足利銀行あしかがぎんこう

めぶきフィナンシャルグループ > 足利銀行あしかがぎんこう

株式会社かぶしきがいしゃ 足利銀行あしかがぎんこう
The Ashikaga Bank, Ltd.

本店ほんてん（2013年ねん）
種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ
機関きかん設計せっけい	監査かんさ等とう委員いいん会かい設置せっち会社かいしゃ
市場いちば情報じょうほう	非ひ上場じょうじょう
略称りゃくしょう	あしぎん
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 栃木とちぎ県けん宇都宮うつのみや市し桜さくら四よん丁目ちょうめ1番ばん25号ごう
設立せつりつ	1895年ねん（明治めいじ28年ねん）9月25日にち
業種ぎょうしゅ	銀行ぎんこう業ぎょう
法人ほうじん番号ばんごう	9060001000002
金融きんゆう機関きかんコード	0129
SWIFTコード	ASIKJPJT
事業じぎょう内容ないよう	預金よきん業務ぎょうむ、貸出かしだし業務ぎょうむ、有価ゆうか証券しょうけん売買ばいばい業務ぎょうむ・投資とうし業務ぎょうむ、為替かわせ業務ぎょうむなど
代表だいひょう者しゃ	取締役とりしまりやく頭取とうどり（代表だいひょう取締役とりしまりやく）清水しみず和幸かずゆき
資本しほん金きん	1,350億おく円えん （2021年ねん3月がつ31日にち現在げんざい）
発行済はっこうずみ株式かぶしき総数そうすう	13億おく4,052万まん株かぶ （2021年ねん3月がつ期き）
純じゅん利益りえき	単体たんたい：176億おく64百ひゃく万まん円えん （2021年ねん3月がつ期き）
純資産じゅんしさん	単体たんたい：3,697億おく32百ひゃく万まん円えん （2021年ねん3月がつ期き）
総そう資産しさん	単体たんたい：8兆ちょう8,316億おく99百ひゃく万まん円えん （2021年ねん3月がつ期き）
従業じゅうぎょう員数いんずう	単体たんたい：2,497名めい （2023年ねん3月がつ期き）
決算けっさん期き	3月31日にち
主要しゅよう株主かぶぬし	めぶきフィナンシャルグループ 100%
外部がいぶリンク	足利銀行あしかがぎんこう公式こうしきサイト

足利銀行あしかがぎんこうのデータ
法人ほうじん番号ばんごう	9060001000002
店舗てんぽ数すう	107店てん （本支店ほんしてん）
貸かし出金しゅっきん残高ざんだか	4兆ちょう9,436億おく円えん
預金よきん残高ざんだか	6兆ちょう5,519億おく円えん
特記とっき事項じこう： （2021年ねん3月がつ31日にち現在げんざい）

株式会社かぶしきがいしゃ足利銀行あしかがぎんこう（あしかがぎんこう、英語えいご: The Ashikaga Bank, Ltd.）は、めぶきフィナンシャルグループ傘下さんかの栃木とちぎ県けん宇都宮うつのみや市しに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこう。「あしぎん」の愛称あいしょうで親したしまれている。

2016年ねん10月がつ1日にちに親会社おやがいしゃである足利あしかがホールディングス（現げん：めぶきフィナンシャルグループ）が常陽銀行じょうようぎんこうと株式かぶしき交換こうかんを実施じっしし、銀行ぎんこう持株もちかぶ会社かいしゃ傘下さんかで同行どうこうと経営けいえい統合とうごうした。

現在げんざいのスローガンは「ありがとうを チカラに変かえて」である。

概要がいよう

北関東きたかんとう地域ちいき一帯いったいに98の本支店ほんしてんと49の出張所しゅっちょうしょがあり、本拠地ほんきょちの栃木とちぎ県内けんないの貸かし出金しゅっきんシェアは約やく5割わりに達たっし、県内けんないトップシェアを誇ほこる銀行ぎんこうである一方いっぽう、関東かんとう地方ちほうに本店ほんてんを置おく地方銀行ちほうぎんこうとしては預金よきん・貸かし出金しゅっきん残高ざんだかとメインバンク社しゃ数すうの全国ぜんこくシェアで中位ちゅういに留とまり、特とくに後者こうしゃは北関東きたかんとう三さん県けんの地方銀行ちほうぎんこうのうちでは筑波つくば銀行ぎんこうと共ともに1割わり以下いかである。戦前せんぜんに埼玉さいたま県けん北部ほくぶの中小ちゅうしょう銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅうしていたことにより、埼玉さいたま県けん（概おおむね中山道なかせんどう・秩父鉄道ちちぶてつどう秩父本線ちちぶほんせん沿そい）に16店舗てんぽ出店しゅってんしている。

栃木とちぎ県けんの指定してい金融きんゆう機関きかんである。また高根沢たかねざわ町まちを除のぞく県内けんない24市町しちょうの指定してい金融きんゆう機関きかんを受託じゅたくしている。

バブル経済けいざい期きに北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうなどと同おなじく、地場じばである栃木とちぎ県内けんないや東京とうきょう拠点きょてんでリゾート開発かいはつなどの不動産ふどうさん融資ゆうしを拡大かくだいし、1995年ねんには預金よきん量りょうで地銀ちぎん5位いにまで登のぼりつめたが、バブル崩壊ほうかいにより不良ふりょう債権さいけん化かした。拓つぶせ銀ぎん・山一やまいち・長銀ちょうぎんなど大手おおて金融きんゆう機関きかんの破綻はたんが相次あいついだ1998年ねん（平成へいせい10年ねん）前後ぜんこうの金融きんゆう不ふ況きょうは乗のり越こえたものの、2003年ねんの金融きんゆう再生さいせいプログラムにおいて繰延くりのべ税金ぜいきん資産しさんの資産しさん計上けいじょう監査かんさを厳密げんみつ化かした結果けっか、債務さいむ超過ちょうかであることが判明はんめい。同年どうねん11月がつに特別とくべつ危機きき管理かんり銀行ぎんこうに指定していされ経営けいえい破綻はたんした。2002年ねんには定期ていき預金よきんペイオフが解除かいじょされているが、金融きんゆうシステムへの影響えいきょうを懸念けねんして預金保険機構よきんほけんきこうが全ぜん株式かぶしきを強制きょうせい取得しゅとくし国有こくゆう化かしたことで、定期ていき預金よきんペイオフは回避かいひされた。ただし後述こうじゅつするように、株券かぶけんは無む価値かちとなった。

産業さんぎょう再生さいせい機構きこうと連携れんけいした企業きぎょう再生さいせい支援しえんなどによる不良ふりょう債権さいけん処理しょりの進捗しんちょくや、栃木とちぎ県内けんないの一部いちぶの支店してんをリテール業務ぎょうむに特とく化かした出張所しゅっちょうしょへの転換てんかん・集約しゅうやくなどによる経営けいえいのスリム化かを進すすめ、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）7月がつに預金保険機構よきんほけんきこうが足利あしかがホールディングスへ売却ばいきゃくし、破綻はたん処理しょりは完了かんりょうした。

歴史れきし

初代しょだい本店ほんてん

逃にげの足あし銀ぎん

1895年ねん（明治めいじ28年ねん）9月25日にち、24歳さいの荻野おぎの万太郎まんたろうが初代しょだい頭取とうどりとして、当時とうじの足利あしかが町まち（現げん足利あしかが市し）の繊維せんい業者ぎょうしゃを中心ちゅうしんに創業そうぎょう。以後いご、両毛りょうけ地区ちくを基盤きばんに発展はってんする。

当時とうじより地元じもと密着みっちゃく・堅実けんじつ経営けいえいで知しられ、地元じもとの繊維せんい産業さんぎょうに対たいする融資ゆうしは手形てがた割引わりびきを中心ちゅうしんとする短期たんき貸出かしだしにより行おこなわれた。また融資ゆうしに際さいしては、不動産ふどうさん担保たんぽは忌避きひされ、担保たんぽ物権ぶっけんの現金げんきん化かが迅速じんそくに行おこなえる棚卸たなおろし資産しさん担保たんぽが好このまれた。不渡ふわたり手形てがたが生しょうじた貸出かしだし先さきがあると、行員こういんが昼夜ちゅうや交代こうたいで会社かいしゃの前まえに張はり込こみ、棚卸たなおろし資産しさんを手てに入いれようとする他ほかの債権さいけん者しゃを追おい払はらい、素早すばやく処分しょぶんしたため、他行たこうからは「逃にげの足あし銀ぎん」「石橋いしばしをたたいても渡わたらない」と言いわれた。

川崎かわさき銀行ぎんこう（三菱銀行みつびしぎんこうの前身ぜんしん）から派遣はけんされた亀山かめやま甚（後のちに常陽銀行じょうようぎんこう初代しょだい頭取とうどりとなる）が実質じっしつ的てきに経営けいえいの指揮しきをとり、1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）5月がつに東京とうきょう支店してんを開設かいせつ。地方銀行ちほうぎんこうでは初はじめて本部ほんぶ機能きのうを東京とうきょうに移うつし、情報じょうほう収集しゅうしゅう機能きのうを強化きょうかした。東京とうきょう川崎かわさき財閥ざいばつとの提携ていけいでは大だい不況ふきょうの到来とうらいを察知さっちし、1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）、融資ゆうし額がくの実じつに3分ぶんの1を回収かいしゅう。その後ごの昭和しょうわ金融きんゆう恐慌きょうこうによる貸かし倒たおせ被害ひがいを最小限さいしょうげんに抑おさえた。

