山岸やまぎし章あきら

山岸やまぎし 章あきら（やまぎし あきら、1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）7月がつ18日にち - 2016年ねん（平成へいせい28年ねん）4月がつ10日とおか）は、日本にっぽんの労働ろうどう運動うんどう家いえ。従したがえ三さん位い。勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう受章じゅしょう。

日本にっぽん労働ろうどう組合くみあい総そう連合れんごう会かい初代しょだい会長かいちょう、国際こくさい郵便ゆうびん電信でんしん電話でんわ労働ろうどう組合くみあい連盟れんめい（PTTI）会長かいちょう、情報じょうほう通信つうしん産業さんぎょう労働ろうどう組合くみあい連合れんごう会かい委員いいん長ちょう、全国ぜんこく電気でんき通信つうしん労働ろうどう組合くみあい（全電通ぜんでんつう）委員いいん長ちょうを歴任れきにんした。

生おい立たち

大阪おおさか市し出身しゅっしん。行商ぎょうしょう人ひとの子ことして生うまれる。父親ちちおやは仕事しごとが長続ながつづきせず職しょくを転々てんてんとしていたため、幼少ようしょう期きは貧まずしい生活せいかつを送おくった。旧制きゅうせい豊岡とよおか中学ちゅうがくの生徒せいとだった1944年ねん、海軍かいぐん甲種こうしゅ予よ科か練習れんしゅう生せいに志願しがんし、海軍かいぐん航空こうくう隊たいに配属はいぞくされた。1945年ねんの敗戦はいせん後ご、父ちちが疎開そかいしていた富山とやま県けんに引ひき揚あげ、父ちちの実家じっかで農作業のうさぎょうを手伝てつだったり、浮遊ふゆう機雷きらいの除去じょきょに従事じゅうじしたりした。

1946年ねん、金沢かなざわ逓信ていしん講習こうしゅう所しょ業務ぎょうむ科かに入学にゅうがくし、1948年ねんに卒業そつぎょうすると、富山とやま県けんの郵便ゆうびん局きょくに勤務きんむした。

労働ろうどう運動うんどうに入はいる

1949年ねんから労働ろうどう運動うんどうに参加さんかするようになり、全ぜん逓信ていしん従業じゅうぎょう員いん組合くみあい（全逓ぜんてい）の民主みんしゅ化か同盟どうめい（民みん同どう）派はの活動かつどう家かとして、日本にっぽん共産党きょうさんとう系けいの組合くみあい員いんと激はげしく対立たいりつした。同年どうねん、逓信ていしん省しょうが郵政省ゆうせいしょうと電気でんき通信つうしん省しょうに分わかれると、全逓ぜんていも全逓信労働組合ぜんていしんろうどうくみあい（全逓ぜんてい）と全国ぜんこく電気でんき通信つうしん労働ろうどう組合くみあい（全電通ぜんでんつう）に分わかれることとなった。山岸やまぎしは全電通ぜんでんつうに所属しょぞくし、1950年ねんに全電通ぜんでんつう富山とやま県けん支部しぶ書記しょき長ちょうとなった。

1951年ねん、大阪おおさか中央ちゅうおう電報でんぽう局きょく（現げん：NTTテレパーク堂島どうじま第だい三さんビル）に転勤てんきんになったのを期きに、活動かつどうの場所ばしょを大阪おおさかに移うつし、1953年ねんには全電通ぜんでんつう大阪おおさか電信でんしん支部しぶ書記しょき長ちょう、翌年よくねんには全電通ぜんでんつう近畿きんき地方ちほう本部ほんぶ執行しっこう委員いいん、さらに翌年よくねんには全電通ぜんでんつう中央ちゅうおう本部ほんぶ執行しっこう委員いいんと、全電通ぜんでんつう内部ないぶで順調じゅんちょうに昇進しょうしんしていった。

しかし1957年ねん、大阪おおさか中央ちゅうおう電報でんぽう局きょくで機械きかい化かに伴ともなう人員じんいん整理せいりが問題もんだい化かしたため大阪おおさかに戻もどり、全電通ぜんでんつう大阪おおさか電信でんしん支部しぶ書記しょき長ちょう（翌年よくねんに委員いいん長ちょう）として事態じたいの解決かいけつにあたった。以後いご、大阪おおさかで全電通ぜんでんつうの指導しどう者しゃとして日本電信電話にほんでんしんでんわ公社こうしゃ（電電でんでん公社こうしゃ）の合理ごうり化か問題もんだいに取とり組くみ、機械きかい化かで不要ふようになった電話でんわ交換こうかん手しゅを解雇かいこではなく配置はいち転換てんかんとするよう、電電でんでん公社こうしゃ側がわと粘ねばり強づよく交渉こうしょうを続つづけた。

