障害しょうがい者しゃ手帳てちょう

精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうの表紙ひょうしの一いち例れい（色いろは発行はっこう元もとで異ことなる）

精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう、記載きさいイメージ

身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの表紙ひょうしの一いち例れい（色いろは発行はっこう元もとで異ことなる）

身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの証明しょうめい欄らんの一いち例れい

身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの詳細しょうさい欄らんの一いち例れい

東大阪ひがしおおさか市しの障害しょうがい者しゃ手帳てちょう

障害しょうがい者しゃ手帳てちょう（しょうがいしゃてちょう）とは、障害しょうがいを持もった者ものとして日本にっぽんにて地方ちほう公共こうきょう団体だんたいに認定にんていを受うけると発行はっこうされる、障害しょうがいを証明しょうめいするための手帳てちょうである。

障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの定義ていぎ

1. 身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう、療育りょういく手帳てちょう、精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうといった、障害しょうがいを有ゆうする人ひとに対たいして発行はっこうされる手帳てちょうの総称そうしょう（広義こうぎ）。障害しょうがいの有無うむや種類しゅるい、程度ていどなどを証明しょうめいする証明しょうめい書しょとしての役割やくわりを持もつ。
2. 上記じょうき1.（広義こうぎ）のうち、精神せいしん障害しょうがい者しゃに対たいして発行はっこうされる手帳てちょうのこと。正式せいしき名称めいしょうは「精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう」。表紙ひょうしには「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」とのみ表示ひょうじされ、表紙ひょうしを見みただけでは障害しょうがいの種類しゅるいは分わからないようになっている。精神せいしん障害しょうがい者しゃも参照さんしょう。
3. 上記じょうき1.（広義こうぎ）のうち、身体しんたい障害しょうがい者しゃを対象たいしょうとする「身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」のみを指さすことがある。「身体しんたい」を省略しょうりゃくした場合ばあい。

「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」と称しょうする場合ばあい、あらゆる障害しょうがい者しゃの手帳てちょうを指さすこともあるし、精神せいしん障害しょうがい者しゃの手帳てちょうのみを指さすこともあるし、身体しんたい障害しょうがい者しゃの手帳てちょうのみを指さすこともある。したがって、手帳てちょうの制度せいどについて知識ちしきがない者ものに対たいし、「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」という用語ようごを用もちいる場合ばあい、混乱こんらんを招まねくこともある。

身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょうと精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうのみ、法令ほうれいに基もとづく障害しょうがい者しゃ手帳てちょうである。その他たの手帳てちょう、療育りょういく手帳てちょうなどは根拠こんきょとする法令ほうれいがない。

なお、難病なんびょう患者かんじゃの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの代かわりになるのが、特定とくてい医療いりょう費ひ(指定してい難病なんびょう)受給じゅきゅう者しゃ証しょうであるが、人数にんずうも少すくなく認知にんち度ども低ひくい。しかし障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほうの施行しこうにより、提示ていじして受うけられるサービスは徐々じょじょに増ふえている。

手帳てちょうの発行はっこう主体しゅたい

障害しょうがい者しゃ手帳てちょう（この節ふしでは身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう、療育りょういく手帳てちょう、精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうの総称そうしょうをいい、以下いか「手帳てちょう」と表記ひょうきする）の発行はっこう主体しゅたいは、下記かきの通とおりである。（ただし手続てつづきの窓口まどぐちは福祉ふくし事務所じむしょである。福祉ふくし事務所じむしょは、市町村しちょうそん役場やくばに併設へいせつしており「障害しょうがい福祉ふくし課か」などと表記ひょうきされている）また、発行はっこう主体しゅたいによって手帳てちょうの色いろは異ことなる（3種類しゅるいとも異ことなる色いろとしている自治体じちたい、3種類しゅるいとも色いろを揃そろえている自治体じちたいが確認かくにんされている）。

