この項目 こうもく では、ノルム線型 せんけい 空間 くうかん 上 じょう の弱 じゃく 位相 いそう について説明 せつめい しています。写像 しゃぞう の族 ぞく による弱 じゃく 位相 いそう については「始 はじめ 位相 いそう 」を、空間 くうかん の被覆 ひふく による弱 じゃく 位相 いそう については「コヒーレント位相 いそう 」をご覧 らん ください。
弱 じゃく 位相 いそう (じゃくいそう、英 えい : weak topology )とは、ノルム空間 くうかん X 上 うえ に定義 ていぎ される位相 いそう の一 ひと つである。体 からだ K 上 うえ のノルム空間 くうかん にはノルムから定 さだ まる位相 いそう (ノルム位相 いそう 。弱 じゃく 位相 いそう と区別 くべつ するため強 つよ 位相 いそう とも呼 よ ばれる)があるが、弱 じゃく 位相 いそう はこれよりも弱 よわ い(強 つよ くない)位相 いそう であり、X 上 うえ のK 値 ね 有界 ゆうかい 線形 せんけい 写像 しゃぞう (すなわちX の共役 きょうやく 空間 くうかん X* の元 もと )が全 すべ て連続 れんぞく になる最 さい 弱 じゃく な位相 いそう である。なお弱 じゃく 位相 いそう は位相 いそう 空間 くうかん 論 ろん における始 はじめ 位相 いそう (英語 えいご 版 ばん ) の特別 とくべつ な場合 ばあい に当 あ たる。
強 つよ 位相 いそう に関 かん するものと区別 くべつ するため、弱 じゃく 位相 いそう に関 かん する連続 れんぞく 性 せい 、収束 しゅうそく 性 せい 、コンパクト性 せい はそれぞれ弱 じゃく 連続 れんぞく 性 せい 、弱 じゃく 収束 しゅうそく 性 せい 、弱 じゃく コンパクト性 せい と呼 よ ばれる。
本 ほん 項 こう では弱 じゃく 位相 いそう の関連 かんれん 概念 がいねん である*弱 じゃく 位相 いそう についても述 の べる。
以下 いか 、K を実数 じっすう 体 たい
R
{\displaystyle \mathbb {R} }
もしくは複素数 ふくそすう 体 たい
C
{\displaystyle \mathbb {C} }
とする。
定義 ていぎ (共役 きょうやく 空間 くうかん 、弱 じゃく 位相 いそう ) ― X をK 上 うえ のノルム空間 くうかん とし
X
∗
=
{
α あるふぁ
:
X
→
K
,
α あるふぁ
{\displaystyle X^{*}=\{\alpha ~:~X\to K,~\alpha }
は有界 ゆうかい 線型 せんけい 写像 しゃぞう
}
{\displaystyle \}}
とする。X* には関数 かんすう としての和 わ と定数 ていすう 倍 ばい によりベクトル空間 くうかん の構造 こうぞう が入 はい る。このベクトル空間 くうかん をX の共役 きょうやく 空間 くうかん という。
またX* に属 ぞく する関数 かんすう が全 すべ て連続 れんぞく になるX の位相 いそう のうち最 さい 弱 じゃく なものをX の弱 じゃく 位相 いそう という。
一方 いっぽう 、X のノルムにより定 さだ まる位相 いそう の事 こと をノルム位相 いそう という。
ノルム空間 くうかん 上 じょう の線型 せんけい 写像 しゃぞう が有界 ゆうかい である必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、その線型 せんけい 写像 しゃぞう がノルム位相 いそう 連続 れんぞく である事 こと である。したがってX* の元 もと はノルム位相 いそう に関 かん して必 かなら ず連続 れんぞく である。
それに対 たい しX* の元 もと を連続 れんぞく にする最 さい 弱 じゃく の位相 いそう であるので、以下 いか が従 したが う:
定理 ていり ―
弱 じゃく 位相 いそう はノルム位相 いそう より弱 よわ い(強 つよ くない)位相 いそう である。
この為 ため 、ノルム位相 いそう の事 こと をX の強 つよ 位相 いそう (英 えい : strong topology )ともいう。
X の係数 けいすう 体 たい K (
=
R
,
C
{\displaystyle =\mathbb {R} ,~\mathbb {C} }
)の位相 いそう はK 上 うえ の絶対 ぜったい 値 ち をノルムと見 み なしたときのノルム位相 いそう と一致 いっち する事 こと から、弱 じゃく 位相 いそう を以下 いか のようにも特徴 とくちょう づけられる:
定理 ていり ―
α あるふぁ ∈ X * に対 たい しX 上 うえ のセミノルム
‖
⋅
‖
α あるふぁ
{\displaystyle \|\cdot \|_{\alpha }}
を
‖
x
‖
α あるふぁ
=
def
|
α あるふぁ
(
x
)
|
{\displaystyle \|x\|_{\alpha }{\overset {\text{def}}{{}={}}}|\alpha (x)|}