1967年ねんに全電通ぜんでんつう中央ちゅうおう本部ほんぶに復帰ふっきし、1982年ねんには全電通ぜんでんつう委員いいん長ちょうに選出せんしゅつされた。

「スト権けんスト#スト権けんストの計画けいかく策定さくてい」も参照さんしょう

労働ろうどう戦線せんせん統一とういつ

1970年ねん、全逓ぜんてい委員いいん長ちょうの宝たから樹いつき文彦ふみひこが労働ろうどう戦線せんせん統一とういつを提唱ていしょうする。1972年ねんの総そう選挙せんきょでの共産党きょうさんとうの躍進やくしんと民社党みんしゃとうの後退こうたいがこの提唱ていしょうを無力むりょく化かしたため、この呼よびかけはうまくいかなかった。だが山岸やまぎしもまた、労働ろうどう戦線せんせんが総評そうひょう・社会党しゃかいとうブロックと同盟どうめい・民社党みんしゃとうブロックに分わかれて対立たいりつすることが続つづけば、労働ろうどう組合くみあいの発言はつげん力りょくは弱よわいまま、自由民主党じゆうみんしゅとう（自民党じみんとう）に取とって代かわることのできる野党やとうがいつまでも育そだたない、と考かんがえて労働ろうどう戦線せんせん統一とういつのために動うごいた。

労働ろうどう戦線せんせん統一とういつのためには、西側にしがわ世界せかいでの世界せかい的てきな労働ろうどう組合くみあいの連合体れんごうたいである国際自由労連こくさいじゆうろうれん (ICFTU) に加盟かめいしておく必要ひつようがあると考かんがえた山岸やまぎしは、1978年ねんに全電通ぜんでんつうを国際自由労連こくさいじゆうろうれんに加盟かめいさせた。さらに全電通ぜんでんつうのPTTI加盟かめいも実現じつげんし、1985年ねんにはその会長かいちょうに就任しゅうにんしている。こうして全電通ぜんでんつうと国際こくさい的てきな労働ろうどう団体だんたいとの関係かんけいを深ふかめ、全電通ぜんでんつうの発言はつげん力りょくを強化きょうかする一方いっぽう、1978年ねんには労働ろうどう社会しゃかい問題もんだい研究けんきゅうセンターを立たち上あげ、森田もりた実みのるを編集へんしゅう長ちょうとする『社会しゃかい労働ろうどう評論ひょうろん』を11年間ねんかんにわたって発行はっこうし、国内こくないで労働ろうどう戦線せんせん統一とういつの機運きうんを高たかめるよう尽力じんりょくした。

1985年ねんの電電でんでん公社こうしゃ民営みんえい化かに際さいしては、全電通ぜんでんつうの組織そしきを温存おんぞんするため「民営みんえい化か賛成さんせい・分割ぶんかつ反対はんたい」の姿勢しせいで政府せいふに臨のぞみ、NTTの分割ぶんかつを阻止そしした。一方いっぽう、国鉄こくてつ労働ろうどう組合くみあいは最後さいごまで「分割ぶんかつ民営みんえい化か両方りょうほう反対はんたい」の強硬きょうこう路線ろせんを貫つらぬいたため、強硬きょうこう路線ろせんに付ついていけない組合くみあい員いんの離反りはんを招まねき、事実じじつ上じょう崩壊ほうかいした。

1987年ねんに民間みんかん労組ろうそが先行せんこうして全日本ぜんにほん民間みんかん労働ろうどう組合くみあい連合れんごう会かいを結成けっせいすると、その副ふく会長かいちょう・会長かいちょう代理だいりに選出せんしゅつされ、1989年ねんに国くに公こう関連かんれん労働ろうどう組合くみあい連合れんごう会かい（官公労かんこうろう）も含ふくんだ日本にっぽん労働ろうどう組合くみあい総そう連合れんごう会かい（連合れんごう）が結成けっせいされると、その初代しょだい会長かいちょうに選出せんしゅつされた。

