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つぼさん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

つぼさん』(つぼざん)は古典こてん落語らくご演目えんもく別名べつめいに「つぼ算用さんよう』(つぼざんよう)[1]巧妙こうみょう手口てぐちつぼ値切ねぎっておうとするおとこはなしはらばなしのべとおる4ねん1747ねん)に出版しゅっぱんされた京都きょうとばん開口かいこう新語しんご」のいちへん[1]もと上方かみがた落語らくご演目えんもく3代目だいめさんゆうていえん東京とうきょう移入いにゅうした。上方かみがたでは「つぼ算用さんよう」のだいえんじられる。登場とうじょうするのはびん(かめ)なのに、だいは「つぼ」である理由りゆうについて、唐沢からさわ俊一しゅんいちによれば、もともといえ普請ふしん坪数つぼすう計算けいさんあやまりのことを「つぼざん」とい、それにけたダジャレであると説明せつめいしている[2]

おも演者えんじゃとして、東京とうきょう6代目だいめさんしょう小勝こかつ柳家やなぎやけんたいろう上方かみがた2代目だいめ桂枝雀かつらしじゃく3代目だいめわらいぶくてい仁鶴にかくなどがいる。

あらすじ

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りのみずつぼ水瓶みずがめ)がいたいよしこうは、値切ねぎりが上手じょうずという兄貴あにきぶんちょうさんをたよる。2人ふたり瀬戸物せとものくと、ちょうさんは何故なぜか1えん15ぜにいちりのみずつぼを1えんにうまく値切ねぎってってしまう。不思議ふしぎおもきちこうちょうさんは「いいから」とってそのままいちてんはなれ、町内ちょうないまわってふたた瀬戸物せとものおとずれる。ちょうさんは店主てんしゅりのとえてしいとい、さらにさっき1えんったからりは2えんでいいだろうとう。これによしこう感心かんしんしていると、ちょうさんはさらにつづけて「さっき1えんはらっただろう。ここに1えんみずつぼがあるから、わせて2えん勘定かんじょうだ」とって、実際じっさいには1えんしかはらっていないのに、まんまと店主てんしゅからりのみずつぼってしまう。

しかし、店主てんしゅちず、2人ふたりもどしてそろばんで計算けいさんする。「ちゃんと2えんになるじゃないか」とちょうさんがうと、店主てんしゅは「へぇ。ただきんわんのです。これはなんという勘定かんじょうなんで?」とたずねる。するとちょうさんはう。

「これはつぼ算用さんようというのだ」

そののバリエーション

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5代目だいめさんしょう小勝こかつは、勘定かんじょうがわからなくなった瀬戸物せとものが「さきほどいただいた1えんをおかえししますので、いちりのをどうぞかえってください」と返答へんとうするサゲをやっている[1]

上方かみがたでは、こまった瀬戸物せとものが「もうし、これなんというつぼでんねん」とうと、兄貴あにきぶんが「それがこっちのおもつぼや」とかえすサゲだった。

立川たちかわ談笑だんしょうは「薄型うすがたテレビざん」という改作かいさく落語らくごえんじている[3]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c 東大とうだい落語らくごかい 1969, pp. 306–307, 『つぼざん』.
  2. ^ 立川たちかわ 2006, p. 188, 『薄型うすがたテレビざん解説かいせつ.
  3. ^ 立川たちかわ 2006, pp. 158–186, 『薄型うすがたテレビざん』.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 東大とうだい落語らくごかい落語らくご事典じてん 増補ぞうほ』(改訂かいていばん(1994))青蛙あおがえるぼう、1969ねんISBN 4-7905-0576-6 
  • 立川たちかわ談笑だんしょう; 唐沢からさわ俊一しゅんいちちょう(スーパー)落語らくご立川たちかわ談笑だんしょう落語らくご全集ぜんしゅう』アスペクト、2006ねんISBN 978-4757213043 

関連かんれん項目こうもく

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