就学しゅうがく時じ健康けんこう診断しんだん

就学しゅうがく時じ健康けんこう診断しんだん（しゅうがくじけんこうしんだん）とは、学校がっこう保健ほけん安全あんぜん法ほう第だい11条じょうを根拠こんきょとして、初等しょとう教育きょういくに就学しゅうがくする直前ちょくぜんに行おこなわれる健康けんこう診断しんだんである。就学しゅうがく時じ健診けんしん、あるいは就健と略りゃくされる。学校がっこう保健ほけん安全あんぜん法ほう施行しこう令れい第だい一いち条じょうにより、就学しゅうがく年度ねんどの初はじめから4か月げつ前まえ（就学しゅうがく前年度ぜんねんどの11月30日にち）までに行おこなわれる。

就学しゅうがく時じ健診けんしんでは、身体しんたいの疾患しっかんや、知的ちてき発達はったつの度合どあいが検査けんさされる。健常けんじょう児じであれば小学校しょうがっこう普通ふつう学級がっきゅうに就学しゅうがくするが、心身しんしんに障害しょうがいがあり特別とくべつな支援しえんが必要ひつような児童じどうの場合ばあい、障害しょうがいのある児童じどうを対象たいしょうとした就学しゅうがく相談そうだんを受うけるよう指導しどうされる場合ばあいが多おおい。健診けんしん後ご、1月がつ31日にちまでに、就学しゅうがく先さき学校がっこうが各かく家庭かていに通知つうちされる。市町しちょう村立そんりつ小学校しょうがっこうの普通ふつう学級がっきゅうや特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうに就学しゅうがくする児童じどうは市町村しちょうそん、特別とくべつ支援しえん学校がっこうに就学しゅうがくする児童じどうは都道府県とどうふけんの教育きょういく委員いいん会かいが管轄かんかつする。

就学しゅうがく時じ健診けんしん制度せいどが始はじまったのは1958年ねんである。

近年きんねん、特とくに知能ちのう検査けんさの実施じっしについて是非ぜひが問とわれている。就学しゅうがく時じ健診けんしんでは、知能ちのう検査けんさを実施じっしし、知的ちてき障害しょうがいの有無うむを調しらべ、特別とくべつ支援しえん教育きょういくの必要ひつよう性せいを判断はんだんする。知能ちのう検査けんさ#就学しゅうがく時じ検査けんさ、知能指数ちのうしすう#就学しゅうがく時じ健康けんこう診断しんだんも参照さんしょう。

自治体じちたいには、就学しゅうがく時じ健診けんしんを実施じっしする義務ぎむがある一方いっぽうで、受診じゅしんには義務ぎむはないとされる。

内容ないよう

学校がっこう保健ほけん安全あんぜん法ほう第だい11条じょうにて、「市し（特別とくべつ区くを含ふくむ。以下いか同おなじ。）町村ちょうそんの教育きょういく委員いいん会かいは、学校がっこう教育きょういく法ほう第だい17条じょう第だい1項こうの規定きていにより翌よく学年がくねんの初はじめから同どう項こうに規定きていする学校がっこうに就学しゅうがくさせるべき者もので、当該とうがい市町村しちょうそんの区域くいき内ないに住所じゅうしょを有ゆうするものの就学しゅうがくに当とうたつて、その健康けんこう診断しんだんを行おこなわなければならない。」としている。健康けんこう診断しんだんの検査けんさ項目こうもくは学校がっこう保健ほけん安全あんぜん法ほう施行しこう規則きそくの第だい3条じょうに定さだめられており、以下いかのとおりである。

1. 栄養えいよう状態じょうたいは、皮膚ひふの色いろ沢さわ、皮下脂肪ひかしぼうの充実じゅうじつ、筋骨きんこつの発達はったつ、貧血ひんけつの有無うむ等とうについて検査けんさし、栄養えいよう不良ふりょう又または肥満ひまん傾向けいこうで特とくに注意ちゅういを要ようする者ものの発見はっけんにつとめる。
2. 脊柱せきちゅうの疾病しっぺい及および異常いじょうの有無うむは、形態けいたい等とうについて検査けんさし、側がわわん症しょう等ひとしに注意ちゅういする。
3. 胸むね郭かくの異常いじょうの有無うむは、形態けいたい及および発育はついくについて検査けんさする。
4. 視力しりょくは、国際こくさい標準ひょうじゅんに準拠じゅんきょした視力しりょく表ひょうを用もちいて左右さゆう各かく別べつに裸眼らがん視力しりょくを検査けんさし、眼鏡めがねを使用しようしている者ものについては、当該とうがい眼鏡めがねを使用しようしている場合ばあいの矯正きょうせい視力しりょくについても検査けんさする。
5. 聴力ちょうりょくは、オージオメータを用もちいて検査けんさし、左右さゆう各かく別べつに聴力ちょうりょく障害しょうがいの有無うむを明あきらかにする。
6. 眼めの疾病しっぺい及および異常いじょうの有無うむは、伝染でんせん性せい眼め疾患しっかんその他たの外そと眼め部ぶ疾患しっかん及および眼め位いの異常いじょう等とうに注意ちゅういする。
7. 耳みみ鼻はな咽頭いんとう疾患しっかんの有無うむは、耳みみ疾患しっかん、鼻はな・副ふく鼻腔びこう疾患しっかん、口腔こうくう咽のど喉頭こうとう疾患しっかん及および音声おんせい言語げんご異常いじょう等とうに注意ちゅういする。
8. 皮膚ひふ疾患しっかんの有無うむは、伝染でんせん性せい皮膚ひふ疾患しっかん、アレルギー疾患しっかん等とうによる皮膚ひふの状態じょうたいに注意ちゅういする。
9. 歯は及および口腔こうくうの疾病しっぺい及および異常いじょうの有無うむは、齲歯むしば、歯は周しゅう疾患しっかん、不正ふせい咬合その他たの疾病しっぺい及および異常いじょうについて検査けんさする。
10. その他たの疾病しっぺい及および異常いじょうの有無うむは、知能ちのう及および呼吸こきゅう器き、循環じゅんかん器き、消化しょうか器き、神経しんけい系けい等とうについて検査けんさするものとし、知能ちのうについては適切てきせつな検査けんさによつて知的ちてき障害しょうがいの発見はっけんにつとめ、呼吸こきゅう器き、循環じゅんかん器き、消化しょうか器き、神経しんけい系けい等とうについては臨床りんしょう医学いがく的てき検査けんさその他たの検査けんさによつて結核けっかく疾患しっかん、心臓しんぞう疾患しっかん、腎臓じんぞう疾患しっかん、ヘルニア、言語げんご障害しょうがい、精神せいしん神経症しんけいしょうその他たの精神せいしん障害しょうがい、骨ほね、関節かんせつの異常いじょう及および四肢しし運動うんどう障害しょうがい等とうの発見はっけんにつとめる。

参考さんこう文献ぶんけん

• 就学しゅうがく時じ健診けんしんを考かんがえる（小笠おがさ毅あつし）

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