政界せいかい再編さいへん

組合くみあい員いん800万まん人にんの巨大きょだい組織そしきの指導しどう者しゃとなった山岸やまぎしはその組織そしき力りょくを背景はいけいに、政権せいけん交代こうたいのある政治せいじ制度せいどを構築こうちくするための政治せいじ改革かいかくに乗のり出だした。1989年ねんの参議院さんぎいん選挙せんきょでは、日本にっぽん社会党しゃかいとう・公明党こうめいとう・民社党みんしゃとうの三さん党とう協力きょうりょくのための受うけ皿ざらとして、連合れんごうの会かいを結成けっせいして参院さんいん選せんに候補こうほを擁立ようりつ、この中なかから11名めいを当選とうせんさせて国会こっかいに送おくり込こみ（参議院さんぎいん会派かいはは「連合れんごう参議院さんぎいん」）、社しゃ公民こうみん連合れんごうを推おし進すすめた。しかしPKO協力きょうりょく法ほうの審議しんぎで社会党しゃかいとうが強硬きょうこう路線ろせんをとったため、公明党こうめいとうは連合れんごうの会かいの支援しえんから手てを引ひき、1992年ねんの参議院さんぎいん選挙せんきょでは一転いってんして連合れんごうの会かい公認こうにん候補こうほが全員ぜんいん落選らくせんし、連合れんごう主導しゅどうで東京とうきょう都と選挙せんきょ区くで擁立ようりつした無所属むしょぞくの森田もりた健作けんさく1人ひとりの当選とうせんにとどまる惨敗ざんぱいを喫きっした（その森田もりたも民社党みんしゃとう会派かいはを経へて1994年ねんに自民党じみんとうへ移うつっている）。

1991年ねん東京とうきょう都知事とちじ選挙せんきょでは、自民党じみんとうが推おす磯村いそむら尚徳なおのりに社しゃ公民こうみん三さん党とうが相乗あいのりすることで、社しゃ公民こうみんの関係かんけいを強化きょうかしようと考かんがえた。しかし社会党しゃかいとうの土井どいたか子こ委員いいん長ちょうは「（磯村いそむら擁立ようりつを進すすめたのが自民党じみんとうの小沢おざわ一郎いちろうなので）反はん小沢おざわ」を理由りゆうに自民じみんとの相乗あいのりを拒こばみ独自どくじに大原おおはら光憲みつのりを擁立ようりつしたため、磯村いそむらは現職げんしょくの鈴木すずき俊一しゅんいちの再選さいせんを阻止そしできず、この目論見もくろみも失敗しっぱいした（さらに社会党しゃかいとうが擁立ようりつした大原おおはらは、日本にっぽん共産党きょうさんとうが擁立ようりつした畑田はただ重夫しげおにも敗やぶれて4位いに沈しずみ、供託きょうたく金きん没収ぼっしゅうとなる惨敗ざんぱいであった）。

1992年ねん、自民党じみんとう竹下たけした派はが分裂ぶんれつすると、小沢おざわ一郎いちろうと羽田はた孜つとむが山岸やまぎしに接近せっきんし、野党やとう結集けっしゅうによる政権せいけん交代こうたいのための協力きょうりょくを要請ようせいした。山岸やまぎしの仲介ちゅうかいで、社しゃ公民こうみん三さん党とうや社会しゃかい民主みんしゅ連合れんごう（社民連しゃみんれん）は小沢おざわ・羽田はたとともに非ひ自民じみん・反はん共産きょうさん政権せいけん（山岸やまぎしは自民党じみんとう以上いじょうに共産党きょうさんとうを嫌きらっていて、あえてこの表現ひょうげんをしていた）を樹立じゅりつすることに合意ごういし、新しん政権せいけんの政策せいさくも練ねり上あげられた。また、連立れんりつ政権せいけんの障害しょうがいとなり得える強固きょうこな護憲ごけん派は社会党しゃかいとう議員ぎいんについては選挙せんきょ協力きょうりょくをしないなど「選別せんべつ」を行おこない、露骨ろこつに圧力あつりょくを掛かけた。標的ひょうてきにされた代表だいひょう的てきな議員ぎいんとしては上田うえだ哲あきらがいる。

