地方銀行ちほうぎんこう

地方銀行ちほうぎんこう（ちほうぎんこう）は、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん全国ぜんこく地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかいの会員かいいんである銀行ぎんこうである。第だい一いち地方銀行ちほうぎんこうと称しょうされる場合ばあいもある（後述こうじゅつ）。

概要がいよう

定義ていぎとしては上記じょうきのように全国ぜんこく地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかいに加盟かめいする銀行ぎんこうという形かたちである。都市とし銀行ぎんこう（メガバンク）が高たかいシェアを持もつ三さん大都市だいとし圏けんや、第だい二に地銀ちぎんの北洋銀行ほくようぎんこうがシェア1位いの北海道ほっかいどう等ひとしを除のぞく大だい多数たすうの加盟かめい行ぎょうはその本店ほんてん所しょ在府ざいふ県けんで最大さいだい規模きぼの金融きんゆう機関きかんであり^[1]、地域ちいき経済けいざいにも大おおきな影響えいきょう力りょく（傘下さんかに不動産ふどうさんデベロッパーを置おいていたり、地域ちいき主要しゅよう企業きぎょうの主要しゅよう融資ゆうしを担になっていたり、メガバンクとの繋つながりがあったり等ひとし）を持もっていることが多おおい。また、アメリカの地方銀行ちほうぎんこうに擬なぞらえてリージョナルバンク（Regional Bank）とも呼よばれる事ことがある（ただしこの語かたりの意味いみは信用金庫しんようきんこを含ふくむため注意ちゅういが必要ひつよう）。

1990年ねん代だい初頭しょとうはいわゆるバブル景気けいきに乗のって、東京とうきょう都とや近隣きんりん府県ふけん、海外かいがいに進出しんしゅつする銀行ぎんこうが続出ぞくしゅつしたが、その後ごのバブル崩壊ほうかいによる不景気ふけいきによって、事業じぎょう譲渡じょうとなどで撤退てったいし、地元じもとに経営けいえい資源しげんを集中しゅうちゅうさせるケースが増ふえた。ただ、2000年ねん代だいに入はいり、京都きょうと銀行ぎんこうや山口銀行やまぐちぎんこうなどのように事業じぎょうの拡大かくだいを狙ねらって、地元じもとの隣接りんせつ地域ちいきに再ふたたび進出しんしゅつし始はじめている。

なお、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん第だい二に地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかいの会員かいいんである銀行ぎんこう（第だい二に地方銀行ちほうぎんこう）との対比たいひから、第だい一いち地方銀行ちほうぎんこうと呼よばれる場合ばあいもあるが、俗称ぞくしょうであって正式せいしきなものではない。

2020年ねん10月がつ現在げんざい、地銀協ちぎんきょう加盟かめいの地方銀行ちほうぎんこうは全部ぜんぶで63行ぎょう存在そんざいしている。

2014年ねん11月4日にちに、東日本銀行ひがしにほんぎんこうと横浜銀行よこはまぎんこうが経営けいえい統合とうごう協議きょうぎに入はいり、同月どうげつ7日にちには肥後銀行ひごぎんこうと鹿児島銀行かごしまぎんこうが経営けいえい統合とうごうに向むけた交渉こうしょうに入はいった。地方銀行ちほうぎんこうは、第だい二に地方銀行ちほうぎんこう含ふくめ、少子しょうし高齢こうれい化かの急速きゅうそくな進展しんてんや、地方ちほう経済けいざいの疲弊ひへいになどの要因よういんにより経営けいえい環境かんきょうが2010年代ねんだいに入はいって以降いこうはかなり厳きびしい状況じょうきょうであるとされ、この統合とうごう交渉こうしょうを皮切かわきりに、経営けいえい体力たいりょく強化きょうかのための業界ぎょうかい再編さいへんが加速かそくする可能かのう性せいが高たかまっている^[2]。

2020年ねん5月がつ20日はつか、参院さんいん本ほん会議かいぎで地方銀行ちほうぎんこう同士どうしの統合とうごう・合併がっぺいを独占どくせん禁止きんし法ほうの適用てきよう除外じょがいとする特例とくれい法ほうが成立せいりつした^[3]。

