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地熱じねつ

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地球ちきゅう内部ないぶふかさにおうじた温度おんど

地熱じねつ(ちねつ、じねつ)は、地球ちきゅう内部ないぶ熱源ねつげん由来ゆらいするねつエネルギーである。エネルギー移動いどう形態けいたいとしての性質せいしつ強調きょうちょうするときには、地熱じねつエネルギーえい: geothermal energy)というかたりもちいられる。太陽光たいようこう風力ふうりょく水力すいりょく、バイオマスとともに、温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつしない再生さいせい可能かのうエネルギーとして今後こんご活用かつよう増大ぞうだい期待きたいされている。

地熱じねつ発生はっせいげん

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地熱じねつ発生はっせいげん地球ちきゅう中心ちゅうしん地球ちきゅう内部ないぶは そとからじゅんに、固体こたい岩石がんせき地殻ちかくマントルてつニッケル主成分しゅせいぶんとする溶融ようゆう金属きんぞくでできたそとかくてつやニッケルを主成分しゅせいぶんとする固体こたい金属きんぞくうちかくかれている。

  • 地球ちきゅう内部ないぶ発生はっせいするねつ大半たいはんは、天然てんねん放射ほうしゃせい元素げんそ崩壊ほうかいするときねつ由来ゆらいする。地熱じねつの45から85パーセントは地殻ちかくふくまれる元素げんそ放射ほうしゃせい崩壊ほうかいから発生はっせいしている。
  • 落下らっかした隕石いんせきがもともとの地球ちきゅう構成こうせいちゅうまれるときの衝撃しょうげきおよび圧縮あっしゅくねつ
  • 過剰かじょう重金属じゅうきんぞくてつ、ニッケル、どう)がかく中心ちゅうしんかく)に沈降ちんこうしていくときに放出ほうしゅつされる摩擦まさつねつ
  • 地磁気ちじきつく電磁気でんじきてき効果こうかによってされるジュールねつ

発生はっせいしているそう地熱じねつりょうやく35テラワットと推定すいていされ、地球ちきゅう太陽たいようから放射ほうしゃるエネルギーのやく12,500とされている[1]

地表ちひょうへのねつ伝達でんたつ

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地熱じねつつね地球ちきゅう内部ないぶ発生はっせいげんから地表ちひょうかってながれている。 このねつはマントルをとおって地表ちひょうたっするが、ねつ伝達でんたつには『マントルの対流たいりゅう』がおおきく寄与きよしている。すなわち マントルの最深さいしんかく外側そとがわせっする部分ぶぶんが、かくねつあたためられて3000℃まで温度おんど上昇じょうしょうねつ膨張ぼうちょうにより比重ひじゅう低下ていかする。かるくなったマントルは上昇じょうしょうはじめ、地表ちひょうちかくにたっし、そこで地殻ちかくねつあたえて(それでも1500℃以上いじょうある)おもくなりしずんでゆく。上記じょうきでマントルを一応いちおう固体こたい岩石がんせき説明せつめいしたが、すうまんねん単位たんいれば、あきらかに流体りゅうたいとして振舞ふるまっている。温度おんどたかいマントルの上昇じょうしょうしてくる場所ばしょ一定いっていであり、地表ちひょうでは海嶺かいれいとなっている部分ぶぶん相当そうとうする。またマントルのしず場所ばしょ海溝かいこうやトラフに相当そうとうする。このマントルのながれのうえった地殻ちかく地殻ちかくせっしてえてかたまったマントルのさい上部じょうぶ両方りょうほうわせて『プレート』とぶ)が、そのしたにあるマントルのながれにってうごいたりぶつかったりすることを説明せつめいしたのがプレートテクトニクスである。すなわちプレートがうご原動力げんどうりょく地熱じねつである。

ホットスポット

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地表ちひょう地熱じねつは、マグマが地表ちひょうちかいところでは非常ひじょう濃密のうみつになっている。 このような箇所かしょおも火山かざんせい地域ちいきホットスポット山脈さんみゃくでみられる。

地熱じねつ利用りよう

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マントルの上昇じょうしょう部分ぶぶん地熱じねつ豊富ほうふにあるが、ほとんどが深海しんかいそこ海嶺かいれいとなっており利用りよう困難こんなん。マントル上昇じょうしょう部分ぶぶん地上ちじょうにあるアイスランド世界せかい唯一ゆいいつ例外れいがいであり、全土ぜんど地熱じねつ地帯ちたいってもく、暖房だんぼう温室おんしつなどに利用りようされている。その地域ちいきではマントルのねつ直接ちょくせつ利用りようすることはほとんど不可能ふかのう。そのためアイスランド以外いがい場所ばしょもっと利用りようされる方法ほうほう火山かざん地下ちかにあるマグマねつ利用りようする方法ほうほうである。マグマは固体こたい岩石がんせき地殻ちかくなかにある溶融ようゆう岩石がんせき液体えきたい)なので、地殻ちかく深部しんぶやマントルのねつ素早すばや地表ちひょうまでってくることができる。

地熱じねつ回収かいしゅうには、噴出ふんしゅつするねつすい水蒸気すいじょうきをそのまま利用りようする方法ほうほうと、ねつすいから沸点ふってんひく流体りゅうたいねつ交換こうかんして利用りようする方法ほうほう地下ちかみずながんでねつにより水蒸気すいじょうき変化へんかしたものを回収かいしゅうする方法ほうほうなどがある。日本にっぽん火山かざんおおいため、火山かざんのないくにくらべると地熱じねつ資源しげんめぐまれている。地熱じねつ二酸化炭素にさんかたんそさずいちねんとおして安定あんていした供給きょうきゅうられるため、次世代じせだいのクリーンエネルギーとして注目ちゅうもくされ、現在げんざい効率こうりつてき利用りようについて研究けんきゅうすすめられている。

また、地上ちじょう温度おんど地下ちか温度おんど温度おんど利用りようする方法ほうほう地中ちちゅうねつ)もあり、この場合ばあい地下ちか温度おんどとくたかくなくてもよいのでどこでも利用りようできる。

おも用途ようと

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 国立こくりつ天文台てんもんだい教授きょうじゅ 佐々木ささき あきら地球ちきゅう初期しょきのエネルギー」放送大学ほうそうだいがく物質ぶっしつ環境かんきょう科学かがくII だい8かい(2008ねん)
  2. ^ 九州電力きゅうしゅうでんりょく地熱じねつバイナリー発電はつでん方式ほうしき」の概要がいよう

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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