1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）までの戦時せんじ統合とうごうにて、県内けんない6行ぎょうを合併がっぺい・12行ぎょうを営業えいぎょう譲受じょうじゅし、一いち県けん一いち行ぎょうとなる。これ以降いこう、歴代れきだい頭取とうどりは日本銀行にっぽんぎんこう出身しゅっしんの遠田えんだ淳あつし・藤松ふじまつ正憲まさのり・関根せきね太郎たろう、日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこう出身しゅっしんの岡おか一雄かずおと、4代だい続つづけて東京とうきょう財界ざいかい出身しゅっしん者しゃによって占しめられたが、彼かれらは、東京とうきょうにて昭和しょうわ金融きんゆう恐慌きょうこうを直接ちょくせつ経験けいけんした世代せだいであり、漫然まんぜんたる融資ゆうしを常つねに諌いさめ足あし銀ぎん伝統でんとうの「地元じもと密着みっちゃく・堅実けんじつ経営けいえい」の姿勢しせいを崩くずさなかった。1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）、本店ほんてんを県けん都と・宇都宮うつのみや市しに移転いてん。

生抜はえぬき頭取とうどり

しかし、プロパー行員こういんからは"生抜はえぬき頭取とうどり"を望のぞむ声こえはかねてから強つよく、そんな中なかで衆目しゅうもくを集あつめていたのが向江むかえ久夫ひさおであった。

向江むかえは、もともと鹿児島かごしま県けん出身しゅっしん、陸軍りくぐん幼年ようねん学校がっこうから陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう卒そつで終戦しゅうせん時じには陸軍りくぐん大尉たいい。後のちに東京大学とうきょうだいがく法学部ほうがくぶに入学にゅうがくし在学ざいがく中ちゅうに高等こうとう文官ぶんかん試験しけん司法しほう科かに合格ごうかくしたが、終戦しゅうせん時じに陸軍りくぐん将校しょうこうであったため公職こうしょく追放ついほうにより法曹ほうそう界さかいには入いれなかった。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）、27歳さいの時ときに日銀にちぎん理事りじの紹介しょうかいで足あし銀ぎんに入行にゅうこうし、陸軍りくぐん士官しかん・東大とうだい卒そつ・司法しほう試験しけん合格ごうかくという華麗かれいなる経歴けいれきは、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）に全国ぜんこく銀行ぎんこう協会きょうかい懸賞けんしょう論文ろんぶんで一いち位い入選にゅうせんしたことで、「足あし銀ぎんに向江むかえあり」と全国ぜんこくに知しれ渡わたり、将来しょうらいの頭取とうどり候補こうほと言いわしめられるようになる。

その後ご、入行にゅうこう10年ねん目めの37歳さいで大阪おおさか支店してん長ちょう、39歳さいで東京とうきょう支店してん長ちょう、1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）には43歳さいで取締役とりしまりやくに就任しゅうにん。自宅じたくは東京とうきょう都内とないに構かまえ、役員やくいん就任しゅうにん以後いごは宇都宮うつのみやに単身たんしん赴任ふにんをしていた。1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）には満まんを持もたして、初はつの生抜はえぬき頭取とうどり（当時とうじの呼称こしょうは社長しゃちょう、その3年ねん後ごに頭取とうどりへ変更へんこう）に就任しゅうにんし、1997年ねん（平成へいせい9年ねん）に会長かいちょうを退しりぞくまで19年ねんに渡わたりワンマン経営けいえい者しゃとして足あし銀ぎんに君臨くんりんする。

1970年代ねんだいに北朝鮮きたちょうせんに対たいするコルレスバンクとなり、同国どうこくと日本にっぽんの銀行ぎんこう間あいだでの海外かいがい送金そうきん業務ぎょうむを取とり扱あつかいを開始かいし。1985年ねんには宇都宮うつのみや市しの指定してい金融きんゆう機関きかんの座ざを富士銀行ふじぎんこう宇都宮うつのみや支店してんから指定してい替がえを受うける形かたちで奪うばい取とり、公金こうきん業務ぎょうむを介かいして栃木とちぎ県内けんないの自治体じちたいと関かかわりを深ふかめることになった。

バブル経済けいざい

バブル経済けいざいに差さし掛かかると向江むかえ頭取とうどりの号令ごうれいにより、当時とうじの足あし銀ぎんは行内こうないで「鶴つる翼つばさ作戦さくせん」（鶴づるの胴体どうたいが栃木とちぎ、頭あたまは仙台せんだい・郡山こおりやま、右翼うよくが茨城いばらき、左翼さよくは群馬ぐんま・埼玉さいたま、そして尾おは、東京とうきょう・名古屋なごや・大阪おおさかを指さしたという）と呼よばれる融資ゆうし拡大かくだい路線ろせんを展開てんかいする。後のちに、"融資ゆうし効率こうりつ化か"と称しょうして審査しんさ部門ぶもんと新規しんき営業えいぎょう部門ぶもんを統合とうごうする本部ほんぶ機構きこう改革かいかくを行おこない、野放図のほうずな融資ゆうし姿勢しせいを鮮明せんめいにする。

1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）に93ヶ店てんだった店舗てんぽ数すうは、20年ねん後ごには212ヶ店てんと2倍ばい以上いじょうに増加ぞうかし、1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）に2兆ちょう3000億おく円えんだった貸かし出金しゅっきんは1995年ねん（平成へいせい7年ねん）には4兆ちょう8000億おく円えんとなった。当時とうじの中曽根なかそね民活みんかつによるリゾート法ほうの追おい風かぜもうけ、建設けんせつ業ぎょう・不動産ふどうさん業ぎょうから鬼怒川温泉きぬがわおんせんや那須なすのホテル・旅館りょかん・ゴルフ場じょうといった観光かんこう業ぎょう、パチンコ店てん・飲食いんしょく店てんなどに過剰かじょう融資ゆうしを行おこない、ニュージーランドへ進出しんしゅつしたホテルニュー岡部おかべやあさやホテルをはじめ、栃木とちぎ県内けんないに豪華ごうか絢爛けんらんな建造けんぞう物ぶつが出現しゅつげんした。

地元じもとで賄まかない切きれない貸かし出金しゅっきんは埼玉さいたま・東京とうきょうに流ながれ、一時いちじ、東京とうきょう支店してんの貸出かしだし残高ざんだかが宇都宮うつのみやの本店ほんてん営業えいぎょう部ぶを抜ぬき、都内とない支店してん（東京とうきょう・日本橋にほんばし・赤羽あかはね・新宿しんじゅく新都しんと心こころ・渋谷しぶや）の貸かし出金しゅっきん総額そうがくは1兆ちょう円えんを超こえた。つまり、地銀ちぎんでありながら地元じもとの北関東きたかんとうで集あつめた資金しきんを東京とうきょう他県たけん外がいで運用うんようしていたことになる。さらに系列けいれつノンバンクである北関東きたかんとうリース（宇都宮うつのみや）・足あし銀ぎんファクター（宇都宮うつのみや）・足あし銀ぎんリース（伊勢崎いせざき市し）・あしぎん抵当ていとう証券しょうけん（大宮おおみや市し）を通つうじて銀行ぎんこう融資ゆうしでは不ふ適格てきかくな案件あんけんに対たいしても融資ゆうしを積極せっきょく的てきに行いった。当時とうじ、これに疑問ぎもんを呈ていする向むきは少すくなく、逆ぎゃくに「地銀ちぎんの雄ゆう」「地銀ちぎんの住友銀行すみともぎんこう」などと賞賛しょうさんされた。

1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）7月がつ、向江むかえは全国ぜんこく地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかい副ふく会長かいちょうに就任しゅうにん、翌年よくねんには足あし銀ぎんの預金よきん順位じゅんいは地銀ちぎん第だい5位いとなり栄華えいがを極きわめていた。

不正ふせい融資ゆうし

後ごの経営けいえい破綻はたん後ご、銀行ぎんこうに損害そんがいを与あたえた不正ふせい融資ゆうしとして預金よきん保険ほけん法ほう116条じょう1項こうに基もとづき、当時とうじの経営けいえい陣じんに対たいして損害そんがい賠償ばいしょう訴訟そしょうが起おこされたものとして次つぎの2案件あんけんがある（出典しゅってん）。

