松本まつもと勝明かつあき

ダービー社しゃ『月刊げっかん競輪けいりんダービー』第だい15巻かん第だい170号ごう（1963年ねん）より松本まつもと勝明かつあき（後こう右みぎ）、加藤かとう晶あきら（後こう左ひだり）、長谷川はせがわ文男ふみお（前ぜん右みぎ）、山田やまだ栄治えいじ（前ぜん左ひだり）

松本まつもと 勝明かつあき（まつもと かつあき、1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）3月5日にち - 2021年ねん3月6日にち）は、元もと競輪けいりん選手せんしゅ。現役げんえき引退いんたい後ごは日本にっぽん競輪けいりん学校がっこう（当時とうじ。以下いか、競輪けいりん学校がっこう）名誉めいよ教諭きょうゆ、日本にっぽん名めい輪わ会かい会長かいちょうなどを歴任れきにんした。京都きょうと府ふ出身しゅっしん。

戦績せんせき

旧制きゅうせい京都きょうと府立ふりつ京都きょうと第だい一いち中学校ちゅうがっこう（現在げんざいの京都きょうと府立ふりつ洛らく北きた高等こうとう学校がっこう・附属ふぞく中学校ちゅうがっこう）を経へて、将来しょうらい、医学部いがくぶの入学にゅうがくを目指めざすべく、当時とうじ医学部いがくぶの入試にゅうし科目かもくにドイツ語ごがあったことを理由りゆうに東京とうきょう外事がいじ専門せんもん学校がっこう（現在げんざいの東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがく）に入学にゅうがく。そして、同校どうこう在学ざいがく中ちゅうに学資がくし資金しきんのためのアルバイトの意味いみで競輪けいりんの世界せかいに入はいり、1949年ねん6月13日にちに競輪けいりん選手せんしゅとして登録とうろく。登録とうろく番号ばんごうは587である。

デビュー戦せんは同年どうねん7月がつの鳴尾なるお競輪けいりん場じょうで迎むかえ3着ちゃく。初はつ勝利しょうりは1か月げつ後ごの同どう場ばで挙あげる。同年どうねん9月がつに久留くる米べい競輪けいりん場じょうで初はつ優勝ゆうしょう。やがてアルバイト感覚かんかくでは競輪けいりん選手せんしゅは務つとまらないと考かんがえ、東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがくを中退ちゅうたいし、競輪けいりん選手せんしゅに専念せんねんすることになる。また本人ほんにんは後のちに「当時とうじ、大卒だいそつの初任しょにん給きゅうの何なん十じゅう倍ばいものお金かねを稼かせげたのだから辞やめられないよね」とも語かたっていた。

前人未到ぜんじんみとうの1341勝しょう

以降いこうは先行せんこうを武器ぶきにタイトルや勝利しょうりを重かさね続つづけ、1962年ねんにはミラノで開催かいさいされた世界せかい選手権せんしゅけん自転車じてんしゃ競技きょうぎ大会たいかいに出場しゅつじょう。1965年ねん12月13日にちには後楽園こうらくえん競輪けいりん場じょうで競輪けいりん選手せんしゅとして初はじめて通算つうさん1000勝しょうを達成たっせい。1970年ねん2月がつには41歳さいで日本にっぽん選手権せんしゅけん競輪けいりんの決勝けっしょうに進出しんしゅつしている。

その後ごも1981年ねん9月の競走きょうそうをもって引退いんたいするまで通算つうさん1341勝しょうを挙あげ、同年どうねん10月がつ1日にちに選手せんしゅ登録とうろく消しょう除じょ。この勝利しょうり数すうは現在げんざいも歴代れきだい競輪けいりん選手せんしゅとしては第だい1位いの通算つうさん勝利しょうり数すうを誇ほこる。また、この実績じっせきを評ひょうして、競輪けいりんの神様かみさまとも言いわれた。なお、1972年ねんに通算つうさん勝利しょうり数すう1200勝しょうを達成たっせいしたことが評価ひょうかされ、第だい5回かい日本にっぽんプロスポーツ大賞たいしょうに輝かがやいた。

