特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう

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特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう（とくべつしえんがっきゅう）は、小学校しょうがっこう（軽度けいど·中ちゅう度ど別べつのみ）、中学校ちゅうがっこう、義務ぎむ教育きょういく学校がっこう^{[注ちゅう 1]}、高等こうとう学校がっこうおよび中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこうに、教育きょういく上うえ特別とくべつな支援しえんを必要ひつようとする児童じどうおよび生徒せいとのために置おくことができる学級がっきゅうである。略りゃくして、「特とく学がく」（とくがく）や「特とく支ささえ」（とくし）^[1]と称しょうする。かつては特殊とくしゅ学級がっきゅうや障害しょうがい児じ学級がっきゅうなどと呼よばれていたが、2006年ねんに名称めいしょうが変更へんこうされた。特殊とくしゅ学級がっきゅうも「特とく学がく」と略りゃくしていた。学校がっこう教育きょういく法ほう（昭和しょうわ22年ねん法律ほうりつ第だい26号ごう）の第だい81条じょうに規定きていがあり、これに基もとづいた学級がっきゅうのため、81条じょう学級がっきゅうということもある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

学校がっこう教育きょういく法ほう（昭和しょうわ22年ねん法律ほうりつ第だい26号ごう　平成へいせい28年ねん5月がつ20日はつか改正かいせい）の第だい81条じょう第だい2項こう本文ほんぶんには、「小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこう、義務ぎむ教育きょういく学校がっこう、高等こうとう学校がっこう及および中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこうには、次つぎの各号かくごうのいずれかに該当がいとうする児童じどう及および生徒せいとのために、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうを置おくことができる。」と定さだめられ、各号かくごうには次つぎの者ものが掲かかげられている。

知的ちてき障害しょうがい者しゃ
肢体したい不自由ふじゆう者しゃ
身体しんたい虚弱きょじゃく者しゃ
弱視じゃくし者しゃ
難なん聴者ちょうしゃ
その他た障害しょうがいのある者もので、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうにおいて教育きょういくを行おこなうことが適当てきとうなもの

特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうは、学校がっこうによって、養護ようご学級がっきゅう、育成いくせい学級がっきゅう、心こころ障さわ学級がっきゅう、障害しょうがい児じ学級がっきゅう、実務じつむ学級がっきゅう、学習がくしゅう室しつ、総合そうごう学級がっきゅう、個別こべつ支援しえん学級がっきゅう、なかよし学級がっきゅう、あすなろ学級がっきゅう、ひまわり学級がっきゅう、あおぞら(青空あおぞら)・おおぞら(大空おおぞら)学級がっきゅう、ふれあい学級がっきゅうなど、さまざまな呼よび方かたがある。

東京とうきょう都となどでは健康けんこう障害しょうがいの生徒せいとのために健康けんこう学園がくえんという学校がっこうを設置せっちしており、これも制度せいど上じょう特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうに分類ぶんるいされる。

文言もんごんのとおり、制度せいど上じょうは高等こうとう学校がっこうや中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこうにも特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうを置おくことができるが、結局けっきょくは以下いかの問題もんだいもあり、実際じっさいに設置せっちされている例れいは見受みうけられない。

後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく（高等こうとう学校がっこう、中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこうの後期こうき課程かてい）自体じたいが義務ぎむ教育きょういくではないこと。ちなみに「高等こうとう学校がっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」では、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうについては触ふれられていない。
偏差へんさ値ちの概念がいねんが存在そんざいし、入学にゅうがく試験しけんなどによる選抜せんばつ制せいであるうえ、学校がっこうにより教育きょういくレベルが異ことなること。
中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこう自体じたいが中学校ちゅうがっこうや高等こうとう学校がっこうより数かずが少すくないこと。

その一方いっぽうで、設置せっちするよう呼よびかける市民しみん運動うんどうもある。大阪おおさかでは、2006年度ねんどから知的ちてき障害しょうがいのある生徒せいとが府立ふりつ高等こうとう学校がっこう（普通ふつう学校がっこう）で学まなぶ「知的ちてき障さわがい生徒せいと自立じりつ支援しえんコース」と「共生きょうせい推進すいしん教室きょうしつ」の制度せいどが行おこなわれている^[2]。