1993年ねんの総そう選挙せんきょでは、自民党じみんとうも野党やとう連合れんごうも過半数かはんすうを制せいすることはできず、新党しんとうで勢力せいりょくを伸のばした日本新党にほんしんとうと新党しんとうさきがけがキャスティング・ボートを握にぎった。両りょう党とうは小しょう選挙せんきょ区く比例ひれい代表だいひょう並立へいりつ制せいの導入どうにゅうを協力きょうりょくの条件じょうけんとした。山岸やまぎしは小しょう選挙せんきょ区く比例ひれい代表だいひょう並立へいりつ制せいの導入どうにゅうは社会党しゃかいとうを崩壊ほうかいに導みちびくと危惧きぐしたが、与党よとう間あいだの候補者こうほしゃ調整ちょうせいが「解毒げどく剤ざい」の役割やくわりを果はたすと判断はんだんし、日本新党にほんしんとう・新党しんとうさきがけとの連立れんりつを社会党しゃかいとうに呼よびかけた。こうして日本新党にほんしんとう代表だいひょうの細川ほそかわ護まもる熙を首班しゅはんとする細川ほそかわ内閣ないかくが成立せいりつした。

だが1994年ねん、細川ほそかわ首相しゅしょうは突如とつじょ辞任じにんし、新生党しんせいとう代表だいひょうで細川ほそかわ内閣ないかくの副ふく総理そうり・外務がいむ大臣だいじんであった羽田はた孜つとむを後継こうけい首班しゅはんとする羽田はた内閣ないかくが成立せいりつした。山岸やまぎしは社会党しゃかいとうを追おい詰つめないよう羽田はた首相しゅしょうに進言しんげんしたが、社会党しゃかいとう以外いがいの連立れんりつ与党よとうが新しん会派かいは「改新かいしん」を結成けっせいし、露骨ろこつに社会党しゃかいとう外はずしの姿勢しせいを見みせたため、日本にっぽん社会党しゃかいとうは連立れんりつを離脱りだつした。山岸やまぎしは羽田はた首相しゅしょうに対たいしては首相しゅしょう以外いがいの大臣だいじん総そう入いれ替かえ、社会党しゃかいとうに対たいしては連立れんりつ復帰ふっきを促うながした。しかし山岸やまぎしの外遊がいゆう中ちゅうに、日本にっぽん社会党しゃかいとうの村山むらやま富市とみいち、野坂のさか浩賢こうけんなど村山むらやまグループは自民党じみんとうに働はたらきかけ、自社じしゃさ連立れんりつ政権せいけんにより村山むらやまを首班しゅはんとする村山むらやま内閣ないかくを成立せいりつさせた。背景はいけいには連合れんごう内部ないぶにおける民社党みんしゃとう系けいと社会党しゃかいとう系けいの労働ろうどう組合くみあいによる派閥はばつ対立たいりつがあったとされる。

「不倶戴天ふぐたいてん」の敵てきだった自民党じみんとうと社会党しゃかいとうが連立れんりつ内ない閣かくを構成こうせいすることに山岸やまぎしは最初さいしょから反対はんたいだったため、連合れんごうは村山むらやま内閣ないかくに対たいして是々非々ぜぜひひの対応たいおうを決定けっていし、全面ぜんめん的てきな支援しえんは行おこなわなかった。後のちに自民党じみんとう議員ぎいんからテレビ番組ばんぐみの収録しゅうろく中ちゅうに、自社じしゃ連立れんりつの話はなしは社会党しゃかいとうからもたらされたことを聞きかされ、山岸やまぎしは番組ばんぐみ中ちゅうで烈火れっかの如ごとく怒おこっている。また山岸やまぎしは後のちに、細川ほそかわ政権せいけんについては「小沢おざわ一郎いちろうに毒どく饅頭まんじゅうを食くわされた。」と小沢おざわを批判ひはんするコメントをしている。

一方いっぽう、改憲かいけん容認ようにん・反共はんきょう主義しゅぎを採とったことや、連合れんごうの成立せいりつにより「労働ろうどう運動うんどうが自民党じみんとうに丸まるめ込こまれた」などの考かんがえから、左派さはを中心ちゅうしんに山岸やまぎしへの批判ひはんは少すくなくない。かつて日本にっぽん社会党しゃかいとう員いんでもあった山岸やまぎしは、細川ほそかわ政権せいけん下かで開ひらかれた社会党しゃかいとう大会たいかいに出席しゅっせきしようとしたところ、不満ふまんを持もった党員とういんから背広せびろを引ひきちぎられるほどの妨害ぼうがいを受うけたという。