1982年ねんより、ホームバンクとしていた京都きょうと向日むこう町まち競輪けいりん場じょうでは松本まつもとの功績こうせきを称となえ、年としに一いち度ど「松本まつもと勝明かつあき賞しょう」レースが開催かいさいされている。なお同どう選手せんしゅが最初さいしょにホームバンクとしていたのは京都きょうと市営しえい競輪けいりん場じょう（宝たからヶ池ち競輪けいりん場じょう）であった。

引退いんたい後ごの活動かつどう

引退いんたい後ごは通算つうさん勝利しょうり数すう第だい一いち位いの栄誉えいよを讃たたえられ、競輪けいりん学校がっこう名誉めいよ教諭きょうゆ（名誉めいよ教官きょうかんとも）の称号しょうごうが与あたえられる。同どう称号しょうごうの第だい一いち号ごうは松本まつもとであった（後のちに順番じゅんばんに、中野なかの浩一こういち、高原たかはら永ひさし伍ご、滝澤たきざわ正ただし光こうにそれぞれ与あたえられた）。

競輪けいりん学校がっこう名誉めいよ教諭きょうゆは名誉めいよ職しょくであり、必かならずしも競輪けいりん学校がっこうにおいて教鞭きょうべんを執とる必要ひつようはなかったが（中野なかの浩一こういちは現在げんざいも競輪けいりん学校がっこう時代じだいから現在げんざいまで直接ちょくせつ生徒せいとの指導しどうは行おこなっていない）、松本まつもとは競輪けいりん学校がっこうで90期生きせい生徒せいとまで指導しどうにあたった。

さらに1995年ねん1月がつに創設そうせつされた日本にっぽん名めい輪わ会かいの主力しゅりょくメンバーとして、GIなどで行おこなわれるイベントに晩年ばんねんまで参加さんかしていた。

2021年ねん3月6日にち、悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅのため、京都きょうと府内ふないの自宅じたくで死去しきょ。93歳さい没ぼつ。

主おもな獲得かくとくタイトル

• 1952年ねん - 第だい2回かい全国ぜんこく都道府県とどうふけん選抜せんばつ競輪けいりん1000m競走きょうそう（高松たかまつ競輪けいりん場じょう）
• 1954年ねん - 第だい6回かい全国ぜんこく都道府県とどうふけん選抜せんばつ競輪けいりん800m競走きょうそう（京都きょうと向日むこう町まち競輪けいりん場じょう）・ 第だい7回かい全国ぜんこく都道府県とどうふけん選抜せんばつ競輪けいりん4000m競走きょうそう（高松たかまつ競輪けいりん場じょう）・全国ぜんこく争覇そうは競輪けいりん（川崎かわさき競輪けいりん場じょう）
• 1955年ねん - 全国ぜんこく争覇そうは競輪けいりん（大阪おおさか中央ちゅうおう競輪けいりん場じょう）
• 1958年ねん - 第だい15回かい全国ぜんこく都道府県とどうふけん選抜せんばつ競輪けいりん4000m競走きょうそう（一宮いちのみや競輪けいりん場じょう）

著書ちょしょ

• 『千せん三さん百ひゃく四よん十じゅう一いち勝しょうのマーチ－選手せんしゅ生活せいかつ32年ねん思おもい出だすまま』（日刊にっかんプロスポーツ新聞しんぶん社しゃ 1983年ねん） ISBN 4931041213

競走きょうそうスタイル

先行せんこう一筋ひとすじといってもいいタイプで、主導しゅどう権けんを握にぎってそのまま押おし切きるといった形かたちを得意とくいとしていた。

関連かんれん項目こうもく

• 競輪けいりん選手せんしゅ一覧いちらん