これ以外いがいにも、軽度けいどの障害しょうがい者しゃも対象たいしょうにした高等こうとう学校がっこうはある。

岡山おかやま県けんでは実際じっさいに一緒いっしょに授業じゅぎょうを受うけている。

一方いっぽう、「子供こどもが進学しんがく・就職しゅうしょくに不利ふりになる」などの考かんがえから支援しえん教育きょういくを保護ほご者しゃが望のぞまない場合ばあい、偏差へんさ値ちが非常ひじょうに低ひくい全ぜん日にち制せいの教育きょういく困難こんなん校こう、あるいは偏差へんさ値ちの概念がいねんが存在そんざいしない定時ていじ制せい高校こうこうや通信つうしん制せい高校こうこうに入学にゅうがくさせることが現実げんじつである。前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういくを特別とくべつ支援しえん学校がっこうまたは特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうのみで受うけた生徒せいとは、基本きほん的てきに普通ふつう学校がっこうのカリキュラムに沿そった教育きょういく、すなわち通常つうじょう教育きょういくを受うけているわけではないので、受験じゅけんする高校こうこう側がわに提出ていしゅつされる内申ないしん書しょに全ぜん教科きょうかの評定ひょうじょうが「1」ないし「未み評価ひょうか」と記載きさいされるのが通例つうれいである。文部もんぶ科学かがく省しょうの作成さくせいした学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうにおいて「未み評価ひょうか」は内申ないしん点てん「1」と扱あつかうとされているが、「未み評価ひょうか」は入学にゅうがく試験しけんにおいて試験しけん実施じっし高校こうこう側がわでの審議しんぎの対象たいしょうとなるため、それだけでも通常つうじょう通どおり普通ふつう学校がっこうで出席しゅっせき日数にっすうを確保かくほして「1」以上いじょうの評定ひょうじょうが成立せいりつした生徒せいとよりも受験じゅけんに不利ふりになる。

なお平成へいせい期き以降いこうの日本にっぽん社会しゃかいでは、例たとえば知的ちてき障害しょうがい者しゃの大学だいがく卒業そつぎょうが十じゅう分ふん有あり得えるとされており、高校こうこう卒業そつぎょう者しゃの中なかにも一いち定数ていすう知的ちてき障害しょうがい者しゃ認定にんていを受うけている者ものや知的ちてき障害しょうがい者しゃ相当そうとうの者ものがいる。

現代げんだいでは相対性理論そうたいせいりろんを理解りかいするなど高度こうどな知能ちのうを有ゆうするが周囲しゅういと馴染なじめない児童じどうなど、ギフテッドの受うけ皿ざらとしても利用りようされている^[3]。

学級がっきゅう編制へんせい[編集へんしゅう]

小中学校しょうちゅうがっこうの標準ひょうじゅん的てきな1学級がっきゅうの上限じょうげん人数にんずうは、一般いっぱん学級がっきゅう35人にん（小学校しょうがっこう1年生ねんせいのみ30人にん）に対たいし、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうは8人にん（特別とくべつ支援しえん学校がっこうは6人にん）であり、平成へいせい23年ねん5月がつ1日にち現在げんざいの平均へいきん人数にんずうは一般いっぱん学級がっきゅうが28人にん（小学校しょうがっこう）、33人にん（中学校ちゅうがっこう）、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうと特別とくべつ支援しえん学校がっこうが3人にんである^[4]。すべての学校がっこうに特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうが設置せっちされているわけではなく、学区がっくを超こえて通学つうがくする児童じどう生徒せいともいる。