• 埼玉さいたま県けん荒川あらかわ村むら（現げん:秩父ちちぶ市し）の荒川あらかわ観光かんこう開発かいはつ株式会社かぶしきがいしゃ。1988年ねんに地元じもとの土木どぼく業ぎょうらが設立せつりつし会員かいいん制せいゴルフ場じょうを建設けんせつしていたが、バブル崩壊ほうかいによりゴルフ会員かいいん権けん販売はんばいによる土地とち取得しゅとく費ひの回収かいしゅうすら困難こんなんな状況じょうきょうとなった。しかし、1993年ねん12月に当時とうじの専務せんむ2名めいが十分じゅうぶんな担保たんぽを取とらずに建設けんせつ資金しきん92億おく円えんの追加ついか融資ゆうしを決定けっていした（融資ゆうし総額そうがく119億おく円えん）。1998年ねん11月に会員かいいん権けん700万まん円えんの「秩父ちちぶキングダムカントリークラブ」として開業かいぎょうしたが不良ふりょう債権さいけん化かした

• 煉瓦れんが窯かま（旧きゅう下野げや煉ねり化か製造せいぞう会社かいしゃ煉瓦れんが窯かま）が重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている1888年ねん創業そうぎょうの株式会社かぶしきがいしゃシモレン（野木のぎ町まち）。生なまコンなど建築けんちく材料ざいりょうの製造せいぞう・販売はんばいを本業ほんぎょうとしていたが、1992年ねん前後ぜんこうに当時とうじの社長しゃちょうが乗馬じょうばクラブ事業じぎょうへ進出しんしゅつを決定けってい。足あし銀ぎんは採算さいさん性せいや資力しりょくを考慮こうりょせず過剰かじょう融資ゆうし（約やく100億おく円えん）を行おこない、1994年ねんに入会にゅうかい金きん1千せん万まん円えんの「ロイヤルホースライディングクラブ」として開業かいぎょうした。

シモレンは乗馬じょうばクラブ開業かいぎょうによる赤字あかじを隠蔽いんぺいするために粉飾ふんしょくするようになり、1999年ねんに同社どうしゃは足あし銀ぎんに謝罪しゃざい。これを受うけ、足あし銀ぎんは他たの取引とりひき金融きんゆう機関きかんに対たいしては粉飾ふんしょくを秘匿ひとくとし、同社どうしゃに約やく100億おく円えんの融資枠ゆうしわくを設定せっていした。

2000年ねん9月がつに中央ちゅうおう青山あおやま監査かんさ法人ほうじんの担当たんとう会計士かいけいしが、秘匿ひとくのまま他たの金融きんゆう機関きかんに同社どうしゃの手形てがたを引受ひきうけさせて融資ゆうし額がくを減少げんしょうさせるよう融資ゆうし第だい2部長ぶちょうらに助言じょげんし、足あし銀ぎんの2001年ねん3月がつ期き決算けっさんでシモレンの不良ふりょう債権さいけんを隠蔽いんぺいしつつ中央ちゅうおう青山あおやまは監査かんさの適正てきせい意見いけんを表明ひょうめいしていた事ことが2005年ねん10月がつ28日にちになって報道ほうどうされた。中央ちゅうおう青山あおやまはカネボウ (1887-2008)や日興にっこうコーディアルグループに対たいしても不祥事ふしょうじを抱かかえたことから2007年ねんには解散かいさんに追おいやられている。

経営けいえい危機ききと地元じもとの支援しえん

バブル崩壊ほうかい後のちに無理むりな拡大かくだい路線ろせんが災わざわいし不良ふりょう債権さいけんが増加ぞうか。1994年ねん3月がつ期き決算けっさんでは、破綻はたん先さき債権さいけん額がくは632億おく円えんにも上のぼった。こうした経営けいえい不安ふあんから1997年ねん（平成へいせい9年ねん）秋あきには取とり付つけ騒さわぎが発生はっせい、親密しんみつであった東京三菱銀行とうきょうみつびしぎんこう（現げん・三菱みつびしUFJ銀行ぎんこう）から1,000億おく円えんにのぼる資金しきん調達ちょうたつやリストラ策さく公表こうひょう、地元じもと取引とりひき先さきの支援しえんなどで沈静ちんせい化かするまでに同年どうねん9月がつ末まつの総そう預金よきんは5兆ちょう3,740億おく円えんは、1年ねん後ごには5兆ちょう856億おく円えんに急減きゅうげんし3,000億おく円えん近ちかくもの預金よきんが流出りゅうしゅつした。

• 1990年代ねんだいに開設かいせつした埼玉さいたま県内けんないの上尾あげお・鴻巣こうのすや、乱脈らんみゃく融資ゆうしの温床おんしょうとなった東京とうきょう地区ちく（渋谷しぶや・新宿しんじゅく新都しんと心しん・日本橋にほんばし・赤羽あかはね）の各かく支店してんを2000年ねんまでに近隣きんりん店舗てんぽに吸収きゅうしゅうさせ撤退てったい。
• 1999年ねん（平成へいせい11年ねん）から2000年ねん（平成へいせい12年ねん）にかけ計けい3回かいにわたり総額そうがく1350億おく円えんの公的こうてき資金しきん投入とうにゅうを受うけ、同年どうねん11月がつには自己じこ資本しほんの強化きょうかで6000万まん株かぶの優先株ゆうせんかぶ（1株かぶ額面がくめん500円えん、計けい300億おく円えん）を発行はっこう。
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん） 不良ふりょう債権さいけん処理しょりを進すすめ2003年ねん（平成へいせい15年ねん）3月がつ期き決算けっさんにV字じ回復かいふくを目標もくひょうとする経営けいえい改善かいぜん計画けいかく「あしぎん改善かいぜん計画けいかく プロジェクトA」を発表はっぴょう。
• 同年どうねん8月がつに地元じもと財界ざいかい人じんを中心ちゅうしんに行内こうないに経営けいえい諮問しもん委員いいん会かいを設置せっちしたが、景気けいき低迷ていめいもあって健全けんぜん化か計画けいかくは思おもうように進すすまなかった。2002年ねん（平成へいせい14年ねん）3月がつ期き決算けっさん予想よそうは1101億おく円えんの大幅おおはば純じゅん損失そんしつとなり、優先株ゆうせんかぶも無配むはいとした（同期どうきに北陸銀行ほくりくぎんこう・岐阜銀行ぎふぎんこうも追従ついしょうし、整理せいり回収かいしゅう機構きこうを通つうじて金融きんゆう庁ちょうの議決ぎけつ権けん行使こうしを受うけている）。
• 2002年ねん（平成へいせい14年ねん）1月がつに約やく300億おく円えんの普通ふつう株かぶ増資ぞうしを行おこなった（1株かぶ114円えん）。一連いちれんの増資ぞうしで異例いれいとなる栃木とちぎ県けんおよび県内けんない12市しの自治体じちたいが総額そうがく10億おく2000万まん円えんの株かぶを公的こうてき資金しきんで引ひき受うけた。

2000年ねん（平成へいせい12年ねん）12月に親密しんみつ融資ゆうし先さきの上野うえの百貨店ひゃっかてんが自己じこ破産はさんを申請しんせい（負債ふさい総額そうがく164億おく円えん）。2001年ねん（平成へいせい13年ねん）10月がつには不正ふせい融資ゆうしの舞台ぶたいとなったシモレンが民事みんじ再生さいせい法ほうを申請しんせい（足あし銀ぎんの不良ふりょう債権さいけん額がく約やく130億おく円えん、翌年よくねん破産はさん宣告せんこく）、上場じょうじょう企業きぎょうで準じゅんメインバンクであった日本にっぽんビューホテルなど大口おおぐち融資ゆうし先さきの倒産とうさんが相次あいついだした。

2002年ねん（平成へいせい14年ねん）に『北朝鮮きたちょうせんによる日本人にっぽんじん拉致らち疑惑ぎわく』がマスコミで取とり上あげられるようになると、同年どうねん4月がつに北朝鮮きたちょうせん向むけコルレス業務ぎょうむを取扱とりあつかいが少すくないことを理由りゆうに打うち切きった。同年どうねん9月がつの日にち朝ちょう首脳しゅのう会談かいだん以降いこう、日本にっぽんと北朝鮮きたちょうせんを繋つなぐ手段しゅだんとして万景峰まんぎょんぼん号ごうと並ならぶ形かたちでコルレス業務ぎょうむがクローズアップされるようになったが、マスコミが取とり上あげたタイミングでは前出ぜんしゅつの通とおりすでに取とりやめていた。

2003年ねん（平成へいせい15年ねん）3月がつには子会社こがいしゃ・北関東きたかんとうリースとの株式かぶしき移転いてんで金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃ「あしぎんフィナンシャルグループ」を設立せつりつし、同社どうしゃの完全かんぜん子会社こがいしゃとなったが、これは同どう3月がつ期きに単体たんたいで赤字あかじだった同どう銀行ぎんこうの優先株ゆうせんかぶ復配ふくはいを果はたす目的もくてきなのが明白めいはくであり、多おおくの批判ひはんを受うけた。