により定義 ていぎ すると、X 上 うえ の弱 じゃく 位相 いそう はセミノルムの族 ぞく
(
‖
⋅
‖
α あるふぁ
)
α あるふぁ
∈
X
∗
{\displaystyle (\|\cdot \|_{\alpha })_{\alpha \in X^{*}}}
により誘導 ゆうどう される位相 いそう と一致 いっち する。
よって特 とく に、X に弱 じゃく 位相 いそう を入 い れた空間 くうかん は局所 きょくしょ 凸 とつ である。したがって弱 じゃく 位相 いそう は最 もっと も粗 あら い極 ごく 位相 いそう (弱 じゃく 位相 いそう (極 ごく 位相 いそう ) を参照 さんしょう )でもある。
弱 じゃく 収束 しゅうそく ・強 つよ 収束 しゅうそく [ 編集 へんしゅう ]
弱 じゃく 位相 いそう における点 てん 列 れつ (もしくはより一般 いっぱん に有向 ゆうこう 点 てん 族 ぞく )xn の収束 しゅうそく を弱 じゃく 収束 しゅうそく といい、
x
n
⟶
w
x
{\displaystyle x_{n}{\overset {\text{w}}{{}\longrightarrow {}}}x}
x
n
⟶
x
{\displaystyle x_{n}\longrightarrow x}
(弱 じゃく )
x
n
⇀
x
{\displaystyle x_{n}\rightharpoonup x}
w-lim
n
→
∞
x
n
=
x
{\displaystyle {\underset {n\to \infty }{\text{w-lim}}}x_{n}=x}
等 ひとし と表記 ひょうき する[1] 。
一方 いっぽう ノルム位相 いそう に対 たい する収束 しゅうそく (ノルム収束 しゅうそく )は強 つよ 収束 しゅうそく とも呼 よ ばれ、弱 じゃく 収束 しゅうそく と区別 くべつ するため
x
n
⟶
s
x
{\displaystyle x_{n}{\overset {\text{s}}{{}\longrightarrow {}}}x}
x
n
⟶
x
{\displaystyle x_{n}\longrightarrow x}
(強 つよし )
s-lim
n
→
∞
x
n
=
x
{\displaystyle {\underset {n\to \infty }{\text{s-lim}}}x_{n}=x}
等 ひとし と表記 ひょうき する[1] 。
ヒルベルト空間 くうかん における強 つよ 収束 しゅうそく と弱 じゃく 収束 しゅうそく の関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
ヒルベルト空間 くうかん においては弱 じゃく 収束 しゅうそく する点 てん 列 れつ が強 つよ 収束 しゅうそく するための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん が以下 いか のように与 あた えられる:
定理 ていり ― X をヒルベルト空間 くうかん とする。点 てん 列 れつ xn がx に強 つよ 収束 しゅうそく する必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、xn がx に弱 じゃく 収束 しゅうそく し、しかも
‖
x
n
‖
→
‖
x
‖
{\displaystyle \|x_{n}\|\to \|x\|}
が成立 せいりつ する事 こと である[2] 。
ノルム空間 くうかん X の共役 きょうやく 空間 くうかん X* には、作用素 さようそ ノルム
‖
α あるふぁ
‖
∗
=
sup
x
∈
X
∖
{
0
}
|
α あるふぁ
(
x
)
|
|
x
|
{\displaystyle \|\alpha \|_{*}=\sup _{x\in X\setminus \{0\}}{|\alpha (x)| \over |x|}}
が定義 ていぎ でき、このノルムからノルム位相 いそう が定 さだ まる。またX* 自身 じしん も作用素 さようそ ノルムに関 かん してノルム空間 くうかん であることからX* には弱 じゃく 位相 いそう も入 はい り、定義 ていぎ よりこれはX* の共役 きょうやく 空間 くうかん (二 に 重 じゅう 共役 きょうやく 空間 くうかん )X** に属 ぞく する写像 しゃぞう を全 すべ て連続 れんぞく にする最 さい 弱 じゃく の位相 いそう である。
さらにX* には下記 かき の*弱 じゃく 位相 いそう も入 はい る:
定義 ていぎ (*弱 じゃく 位相 いそう ) ― X をK 上 うえ のノルム空間 くうかん 、X* をその共役 きょうやく 空間 くうかん とする。x ∈ X に対 たい し、写像 しゃぞう μ みゅー x を
μ みゅー
x
:
α あるふぁ
∈
X
∗
↦
α あるふぁ
(
x
)
∈
K
