各種かくしゅ学校がっこう

各種かくしゅ学校がっこう（かくしゅがっこう）とは、日本にっぽんにおいて学校がっこう教育きょういく法ほう第だい134条じょうに基もとづき^[1]、学校がっこう教育きょういく法ほう第だい1条じょうに規定きていされる学校がっこう（一条いちじょう校こう）以外いがいで、学校がっこう教育きょういくに類るいする教育きょういくを行おこなうもののうち、所定しょていの要件ようけんを満みたす教育きょういく施設しせつである。

各種かくしゅ学校がっこうの設立せつりつは、市町村しちょうそんの設置せっちする各種かくしゅ学校がっこうは都道府県とどうふけんの教育きょういく委員いいん会かいが認可にんかし、私立しりつのものは都道府県とどうふけん知事ちじが認可にんかする。都道府県とどうふけんの設置せっちする場合ばあいは、認可にんかを要ようしない。これは、設置せっち者しゃと認可にんかがともに都道府県とどうふけんとするのは意味いみがないからである。国くにの設立せつりつする場合ばあいも認可にんかは不要ふようである。各種かくしゅ学校がっこうに無認可むにんか校こうは含ふくまれない。2007年ねん（平成へいせい19年ねん）改正かいせい前まえの学校がっこう教育きょういく法ほうでは第だい83条じょうに規定きていされていたため「83条じょう校こう（はちじゅうさんじょうこう）」と呼よばれることもあった。

概要がいよう

各種かくしゅ学校がっこうの由来ゆらいは、1879年ねん（明治めいじ12年ねん）の教育きょういく令れい「学校がっこうは小学校しょうがっこう・中学校ちゅうがっこう・大だい学校がっこう・師範しはん学校がっこう・専門せんもん学校がっこう、その他た各種かくしゅの学校がっこうとする」に始はじまるとされる^[2]。和洋わよう裁さい・簿記ぼき・珠算しゅざん（珠算しゅざん学校がっこう一覧いちらん参照さんしょう）・自動車じどうしゃ整備せいび・調理ちょうり・栄養えいよう・看護かんご師し・保健ほけん師し・理り美容びよう・タイプ・英会話えいかいわ・工業こうぎょうなど、各種かくしゅの教育きょういく施設しせつを含ふくむ^[2]。インターナショナルスクールや民族みんぞく学校がっこうなどの外国がいこく人じん学校がっこうの多おおくは各種かくしゅ学校がっこうである。

各種かくしゅ学校がっこうは、授業じゅぎょう時数じすうや教員きょういん数すう、施設しせつ・設備せつびなどの一定いってい基準きじゅん（各種かくしゅ学校がっこう規程きてい等とう）を満みたした場合ばあいに、都道府県とどうふけん知事ちじの認可にんかを受うけて設置せっちされる^[2]。したがって、審査しんさ基準きじゅんは各かく都道府県とどうふけんが独自どくじに制定せいていするものである^[3]。専修せんしゅう学校がっこう（専門せんもん学校がっこう、高等こうとう専修せんしゅう学校がっこう）と混同こんどうされることもあるが、両者りょうしゃは学校がっこう教育きょういく法ほうにおいて明確めいかくに区別くべつされている。

各種かくしゅ学校がっこうであるための条件じょうけんは学校がっこう教育きょういく法ほう第だい134条じょう第だい1項こうに「第だい一いち条じょうに掲かかげるもの以外いがいのもので、学校がっこう教育きょういくに類るいする教育きょういくを行おこなうもの（当該とうがい教育きょういくを行おこなうにつき他たの法律ほうりつに特別とくべつの規定きていがあるもの及および第だい百ひゃく二に十じゅう四よん条じょうに規定きていする専修せんしゅう学校がっこうの教育きょういくを行おこなうものを除のぞく。）」と規定きていされており、具体ぐたい的てきには次つぎの通とおりである。

