伊藤いとう豊明とよあき

伊藤いとう 豊明とよあき（いとう とよあき、1958年ねん5月25日にち- ）は、愛媛えひめ県けん今治いまばり市し出身しゅっしんの元もと競輪けいりん選手せんしゅ。日本にっぽん競輪けいりん学校がっこう第だい41期生きせい。同期どうきには井上いのうえ茂徳しげのりらがいる。師匠ししょうは越智おち淳あつし三郎さぶろう。

経歴けいれき

ゲリラ戦法せんぽう

デビュー戦せんは1978年ねん5月13日にちの、ホームバンク・松山まつやま競輪けいりん場じょうで迎むかえ、初はつ勝利しょうりも同日どうじつ。また、同どう開催かいさい完全かんぜん優勝ゆうしょうを果はたす。

5年ねん後ごの1982年ねんに開催かいさいされた高松宮たかまつのみや杯はい競輪けいりんでは決勝けっしょうに進出しんしゅつするも6番ばん車しゃで、全まったく人気にんきがなかったが、直線ちょくせんに入はいって鋭するどく後方こうほうから脚あしを伸のばし、完全かんぜん優勝ゆうしょう目前もくぜんと見みられた尾崎おざき雅彦まさひこをゴール前ぜん差さし切きって、自身じしんも思おもいがけない特別とくべつ競輪けいりん（現在げんざいのGI）での優勝ゆうしょうを果はたす。予選よせんでは伊藤いとうを連つれた越智おち祥さち泰たいが500バンクの赤あか板前いたまえから２車しゃで後続こうぞくをぶっ千切ちきりって飛とび出だす（暴走ぼうそう失格しっかく）逃にげに乗のって一いち着ちゃくで通過つうか、審議しんぎにはかかったものの、連れんに絡からんだ伊藤いとうは暴走ぼうそうにはならずセーフ。ここからこの開催かいさいでの伊藤いとうのツキが始はじまった、決勝けっしょうでは伊藤いとう自身じしん、ラインを組くんでの競走きょうそうができなかったことから、いわゆるゲリラ戦法せんぽうという、ラインの切きれ目めを狙ねらって好こう位置いちを確保かくほし、直線ちょくせんに入はいって一気いっきに勝負しょうぶをつけるという走はしり方かたを試こころみた結果けっか、それが見事みごとに当あたった。当時とうじは四国しこく勢ぜいといえば選手せんしゅ層そうも薄うすく、そのため、以後いごも伊藤いとうはゲリラ戦法せんぽうを駆使くしした戦たたかいを続つづけることになる。

しかも伊藤いとうは、この優勝ゆうしょうを期きに力ちからをつけ、2年ねん後ごの1984年ねんあたりからはすっかりGI決勝けっしょうの常連じょうれんとして君臨くんりん。1985年ねんが初はつ開催かいさいとなったKEIRINグランプリ（立川たちかわ競輪けいりん場じょう）でも、9名めいの選手せんしゅの内うちの一人ひとりとして選出せんしゅつされた。

「非情ひじょうの番手ばんて捲めくり」

翌よく1986年ねん、伊藤いとうは2つめのGIタイトルを得えることになる。岡山おかやまの本田ほんだ晴美はるみが台頭たいとうしてきて、同年どうねんのオールスター競輪けいりん決勝けっしょう（いわき平たいら競輪けいりん場じょう）では本田ほんだの番手ばんてに入はいることになった。果敢かかんにホームから逃にげた本田ほんだに対たいし、伊藤いとうはがっちりと番手ばんてを固かためた。佐々木ささき昭彦あきひこ－井上いのうえ茂徳しげのり－中野なかの浩一こういちを引ひき連つれた野原のはら哲也てつやを野原のはらの同期どうき・本田ほんだが突つっ張ぱりきると、伊藤いとうの後うしろに入はいった小門おかど洋一よういちと切きり替かえた井上いのうえで競せりになる。伊藤いとうの後うしろが見みえにくかったためか、最終さいしゅう2センター付近ふきんにおいて、本田ほんだはその時点じてんで流ながしてしまったこともあって、伊藤いとうは本田ほんだに力ちからがなくなったと思おもって、本田ほんだを番手ばんて捲めくりした。伊藤いとうはそのまま押おし切きって優勝ゆうしょうを果はたしたが、レース後ご、8着ちゃくに終おわった本田ほんだが暗あんに伊藤いとうの番手ばんて捲めくりを批判ひはん。また伊藤いとうも後日ごじつ、「オールスターでは本田ほんだ君くんに悪わるいことをした。」と謝罪しゃざい表明ひょうめいする羽目はめになった。また小門おかど洋一よういちもレース前まえのコメントでは本田ほんだと同どう地区ちくの伊藤いとうに番手ばんてを譲ゆずると言明げんめいしていたが、レース後ご「伊藤いとうが番手ばんて捲めくりに行いくのなら、自分じぶんが本田ほんだの番手ばんてを競きそえるべきだった。」と戦法せんぽうを後悔こうかいしたという。なお本田ほんだと小門おかどは結局けっきょく特別とくべつ競輪けいりんのタイトルは無縁むえんだった。