{\displaystyle \mu _{x}~:~\alpha \in X^{*}\mapsto \alpha (x)\in K}
により定義 ていぎ する。
このとき関数 かんすう の族 ぞく
(
μ みゅー
x
)
x
∈
X
{\displaystyle (\mu _{x})_{x\in X}}
を全 すべ て連続 れんぞく にする最 さい 弱 じゃく の位相 いそう をX* の*弱 じゃく 位相 いそう [3] (英 えい : weak-* topology )もしくは汎 ひろし 弱 じゃく 位相 いそう という。
{
μ みゅー
x
|
x
∈
X
}
⊂
X
∗
∗
{\displaystyle \{\mu _{x}|x\in X\}\subset X^{**}}
である事 こと が知 し られているので、以下 いか が従 したが う:
定理 ていり ―
X* の*弱 じゃく 位相 いそう はX* の弱 じゃく 位相 いそう より弱 よわ い(強 つよ くない)位相 いそう である。
つまりX* に入 はい る位相 いそう は強 つよ い順 じゅん からノルム位相 いそう 、弱 じゃく 位相 いそう 、*弱 じゃく 位相 いそう である。
なお、定義 ていぎ より明 あき らかに次 つぎ が従 したが う:
定理 ていり ―
X が回帰 かいき 的 てき である場合 ばあい 、すなわちX** =X である場合 ばあい は弱 じゃく 位相 いそう と*弱 じゃく 位相 いそう は一致 いっち する。
位相 いそう 空間 くうかん 論 ろん の言葉 ことば を使 つか うと、*弱 じゃく 位相 いそう を別 べつ の角度 かくど から特徴 とくちょう づける事 こと ができる。そのためにまず定義 ていぎ を述 の べる:
定義 ていぎ (各 かく 点 てん 収束 しゅうそく 位相 いそう ) ― X を集合 しゅうごう 、Y を位相 いそう 空間 くうかん とし、各 かく x ∈ X に対 たい しYx をY のコピーとすると、X からY への写像 しゃぞう 全体 ぜんたい の集合 しゅうごう F (X ,Y ) は直積 ちょくせき
∏
x
∈
X
Y
x
{\displaystyle \prod _{x\in X}Y_{x}}
と集合 しゅうごう として自然 しぜん に同 どう 一 いち 視 し できる。
F
(
X
,
Y
)
≈
∏
x
∈
X
Y
x
{\displaystyle F(X,Y)\approx \prod _{x\in X}Y_{x}}
に直積 ちょくせき 位相 いそう を入 い れたものをF (X ,Y ) の各 かく 点 てん 収束 しゅうそく 位相 いそう という。さらにG をF (X ,Y ) の部分 ぶぶん 集合 しゅうごう とするとき、各 かく 点 てん 収束 しゅうそく 位相 いそう をG に制限 せいげん したものをG 上 うえ の各 かく 点 てん 収束 しゅうそく 位相 いそう という。
このとき次 つぎ が従 したが う:
定理 ていり ―
係数 けいすう 体 たい K (
=
R
,
C
{\displaystyle =\mathbb {R} ,~\mathbb {C} }
)上 じょう のノルム空間 くうかん X の共役 きょうやく 空間 くうかん X* の*弱 じゃく 位相 いそう は、
X
∗
⊂
F
(
X
,
K
)
{\displaystyle X^{*}\subset F(X,K)}
と見 み なしたときの各 かく 点 てん 収束 しゅうそく 位相 いそう に一致 いっち する。
*弱 じゃく 位相 いそう における点 てん 列 れつ (ないしより一般 いっぱん 的 てき な有向 ゆうこう 点 てん 族 ぞく )の収束 しゅうそく を*弱 じゃく 収束 しゅうそく [4] (英 えい : weak-* convergence )もしくは汎 ひろし 弱 じゃく 収束 しゅうそく [4] [5] といい、
α あるふぁ
n
⟶
w
∗
α あるふぁ
{\displaystyle \alpha _{n}{\overset {{\text{w}}^{*}}{{}\longrightarrow {}}}\alpha }
α あるふぁ
n
⇀
∗
α あるふぁ
{\displaystyle \alpha _{n}{\overset {*}{\rightharpoonup }}\alpha }
w
∗
-lim
n
→
∞
α あるふぁ
n
=
α あるふぁ
{\displaystyle {\underset {n\to \infty }{{\text{w}}^{*}{\text{-lim}}}}\alpha _{n}=\alpha }
等 ひとし と表記 ひょうき する[5] 。
[
−
π ぱい
,
π ぱい
]
{\displaystyle [-\pi ,\pi ]}
区間 くかん 上 じょう の複素 ふくそ 数値 すうち 2乗 じょう 可 か 積分 せきぶん 関数 かんすう のなすヒルベルト空間 くうかん
H
=
{\displaystyle H=}