また担任たんにんに関かんしては教育きょういく職員しょくいん免許めんきょ状じょうを有ゆうしていることが条件じょうけんであり、特別とくべつ支援しえん学校がっこう教員きょういんの免許めんきょ状じょうを有ゆうさなくても務つとめることができる。ただし、特別とくべつ支援しえん学校がっこう教諭きょうゆ免許めんきょ状じょう保有ほゆう者しゃが、例たとえば中学校ちゅうがっこう教諭きょうゆの免許めんきょ状じょうを有ゆうさなくとも中学ちゅうがく部ぶの担任たんにんをすることが可能かのうであるのに対たいし、中学校ちゅうがっこうに設置せっちされた特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうの場合ばあいは、中学校ちゅうがっこう教諭きょうゆ又または中学校ちゅうがっこう助教諭じょきょうゆの免許めんきょ状じょうがなければ就つくことは不可能ふかのうである。

小学校しょうがっこう・中学校ちゅうがっこうの学級がっきゅう

通常つうじょうの学級がっきゅう
特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう
通つう級きゅう（通つう級きゅう指導しどう教室きょうしつ・特別とくべつ支援しえん教室きょうしつ）
少しょう人数にんずう教室きょうしつ
特別とくべつ支援しえん学校がっこう

歴史れきし[編集へんしゅう]

年表ねんぴょう[編集へんしゅう]

