川村かわむら禎三ていぞう

かわむら ていぞう 川村かわむら 禎三ていぞう
生誕せいたん	(1922-07-14) 1922年ねん7月がつ14日にち 岩手いわて県けん矢巾やはば町まち
死没しぼつ	(2003-01-16) 2003年ねん1月がつ16日にち（80歳さい没ぼつ）
死因しいん	肺炎はいえん
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう高等こうとう師範しはん学校がっこう
職業しょくぎょう	柔道じゅうどう家か、教員きょういん
著名ちょめいな実績じっせき	昭和しょうわ天覧てんらん試合しあい出場しゅつじょう 全日本ぜんにほん東西とうざい対抗たいこう大会たいかい出場しゅつじょう 柔道じゅうどう国際こくさいルールの制定せいてい
流派りゅうは	講道館こうどうかん（10段だん）
身長しんちょう	180 cm (5 ft 11 in)
体重たいじゅう	95 kg (209 lb)
肩書かたがき	全日本ぜんにほん柔道じゅうどう連盟れんめい評議ひょうぎ員いん 講道館こうどうかん参与さんよ 国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめいスポーツ理事りじ　ほか

川村かわむら 禎三ていぞう（かわむら ていぞう、1922年ねん7月がつ14日にち - 2003年ねん1月がつ16日にち）は、日本にっぽんの柔道じゅうどう家いえ（講道館こうどうかん9段だん）。

経歴けいれき

岩手いわて県けん矢巾やはば町まちに生うまれ、旧制きゅうせい盛岡もりおか中学校ちゅうがっこう（のちの県立けんりつ盛岡もりおか第だい一いち高校こうこう）へ進学しんがく。中学ちゅうがく時代じだいには、旧制きゅうせい仙台せんだい二に高だかが開催かいさいしていた近県きんけんの団体だんたい戦せん柔道じゅうどう大会たいかいで圧倒的あっとうてきな体格たいかくと強つよさを発揮はっきし、旧制きゅうせい盛岡もりおか中学ちゅうがくを優勝ゆうしょうに導みちびいた。また中学ちゅうがく5年ねん次じの1940年ねん6月がつには、岩手いわて県けん予選よせんを勝かち抜ぬき府県ふけん選せん士しとして紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん奉祝ほうしゅく天覧てんらん武道ぶどう大会たいかいにも出場しゅつじょう、予選よせんリーグ戦せんを勝かち抜ぬくには及およばなかったものの、20代だい・30代だいの精鋭せいえいが集つどう中なかにあって弱冠じゃっかん17歳さい（最年少さいねんしょう）での川村かわむらの出場しゅつじょうは快挙かいきょであった。

1941年ねんに東京とうきょう高等こうとう師範しはん学校がっこう体育たいいく科か二に部ぶ（柔道じゅうどう専攻せんこう）に入学にゅうがくし、また同年どうねん5月がつに講道館こうどうかんへ入門にゅうもんして僅わずか2カ月かげつ後ごには4段位だんいを許ゆるされた。 高師たかしでの学生がくせい時代じだいには永岡ながおか秀一ひでかずや橋本はしもと正次まさつぐ郎ろう、大滝おおたき忠夫ただお、松本まつもと芳三よしぞうらの指導しどうのもと、同期どうきの安部あべ一郎いちろう（のち10段だん）らと共ともに厳きびしい稽古けいこに明あけ暮くれた。1944年ねん、5段だんで同校どうこうを卒業そつぎょう。

卒業そつぎょう後ごは東京とうきょう第だい二に師範しはん学校がっこう（のち1949年ねんに東京学芸大学とうきょうがくげいだいがくに改組かいそ）に着任ちゃくにんし、講師こうし、助教授じょきょうじゅ、教授きょうじゅを歴任れきにんする。この間あいだ、得意とくい技わざの跳とべ腰こしや体からだ落を武器ぶきに、1948年ねんの全国ぜんこく十じゅう地区ちく対抗たいこう大会たいかいに東京とうきょう代表だいひょうとして選出せんしゅつされ優勝ゆうしょうを飾かざったほか、6段位だんいにあった1951年ねん9月がつの第だい4回かい全日本ぜんにほん東西とうざい対抗たいこう大会たいかいでは東ひがし軍ぐん選手せんしゅとして七なな将しょうで出場しゅつじょう。 1953年ねんから55年ねんまで英国えいこくに留学りゅうがくし、1953年ねんにベルギーのブリュッセルで開催かいさいされた第だい4回かいヨーロッパ選手権せんしゅけん大会たいかいでは、フランス在住ざいじゅうの粟津あわづ正蔵しょうぞうやオランダ在住ざいじゅうの道上みちがみ伯はくらと共ともに審判しんぱん員いんを務つとめた。この大会たいかいの4段だんの部ぶの決勝けっしょう戦せん、フランスのアンリ・クルティーヌとオランダのアントン・ヘーシンクとの試合しあいでは、クルティーヌの小内こうち刈かりの技わざあり判定はんていに対たいしフランス側がわから抗議こうぎが出でて試合しあいが一時いちじ中断ちゅうだんするなどしたが、川村かわむらの筋すじの通とおった説明せつめいで事態じたいを収拾しゅうしゅうしている。