学校がっこう教育きょういく法ほうの第だい1条じょうに掲かかげるもの（一条いちじょう校こう）でなく、学校がっこう教育きょういくに類るいする教育きょういくを行おこなうものであること。
学校がっこう教育きょういく法ほうに規定きていする専修せんしゅう学校がっこう^[4]の教育きょういくを行おこなうものでないこと。
当該とうがい教育きょういくを行おこなうにつき、他たの法律ほうりつにより各種かくしゅ学校がっこうとなることを制限せいげんされるものでないこと。
- 例たとえば、職業しょくぎょう能力のうりょく開発かいはつ促進そくしん法ほうに基もとづく職業しょくぎょう訓練くんれんを行おこなう施設しせつ（職業しょくぎょう能力のうりょく開発かいはつ校こう等ひとし）は、同どう法ほう第だい3条じょうの2第だい2項こうに「職業しょくぎょう訓練くんれんは、学校がっこう教育きょういく法ほうによる学校がっこう教育きょういくとの重複じゅうふくを避さけ」と定さだめられているため、各種かくしゅ学校がっこうや専修せんしゅう学校がっこうとして設置せっちすることはできない。

一条いちじょう校こうに比くらべてカリキュラムの自由じゆうが利きくため、自由学園じゆうがくえん最高さいこう学部がくぶや日本にっぽん聖書せいしょ神学校しんがっこう、聖せい公会こうかい神学しんがく院いん、日本にっぽんルーテル神学校しんがっこう、聖せい契ちぎり神学校しんがっこう、中央ちゅうおう聖書せいしょ神学校しんがっこうなど、大学だいがくの学部がくぶや大学院だいがくいん並なみの教育きょういくを行おこなっていてもあえて各種かくしゅ学校がっこうとする教育きょういく機関きかんもある。

学校がっこう教育きょういく法ほう施行しこう時じには専修せんしゅう学校がっこうの定さだめがなく、正系せいけいの学校がっこう（一条いちじょう校こう）以外いがいはすべて各種かくしゅ学校がっこうであったが、1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）の法ほう改正かいせいによって専修せんしゅう学校がっこうの制度せいどが新あらたに規定きていされ^[5]、規定きていの規模きぼを有ゆうした各種かくしゅ学校がっこうの大半たいはんが1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）に専修せんしゅう学校がっこうへ移行いこうした。専修せんしゅう学校がっこうとの合同ごうどうの連合れんごう会かいとして、全国ぜんこく専修せんしゅう学校がっこう各種かくしゅ学校がっこう総そう連合れんごう（全ぜん専せん各かく連れん）が組織そしきされている^[5]。現在げんざいの学校がっこう教育きょういく法ほうでは、専修せんしゅう学校がっこうは「第だい十じゅう一いち章しょう　専修せんしゅう学校がっこう（第だい百ひゃく二に十じゅう四よん条じょう―第だい百ひゃく三さん十じゅう三さん条じょう）」と、一条いちじょう校こうと同様どうように独自どくじの章しょうに規定きていされているが、各種かくしゅ学校がっこうは「第だい十じゅう二に章しょう　雑則ざっそく（第だい百ひゃく三さん十じゅう四よん条じょう―第だい百ひゃく四よん十じゅう二に条じょう）」の中なかの第だい134条じょうに規定きていされているだけである。

専修せんしゅう学校がっこうと各種かくしゅ学校がっこうの違ちがい

学校がっこう教育きょういく法ほうに基もとづき制定せいていされた専修せんしゅう学校がっこう設置せっち基準きじゅん（昭和しょうわ51年ねん文部省もんぶしょう令れい第だい2号ごう）及および各種かくしゅ学校がっこう規程きてい（昭和しょうわ31年ねん文部省もんぶしょう令れい第だい31号ごう）の規定きていにより作成さくせい。

	専修せんしゅう学校がっこう	各種かくしゅ学校がっこう
修業しゅうぎょう期間きかん（修業しゅうぎょう年限ねんげん）	1年ねん以上いじょう	原則げんそく1年ねん以上いじょう（簡易かんいに修得しゅうとくすることができる技術ぎじゅつ、技芸ぎげい等ひとしの課程かていについては3ヶ月かげつ以上いじょう1年ねん未満みまん）
年間ねんかん授業じゅぎょう時間じかん数すう	昼間ひるま学科がっか : 800時間じかん以上いじょう夜間やかん学科がっか : 450時間じかん以上いじょう	680時間じかん以上いじょう
生徒せいと数すう	40人にん以上いじょう	教員きょういん数すう等とうを考慮こうりょして定さだめる。
教員きょういん数すう	3人にん以上いじょう（うち半分はんぶんは専任せんにんであり、定員ていいん等とうによって定さだめる）	3人にん以上いじょう（課程かていや生徒せいと数すうに応おうじて必要ひつような教員きょういん数すうを配置はいちする）
入学にゅうがく資格しかく	高等こうとう課程かてい（高等こうとう専修せんしゅう学校がっこう） : 前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういく修了しゅうりょう以上いじょう専門せんもん課程かてい（専門せんもん学校がっこう） : 後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく修了しゅうりょう以上いじょう一般いっぱん課程かてい : 独自どくじに設定せっていできる。	課程かていに応おうじて独自どくじに設定せっていできる。（学科がっかによって前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういく修了しゅうりょう以上いじょうや後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく修了しゅうりょう以上いじょう、高等こうとう教育きょういく修了しゅうりょう以上いじょうにする学校がっこうもある）
教員きょういん資格しかく	課程かてい別べつの基準きじゅんに従したがって規定きていされる。	独自どくじに設定せっていできる。