分布ぶんぷ状じょう況きょう

愛知あいち県けんを除のぞいた、46都道府県とどうふけんに分布ぶんぷしている。

都道府県とどうふけん別べつで最もっとも多おおくの本店ほんてんを擁ようしているのは、県内けんないに4行ぎょうを擁ようする福岡ふくおか県けん(福岡銀行ふくおかぎんこう・西日本にしにほんシティ銀行ぎんこう・筑邦銀行ちくほうぎんこう・北九州きたきゅうしゅう銀行ぎんこう（山口やまぐちFG傘下さんか))である。

また、静岡しずおか県けんは、県内けんないに3行ぎょうを擁ようしている(静岡銀行しずおかぎんこう・スルガ銀行するがぎんこう・清水銀行しみずぎんこう)。

本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうが2行ぎょうずつ存在そんざいするのは、青森あおもり県けん・岩手いわて県けん・秋田あきた県けん・山形やまがた県けん・茨城いばらき県けん・千葉ちば県けん・富山とやま県けん・岐阜ぎふ県けん・三重みえ県けん・大阪おおさか府ふ及および沖縄おきなわ県けんの11府県ふけんである。

大阪おおさか府ふは、2010年ねん 5月1日にちに池田いけだ銀行ぎんこうと泉州銀行せんしゅうぎんこうが合併がっぺいし、池田いけだ泉州銀行せんしゅうぎんこうが発足ほっそくしたことで、それまでの3行ぎょうから池田いけだ泉州銀行せんしゅうぎんこうと近畿きんき大阪銀行おおさかぎんこう（現げん：関西かんさいみらい銀行ぎんこう）の2行ぎょうに減少げんしょうした。

その他ほか33都道府県とどうふけんにおいて、本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうが1行ぎょうのみとなっている。

埼玉さいたま県けんは、武蔵野銀行むさしのぎんこうのほかに埼玉さいたま銀行ぎんこう（現在げんざいの埼玉さいたまりそな銀行ぎんこう）も当初とうしょは地方銀行ちほうぎんこうであったが、業容ぎょうようを拡大かくだいし1969年ねんに地方銀行ちほうぎんこうから都市とし銀行ぎんこうへ転換てんかんしている。
新潟にいがた県けんは、2020年ねんまで第四銀行だいしぎんこうと北越銀行ほくえつぎんこうの2行ぎょうが存在そんざいしていたが、2021年ねん 1月がつ1日にちに両行りょうこうが合併がっぺいし第だい四よん北越銀行ほくえつぎんこうを発足ほっそくさせたため、現在げんざいは1行ぎょうとなっている。

なお、以下いかの県けんの県庁けんちょう所在地しょざいちに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうは存在そんざいしない。