経営けいえい破綻はたん

「金融きんゆう再生さいせいプログラム」も参照さんしょう

2003年ねん（平成へいせい15年ねん）3月がつ期き決算けっさんに関かんして、金融きんゆう庁ちょうの立たち入いり検査けんさが同年どうねん9月がつ2日にちから11月11日にちまでの長期間ちょうきかん行おこなわれた。10月には夕刊ゆうかんフジが“政府せいふが国有こくゆう化か検討けんとうしている危あぶない地銀ちぎん”として数すう回かい報道ほうどうするもゴシップの域いきを出でなかったが、11月12日にちにウォール・ストリート・ジャーナルが“日本にっぽん政府せいふが足利銀行あしかがぎんこうに公的こうてき資金しきん注入ちゅうにゅうを検討けんとうしている”旨むねのスクープを報道ほうどうした（足あし銀側ぎんがわと政府せいふ首脳しゅのうの竹中たけなか平蔵へいぞう・小泉こいずみ純一郎じゅんいちろうはいずれも否定ひてい）。日本にっぽんの夕刊ゆうかん紙し・週刊しゅうかん誌しも14日にち以降いこう相次あいついで危あぶない地銀ちぎんとして経営けいえい破綻はたんの虞おそれを名指なざしで報ほうじるようになった。11月17日にちにムーディーズが政府せいふの支援しえんを受うける方向ほうこうに入はいった足あし銀ぎんの預金よきん格付かくづけの引ひき上あげを検討けんとうと報ほうじられると、11月19日にちにあしぎんFG株価かぶかは100円えんを突破とっぱするなど乱らん高下こうげするようになる。11月22日にち、同月どうげつ25日にち予定よていとしていた2003年ねん9月がつ期き中ちゅう間あいだ決算けっさん発表はっぴょうを“金融きんゆう庁ちょう検査けんさが延のびた”ことを理由りゆうに延期えんきすることを発表はっぴょう、この時点じてんで破綻はたんは現実味げんじつみを帯おびるようになった。

11月27日にち、金融きんゆう庁ちょうが検査けんさ結果けっかを通知つうちし、繰延くりのべ税金ぜいきん資産しさん計上けいじょうが過大かだいであるとして2003年ねん3月がつ期き時点じてんで債務さいむ超過ちょうかであると認定にんてい（この時点じてんでは非ひ公表こうひょう）。会計かいけい監査かんさを担当たんとうする中央ちゅうおう青山あおやま監査かんさ法人ほうじん（後ごのみすず監査かんさ法人ほうじん）と協議きょうぎするも、2003年ねん9月がつ期きの中なか間あいだ決算けっさんにおいて繰延くりのべ税金ぜいきん資産しさんを計上けいじょうしないよう通告つうこくした。これを受うけ、翌よく11月がつ28日にち午前ごぜんには日経新聞にっけいしんぶん朝刊ちょうかん・ロイターが『政府せいふ、足利銀行あしかがぎんこうへ公的こうてき資金しきん投入とうにゅうへ 処理しょり方式ほうしきは現げん段階だんかいでは未定みてい』などとスクープ記事きじを配信はいしんし、東証とうしょうはあしぎんFG株かぶを売買ばいばい停止ていしとしたが、あしぎんFG側がわは憶測おくそくに基もとづく記事きじとして否定ひていし、同日どうじつ13時じ30分ふんから売買ばいばい再開さいかいとなった。しかし、同日どうじつの夕刊ゆうかんには『足利銀行あしかがぎんこうに公的こうてき資金しきん 政府せいふ、最終さいしゅう調整ちょうせい 金融きんゆう庁ちょう検査けんさで3月がつ期き債務さいむ超過ちょうか』などと一いち面めん記事きじになり、NHKニュースでも同日どうじつ午後ごごには『足利銀行あしかがぎんこうへの公的こうてき資金しきん投入とうにゅう問題もんだい 栃木とちぎ県知事けんちじ 県民けんみんも冷静れいせいな対応たいおうを』と報ほうじた。

そして11月29日にち（土曜日どようび）早朝そうちょう、金融きんゆう庁ちょうの検査けんさ結果けっかが2003年ねん3月がつ期き決算けっさん時点じてんで債務さいむ超過ちょうかであったことが公おおやけとなり、自主じしゅ経営けいえいを断念だんねんせざるを得えない状態じょうたいとなった旨むねがニュース番組ばんぐみや新聞しんぶん各紙かくしの朝刊ちょうかんで報ほうじられる。一部いちぶの行員こういんは朝あさに職場しょくばへ召集しょうしゅうさせられ、預金よきん保険ほけん法ほう102条じょう第だい1項こうの3号ごう措置そちを受うけることを通告つうこくさせられたという。その後ご、本店ほんてんでの取締役とりしまりやく会かいで足あし銀ぎんならびにあしぎんFGの9月がつ期き中ちゅう間あいだ決算けっさんを承認しょうにん。21時じから小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう内閣ないかく総理そうり大臣だいじんを議長ぎちょうとする金融きんゆう危機きき対応たいおう会議かいぎが首相しゅしょう官邸かんていで開催かいさいされ、2001年ねん（平成へいせい13年ねん）に制定せいていされた預金よきん保険ほけん法ほう102条じょう第だい1項こうの3号ごう措置そちによる一時いちじ国有こくゆう化か（特別とくべつ危機きき管理かんり）が決定けっていされた。これに伴ともない、足利銀行あしかがぎんこうおよび上場じょうじょう親会社おやがいしゃのあしぎんフィナンシャルグループは会社かいしゃ更生こうせい法ほうを東京とうきょう地裁ちさいへ申請しんせいし、名実めいじつともに経営けいえい破綻はたんした。同日どうじつ23時じに本店ほんてんで記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、日向野ひがの善明よしあき頭取とうどりら経営けいえい陣じんが総そう辞職じしょくした。

3号ごう措置そちおよび特別とくべつ危機きき管理かんり銀行ぎんこうの発動はつどうは初はつで、全国ぜんこく地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかい加盟かめいの（第だい1）地方銀行ちほうぎんこうの破綻はたんも現状げんじょう唯一ゆいいつである（2011年ねん時点じてん）。

栃木とちぎ県けん財界ざいかいおよび森山もりやま眞弓まゆみら地元じもと選出せんしゅつ国会こっかい議員ぎいんは、預金よきん保険ほけん法ほう102条じょう第だい1項こうの1号ごう措置そち（いわゆる「りそな銀行ぎんこう方式ほうしき」、預金保険機構よきんほけんきこうの増資ぞうしによる資金しきん注入ちゅうにゅうでそのまま存続そんぞくできる）を要請ようせい（政府せいふには株主かぶぬしを救済きゅうさいせよという声こえが寄よせられた）。しかし、りそな銀行ぎんこうの場合ばあいは自己じこ資本しほん比率ひりつの極端きょくたんな低下ていかという財務ざいむ状況じょうきょうであったが、当行とうこうは金融きんゆう庁ちょう検査けんさの段階だんかいで債務さいむ超過ちょうか（自己じこ資本しほん比率ひりつがマイナス）が認みとめられていた為ため、破綻はたん処理しょりとそれによる株主かぶぬし責任せきにんを選えらばざるを得えなくなった。これにより足利銀行あしかがぎんこうの株式かぶしきは無む価値かち（いわゆる紙かみくず）となった。足利銀行あしかがぎんこう単体たんたいの2003年ねん（平成へいせい15年ねん）3月がつ期き決算けっさんの自己じこ資本しほん比率ひりつは（粉飾ふんしょくによる見みかけ上じょう）4.54%だったが、特別とくべつ危機きき管理かんり決定けってい後ごの金融きんゆう庁ちょうの検査けんさで、233億おく円えんの債務さいむ超過ちょうかと認定にんていされた。

（出典しゅってん:「シリーズ検証けんしょう 足あし銀ぎん破はたん」読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ栃木とちぎ版ばん）

同年どうねん12月がつに預金保険機構よきんほけんきこうの指名しめいにより横浜銀行よこはまぎんこう出身しゅっしんの池田いけだ憲けん人じんが頭取とうどりに就任しゅうにん。また、預金保険機構よきんほけんきこうが完全かんぜん親会社おやがいしゃのあしぎんFGから当行とうこう全ぜん株式かぶしきを強制きょうせい的てきに取得しゅとくし、足あし銀ぎんとあしぎんFGは資本しほん上じょう無関係むかんけいとなった。

破綻はたん後ご

預金よきんは全額ぜんがく保護ほごで引出請求せいきゅうも従前じゅうぜん通どおり行おこなわれるため、ATM休日きゅうじつ稼働かどう日びの11月30日にち（日曜日にちようび）および最初さいしょの窓口まどぐち営業えいぎょう日びとなる12月1日にち以降いこう、目立めだった取とり付つけ騒さわぎは発生はっせいしなかった。しかしながら破綻はたんにより、法人ほうじん・自営業じえいぎょう者もの向むけを中心ちゅうしんとした不良ふりょう債権さいけんの一部いちぶを整理せいり回収かいしゅう機構きこうが取得しゅとく（債権さいけん譲渡じょうと）し、新規しんき融資ゆうしが停止ていしされた上うえで同どう機構きこうから融資ゆうし先さきへ強引ごういんな債権さいけん回収かいしゅうが行おこなわれる等とう、北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうの事例じれいと同おなじく本拠地ほんきょちの地域ちいき経済けいざいへの影響えいきょうが見みられた。特とくにバブル期きの過剰かじょう融資ゆうしで改築かいちく・開業かいぎょうし、営業えいぎょう不振ふしんとなっていた日光にっこうや那須なすなどの旅館りょかん・ホテル業ぎょうでは影響えいきょうが深刻しんこくであり、産業さんぎょう再生さいせい機構きこうの再生さいせい支援しえん案件あんけん以外いがいはほとんどが倒産とうさんに追おいやられ、競売きょうばいにより他者たしゃが不動産ふどうさんを獲得かくとくするパターンが続出ぞくしゅつした。主おもにゴルフ場じょうにおいても1980年代ねんだいのバブル期き前後ぜんこうに開業かいぎょうした施設しせつ（さくら市し喜連川きつれがわ町まちに集中しゅうちゅう）は預託よたく金きん返還へんかん時期じき到来とうらいと重かさなったことで、他社たしゃへの売却ばいきゃくによる清算せいさんや倒産とうさんによる経営けいえい断念だんねんが見みられた。

