細しょうさいは「国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい改革かいかく」を参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

• 国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい理事りじ国こくの一覧いちらん
• 国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい決議けつぎ
• 安全あんぜん保障ほしょう
• 大国たいこく
• アルバニア決議けつぎ
• 国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい改革かいかく
• 敵国てきこく条項じょうこう

外部がいぶリンク

• 安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい（国際こくさい連合れんごう広報こうほうセンター）
• UN Security Council - 国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かい 公式こうしきサイト：英語えいご版ばん。他たに5つの言語げんごで利用りようできる。国連こくれん決議けつぎ、各種かくしゅ報告ほうこく書しょ、会議かいぎのビデオなどが公開こうかいされている。
• United Nations (1983). Provisional Rules of Procedure of the Security Council, New York, United Nations. (S/96/Rev7) - 国連こくれん安保理あんぽりの会議かいぎの手続てつづきなどについて定さだめた文書ぶんしょ。