競輪けいりんマンガ、ギャンブルレーサーの作者さくしゃ田中たなか誠まことは後年こうねん、オールスター競輪けいりんのビデオを見直みなおした際さいに、伊藤いとうが振ふり向むいた時とき、高橋たかはし健二けんじが捲めくりを放はなっており、それを見みた後のちで番手ばんて捲めくりをしたことに気きが付つき、本人ほんにんに確認かくにんをすると、伊藤いとうは「あの後うしろ振ふり向むいた瞬間しゅんかん、誰だれだったかはわかんなかったけど、確たしかに捲めくりが来きたのが見みえたんだ。あの時ときやっぱ思おもったのよ。モタモタして丸呑まるのみされっちゃったら何なににもならねえ。ハル(本田ほんだ晴美はるみ)だって無駄むだ死しにさせちまう…」と答こたえている。

1988年ねん、現在げんざいは共同通信社きょうどうつうしんしゃ杯はい競輪けいりんの名称めいしょうとなっている、競輪けいりん発祥はっしょう40周年しゅうねん記念きねんレースとして平塚ひらつか競輪けいりん場じょうで開催かいさいされた、「ルビーカップ・チャンピオン杯はい」に出場しゅつじょう。道中どうちゅうは中野なかの浩一こういちー井上いのうえ茂徳しげのりー伊藤いとうで進すすみ、打だ鐘かねで中野なかのをイン切ぎり後ご、滝澤たきざわ正ただし光こうの番手ばんてに飛とびつき、直線ちょくせんで滝澤たきざわを差さし、見事みごと初代しょだい優勝ゆうしょう者しゃに輝かがやいた。

伊藤いとうのタイトル獲得かくとく歴れきは以上いじょうだが、以後いごも1997年ねん頃ころまではGIには常時じょうじ出場しゅつじょう。その後ごは現役げんえき選手せんしゅの傍かたわら、愛媛えひめ支部しぶの支部しぶ長ちょうの職しょくに就つくなど、選手せんしゅ会かいの仕事しごとにも尽力じんりょくした。2008年ねん3月31日にち、ホームバンクの松山まつやまで行おこなわれたA級きゅう決勝けっしょう戦せん（8着ちゃく）を最後さいごに現役げんえきを引退いんたい。同年どうねん4月がつ10日とおか、選手せんしゅ登録とうろくを削除さくじょされた。通算つうさん戦績せんせき2456戦せん405勝しょう、優勝ゆうしょう64回かい。

松山まつやま競輪けいりん場じょうでは彼かれを称となえ、2008年ねんから伊藤いとう豊明とよあき杯はい争奪そうだつ戦せんが行おこなわれる。

2018年ねん2月がつ1日にち付づけで、日本にっぽん名めい輪わ会かい入いりした。

主おもな弟子でし

• 菊池きくち仁志ひとし（47期き）
• 松田まつだ孝志たかし（55期き）
• 梶かじ應おう弘樹ひろき（57期き）

関連かんれん項目こうもく

• 競輪けいりん選手せんしゅ一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 選手せんしゅ通算つうさん成績せいせき - KEIRIN.JP