また、当行とうこうをメインバンクとする11企業きぎょうが産業さんぎょう再生さいせい機構きこうへ再生さいせい支援しえんを申請しんせいしているが、当該とうがい企業きぎょうと連名れんめいで支援しえんを申請しんせいした金融きんゆう機関きかんは当行とうこうが最多さいたである。主おもな支援しえん入いり案件あんけんはホテル四季しき彩あや（日光にっこう）やあさやホテル、金谷ホテル観光かなやほてるかんこう（鬼怒川温泉きぬがわおんせんホテル・名古屋なごや金谷かなやホテル等ひとし）、関東自動車かんとうじどうしゃ、栃木とちぎ皮革ひかくが挙あげられる。

経営けいえい責任せきにん

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）2月がつに足利銀行あしかがぎんこう（池田いけだ頭取とうどり）は、貸かし倒たおせ引当ひきあて金きんの過小かしょう引当ひきあてや繰延くりのべ税金ぜいきん資産しさんの水増みずましなど不正ふせい会計かいけい、荒川あらかわ観光かんこう開発かいはつとシモレンに対たいする不正ふせい融資ゆうし、2001年ねん3月がつ期き決算けっさんにおける優先株ゆうせんかぶの違法いほう配当はいとうにより銀行ぎんこうに損害そんがいを与あたえたとして預金よきん保険ほけん法ほう116条じょうに基もとづき、向江むかえ久夫ひさお・元もと会長かいちょうら歴代れきだい頭取とうどり3名めいを含ふくむ元もと役員やくいん13人にんを相手取あいてどり総額そうがく46億おく円えんの損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうを宇都宮うつのみや地方裁判所ちほうさいばんしょに3件けん提訴ていそした。

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）9月がつおよび2008年ねん（平成へいせい20年ねん）3月がつ、柳田やなぎだ美夫よしお元もと頭取とうどりら元もと役員やくいん9人にんとは個人こじん資産しさんのうち当面とうめんの生活せいかつ資金しきんとしての100万まん円えん分ぶん以外いがいを処分しょぶんし賠償ばいしょうに充あてることで一部いちぶ和解わかいが成立せいりつ（処分しょぶん財産ざいさんの無ない1名めいに対たいしては自己じこ破産はさん申請しんせいにより免責めんせき）。和解わかい調書ちょうしょには"重大じゅうだいな任務にんむ懈怠けたいがあった"として経営けいえい責任せきにんを認みとめる文言もんごんが明記めいきされた。

荒川あらかわ観光かんこう開発かいはつへの追加ついか融資ゆうしでは賠償ばいしょう請求せいきゅう権けんを譲受ゆずりうけした整理せいり回収かいしゅう機構きこうが足あし銀ぎんに損害そんがいを与あたえたとして、実行じっこう役やくの元もと専務せんむ2名めいに対たいして損害そんがい賠償ばいしょう訴訟そしょうを提起ていきし、2010年ねん（平成へいせい23年ねん）3月がつに宇都宮うつのみや地裁ちさいが整理せいり回収かいしゅう機構きこうへ18億おく円えんの支払しはらいを命めいじる判決はんけつを下くだした。被告人ひこくにんは上訴じょうそするも同年どうねん12月がつの二に審しん東京とうきょう高裁こうさいで棄却ききゃくされ賠償ばいしょうが確定かくていした。本件ほんけんに対たいしては向江むかえの監督かんとく責任せきにんも問とわれ、2009年ねん3月がつに遺族いぞくが責任せきにんを一部いちぶ認みとめ、7000万まん円えんの賠償ばいしょうを整理せいり回収かいしゅう機構きこうに支払しはらうことで和解わかいしている。

経営けいえい陣じんに対たいする刑事けいじ事件じけんとしての立件りっけんも検討けんとうされたが、経営けいえい陣じんが違法いほう配当はいとうを部下ぶかに意図いと的てきに指示しじした証拠しょうこが得えられず、また当時とうじは業界ぎょうかい内ないで繰延くりのべ税金ぜいきん資産しさんの計上けいじょうに関かんする指針ししんが明確めいかくでなかったとする専門せんもん家かの意見いけんがあったため、刑事けいじ事件じけんとして立件りっけんされなかった。

粉飾ふんしょく決算けっさんを見過みすごしたとして中央ちゅうおう青山あおやま監査かんさ法人ほうじんと担当たんとう会計かいけい士しに対たいしても損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅうを提訴ていそしていたが、2007年ねん7月がつ、足あし銀側ぎんがわが2億おく6500万まん円えんの和解わかい金きんを受うけ取とることで和解わかいが成立せいりつした。

一時いちじ国有こくゆう化か離脱りだつへ

2006年ねん（平成へいせい18年ねん）11月2日にち、金融きんゆう庁ちょうは受うけ皿ざら（スポンサー）に求もとめる基本きほん的てきな条件じょうけんを提示ていじし、受うけ皿ざら候補こうほの公募こうぼを宣言せんげんした。 その後ご2段階だんかいの審査しんさを経へて、翌年よくねん9月がつ21日にちに同庁どうちょうは受皿うけざらの最終さいしゅう審査しんさに入はいることを発表はっぴょう、同年どうねん11月がつ22日にちまでに受皿うけざら候補こうほより同行どうこうの企業きぎょう価値かち評価ひょうかを含ふくむ譲受じょうじゅ条件じょうけん等とうの提出ていしゅつを受うけた。

二に次じ選考せんこうを通過つうかしたスポンサー候補こうほは次つぎの通とおり

• 野村のむらホールディングスのベンチャーキャピタルを中心ちゅうしんとした投資とうしグループの出資しゅっしで設立せつりつする持株もちかぶ会社かいしゃ（「野村のむらグループ連合れんごう」）
• 日興にっこうシティグループ証券しょうけんが主しゅ幹事かんじとなって、横浜銀行よこはまぎんこう・東邦銀行とうほうぎんこう・山梨中央銀行やまなしちゅうおうぎんこうおよび火曜かよう会かい参加さんか行ぎょう（千葉銀行ちばぎんこう・常陽銀行じょうようぎんこう・八十二銀行はちじゅうにぎんこう）を中心ちゅうしんとした地銀ちぎんと、日本生命保険にほんせいめいほけん、東京とうきょう海上かいじょう日動にちどうの出資しゅっしで設立せつりつする持株もちかぶ会社かいしゃ（「地銀ちぎん連合れんごう」）
• （旧きゅう）みずほ証券しょうけんを主おも幹事かんじとしたベンチャーキャピタル
• 大和証券だいわしょうけんSMBCと栃木銀行とちぎぎんこう
• ローンスター

このうち野村のむら連合れんごうと地銀ちぎん連合れんごうが出資しゅっし額がくなどで一いち騎き討うちとなり、それ以外いがいは資力しりょくや経済けいざい界かいの反発はんぱつで落選らくせんとなった。当初とうしょは地銀ちぎん連合れんごうが有力ゆうりょく視しされていたが、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）3月がつ14日にち、金融きんゆう庁ちょうは足利銀行あしかがぎんこうを野村のむらグループ連合れんごうが設立せつりつする足利あしかがホールディングスへの売却ばいきゃくを内定ないていした。株式かぶしき譲渡じょうと額がくは1200億おく円えん。

一般いっぱん的てきに破綻はたんした銀行ぎんこうがスポンサーを得えて再建さいけんする場合ばあい、新あらたに設立せつりつした銀行ぎんこうへ譲渡じょうとするか承継しょうけい銀行ぎんこうに吸収きゅうしゅうされることにより銀行ぎんこう名めいが事実じじつ上じょう改称かいしょうされるのが通例つうれいであるが（北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう、わかしお銀行ぎんこう、東京とうきょうスター銀行ぎんこう等ひとし）、当行とうこうのケースでは新生しんせい銀行ぎんこう・あおぞら銀行ぎんこうなどと同おなじく創業そうぎょう時じの法人ほうじん格かくのまま親会社おやがいしゃが異動いどうするのみとなり、商号しょうごうについては足利あしかがホールディングス側がわの意向いこうで地域ちいきにおけるネームバリュー等とうを考慮こうりょし、現行げんこう名めいを維持いじする方向ほうこうとなった。