講道館こうどうかんでの昇段しょうだん歴れき

段位だんい	年月日ねんがっぴ	年齢ねんれい
入門にゅうもん	1941年ねん5月がつ7日にち	18歳さい
3段だん	1941年ねん5月がつ15日にち	18歳さい
4段だん	1941年ねん7月がつ1日にち	18歳さい
5段だん	1943年ねん7月がつ1日にち	20歳さい
6段だん	1949年ねん1月がつ17日にち	26歳さい
7段だん	1957年ねん11月20日にち	35歳さい
8段だん	1971年ねん5月がつ1日にち	48歳さい
9段だん	1992年ねん4月がつ	69歳さい

帰国きこく後ごは東京とうきょう都と三鷹みたか市しの牟礼むれに住居じゅうきょを構かまえて1975年ねんからは筑波大学つくばだいがく教授きょうじゅとなり、1978年ねんから1982年ねんまで大学院だいがくいん修士しゅうし課程かてい長ちょうを務つとめる。1986年ねんに定年ていねん退職たいしょくして筑波大学つくばだいがく名誉めいよ教授きょうじゅを拝命はいめい。同年どうねん4月がつから講道館こうどうかん審議しんぎ部ぶ調査ちょうさ部長ぶちょうとして段位だんい認定にんていに関かんする業務ぎょうむに携たずさわった。その後ごも講道館こうどうかん評議ひょうぎ員いん・同どう審議しんぎ部長ぶちょう・同どう参与さんよのほか、全日本ぜんにほん柔道じゅうどう連盟れんめい理事りじ・同どう評議ひょうぎ員いん、日本にっぽん武道ぶどう学会がっかい会員かいいん・同どう常任じょうにん理事りじ、武道ぶどう評議ひょうぎ会かい委員いいん等とうを歴任れきにんする。 また文部省もんぶしょう主催しゅさいの学校がっこう体育たいいく指導しどう者しゃ実技じつぎ講習こうしゅう会かいの講師こうしとして、1963年ねんから1984年ねんまで20年ねん以上いじょうの永ながきに渡わたり実技じつぎ指導しどうを通つうじた学校がっこう体育たいいくの正ただしい指導しどう法ほうの普及ふきゅうに尽力じんりょくした。

また、柔道じゅうどうの国際こくさい普及ふきゅうに関かんする貢献こうけんも顕著けんちょで、技術ぎじゅつ指導しどうのほか1961年ねんには国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめい初代しょだいスポーツ理事りじに就任しゅうにんし、国際こくさいルールの制定せいてい、スポーツコードの作成さくせい、世界せかい選手権せんしゅけん大会たいかいやオリンピックの運営うんえいといった多岐たきに渡わたる業務ぎょうむを担当たんとうし、1979年ねんに辞任じにんするまでの18年間ねんかん、国際こくさい柔道じゅうどうの整備せいびに尽つくして国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめいの名誉めいよ会員かいいん（永久えいきゅう）に。また、『写真しゃしんで見みる柔道じゅうどう』『柔道じゅうどうトレーニング法ほう』『入門にゅうもん双書そうしょ柔道じゅうどう』ほか柔道じゅうどう関係かんけいの英えい文書ぶんしょを多おおく著あらわした。 これら永年えいねんの功績こうせきから、1992年ねんの講道館こうどうかん創立そうりつ110周年しゅうねん記念きねん式典しきてんにおいて講道館こうどうかんより9段位だんいを受うけ、昇段しょうだんに際さいし「嘉納かのう師範しはん創始そうしの道みちの理想りそうはまだまだ遠とおいが、偉大いだいな日本にっぽん伝来でんらい文化ぶんかである講道館こうどうかん柔道じゅうどうの継承けいしょう、維持いじそして発展はってんのために、更さらなる努力どりょくと最善さいぜんを尽つくしたい」と語かたっていた。また1998年ねん、勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう受章じゅしょう。

趣味しゅみは書道しょどうや尺八しゃくはち、南画なんが、美術びじゅつ、音楽おんがく、バレエ鑑賞かんしょうなど多岐たきに渡わたり、余暇よかを惜おしんでそれらを嗜（たしな）んでいたが、2002年ねん11月に急性きゅうせい肺炎はいえんのため入院にゅういんし翌よく03年ねん1月がつ16日にちに死去しきょした。2003年ねん叙じょ従したがえ四よん位い。

著書ちょしょ

• 『写真しゃしんで見みる柔道じゅうどう』 ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ 1954年ねん
• 『柔道じゅうどうトレーニング法ほう』 ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ 1958年ねん
• 『入門にゅうもん双書そうしょ柔道じゅうどう』 ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ 1960年ねん
• 『柔道じゅうどう技わざの練習れんしゅう法ほう』 ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ 1982年ねん

共著きょうちょ書しょ

• 『柔道じゅうどう大だい事典じてん』（共著きょうちょ者しゃ／嘉納かのう行光ゆきみつ・中村なかむら良三りょうぞう・醍醐だいご敏郎としお・竹内たけうち善徳ぜんとく・佐藤さとう宣せん践）1999年ねん11月　アテネ書房しょぼう　ISBN 4871522059

関連かんれん項目こうもく

• 柔道じゅうどう家か一覧いちらん
• 岩手いわて県けん出身しゅっしんの人物じんぶつ一覧いちらん
• 東京教育大学とうきょうきょういくだいがくの人物じんぶつ一覧いちらん
• 東京学芸大学とうきょうがくげいだいがくの人物じんぶつ一覧いちらん
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