天野あまの康博やすひろ

天野あまの 康博やすひろ（あまの やすひろ、1952年ねん4月がつ13日にち- ）は、新潟にいがた県けん西蒲原にしかんばら郡ぐん吉田よしだ町まち（現げん新潟にいがた県けん燕つばめ市し）出身しゅっしんの元もと競輪けいりん選手せんしゅ。新潟にいがた県立けんりつ吉田よしだ商業しょうぎょう高等こうとう学校がっこう（現在げんざいの新潟にいがた県立けんりつ吉田高等学校よしだこうとうがっこう）を経へて、日本にっぽん競輪けいりん学校がっこう第だい29期生きせいとなる。

経歴けいれき

「華はなの29期生きせい」

同期どうきには阿部あべ良二りょうじ、加藤かとう善行よしゆき、久保くぼ千代志ちよしという、後ごの特別とくべつ競輪けいりん（現在げんざいのGI）優勝ゆうしょう経験けいけん者しゃが名なを連つらねる。したがって後のちに花はなの29期生きせいと言いわれるようになるが、後述こうじゅつする、1978年ねんのオールスター競輪けいりん優勝ゆうしょうについては、競輪けいりん界かいの流ながれを大おおきく変かえたという見方みかたがされている。

デビューは1972年ねん4月がつ16日にち、ホームバンクの弥彦やひこ競輪けいりん場じょうで迎むかえ、初はつ勝利しょうりも同日どうじつ。1978年ねん9月26日にち、西宮にしのみや競輪けいりん場じょうで開催かいさいされた第だい21回かいオールスター競輪けいりん決勝けっしょう戦せんに、天野あまのは後のちにも先さきにも、この1回かい限かぎりとなる特別とくべつ競輪けいりんの決勝けっしょう進出しんしゅつを果はたし、8番ばん車しゃで挑いどむことになった。

1978年ねん、オールスター競輪けいりん決勝けっしょう戦せん

この決勝けっしょう戦せんでは、9番ばん車しゃには前年ぜんねんの1977年ねんに賞金しょうきん王おうとなり、また前月ぜんげつ、ミュンヘンで開催かいさいされた世界せかい自転車じてんしゃ選手権せんしゅけんプロ・スクラッチで2連覇れんぱを達成たっせいしながらも、当時とうじ特別とくべつ競輪けいりんではいまだ優勝ゆうしょう経験けいけんがなかった中野なかの浩一こういち（福岡ふくおか）が入はいり、2番ばん車しゃには、1970年代ねんだいの序盤じょばんから中盤ちゅうばんあたりまで、三さん強きょう時代じだいの中心ちゅうしんを担にないながらも、1975年ねんの日本にっぽん選手権せんしゅけん競輪けいりん（千葉ちば競輪けいりん場じょう）決勝けっしょうで落車して以降いこう、特別とくべつ競輪けいりんの決勝けっしょう進出しんしゅつもままならなかった福島ふくしま正幸まさゆき（群馬ぐんま）が入はいり、新旧しんきゅう王者おうじゃによる頂上ちょうじょう決戦けっせんという意味合いみあいが濃こい一いち戦せんとなった。そして天野あまのは、福島ふくしまと上越じょうえつライン組ぐみ、福島ふくしまにマークすることになった。

ジャンが鳴なって中野なかのが先行せんこう体勢たいせいを取とり、中団ちゅうだんの位置いちに高橋たかはし健二けんじがつけ、福島ふくしま－天野あまのは8、9番手ばんて。しかし西宮にしのみやの走路そうろにはガタがあり、そのため先行せんこうした選手せんしゅは最後さいごまで持もたないと読よんでいた福島ふくしまは、とりわけ普段ふだんめったに先行せんこうしない中野なかのが先行せんこうしてくれれば必かならず捲まくれると踏ふんでいた。最終さいしゅうバック付近ふきんから福島ふくしまはスパート。しかし、2センターから捲めくって出でた高橋たかはしの落車の影響えいきょうを受うけてスピードが鈍にぶり、さらに直線ちょくせんに入はいり、中野なかのを交かわすのがやっとだった。最後さいごは天野あまのが福島ふくしまを差さして優勝ゆうしょうしたが、新潟にいがたを登録とうろく地ちとする選手せんしゅとして、初はつの特別とくべつ競輪けいりん優勝ゆうしょう者しゃとなった。

「歴史れきし的てきな優勝ゆうしょう」とその後ご

「天野あまの康博やすひろ物語ものがたり（最終さいしゅう回かい）」によると、天野あまのは2センター付近ふきんで福島ふくしまを抜ぬけるという自信じしんがあったという。その2センターとは、福島ふくしまが高橋たかはしの落車の影響えいきょうを受うけた箇所かしょでもある。中野なかのを力ちからで倒たおせる機会きかいはこのときがラストチャンスと思おもわれた福島ふくしまだったが、この一いち戦せんが最後さいごの特別とくべつ競輪けいりん決勝けっしょう進出しんしゅつとなり、また3着ちゃくとなった中野なかのはこの決勝けっしょう戦せんの後のちに、「Mr.競輪けいりん」の地位ちいを着実ちゃくじつにき上ずきあげていくという、まさしく歴史れきし的てきな一いち戦せんとなったわけである

もっとも、前述ぜんじゅつした通とおり、天野あまのはその後ご、特別とくべつ競輪けいりんの優勝ゆうしょうはおろか、決勝けっしょう進出しんしゅつすら果はたすことはなかった。デビュー時じより失格しっかく、落車が目立めだつ競走きょうそう（通算つうさん失格しっかく回数かいすう41、競走きょうそう棄権きけん回数かいすう66）ぶりに加くわえ、後のちに桐きり箪笥だんす作つくりを体得たいとくすることに没頭ぼっとうするあまり、オールスター競輪けいりん優勝ゆうしょう以後いごは練習れんしゅうに身みが入はいらなくなったと言いわれている（天野あまの康博やすひろ物語ものがたりより）。

2003年ねん12月30日にち、当日とうじつはKEIRINグランプリ03が行おこなわれた京王けいおう閣かく競輪けいりん場じょうの第だい2レース（9着ちゃく）を最後さいごに事実じじつ上じょう現役げんえきを引退いんたい。正式せいしきな競輪けいりん選手せんしゅ引退いんたい日びとなる選手せんしゅ登録とうろく削除さくじょ日びは2004年ねん1月がつ20日はつかであった。通算つうさん戦績せんせきは2407戦せん221勝しょう。現在げんざいは古こ美術びじゅつ商しょうを営いとなんでいる。

参考さんこう文献ぶんけん

• －越後えちごの闘将とうしょう－ 天野あまの康博やすひろ物語ものがたり（最終さいしゅう回かい）

外部がいぶリンク

• 選手せんしゅプロフィール - KEIRIN.JP

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