2008年ねん（平成へいせい20年ねん）7月がつ1日にち、当行とうこうの株式かぶしきを足利あしかがホールディングスが取得しゅとくしたことで傘下さんかに入はいり、特別とくべつ危機きき管理かんり体制たいせいから解放かいほうされた。

常陽銀行じょうようぎんこうとの経営けいえい統合とうごう

「足利あしかがホールディングス」を参照さんしょう

沿革えんかく

• 1895年ねん（明治めいじ28年ねん）
  • 9月25日にち - 栃木とちぎ県けん足利あしかが郡ぐん足利あしかが町まち（現げん・足利あしかが市し）に株式会社かぶしきがいしゃ足利銀行あしかがぎんこう設立せつりつ。
  • 10月1日にち - 旧きゅう本店ほんてん（現在げんざいの足利あしかが商工しょうこう会議かいぎ所しょ所在地しょざいち）で営業えいぎょう開始かいし。
• 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）11月 - 群馬ぐんま県けん山田やまだ郡ぐん桐生きりゅう町まち（現げん・桐生きりゅう市し）に第だい1号ごう支店してん開設かいせつ。
• 1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）5月がつ - 東京とうきょう支店してん開設かいせつ。
• 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）
  • 8月がつ5日にち - 宇都宮うつのみや商業しょうぎょう銀行ぎんこうと合併がっぺい。
  • 9月1日にち ‐ 宇都宮うつのみや支店してん及および新しん石町こくまち支店してん開設かいせつ。
• 1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）11月 - 単独たんどくで栃木とちぎ県けん金庫きんこ事務じむの取とり扱あつかい開始かいし。
• 1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）4月がつ26日にち - 鹿沼かぬま興業こうぎょう銀行ぎんこうを実じつ価あたいで譲ゆずり受うける。
• 1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）4月がつ26日にち - 烏山からすやま銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
• 1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）
  • 5月17日にち - 益子ましこ銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
  • 5月31日にち - 栃木とちぎ農のう商しょう銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
  • 8月がつ8日にち - 久下田くげた銀行ぎんこうを買収ばいしゅうし、合併がっぺい。
  • 11月30日にち - 黒羽くろは商業しょうぎょう銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
• 1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん）8月がつ - 那須なす商業しょうぎょう銀行ぎんこうを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
• 1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）6月がつ - 預金よきん1億おく円えん達成たっせい。
• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）3月がつ6日にち - 下毛しもげ貯蓄ちょちく銀行ぎんこうを併合へいごう、栃木とちぎ県内けんない一いち行ぎょう体制たいせい確立かくりつ。
• 1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）7月がつ - 預金よきん1000億おく円えん達成たっせい。
• 1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）2月がつ - 東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょ第だい二に部ぶから第だい一部いちぶへ指定してい替がえ。
• 1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）2月がつ - 本店ほんてんを足利あしかが市しから宇都宮うつのみや市しに移転いてん。
• 1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）9月がつ - 預金よきん1兆ちょう円えんを達成たっせい。
• 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）12月 - 貸かし出金しゅっきん1兆ちょう円えん突破とっぱ。
• 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）12月25日にち - 朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく貿易ぼうえき銀行ぎんこう（同国どうこく外貨がいか管理かんり法ほう第だい5条じょうの銀行ぎんこう）との間あいだで「コルレス契約けいやく」を締結ていけつ、送金そうきん業務ぎょうむ開始かいし。
• 1982年ねん（昭和しょうわ57年ねん）4月がつ1日にち - ディーシーカードと共同きょうどうで足利あしかがダイヤモンドクレジット（後のちに「あしぎんディーシーカード」、現げん・あしぎんカード）設立せつりつ。
• 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）
  • 4月がつ - 宇都宮うつのみや市し指定してい金融きんゆう機関きかんを富士銀行ふじぎんこうから交替こうたい。
  • 12月8日にち - 白河しらかわ出張所しゅっちょうしょ開設かいせつ。
• 1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）10月がつ - ニューヨーク支店してん開設かいせつ。
• 1990年ねん（平成へいせい2年ねん）
  • 1月がつ - 初はつの海外かいがい現地げんち法人ほうじん「足利あしかが財務ざいむ有限ゆうげん公司こうし」設立せつりつ。
  • 3月 - 店舗てんぽ数すう203（県内けんない139、県けん外がい64、代理だいり店てん含ふくむ）となり、200を突破とっぱ。
  • 11月 - ロンドン支店してんを開設かいせつ。
• 1991年ねん（平成へいせい3年ねん）10月がつ28日にち - 白河しらかわ支店してんに昇格しょうかく。
• 1996年ねん（平成へいせい8年ねん）3月がつ - 不良ふりょう債権さいけん処理しょりに伴ともない最終さいしゅう損失そんしつが919億おく円えんとなり、創業そうぎょう以来いらい初はつの赤字あかじを計上けいじょう。
• 1998年ねん（平成へいせい10年ねん）
  • 3月 - 劣後債れつごさいで公的こうてき資金しきん300億おく円えんを投入とうにゅう。最終さいしゅう損益そんえき289億おく円えんの赤字あかじ。ロンドン・ニューヨークの両りょう支店してんを廃止はいしし、海外かいがい業務ぎょうむからすべて撤退てったい。
  • 11月 - 赤羽あかはね・新宿しんじゅく新都しんと心しんの両りょう支店してんを東京とうきょう支店してんへ統合とうごう、東京とうきょうは1店舗てんぽに。
• 1999年ねん（平成へいせい11年ねん）
  • 3月 - 最終さいしゅう損失そんしつが1182億おく円えんで2期き連続れんぞく赤字あかじ。
  • 4月がつ - 同行どうこう初はつのインストアブランチ「パスカルブランチ」を上野うえの百貨店ひゃっかてん大田原おおたわら店てん3階かいに開設かいせつ。
  • 7月がつ - インストアブランチ2号ごう店てんを福田ふくだ屋やショッピングプラザ宇都宮うつのみや店てん1階かいに開設かいせつ。
  • 8月がつ - 優先株ゆうせんかぶによる428億おく円えんの第三者だいさんしゃ割当わりあて増資ぞうしが完了かんりょう。栃木とちぎ県けん（3億おく円えん）と宇都宮うつのみや市し（1億おく円えん）からの協力きょうりょくも得える。
  • 9月 - 1050億おく円えんの公的こうてき資金しきん注入ちゅうにゅうを申請しんせい、併あわせて経営けいえい健全けんぜん化か計画けいかくを策定さくてい（9月がつと11月に注入ちゅうにゅう）。
• 2000年ねん（平成へいせい12年ねん）12月がつ20日はつか - 上野うえの百貨店ひゃっかてん倒産とうさん（自己じこ破産はさん申請しんせい→破産はさん宣告せんこくにより閉鎖へいさ）のため「パスカルブランチ」を閉鎖へいさ。
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）
  • 8月がつ - 02年ねん3月がつ期き決算けっさんで1100億おく円えんを超こえる最終さいしゅう赤字あかじとなる。
  • 中期ちゅうき経営けいえい計画けいかく「プロジェクトA」をスタートさせ、リストラを強化きょうか。
  • 12月14日にち - 名古屋なごや支店してんを閉鎖へいさし、東京とうきょう支店してんへ業務ぎょうむ継承けいしょう。中京ちゅうきょう圏けんから撤退てったい。
• 2002年ねん（平成へいせい14年ねん）
  • 1月がつ -「プロジェクトA」でのサービスの一環いっかんで、同行どうこうでは初はつの試こころみとして正月しょうがつ三さんが日にちに自じ行くだりオンライン網もう・ATMを休日きゅうじつ扱あつかいで稼働かどう（アイワイバンク銀行ぎんこう・e-net含ふくむ）。
  • 1月がつ - 299億おく円えんの増資ぞうしが完了かんりょう（栃木とちぎ県けんと12市しも協力きょうりょくし6億おく2000万まん円えんを出資しゅっし）。
  • 1月がつ21日にち - 宇都宮うつのみや地区ちくに営業えいぎょう店舗てんぽエリア体制たいせいを導入どうにゅう（本店ほんてんエリアと宇都宮うつのみや中央ちゅうおうエリア、宇都うと宮東みやひがしエリアと宇都宮うつのみや南みなみエリアは5月27日にち）。
  • 新しんタイプの出張所しゅっちょうしょ「あしぎんえがおプラザ」がスタート。
  • 3月 - 最終さいしゅう損益そんえきが1280億おく円えんの赤字あかじとなる。
  • 北朝鮮きたちょうせんの銀行ぎんこうとの「コルレス契約けいやく」を解除かいじょ（送金そうきん業務ぎょうむ打うち切きり）。以後いご、外国がいこく銀行ぎんこう在日ざいにち支店してんなどが細々こまごまと業務ぎょうむを継続けいぞくをすることになる。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）
  • 2月がつ24日にち - 那須なす支店してんから黒田原くろだはら支店してん那須なす出張所しゅっちょうしょ、白河しらかわ支店してんから黒田原くろだはら支店してん白河しらかわ出張所しゅっちょうしょとなる。
  • 3月12日にち - 北関東きたかんとうリース株式会社かぶしきがいしゃとの株式かぶしき移転いてんにより、金融きんゆう持株もちかぶ会社かいしゃ・株式会社かぶしきがいしゃあしぎんフィナンシャルグループを設立せつりつ。同社どうしゃの完全かんぜん子会社こがいしゃとなる。
  • 8月がつ - 金融きんゆう庁ちょうから業務ぎょうむ改善かいぜん命令めいれいを受うけ、業務ぎょうむ改善かいぜん計画けいかくを提出ていしゅつ。
  • 11月29日にち - 預金よきん保険ほけん法ほう第だい百ひゃく二に条じょう第だい一いち項こう第だい三さん号ごうの認定にんていを受うける。
  • 12月1日にち - 特別とくべつ危機きき管理かんり開始かいし決定けっていの旨むねが官報かんぽうにより公告こうこくされる。預金よきん保険ほけん法ほうの規定きていに基もとづき預金保険機構よきんほけんきこうが全ぜん株式かぶしきを取得しゅとくし、一時いちじ国有こくゆう化か。
  • 12月16日にち ‐ 国くにが選定せんていした新しん頭取とうどり（横浜銀行よこはまぎんこうOBの池田いけだ憲けん人じん）就任しゅうにん。
• 2004年ねん（平成へいせい14年ねん）
  • 7月がつ - リテール機能きのう特とく化か型がた店舗てんぽ「リテールセンター」を導入どうにゅう。
  • 8月がつ23日にち - 創業そうぎょう地ちの旧きゅう本店ほんてん（旧きゅう足利あしかが支店してん、足利あしかが市し通どおり3丁目ちょうめ2757番地ばんち）の足利あしかが商工しょうこう会議かいぎ所しょへの売却ばいきゃくを発表はっぴょう。
  • 12月10日にち - 仙台せんだい出張所しゅっちょうしょを閉鎖へいさし郡山こおりやま支店してんへ業務ぎょうむ継承けいしょう、宮城みやぎ県けん内うちから撤退てったい。
• 2005年ねん（平成へいせい17年ねん）
  • 4月がつ20日はつか ‐ あしぎんフィナンシャルグループより、あしぎんシステム開発かいはつの全ぜん株式かぶしきを取得しゅとくし、子会社こがいしゃ化か。
  • 6月24日にち - 黒田原くろだはら支店してん白河しらかわ出張所しゅっちょうしょの窓口まどぐち営業えいぎょうが終了しゅうりょう。ATMのみ設置せっち継続けいぞく。
  • 10月5日にち - 子会社こがいしゃの足利あしかが信用しんよう保証ほしょうが、あしぎんディーシーカードの全ぜん株式かぶしきを取得しゅとく。
• 2008年ねん（平成へいせい20年ねん）
  • 3月14日にち - 金融きんゆう庁ちょうが、足利銀行あしかがぎんこうを野村のむらグループを中心ちゅうしんとする陣営じんえいに譲渡じょうとする方針ほうしんを決定けってい。譲渡じょうと額がくは1200億おく円えん。
  • 7月がつ1日にち - 足利あしかがホールディングスの子会社こがいしゃとなり、特別とくべつ危機きき管理かんり体制たいせいから解放かいほうされる。
• 2009年ねん（平成へいせい21年ねん）
  • 2月がつ2日にち - 毎月まいつき25日にち（特定とくてい日びを除のぞく）に設定せっていしていたコンビニATM（イーネット・セブン銀行ぎんこう）利用りよう手数料てすうりょうの無料むりょう枠わくを、全日ぜんじつ105円えんずつ引ひき下さげ、平日へいじつ日び中ちゅうを無料むりょう化か。
  • 4月がつ13日にち - 東邦銀行とうほうぎんこう（福島ふくしま県けん）とのATM出金しゅっきん利用りよう手数料てすうりょう無料むりょう提携ていけいを開始かいし。
• 2011年ねん（平成へいせい23年ねん）7月がつ19日にち - 勘定かんじょう系けいシステムをNTTデータ地銀ちぎん共同きょうどうセンターに移行いこう。
• 2013年ねん（平成へいせい25年ねん）10月がつ1日にち - 平日へいじつ日び中ちゅうのコンビニATM（イーネット・セブン銀行ぎんこう）利用りよう手数料てすうりょうの無料むりょう枠わくを事実じじつ上じょう撤廃てっぱいし、2009年ねん引ひき下さげ前まえの額がくに戻もどす（ただし、利用りよう可能かのう時間じかんが最大さいだい24時じ間あいだに拡大かくだいされる）。その他た、本支店ほんしてんATMの営業えいぎょう時間じかんも延長えんちょうされる。
• 2015年ねん（平成へいせい27年ねん）
  • 4月がつ17日にち - 13年ねんぶりの海外かいがいの拠点きょてんとして香港ほんこん駐在ちゅうざい員いん事務所じむしょを開設かいせつ。
  • 11月2日にち - 足利あしかがホールディングスが常陽銀行じょうようぎんこうと株式かぶしき交換こうかんによる経営けいえい統合とうごうを発表はっぴょう。
• 2016年ねん（平成へいせい28年ねん）
  • 4月がつ12日にち - 浦和うらわ支店してん内ないに同年どうねん下期しもきに開設かいせつを予定よていする川口かわぐち支店してん（川口かわぐち市し）の支店してん内ない支店してんを設置せっち。
  • 4月がつ25日にち - 足利あしかがホールディングスが常陽銀行じょうようぎんこうと株式かぶしき交換こうかんによる経営けいえい統合とうごうについて最終さいしゅう合意ごうい。統合とうごう後ごの社名しゃめいを「めぶきフィナンシャルグループ」とすることも発表はっぴょう。
  • 10月1日にち ‐ 足利あしかがホールディングスが商号しょうごうを変更へんこうし、めぶきフィナンシャルグループとなる。足利銀行あしかがぎんこうは常陽銀行じょうようぎんこうなどとともに、めぶきフィナンシャルグループの傘下さんかとなる。
• 2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）6月がつ21日にち - 信託しんたく業務ぎょうむの兼営けんえい認可にんかを取得しゅとく。7月1日にちから業務ぎょうむを開始かいし。
• 2020年ねん（令れい和わ2年ねん）
  • 1月がつ6日にち - 基幹きかんシステムを『Chance地銀ちぎん共同きょうどう化かシステム』への移行いこうを完了かんりょう。
  • 2月がつ26日にち - 旧きゅう黒田原くろだはら支店してん白河しらかわ出張所しゅっちょうしょに設置せっちのATMの稼働かどうを終了しゅうりょう。