兵庫ひょうご県けん神戸こうべ市し - 戦時せんじ中ちゅうに県内けんないの有力ゆうりょく銀行ぎんこうが統合とうごうし、都市とし銀行ぎんこうとして神戸銀行こうべぎんこう（現在げんざいの三井住友銀行みついすみともぎんこう）が設立せつりつされたため。県けん北部ほくぶの豊岡とよおか市しに但馬銀行たじまぎんこうが本店ほんてんを置おいている。
愛知あいち県けん名古屋なごや市し - 戦時せんじ中ちゅうに県内けんないの有力ゆうりょく銀行ぎんこうが統合とうごうし、都市とし銀行ぎんこうとして東海銀行とうかいぎんこう（現在げんざいの三菱みつびしUFJ銀行ぎんこう）が設立せつりつされたため。以後いご同どう県けんに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうは存在そんざいしない（第だい二に地方銀行ちほうぎんこうは存在そんざいする）。2022年ねん1月がつ現在げんざい、愛知あいち県けんは本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうの存在そんざいしない日本にっぽんで唯一ゆいいつの都道府県とどうふけんである。
山口やまぐち県けん山口やまぐち市し - 現在げんざいの山口銀行やまぐちぎんこうの前身ぜんしんである第だい百ひゃく十じゅう国立こくりつ銀行ぎんこうは当初とうしょ山口やまぐち市しに本店ほんてんを置おいたものの、すぐに下関しものせき市しに本店ほんてんを移転いてんさせた。その名残なごりから現在げんざいも第だい一いち地方銀行ちほうぎんこうである山口銀行やまぐちぎんこうは同市どうしに本店ほんてんを置おいており、山口やまぐち市しには第だい一いち地方銀行ちほうぎんこうの山口銀行やまぐちぎんこうと第だい二に地方銀行ちほうぎんこうの西京銀行さいきょうぎんこうが山口やまぐち支店してんを置おいているのみである。
埼玉さいたま県けん（1969年ねん - 2001年ねん4月がつの間あいだ）- 埼玉さいたま銀行ぎんこうが都市とし銀行ぎんこうへ転換てんかんしてから旧きゅう浦和うらわ市しに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうは存在そんざいしない。武蔵野銀行むさしのぎんこうは旧きゅう大宮おおみや市しに本店ほんてんを置おいており、さいたま市し発足ほっそくによって名目めいもく上じょう県庁けんちょう所在地しょざいちに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうとなった。

総そう資産しさん

2000年代ねんだいより不良ふりょう債権さいけん処理しょりにともなう資本しほん増強ぞうきょうや業務ぎょうむ効率こうりつ化かなどの目的もくてきで、地方銀行ちほうぎんこうにおいても合併がっぺいや金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃ設立せつりつによる経営けいえい統合とうごうが盛さかんに行おこなわれるようになり、地方銀行ちほうぎんこうから発展はってんした金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃを含ふくめると以下いかの順位じゅんいとなる^[4]^[5]。

ふくおかフィナンシャルグループ（総そう資産しさん：20.8兆ちょう円えん）
コンコルディア・フィナンシャルグループ（18.9兆ちょう円えん）
めぶきフィナンシャルグループ（17.3兆ちょう円えん）
千葉銀行ちばぎんこう（14.9兆ちょう円えん）
ほくほくフィナンシャルグループ（13.1兆ちょう円えん）
静岡銀行しずおかぎんこう（11.8兆ちょう円えん）
関西かんさいみらいフィナンシャルグループ（11.6兆ちょう円えん）
八十二銀行はちじゅうにぎんこう（10.4兆ちょう円えん）
西日本にしにほんフィナンシャルホールディングス（10.4兆ちょう円えん）
九州きゅうしゅうフィナンシャルグループ（10.4兆ちょう円えん）
山口やまぐちフィナンシャルグループ（10.3兆ちょう円えん）
北洋銀行ほくようぎんこう（9.7兆ちょう円えん）
京都きょうと銀行ぎんこう（9.6兆ちょう円えん）
広島銀行ひろしまぎんこう（8.9兆ちょう円えん）
七十七銀行しちじゅうしちぎんこう（8.6兆ちょう円えん）

大手おおて地方銀行ちほうぎんこう

資産しさん、信用しんよう格付かくづけ、自己じこ資本しほん比率ひりつ、運用うんよう額がく、店舗てんぽ数すうなどで他たの地方銀行ちほうぎんこうよりも群ぐんを抜ぬき規模きぼが大おおきい地方銀行ちほうぎんこうは大手おおて地方銀行ちほうぎんこうと呼よばれ^[6]^[7]、

横浜銀行よこはまぎんこう、静岡銀行しずおかぎんこう、千葉銀行ちばぎんこう、常陽銀行じょうようぎんこう、京都きょうと銀行ぎんこう、福岡銀行ふくおかぎんこう

の6行ぎょうを指さす^[8]^[9]。

特とくに横浜銀行よこはまぎんこう、静岡銀行しずおかぎんこう、千葉銀行ちばぎんこうの3行ぎょうは三さん大だい地方銀行ちほうぎんこう（メガ地銀ちぎん）と呼よばれる^[10]^[11]。