消費しょうひ税ぜいの扱あつかい

消費しょうひ税ぜいについて、一条いちじょう校こう及および専修せんしゅう学校がっこうは、授業じゅぎょう料りょうや入学にゅうがく金きんの消費しょうひ税ぜいは非課税ひかぜいである（消費しょうひ税法ぜいほう別表べっぴょう第だい2第だい11号ごうイ、ロ）。各種かくしゅ学校がっこうについても消費しょうひ税法ぜいほう別表べっぴょう第だい2第だい11号ごうハで非課税ひかぜいとされているが、各種かくしゅ学校がっこうの場合ばあいは、すべてではなく、「修業しゅうぎょう期間きかんが一いち年ねん以上いじょうであることその他た政令せいれいで定さだめる要件ようけんに該当がいとうするものに限かぎる。」とされており、消費しょうひ税法ぜいほう施行しこう令れい第だい15条じょう及および消費しょうひ税法ぜいほう施行しこう規則きそく第だい４条じょうにより成績せいせき評価ひょうかがされることなどが要件ようけんとなっている。

種類しゅるいと校こう名めい

予備校よびこう・進学しんがく塾じゅく・学習がくしゅう塾じゅく等とう: 校こう名めいの例れいとして、○○予備よび学校がっこう○○校こう、○○予備校よびこう、○○塾じゅく○○校こう、○○ゼミナール、○○セミナーなどがある。
服飾ふくしょく・料理りょうり関係かんけい: 校こう名めいの例れいとして、○○ファッションスクール、○○服装ふくそう学院がくいん、○○洋裁ようさい学院がくいん、○○裁縫さいほう女学校じょがっこう、○○編物あみもの学院がくいん、○○服飾ふくしょくアカデミー、○○料理りょうり学院がくいんなどがある。終戦しゅうせん直後ちょくごには○○高等こうとう家政学かせいがく校こうといった校こう名めいもあった。
看護かんご・助産じょさん系けい: 校こう名めいの例れいとして、○○看護かんご学校がっこう、○○看護かんご学院がくいん、○○助産じょさん学校がっこうなどがある。
事務じむ関係かんけい: 校こう名めいの例れいとして、○○経理けいり学校がっこう、○○珠算しゅざん学校がっこう、○○珠算しゅざん学院がくいん、○○タイピスト養成ようせい所しょ、○○簿記ぼき学校がっこうなどがある。かつては○○高等こうとう商業しょうぎょう学校がっこう、○○高等こうとう実業じつぎょう学校がっこうといった校こう名めいもあった。
語学ごがく関係かんけい: 校こう名めいの例れいとして、○○外語がいご学院がくいん、○○日本語にほんご学院がくいんなどがある。
外国がいこく人じん学校がっこう: 校こう名めいの例れいとして、○○インターナショナルスクールなどがある。民族みんぞく学校がっこうでは母国ぼこく名めいを冠かんすることが多おおい（中華ちゅうか学校がっこう、朝鮮ちょうせん学校がっこう、韓国かんこく学校がっこう）。
自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょ: 校こう名めいの例れいとして、○○自動車じどうしゃ学校がっこう、○○自動車じどうしゃ教習所きょうしゅうじょ、○○ドライビングスクール、などがある。
宗教しゅうきょう関係かんけい: 校こう名めいの例れいとして、○○神学校しんがっこう、○○神学しんがく院いんなどがある。
サポート校こう: 校こう名めいの例れいとして、○○高等こうとう学院がくいんがある。