店舗てんぽ

栃木とちぎ県けん

• 本店ほんてん営業えいぎょう部ぶ（店番みせばん100）
• 宇都宮うつのみや支店してん（店番みせばん101）
• 宇都うと宮西みやにし支店してん（店番みせばん116）
• 足利あしかが支店してん（店番みせばん120）
• 鹿沼かぬま支店してん（店番みせばん160）
• 鹿沼かぬま東ひがし支店してん（店番みせばん163）
• 今市いまいち支店してん（店番みせばん170）
• 日光にっこう支店してん（店番みせばん171）
• 宝積寺ほうしゃくじ支店してん（店番みせばん176）
• 氏家うじいえ支店してん（店番みせばん177）
• 喜連川きつれがわ支店してん（店番みせばん178）
• 大田原おおたわら支店してん（店番みせばん180）
• 矢板やいた支店してん（店番みせばん181）
• 塩原しおばら支店してん（店番みせばん182）
• 西那須野にしなすの支店してん（店番みせばん183）
• 黒磯くろいそ支店してん（店番みせばん184）
• 那須なす支店してん→那須なす出張所しゅっちょうしょ（店番みせばん185）
• 黒田原くろだはら支店してん（店番みせばん186）
• 黒羽くろは支店してん（店番みせばん187）
• 塩谷しおや支店してん（店番みせばん188）
• 黒くろ磯西いそにし支店してん（店番みせばん189）
• 馬頭ばとう支店してん（店番みせばん191）
• 烏山からすやま支店してん（店番みせばん192）
• 益子ましこ支店してん（店番みせばん195）
• 宇都宮うつのみや市役所しやくしょ支店してん（店番みせばん350）
• 戸祭とまつり支店してん（店番みせばん352）

群馬ぐんま県けん

• 前橋まえばし支店してん（店番みせばん210）

埼玉さいたま県けん

• 大宮おおみや支店してん（店番みせばん401）
• 浦和うらわ支店してん（店番みせばん400）
• 岩槻いわつき支店してん（店番みせばん408）
• 川越かわごえ支店してん（店番みせばん403）
• 桶川おけがわ支店してん（店番みせばん404）
• 越谷こしがや支店してん（店番みせばん402）
• 春日部かすかべ支店してん（店番みせばん406）
• 熊谷くまがい支店してん（店番みせばん410）
• 川口かわぐち支店してん（店番みせばん418）
• 所沢ところざわ支店してん（店番みせばん419）
• 秩父ちちぶ支店してん（店番みせばん413）

茨城いばらき県けん

• 水戸みと支店してん（店番みせばん300）
• つくば支店してん（店番みせばん309）
• 古河ふるかわ支店してん（店番みせばん303）
• 総和そうわ支店してん（店番みせばん306）