• 政令せいれい指定してい都市とし・・・その市しが発行はっこう主体しゅたいとなる
• 中核ちゅうかく市し・・・市しが発行はっこう主体しゅたいとなる場合ばあいは、「中核ちゅうかく市しが都道府県とどうふけんから権限けんげんを移譲いじょうされる」という扱あつかいになるため、都道府県とどうふけんの条例じょうれいによって、市し・都道府県とどうふけんのいずれかが発行はっこう主体しゅたいとなる。
• 鳥取とっとり県けん鳥取とっとり市し（中核ちゅうかく市し）、岩美いわみ町まち、若桜わかさ町まち、智頭ちず町まち、八頭やつがしら町まち・・・「岩美いわみ町まち、若桜わかさ町まち、智頭ちず町まち、八頭やず町まちを含ふくめ、鳥取とっとり市しが鳥取とっとり県けんから権限けんげんを移譲いじょうされる」という扱あつかいになるため、鳥取とっとり市しが発行はっこう主体しゅたいとなる。
• 上記じょうき以外いがいの市町村しちょうそん・・・市町村しちょうそんが発行はっこう主体しゅたいとなる場合ばあいは、「市町村しちょうそんが都道府県とどうふけんから権限けんげんを移譲いじょうされる」という扱あつかいになるため、都道府県とどうふけんの条例じょうれいによって、市町村しちょうそん・都道府県とどうふけんのいずれかが発行はっこう主体しゅたいとなる。

手帳てちょうの表紙ひょうし

手帳てちょうの表紙ひょうしには、身体しんたい障害しょうがい者しゃの場合ばあい「身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」、知的ちてき障害しょうがい者しゃの場合ばあい「療育りょういく手帳てちょう」等とうと表示ひょうじされ、表紙ひょうしを見みれば障害しょうがいの種類しゅるいが分わかるが、精神せいしん障害しょうがい者しゃの場合ばあい、表紙ひょうしに「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」とだけ表示ひょうじされ、中なかを見みなければ精神せいしんの障害しょうがいであることが分わからないことが多おおい。そのため、単たんに「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」という場合ばあい、精神せいしん障害しょうがい者しゃの手帳てちょうだけを指さすこともある。

現在げんざいは紙かみ製せいとなっている「身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」と「精神せいしん障害しょうがい者しゃ福祉ふくし手帳てちょう」について、厚生こうせい労働省ろうどうしょうは2018年ねん（平成へいせい30年ねん）10月24日にちの社会しゃかい保障ほしょう審議しんぎ会かいの障害しょうがい者しゃ部門ぶもんで、耐久たいきゅう性せいが高たかく持もち運はこびしやすい「カード型がた」タイプの両りょう手帳てちょうを発行はっこう可能かのうとし、2019年ねん（平成へいせい31年ねん）4月がつ1日にちの省令しょうれい改正かいせいにより「カード型がた」タイプの発行はっこうが可能かのうとなった。ただし、従来じゅうらい型がたとカード型がたの発行はっこうの選択せんたくは自治体じちたいの判断はんだんに委ゆだねるとしている。なお、知的ちてき障害しょうがい者しゃが持もつ「療育りょういく手帳てちょう」は、現行げんこう制度せいどでも「カード型がた」タイプの発行はっこうが可能かのうで、一部いちぶの自治体じちたいでは導入どうにゅうされている。

「身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」「療育りょういく手帳てちょう」「精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう」の様式ようしき・体裁ていさいは、入いれ物もの（ケース）の表記ひょうきのみ同一どういつの「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」を統一とういつ採用さいようしている地方ちほう公共こうきょう団体だんたいもあり、一いち例れいとして佐賀さが県けんや埼玉さいたま県けんで統一とういつ様式ようしきを採用さいようしている。この場合ばあいでも本体ほんたいの表記ひょうきは「身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」「療育りょういく手帳てちょう」（知的ちてき障害しょうがい）「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」（精神せいしん障害しょうがい）となっているが、複数ふくすうの障害しょうがい者しゃ手帳てちょうを持もっている場合ばあいは本体ほんたいの表記ひょうきを見みないと判わかりにくい欠点けってんがある。