晩年ばんねん

山岸やまぎしは1994年ねんに連合れんごう会長かいちょうを辞任じにんした。しかし表おもて舞台ぶたいを退しりぞいた後のちも労働ろうどう界かいの実力じつりょく者しゃであったため、与野党よやとうの有力ゆうりょく政治せいじ家かが接触せっしょくを求もとめたという。また民主党みんしゅとう結党けっとうに影響えいきょう力りょくを行使こうしするなどしたが、山岸やまぎしは「連合れんごうは民主党みんしゅとうと運命うんめい共同きょうどう体たいになってはいけない。他たの野党やとうだって政策せいさくで一致いっちする政党せいとうがあれば協力きょうりょくしてもいい」と語かたっていた。

また、連合れんごう会長かいちょう就任しゅうにん直後ちょくごに胃いがんであることが判明はんめいし手術しゅじゅつを受うけていた。

2016年ねん4月がつ10日とおか、老衰ろうすいのため、死去しきょした。86歳さい没ぼつ。死没しぼつ日付ひづけをもって従したがえ三さん位いに叙じょされた。

江田えだ父子ふしとの交流こうりゅう

山岸やまぎしは1954年ねんに左派さは社会党しゃかいとうに入党にゅうとうし、1960年代ねんだいからは社会党しゃかいとう江田えだ三郎さぶろう派はの活動かつどう家かとして活躍かつやくし、大阪おおさかを江田えだ派はの拠点きょてんとするために尽力じんりょくしている。1977年ねん、江田えだ三郎さぶろうが社会党しゃかいとうを離党りとうしたとき、山岸やまぎしは江田えだの離党りとうに反対はんたいで、江田えだと一時いちじ連絡れんらくを取とらなかった。しかしその直後ちょくごに江田えだ三郎さぶろうが急死きゅうししたため晩年ばんねんに相談そうだんに乗のれなかったことを悔くい、山岸やまぎしは贖罪しょくざいのため江田えだ三郎さぶろうの息子むすこの江田えだ五月さつきや、江田えだ五ご月がつが党首とうしゅを務つとめる社会しゃかい民主みんしゅ連合れんごう（社民連しゃみんれん）の国会こっかい議員ぎいんの選挙せんきょの面倒めんどうを見みた。

1993年ねんに細川ほそかわ内閣ないかくが発足ほっそくしたとき、連立れんりつ与党よとうの党首とうしゅは全員ぜんいん入閣にゅうかくすることが決きまったが、社民連しゃみんれんは議席ぎせき数すうが少すくなかったため江田えだ五ご月がつの入閣にゅうかくは見送みおくられていた。山岸やまぎしは連立れんりつ与党よとうの実力じつりょく者しゃであった小沢おざわ一郎いちろうに掛かけ合あって、江田えだ五ご月がつを科学技術庁かがくぎじゅつちょう長官ちょうかんとして入閣にゅうかくさせてもらうことに成功せいこうしたが、江田えだ五ご月がつはそのポストを「つまらない」と不満ふまんを示しめしたため、山岸やまぎしは江田えだ五ご月がつの慢心まんしんを厳きびしくいさめたと言いう。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『我わがかく闘たたかえり』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1995年ねん。ISBN 402256850X
• 『「連立れんりつ」仕掛しかけ人じん』講談社こうだんしゃ、1995年ねん。 ISBN 4062074303
• 『「連立れんりつ政権せいけん時代じだい」を斬きる』読売新聞社よみうりしんぶんしゃ、1995年ねん ISBN 4643951109
• 『山岸やまぎし章あきらオーラルヒストリー』（政策せいさく研究けんきゅう大学院だいがくいん大学だいがくC.O.E.オーラル・政策せいさく研究けんきゅうプロジェクト, 2005年ねん）

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽん労働ろうどう組合くみあい総そう連合れんごう会かい（連合れんごう）
• 全国ぜんこく電気でんき通信つうしん労働ろうどう組合くみあい（全電通ぜんでんつう）
• 情報じょうほう産業さんぎょう労働ろうどう組合くみあい連合れんごう会かい（情報じょうほう労連ろうれん）
• スト権けんスト / 三さん公社こうしゃ五ご現業げんぎょう / 国鉄こくてつ労働ろうどう組合くみあい（国労こくろう）

その他たの役職やくしょく
先代せんだい （創設そうせつ）	日本にっぽん労働ろうどう組合くみあい総そう連合れんごう会長かいちょう 初代しょだい：1989 - 1995	次代じだい 芦田あしだ甚之助じんのすけ