1890年ねん　長野ながの・松本まつもと尋常じんじょう小学校しょうがっこうに『落第らくだい生なま学級がっきゅう』設置せっち: 最初さいしょの特殊とくしゅ学級がっきゅう。その名なの通とおり障害しょうがい児じだけでなく学業がくぎょう不振ふしん児じを主おもな対象たいしょうとした。
1901年ねん　群馬ぐんま・館林たてばやし小学校しょうがっこうに特別とくべつ学級がっきゅう設置せっち: 東日本ひがしにっぽん最初さいしょの特殊とくしゅ学校がっこう。実験じっけん的てきな設置せっちであった。
1905年ねん　大阪おおさか府ふ立たて天王寺てんのうじ師範しはん附属ふぞく小学校しょうがっこうに特別とくべつ学級がっきゅう設置せっち: 実験じっけん的てきな設置せっちであった。
1926年ねん　東京とうきょう・八名やな川かわ尋常じんじょう小学校しょうがっこうに吃音きつおん学級がっきゅう設置せっち: 最初さいしょの言語げんご障害しょうがい特殊とくしゅ学級がっきゅう。
1926年ねん　東京とうきょう・鶴巻つるまき尋常じんじょう小学校しょうがっこうに養護ようご学級がっきゅう設置せっち: 最初さいしょの身体しんたい虚弱きょじゃく特殊とくしゅ学級がっきゅう。
1933年ねん　東京とうきょう・南山なんざん尋常じんじょう小学校しょうがっこうに視力しりょく保護ほご学級がっきゅう設置せっち: 最初さいしょの弱視じゃくし特殊とくしゅ学級がっきゅう。
1934年ねん　東京とうきょう・礫つぶて川かわ尋常じんじょう小学校しょうがっこうに難聴なんちょう学級がっきゅう設置せっち: 最初さいしょの難聴なんちょう特殊とくしゅ学級がっきゅう。
1944年ねん　東京とうきょう・九段くだん中学校ちゅうがっこう（旧制きゅうせい）に養護ようご学級がっきゅう設置せっち: 肢体したい不自由ふじゆう児じを対象たいしょうとしていた。
1946年ねん　大和田おおわだ国民こくみん学校がっこうに養護ようご学級がっきゅう設置せっち: 戦後せんご最初さいしょの特殊とくしゅ学級がっきゅうの復興ふっこう
1947年ねん　学校がっこう教育きょういく法ほう制定せいてい: 特殊とくしゅ学級がっきゅうの位置いちづけが法的ほうてきに明確めいかくにされた。
1958年ねん　仙台せんだい・通とおり町まち小学校しょうがっこうに言語げんご障害しょうがい特殊とくしゅ学級がっきゅう設置せっち: この頃ころから、小学校しょうがっこうに吃音きつおん症しょうの矯正きょうせいを目的もくてきとした「言葉ことばの教室きょうしつ」や「言語げんご治療ちりょう教室きょうしつ」が多おおく設置せっちされ始はじめる。
2006年ねん6月がつ　学校がっこう教育きょういく法ほう改正かいせい: これまでの特殊とくしゅ学級がっきゅうに代かわって、「特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう」という名称めいしょうになる。また、その対象たいしょうも、従来じゅうらいの障害しょうがいに加くわえ、「その他た心身しんしんに故障こしょうのある者もので、特殊とくしゅ学級がっきゅうにおいて教育きょういくを行おこなうことが適当てきとうなもの」とされていたものが、「その他た教育きょういく上じょう特別とくべつの支援しえんを必要ひつようとする児童じどう・生徒せいと及および幼児ようじ」に修正しゅうせいされた。
2007年ねん4月がつ1日にち　特別とくべつ支援しえん教育きょういく完全かんぜん実施じっし: 在籍ざいせきを通常つうじょうの学級がっきゅうに一元化いちげんかし、必要ひつような時間じかんだけ特別とくべつな支援しえんを受うけるという「特別とくべつ支援しえん教室きょうしつ」の構想こうそうもあったが、固定こてい学級がっきゅうの機能きのうを残のこすべきとの強つよい声こえがあがり、実施じっしは見送みおくられた。
2015年ねん5月がつ　東京とうきょう都と・公立こうりつ小学校しょうがっこうの「情緒じょうちょ障害しょうがい等とう通どおり級きゅう指導しどう学級がっきゅう」を「特別とくべつ支援しえん教室きょうしつ」に変更へんこうすることを公表こうひょう^[5]。: これまで通つう級きゅう指導しどう学級がっきゅう設置せっち校こうに通かよって通つう級きゅう指導しどう学級がっきゅう担当たんとう教員きょういんから特別とくべつな支援しえんを受うけていたものを、特別とくべつ支援しえん教室きょうしつをすべての小学校しょうがっこうに設置せっちし、巡回じゅんかい指導しどうの拠点きょてん校こうから指導しどう員いんが各かく学校がっこうの特別とくべつ支援しえん教室きょうしつを巡回じゅんかいする^[6]。対象たいしょう児童じどうは普通ふつう学級がっきゅうから同一どういつ校内こうないの特別とくべつ支援しえん教室きょうしつへ週しゅうに1〜8時じ間あいだ通がよい、そこで巡回じゅんかい指導しどう教員きょういん、特別とくべつ指導しどう教室きょうしつ専門せんもん員いん（非常勤ひじょうきんのコーディネーター）、巡回じゅんかいの臨床りんしょう発達はったつ心理しんり士し等ひとしによる支援しえんを受うける。巡回じゅんかい指導しどう教員きょういんは、対象たいしょう児童じどうの在籍ざいせきする通常つうじょうの学級がっきゅうも巡回じゅんかいし、在籍ざいせき学級がっきゅう担任たんにんと連携れんけいする。準備じゅんびの整ととのった市区しく町村ちょうそんから、平成へいせい28年ねん（2016年ねん）度どより順次じゅんじ移行いこうしている。; これにより、児童じどうが特別とくべつ支援しえんを受うける方法ほうほうとして、特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうに在籍ざいせきする場合ばあいと、通常つうじょうの学級がっきゅうに在籍ざいせきし特別とくべつ支援しえん教室きょうしつに通つう級きゅうする場合ばあいが併存へいそんすることになる。; さらに中学校ちゅうがっこうでも平成へいせい30年ねん（2018年ねん）度ど以降いこう同様どうように導入どうにゅうし、平成へいせい33年ねん（2021年ねん）度どまでに全校ぜんこうへの導入どうにゅうを完了かんりょうする計画けいかくを公表こうひょうした^[7]。

発展はってん[編集へんしゅう]