手帳てちょうの提示ていじにて受うけられる各種かくしゅサービス

各種かくしゅ障害しょうがい者しゃ手帳てちょうを所持しょじし、提示ていじすることにより、公的こうてき機関きかん等ひとしで、料金りょうきんの優遇ゆうぐうなどを受うけることができる。所有しょゆうしている障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの種別しゅべつや等級とうきゅう、各かく地方自治体ちほうじちたいにより、受うけられるサービスに差さがあるため、利用りようの際さいは各かく地方自治体ちほうじちたい、施設しせつや交通こうつう事業じぎょう者しゃに確認かくにんが必要ひつようである。また、民間みんかん施設しせつでも、それぞれ独自どくじにサービスを受うけられるものもある。

まず身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう・療育りょういく手帳てちょう・精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう共通きょうつうで受うけられるサービスを列挙れっきょする（各かく項目こうもく参照さんしょう）。

• 一部いちぶ直接ちょくせつ税ぜいの減額げんがくまたは免除めんじょ（所得しょとく税ぜいや相続そうぞく税ぜいの障害しょうがい者しゃ控除こうじょなど）
• 少額しょうがく預金よきんの利子りし所得しょとくに対たいする非課税ひかぜい制度せいど（通称つうしょう：障害しょうがい者しゃのマル優まるゆう制度せいど。詳細しょうさいは少額しょうがく貯蓄ちょちく非課税ひかぜい制度せいどへ）
• 日本にっぽん国債こくさい・地方ちほう債さいなどの利子りし所得しょとくに対たいする非課税ひかぜい制度せいど（通称つうしょう：障害しょうがい者しゃの特別とくべつマル優まるゆう制度せいど）
• 各かく都道府県とどうふけんによる健康けんこう保険ほけん適用てきよう医療いりょう費ひ助成じょせい
• 公共こうきょう職業しょくぎょう安定あんてい所しょ（ハローワーク）における障害しょうがい者しゃ相談そうだん窓口まどぐちの利用りよう、障害しょうがい者しゃ求人きゅうじんへの応募おうぼ、障害しょうがい者しゃ合同ごうどう就職しゅうしょく説明せつめい会かいへの参加さんか
• 地域ちいき障害しょうがい者しゃ職業しょくぎょうセンター、障害しょうがい者しゃ職業しょくぎょう総合そうごうセンター、高齢こうれい・障害しょうがい者しゃ雇用こよう支援しえんセンターの利用りよう
• 障害しょうがい者しゃ委託いたく訓練くんれんへの応募おうぼ
• 就労しゅうろう移行いこう支援しえんや就労しゅうろう継続けいぞく支援しえん、自立じりつ訓練くんれん（機能きのう訓練くんれん・生活せいかつ訓練くんれん）、国立こくりつ障害しょうがい者しゃリハビリテーションセンターなど障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに基もとづくサービスへの応募おうぼや利用りよう
• 特別とくべつ支援しえん学校がっこうの受験じゅけん
• 職業しょくぎょう能力のうりょく開発かいはつ促進そくしん法ほうに基もとづき、国くにが設置せっちする障害しょうがい者しゃ職業しょくぎょう能力のうりょく開発かいはつ校こうの受験じゅけん
• 1級きゅうまたは2級きゅうの障害しょうがい年金ねんきんを受給じゅきゅう中ちゅうもしくは同どう程度ていどの障害しょうがいがあるとみなす者ものへの生活せいかつ保護ほごの障害しょうがい者しゃ加算かさん
• NHK受信じゅしん料りょうの減額げんがく（また低てい所得しょとく要件ようけんが加くわわれば免除めんじょ）
• 博物館はくぶつかん・美術館びじゅつかん・動物どうぶつ園えんなどの各種かくしゅ公共こうきょう施設しせつの利用りよう料りょうの減額げんがくまたは免除めんじょ
• 映画えいが館かんの料金りょうきん割引わりびき
• 電話でんわ料金りょうきん・ふれあい案内あんない「電話でんわ番号ばんごう案内あんない」（ただし、NTT東日本ひがしにっぽんおよびNTT西日本にしにほんの固定こてい電話でんわおよびインターネットにおける基本きほん料りょうおよび通話つうわ料りょうについての割引わりびきはない）・携帯けいたい電話でんわ料金りょうきん など、通信つうしん費ひの減額げんがくまたは免除めんじょ