福島ふくしま県けん

• 郡山こおりやま支店してん（店番みせばん600）
• 白河しらかわ支店してん（店番みせばん601）- のちに黒田原くろだはら支店してん白河しらかわ出張所しゅっちょうしょに移行いこう。2005年ねん6月がつ24日にち閉店へいてん。2020年ねん12月26日にちATMの稼働かどうを終了しゅうりょう、2021年ねん3月がつ1日にち 撤去てっきょ。

勘定かんじょう系けいシステム

勘定かんじょう系けいシステムとして、第だい三さん次じオンラインシステムは後ごの統合とうごう相手あいてとなる常陽銀行じょうようぎんこうなど火曜かよう会かい参加さんか行ゆきと同おなじく三菱銀行みつびしぎんこうがかつて使用しようしていたIBMメインフレームを採用さいよう。後継こうけいシステムとして2003年ねん4月がつに東京三菱銀行とうきょうみつびしぎんこう（当時とうじ）と日本にアイ・ビー・エムが共同きょうどう運営うんえいする「地銀ちぎん共同きょうどう化かシステム（通称つうしょう・Chanceプロジェクト）」への参画さんかくを常陽銀行じょうようぎんこうとともに表明ひょうめいしていたが、経営けいえい破はたんにより2005年ねんに参加さんか離脱りだつを表明ひょうめい。

2011年ねん7月がつ19日にちに後継こうけいシステムとしてBeSTA系けいのNTTデータ地銀ちぎん共同きょうどうセンターに移行いこうした。

2016年ねん10月のめぶきフィナンシャルグループ中期ちゅうき経営けいえい計画けいかくにおいて、2020年ねん1月がつに常陽銀行じょうようぎんこう（地銀ちぎん共同きょうどう化かシステム）のシステムへ統合とうごうする旨むねを公表こうひょう。1月6日にちに予定よていどおり移行いこうが完了かんりょうした。

個人向こじんむけサービス

• 「あしぎんポイントサービス」

詳細しょうさいは「公式こうしきサイト内うちのあしぎんポイントサービス」を参照さんしょう

• 足利あしかがホールディングスへの譲渡じょうと（一時いちじ国有こくゆう化か離脱りだつ）前後ぜんこうから、ほとんどの店舗てんぽで営業えいぎょう室しつ（ロビーフロア）のレイアウトを改装かいそうし、木目もくめ調ちょうを多用たようしたインテリアとなっている。個人こじん向むけの預金よきん業務ぎょうむ取引とりひきについては基本きほん的てきに1カ所かしょのハイカウンターで全すべて受うけ付つけ、資産しさん相談そうだんなどは隣接りんせつするブース型かたのローカウンター「smile desk（スマイルデスク）」で取引とりひきする。
• 2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつより銀行ぎんこう本体ほんたい発行はっこうクレジットカードの「GOODY（グッディ） VISA/Masterカード」を発行はっこう開始かいし（あしぎんカードの保証ほしょう、三菱みつびしUFJニコスへの業務ぎょうむ委託いたくによる）。それまであしぎんカードが展開てんかいしていた「あしぎんDCカード」は募集ぼしゅう停止ていしとなった。
• 2011年ねんにジェーシービーと業務ぎょうむ提携ていけいし、同社どうしゃ保証ほしょうの無む担保たんぽフリーローン「リベルテプラス/メゾンプラス」の発売はつばいと、2012年ねん4月がつよりJCBグループに加盟かめいの上うえ「GOODYカードJCB」の発行はっこうを開始かいしした。

アシカ

バブル全盛期ぜんせいきの1991年ねん（平成へいせい3年ねん）1月がつに金融きんゆう機関きかんのテレビCMが解禁かいきんされると、よみうりランドのアシカショーで活躍かつやくするカリフォルニアアシカのバン（2011年ねん5月がつ没ぼつ）が直立ちょくりつし、行員こういん役やくの女性じょせいと ツーショットするテレビCM「アシカが、よろしく。」が放映ほうえい。フレーズは“あしかが”の語感ごかんを掛かけたものである。

1991年ねん（平成へいせい3年ねん）後半こうはんからは美少女びしょうじょジュニアアイドルとして売うり出だしていた栃木とちぎ県内けんない出身しゅっしんの小田おだ茜あかねが登場とうじょう。1995年ねん（平成へいせい7年ねん）までボーナス時期じきを中心ちゅうしんに放送ほうそうされ、一躍いちやく有名ゆうめいとなった（関東かんとうローカル#関東かんとうローカルのCM参照さんしょう）。このCMはよみうりランドのアシカショー(2017年ねん1月がつ9日にち閉館へいかん)にセットを作つくり撮影さつえいされている。

晴山はりやまさおりが歌唱かしょうしたドドンパ調しらべのCMソング（作詞さくし:伊藤いとうアキラ・作曲さっきょく:小杉こすぎ大だい五郎ごろう）は、1991年ねん9月がつ21日にちにCDシングル「アシカがよろしく」としてビクター音楽おんがく産業さんぎょうより発売はつばいされた。ジャケットはパンツスーツ姿すがたの晴山はりやまとパスカルの着きぐるみとのツーショット写真しゃしんで、振付ふりつけ・メロディ譜ふ付つきの歌詞かしカードも付属ふぞくしている。

また、アシカ単独たんどくのCM（執務しつむ室しつ風ふうの部屋へやで机つくえに寄よりかかり、直ちょく立姿たちすがたの横顔よこがおで窓まどの外そとを眺ながめ、『あしかが、確たしか』のコピーが流ながれるもの）も放送ほうそうされた。

なお、アシカ科かは日本にっぽん国内こくないでは水族館すいぞくかん・動物どうぶつ園えん以外いがいでは飼育しいくされていないため、ご当地とうちとは無関係むかんけいの動物どうぶつである。

パスカル&パステル

1991年ねん（平成へいせい3年ねん）に、アシカを擬人ぎじん化かしたオリジナルのマスコットキャラクター「パスカル&パステル」が登場とうじょう。名前なまえは「人生じんせいは考かんがえる葦あし（あし）である」を記しるしたブレーズ・パスカルから。

総合そうごう口座こうざ通帳つうちょう・普通ふつう預金よきん磁気じきキャッシュカードやコンビニATM画面がめん、ノベルティグッズ、インストアブランチ「パスカルブランチ（現在げんざいは『FKDローンセンター』として存続そんぞく）」などにイラストが長ながらく使用しようされていたが、2011年ねん（平成へいせい23年ねん）のシステム移行いこうによる通帳つうちょう類るいのデザイン変更へんこうでいったん廃止はいしされた。

2015年ねん4月がつに創業そうぎょう120周年しゅうねんを迎むかえるのを機きに、「 パスカル&ファミリー 」として両親りょうしんと子こ2人にんの3世代せだい家族かぞくとなって復活ふっかつした。同年どうねんの「帰かえってきたパスカルファミリー」の公募こうぼによって、仔こアシカは「パル&パコ」と命名めいめいされている。

栃木とちぎSCの試合しあいや地域ちいきの祭事さいじ、営業えいぎょう店てんロビーなどパスカルの着きぐるみが出没しゅつぼつしており、公式こうしきサイト内ないにパスカル&ファミリーのキャラクターページも設置せっちされている。

また、2016年ねん9月がつに開設かいせつされたインターネット支店してんの名称めいしょうは「パスカル支店してん」となっている。

ギャラリー

• 
  本店ほんてん（宇都宮うつのみや市し） 2005年ねん4月がつ18日にち撮影さつえい
• 
  東京とうきょう事務所じむしょ・東京とうきょう支店してんが入居にゅうきょする八重洲やえす龍りゅう名めい館かんビル
• 
  江曽島えそじま支店してん緑町みどりちょう出張所しゅっちょうしょ（有人ゆうじん出張所しゅっちょうしょ店舗てんぽ。宇都宮うつのみや市し緑みどり）
• 
  旧きゅう店舗てんぽ時代じだいの宇都宮うつのみや支店してん
  （旧きゅう上野うえの百貨店ひゃっかてん跡あとに隣接りんせつ、2011年ねんにシティータワー宇都宮うつのみやへ移転いてん）
• 
  店舗てんぽ外がいATM「あしぎんキャッシュポケット」
  雀宮すずめのみや支店してん雀宮すずめのみや市民しみんセンター出張所しゅっちょうしょ（宇都宮うつのみや市し雀すずめの宮みや）

参考さんこう文献ぶんけん

• 竹中たけなか平蔵へいぞう『構造こうぞう改革かいかくの真実しんじつ : 竹中たけなか平蔵へいぞう大臣だいじん日誌にっし』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、2006年ねん。ISBN 9784532352486。 

外部がいぶリンク

• 足利銀行あしかがぎんこう
• めぶきフィナンシャルグループ
• 日本銀行にっぽんぎんこう総裁そうさい談話だんわ・足利銀行あしかがぎんこうについて 2003年ねん11月29日にち-足利銀行あしかがぎんこうの経営けいえい破綻はたんに関かんするコメント。