L 2 ([-π ぱい ,π ぱい ]) を例 れい に強 つよ 収束 しゅうそく と弱 じゃく 収束 しゅうそく の違 ちが いを見 み る。なお、ヒルベルト空間 くうかん は再帰 さいき 的 てき な事 こと が知 し られているので、弱 じゃく 位相 いそう と*弱 じゃく 位相 いそう は同一 どういつ である。
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
Z
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {Z} }}
をL 2 (-π ぱい ,π ぱい ) の完全 かんぜん 正規 せいき 直交 ちょっこう 基底 きてい とする。例 たと えば
φ ふぁい
n
(
x
)
=
1
2
π ぱい
e
i
n
x
{\displaystyle \varphi _{n}(x)={1 \over {\sqrt {2\pi }}}\mathrm {e} ^{inx}}
とすると、
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
Z
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {Z} }}
が完全 かんぜん 正規 せいき 直交 ちょっこう 基底 きてい になる事 こと が知 し られている[6] (フーリエ展開 てんかい を参照 さんしょう )。
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
Z
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {Z} }}
の正規 せいき 直交 ちょっこう 性 せい から、n ≠m に対 たい し
‖
φ ふぁい
n
−
φ ふぁい
m
‖
=
1
2
{\displaystyle \|\varphi _{n}-\varphi _{m}\|={1 \over {\sqrt {2}}}}
であるので、
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
N
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {N} }}
はコーシー列 れつ ではなく、よってn →∞ のとき強 つよ 収束 しゅうそく の極限 きょくげん は存在 そんざい しない。
しかし
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
N
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {N} }}
は0に弱 じゃく 収束 しゅうそく する。
理由 りゆう は下記 かき の通 とお りである。ヒルベルト空間 くうかん の共役 きょうやく 空間 くうかん H* の任意 にんい の元 もと α あるふぁ には必 かなら ず
α あるふぁ
(
ξ くしー
)
=
⟨
ξ くしー
,
ψ ぷさい
⟩
{\displaystyle \alpha (\xi )=\langle \xi ,\psi \rangle }
を満 み たすψ ぷさい ∈ H が存在 そんざい する(リースの表現 ひょうげん 定理 ていり )。
そして
(
φ ふぁい
n
)
n
∈
Z
{\displaystyle (\varphi _{n})_{n\in \mathbb {Z} }}
が完全 かんぜん 正規 せいき 直交 ちょっこう 基底 きてい である事 こと から、
ψ ぷさい
=
s-lim
m
→
∞
∑
k
=
−
m
k
a
k
φ ふぁい
k
{\displaystyle \psi ={\underset {m\to \infty }{\text{s-lim}}}\sum _{k=-m}^{k}a_{k}\varphi _{k}}
を満 み たす
(
a
m
)
m
∈
Z
{\displaystyle (a_{m})_{m\in \mathbb {Z} }}
が存在 そんざい する。
上記 じょうき の無限 むげん 和 わ に極限 きょくげん が存在 そんざい する事 こと から、
lim
n
→
∞
a
n
=
0
{\displaystyle \lim _{n\to \infty }a_{n}=0}
である。
以上 いじょう の事 こと から任意 にんい のα あるふぁ ∈ H * に対 たい し、
α あるふぁ
(
φ ふぁい
n
)
=
⟨
φ ふぁい
n
,
ψ ぷさい
⟩
=
⟨
φ ふぁい
n
,
s-lim
m
→
∞
∑
k
=
−
m
m
a
k
φ ふぁい
k
⟩
=
lim
m
→
∞
⟨
φ ふぁい
n
,
∑
k
=
−
m
m
a
k
φ ふぁい
k
⟩
=
a
n