次つぎに、障害しょうがいの種類しゅるいによってサービスが受うけられる例れいを列挙れっきょする。

• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ・知的ちてき障害しょうがい者しゃ・精神せいしん障害しょうがい者しゃへの自動車じどうしゃ税ぜい・自動車じどうしゃ取得しゅとく税ぜい・軽自動車けいじどうしゃ税ぜい等ひとしの減免げんめん（各かく自治体じちたいにより対象たいしょうとなる障害しょうがい、減免げんめん対象たいしょうとなる税ぜいや内容ないようは異ことなる）
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃへの車椅子くるまいすや補聴器ほちょうきの補助ほじょ金きん
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ・知的ちてき障害しょうがい者しゃへの都営地下鉄とえいちかてつの運賃うんちん割引わりびき（ただし知的ちてき障害しょうがい者しゃにおいては、東京とうきょう都と在住ざいじゅう者しゃとそれ以外いがいについては扱あつかいが異ことなる）
• 一部いちぶ障害しょうがいの種類しゅるいを指定していした求人きゅうじんへの応募おうぼ
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ・知的ちてき障害しょうがい者しゃへのJRグループ、大手おおて私鉄してつの路線ろせんの、第だい1種しゅかつ介助かいじょ者もの同行どうこう・同どう一いち期間きかん利用りようにおける障害しょうがい者しゃ・介助かいじょ者しゃの運賃うんちんや、101 kmを超こえる区間くかんの第だい1種しゅで単独たんどく利用りようまたは第だい2種しゅの障害しょうがい者しゃの本人ほんにんの運賃うんちんの割引わりびき（ただしJRグループにおいては、旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ旅客りょかく運賃うんちん減額げんがく欄らんに「第だい1種しゅ」または「第だい2種しゅ」の記載きさいのない障害しょうがい者しゃ手帳てちょうは割引わりびきの対象たいしょう外がいである）
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ・知的ちてき障害しょうがい者しゃへの高速こうそく道路どうろなどの有料ゆうりょう道路どうろ料金りょうきんの割引わりびき
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ・知的ちてき障害しょうがい者しゃへの一部いちぶ公共こうきょう交通こうつう機関きかん（バス・船舶せんぱく・航空機こうくうき、及および上記じょうき以外いがいの鉄道てつどう等とう）の障害しょうがい者しゃ・介助かいじょ者しゃの運賃うんちん割引わりびき
  • 上記じょうき運賃うんちんおよび通行つうこう料金りょうきん割引わりびき3例れいのうち、精神せいしん障害しょうがい者しゃについては後述こうじゅつ参照さんしょう

精神せいしん障害しょうがい者しゃにおけるサービスの差異さいの問題もんだい

過去かこ、精神せいしん障害しょうがい者しゃ手帳てちょうは他たの障害しょうがいとは区別くべつされ各種かくしゅ優遇ゆうぐうを受うける事ことが出来できない場合ばあいもあった。後のちに障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうが施行しこうされ、さらに障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほうに変かわったものの、現状げんじょうは未いまだに不十分ふじゅうぶんであるが、それでも順次じゅんじ是正ぜせいされつつある。他方たほう、高速こうそくバスの割引わりびきが次々つぎつぎに廃止はいしされるなど、相反あいはんする動うごきもみられる。