松本まつもとの落第生らくだいせい学級がっきゅうは、他たからの軽侮けいぶや自暴自棄じぼうじきを招まねき、教員きょういんも担任たんにんを嫌いやがるなどの弊害へいがいのため4年間ねんかんで終了しゅうりょうした。しかし20世紀せいき初はじめ頃ごろから、「試験しけん制度せいどによる学習がくしゅう困難こんなん者しゃの顕在けんざい化か」、「学級がっきゅうが指導しどうの単位たんいとして同質どうしつ化かしたこと」、「特別とくべつ支援しえん教育きょういくに対たいする教師きょうしの関心かんしん」、「就学しゅうがく者しゃ増加ぞうかによる学級がっきゅうの複数ふくすう化かが可能かのうになったこと」という四よっつの条件じょうけんが満みたされ、特別とくべつ学級がっきゅうを成立せいりつさせる環境かんきょうが生うまれたため、日本にっぽん各地かくちで特別とくべつ学級がっきゅうの設置せっち例れいが増加ぞうかした。長野ながの県けんでは教育きょういく県けんと呼よばれる風土ふうどの中なか、いち早はやくこういった条件じょうけんが整ととのったという事情じじょうもあり、上記じょうきのような先駆せんく的てきな例れいが多おおい。

戦前せんぜんにおいては用語ようごに多おおくの混乱こんらんも見みられたが、明治めいじ末期まっきには学業がくぎょう成績せいせきの低ひくい児童じどうを「劣等れっとう児じ」と呼よび、知能ちのうの低ひくい児童じどうを「低能ていのう児じ」と呼よぶ共通きょうつう認識にんしきができた。この二ふたつをはっきりと分わけて対応たいおうする例れいも多おおかった。

現代げんだいとの違ちがいは、特殊とくしゅ学級がっきゅうの対象たいしょうの幅はばが広ひろかったことである。例たとえば1931年ねんの研究けんきゅう協議きょうぎ会かいでは、一般いっぱん小学校しょうがっこうの児童じどうの約やく20％が知能指数ちのうしすう90以下いかであるとし、これを「精神せいしん薄弱はくじゃく児童じどう」と分類ぶんるいしている。そしてIQ70～90を軽度けいどの精神せいしん薄弱はくじゃく児童じどうとして「促進そくしん学級がっきゅう」に収容しゅうようし、IQ70以下いかを重度じゅうどの精神せいしん薄弱はくじゃく児童じどうとして「補助ほじょ学級がっきゅう」に収容しゅうようするとしている。現代げんだいの知的ちてき障害しょうがいの基準きじゅんが通常つうじょうはIQ70以下いかであることから見みると、非常ひじょうにボーダーラインを高たかい位置いちに置おいていることが分わかる。なおIQ70以下いかの出現しゅつげん率りつは約やく2％であるため、ボーダーを20上あげると10倍ばいの人数にんずう差さが生しょうじることになる。

現代げんだいの特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうでは1学級がっきゅう当あたりの人数にんずうは非常ひじょうに少すくないが、戦前せんぜんは前述ぜんじゅつのように単たんに学業がくぎょう成績せいせきが低ひくい生徒せいとをも組くみ入いれた場合ばあいや知能ちのうのボーダーラインが高たかかったこともあって、1学級がっきゅう当あたり40人にん程度ていどであることも珍めずらしくなかった（なお戦前せんぜん期きの学級がっきゅう定員ていいんは80人にんの時期じきもあり、40人にんという数字すうじはさほど多おおいレベルではない）。

戦前せんぜんの小学校しょうがっこうの特殊とくしゅ学級がっきゅうでは10代後半こうはんで卒業そつぎょうすることなどもあり、一般いっぱんの学級がっきゅう以上いじょうに年齢ねんれいのばらつきがあった（卒業そつぎょう後ごも補習ほしゅうのために通とおった例れいもある）。これは、卒業そつぎょう後ごの進路しんろがあまりないことも反映はんえいしている。

統計とうけい[編集へんしゅう]

特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう在籍ざいせき児童じどう生徒せいと数すう
	学級がっきゅう数すう（学級がっきゅう）	児童じどう生徒せいと数すう（人ひと）
小学校しょうがっこう	41,864	167,269
中学校ちゅうがっこう	18,326	68,218