例れいとして、2022年ねん現在げんざいでも精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうではJRグループの運賃うんちん割引わりびき（例外れいがい的てきにJR西日本にしにほん宮島みやじまフェリーは割引わりびきとなる）・多おおくの有料ゆうりょう道路どうろでの通行つうこう料金りょうきんの割引わりびきが行おこなわれておらず、他ほかにも多おおくの鉄道てつどう路線ろせん（一いち例れいとして、東武鉄道とうぶてつどう「お体からだの不自由ふじゆうなお客きゃくさまへの鉄道てつどう運賃うんちん割引わりびき」 や函館はこだて市し企業きぎょう局きょく交通こうつう部ぶ#障さわがい者しゃ等とうの乗車じょうしゃ料金りょうきんの割引わりびきを参照さんしょう）や、多おおくの高速こうそくバス・路線ろせんバス（一いち例れいとして、函館はこだてバス#障さわがい者しゃ・高齢こうれい者しゃの割引わりびき等とう・ジェイ・アール北海道ほっかいどうバス#障さわがい者しゃの運賃うんちん割引わりびき・北海道中央ほっかいどうちゅうおうバス#運賃うんちん形態けいたいを参照さんしょう）において行おこなわれていないなど、未いまだに他たの障害しょうがい者しゃとの差異さいが残のこっている。なお、国土こくど交通省こうつうしょうが標準ひょうじゅん約款やっかんの運賃うんちん割引わりびき対象たいしょうとして精神せいしん障害しょうがい者しゃを明記めいきしたことから一時いちじは割引わりびきの導入どうにゅうが進すすんだ、高速こうそくバスの運賃うんちん割引わりびきに関かんしては精神せいしん障害しょうがい者しゃに限かぎっての廃止はいしが相次あいついでいる。

なお、JRグループは2024年ねん4月がつより精神せいしん障害しょうがい者しゃ割引わりびきを導入どうにゅうすることを発表はっぴょうした。

なお、公共こうきょう交通こうつう機関きかんにおいては各かく自治体じちたいが独自どくじの助成じょせい制度せいど（一いち例れいとして、山口やまぐち県けん　健康けんこう増進ぞうしん課か の町営ちょうえいバス・福祉ふくしタクシーの助成じょせいや北海道ほっかいどう函館はこだて市しの「函館はこだて市し障害しょうがい者しゃ等とう外出がいしゅつ支援しえん事業じぎょう」など）を行おこなってる事こともあるが、助成じょせい範囲はんいが各かく市町村しちょうそん内ないに限かぎられたり、通院つういん・施設しせつ通所つうしょのための特定とくてい路線ろせんのみとなっているなど、運行うんこう路線ろせん全体ぜんたいをカバー出来できないケースがあるために不十分ふじゅうぶんとなっている事ことが多おおい。

航空こうくう運賃うんちんの割引わりびきについて、かつて航空こうくう会社かいしゃは精神せいしん障害しょうがい者しゃ向むけ割引わりびきを行おこなっていなかったが、日本航空にほんこうくうなどJALグループ各社かくしゃは2018年ねん10月がつ4日にちから精神せいしん障害しょうがい者しゃも対象たいしょうとなり。追おって全日本空輸ぜんにほんくうゆなどのANAグループ各社かくしゃ、及およびAIRDO・ソラシドエア・スターフライヤーなどのコードシェア便びん航空こうくう会社かいしゃでも2019年ねん1月がつから精神せいしん障害しょうがい者しゃも対象たいしょうとされた。さらに2020年ねん1月がつからは調布ちょうふ空港くうこうと伊豆諸島いずしょとうを結むすぶ新しん中央ちゅうおう航空こうくうでも精神せいしん障害しょうがい者しゃ割引わりびきが開始かいしされている。多おおくの航空こうくう会社かいしゃでは精神せいしん障害しょうがい者しゃ手帳てちょう2・3級きゅうであっても同伴どうはん者しゃ1名めいが割引わりびきになることが多おおい。

詳細しょうさいは「精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう#交通こうつう機関きかんの割引わりびき」を参照さんしょう

障害しょうがい者しゃ手帳てちょう取得しゅとく、所持しょじのデメリット

障害しょうがい者しゃ手帳てちょうを取得しゅとくすることにも、所持しょじすることについても基本きほん的てきに大おおきなデメリットはない。 所持しょじ者しゃは手帳てちょうを必かならず開示かいじしなければいけないという義務ぎむはないので、例たとえば就業しゅうぎょうについても「クローズ」というかたちで障害しょうがいを秘匿ひとくすることができる。障害しょうがいを隠かくしている場合ばあい、障害しょうがい者しゃ手帳てちょうの管理かんりのしかたによっては障害しょうがいを持もっていることを露見ろけんさせてしまうリスクは持もつ。

発行はっこうにかかるコストとメリット、デメリット

特とくに期限きげんが設定せっていされている精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうについて、取得しゅとくし維持いじするには相当そうとうな自己じこ負担ふたんが発生はっせいする。まず申請しんせいをする際さいに医師いしの診断しんだん書しょが必要ひつようであり、保険ほけん適応てきおう外がいで税込ぜいこみ5,500円えん程度ていどの自己じこ負担ふたんがあり、それが2年ねんが期限きげんの場合ばあいには2年ねんごとに5,500円えんの負担ふたんになる。また申請しんせい、発行はっこうする際さいに証明しょうめい写真しゃしんの提出ていしゅつを求もとめられるので、2年ねんが期限きげんの場合ばあいには2年ねんごとにそれも負担ふたんになる。また精神せいしん障害しょうがいの診断しんだんについて長期ちょうきの通院つういんが前提ぜんていとなるために通院つういんにかかる費用ひようもかかる。

障害しょうがい者しゃ手帳てちょうを発行はっこうするかどうかは任意にんいである。発行はっこうは無料むりょうではないため、このようなコストに見合みあった意味いみがあるのかどうか天秤てんびんにかけて検討けんとうする必要ひつようがある人ひともいる。

障害しょうがい者しゃ雇用こようのデメリット

障害しょうがい者しゃ求人きゅうじん枠わくでは基本きほん的てきに一般いっぱん求人きゅうじん枠わくよりも低ひくい競争きょうそう率りつで応募おうぼできるが、多おおくは非ひ正規せいき雇用こようであるだけではなく、例たとえば「雇用こよう期間きかん3ヶ月かげつ（更新こうしんあり）」などという形式けいしきで有期ゆうき雇用こよう契約けいやくの形かたちを取とる。障害しょうがい者しゃ法定ほうてい雇用こよう率りつや最低さいてい賃金ちんぎんなどの規制きせいがあるが有期ゆうき契約けいやくには制限せいげんはなく、契約けいやく期間きかん満了まんりょうという理由りゆうで納得なっとくさせて解雇かいこしやすいという多おおくの企業きぎょうの思惑おもわくがあると思おもわれる。このような有期ゆうき雇用こよう契約けいやくは、雇用こようがより不安定ふあんていであるといえる。

障害しょうがい者しゃであるデメリット

障害しょうがい者しゃであるデメリットは様々さまざまある。ただ、それは障害しょうがい者しゃであるという診断しんだんを受うけることによって発生はっせいするデメリットであって、手帳てちょう所持しょじの有無うむには関かかわらない。

例たとえば、視覚しかく障害しょうがいや肢体したい不自由ふじゆうなどの身体しんたい障害しょうがいを理由りゆうに安全あんぜん運転うんてんに必要ひつような能力のうりょくを有ゆうしていないと判断はんだんされた場合ばあいには、自動車じどうしゃ運転うんてん免許めんきょが発行はっこう禁止きんし、停止ていし、失効しっこうされる可能かのう性せいがある。また現在げんざい、精神せいしん障害しょうがいを理由りゆうとする資格しかく制限せいげんや行動こうどう制限せいげんが存在そんざいする。医師いし、看護かんご婦ふ、調理ちょうり師し、美容びよう師し、自動じどう者しゃ運転うんてん等とうの免許めんきょから、風俗ふうぞく営業えいぎょう、薬局やっきょくの許認可きょにんかに至いたるまで、約やく80の資格しかくや職業しょくぎょうを禁止きんしし、さらに警備けいび員いんとしての就業しゅうぎょう、危険きけんなペットの飼育しいく、図書館としょかん等とうの公共こうきょう施設しせつの利用りよう、議会ぎかいの傍聴ぼうちょうなどの様々さまざまな行動こうどうを禁止きんしないし制限せいげんしている。精神せいしん障害しょうがい者しゃであることを開示かいじせず、「クローズ」というかたちで秘匿ひとくしながら警備けいび員いんに就業しゅうぎょうしたような場合ばあいには、免職めんしょくなどの処分しょぶんをされる可能かのう性せいもある。

その他た、障害しょうがいの程度ていどにより生命せいめい保険ほけんの加入かにゅう審査しんさ等とうに影響えいきょうする可能かのう性せいがある。働はたらけていない障害しょうがい者しゃは、働はたらけていないという理由りゆうによりローンの審査しんさに影響えいきょうする可能かのう性せいがある。例たとえ収入しゅうにゅうや貯金ちょきんが十分じゅうぶんであっても、障害しょうがいを理由りゆうに賃貸ちんたい物件ぶっけんへの入居にゅうきょを断ことわられる（この理由りゆうは障害しょうがいに限かぎらず年齢ねんれい、国籍こくせき、職業しょくぎょう等とうさまざま存在そんざいする）こともあり、社会しゃかい的てき課題かだいとされている。

療育りょういく手帳てちょう・精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょうの今後こんご

2012年ねん6月27日にち、障害しょうがい者しゃ自立じりつ支援しえん法ほうに代かわる法律ほうりつとして「障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほう」が公布こうふされた（2013年ねん4月がつ1日にち施行しこう）。この法律ほうりつでは、自民党じみんとうの発案はつあんにより、障害しょうがい者しゃ認定にんてい基準きじゅんが見直みなおされ、障害しょうがいの「重おもさ」でなく、必要ひつようとしている支援しえんの程度ていどにより認定にんていが行おこなわれることとなった。これは、知的ちてき障害しょうがい、精神せいしん障害しょうがいではコンピューターによる一時いちじ判定はんていでは低ひくく判定はんていされるも、専門せんもん家かによる二に次じ判断はんだんで高たかく判断はんだんされる傾向けいこうがあり、こうしたばらつきを是正ぜせいするためとしている。

その他た

• 2008年ねん7月がつに厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、学生がくせいの障害しょうがい者しゃについて、それまで親おやが居住きょじゅうする自治体じちたいが手帳てちょうを交付こうふするとしていたのを、実際じっさいに学生がくせい本人ほんにんが居住きょじゅうする自治体じちたいが交付こうふするよう変更へんこうした。しかし、同省どうしょうの周知しゅうち不足ふそくや、自治体じちたいの認識にんしき不足ふそくにより、制度せいど変更へんこう後ごも、学生がくせいの障害しょうがい者しゃが手帳てちょうの交付こうふを拒否きょひされた事例じれいがある。
• 法令ほうれい上じょうは「障害しょうがい者しゃ手帳てちょう」となっているものの、一部いちぶの組織そしきでは『障さわがい者しゃ手帳てちょう』と『害がい』の漢字かんじを平仮名ひらがなの『がい』と交まぜ書がきで記述きじゅつしている場合ばあいがある。

関連かんれん項目こうもく

• 障害しょうがい者しゃ総合そうごう支援しえん法ほう
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょう
• 療育りょういく手帳てちょう
• 精神せいしん障害しょうがい者しゃ保健ほけん福祉ふくし手帳てちょう
• 障害しょうがい者しゃ雇用こよう水増みずまし問題もんだい
• ミライロID

外部がいぶリンク

• 障害しょうがい者しゃ手帳てちょうで行いこう！全国ぜんこく版ばん -　一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんシシン 2019年ねん4月がつ13日にち閲覧えつらん