{\displaystyle \alpha (\varphi _{n})=\langle \varphi _{n},\psi \rangle =\langle \varphi _{n},{\underset {m\to \infty }{\text{s-lim}}}\sum _{k=-m}^{m}a_{k}\varphi _{k}\rangle =\lim _{m\to \infty }\langle \varphi _{n},\sum _{k=-m}^{m}a_{k}\varphi _{k}\rangle =a_{n}}
であるので、n → ∞ のとき、
α あるふぁ
(
φ ふぁい
n
)
=
a
n
→
0
{\displaystyle \alpha (\varphi _{n})=a_{n}\to 0}
となり、
w-lim
n
→
∞
φ ふぁい
n
=
0
{\displaystyle {\underset {n\to \infty }{\text{w-lim}}}\varphi _{n}=0}
が成立 せいりつ する。
バナッハ=アラオグルの定理 ていり [ 編集 へんしゅう ]
ノルム位相 いそう に対 たい してはリースの補題 ほだい から直接的 ちょくせつてき に次 つぎ の事実 じじつ が従 したが う:
命題 めいだい ―
R
{\displaystyle \mathbb {R} }
もしくは
C
{\displaystyle \mathbb {C} }
上 うえ のノルム空間 くうかん X の閉単位 い 球 だま がノルム位相 いそう に関 かん してコンパクトである必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん はX が有限 ゆうげん 次元 じげん である事 こと である。
したがって無限 むげん 次元 じげん の場合 ばあい 、X* の閉単位 い 球 だま はノルム位相 いそう に関 かん してコンパクトではない。しかし、X* の閉単位 い 球 だま は*弱 じゃく 位相 いそう に関 かん してはコンパクトになる:
この定理 ていり はチコノフの定理 ていり に基 もと づいて非 ひ 構成 こうせい 的 てき に示 しめ せる[7] 。なおノルム空間 くうかん X が(ノルム位相 いそう に関 かん して)可分 かぶん な場合 ばあい には直接的 ちょくせつてき にに証明 しょうめい 可能 かのう である[8] 。
バナッハ=アラオグルの定理 ていり は半径 はんけい 1の閉球に対 たい するものだが、任意 にんい の半径 はんけい の閉球もコンパクトになる事 こと が容易 ようい に示 しめ せる。また*弱 じゃく 位相 いそう はハウスドルフ性 せい を満 み たす事 こと が知 し られており、コンパクトな空間 くうかん の閉部分 ぶぶん 集合 しゅうごう はコンパクトなので、以下 いか の系 けい が成立 せいりつ する:
系 けい ― X* に*弱 じゃく 位相 いそう を入 い れた空間 くうかん の有界 ゆうかい 閉集合 しゅうごう はコンパクト
なお、X が回帰 かいき 的 てき (すなわちX ** =X が成立 せいりつ する空間 くうかん )であればX 上 うえ の弱 じゃく *位相 いそう と弱 じゃく 位相 いそう は同一 どういつ になるので、下記 かき の系 けい が従 したが う:
系 けい ― X が回帰 かいき 的 てき なノルム空間 くうかん であれば、X に弱 じゃく 位相 いそう を入 い れた空間 くうかん の有界 ゆうかい 閉集合 しゅうごう はコンパクト
1 < p < ∞ に対 たい しLp 空間 くうかん やℓp 空間 くうかん は回帰 かいき 的 てき なので、上記 じょうき の定理 ていり が適用 てきよう できる。しかし回帰 かいき 的 てき でない場合 ばあい には上述 じょうじゅつ の定理 ていり に反例 はんれい があり、例 たと えば0 に収束 しゅうそく する複素 ふくそ 数列 すうれつ 全体 ぜんたい にℓ∞ ノルムを入 い れた空間 くうかん c0 の閉単位 い 球 だま は弱 じゃく 位相 いそう に関 かん してコンパクトではない[9] 。
注意 ちゅうい しなければならないのは、弱 じゃく *位相 いそう における有界 ゆうかい 閉集合 しゅうごう には内 うち 点 てん が無 な く、有界 ゆうかい 閉集合 しゅうごう 上 じょう の点 てん は必 かなら ず境界 きょうかい 点 てん になる事 こと である。これはすなわち、たとえ閉単位 い 球 だま がコンパクトであっても弱 じゃく *位相 いそう をいれたX* が局所 きょくしょ コンパクト にはなっていない事 こと を意味 いみ する。
距離 きょり 化 か 可能 かのう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
定理 ていり ―
可分 かぶん なノルム空間 くうかん の共役 きょうやく 空間 くうかん の閉単位 い 球 だま は弱 じゃく *位相 いそう に関 かん して距離 きょり 化 か 可能 かのう である事 こと [8] 。
定理 ていり ―
X が無限 むげん 次元 じげん のバナッハ空間 くうかん なら、X* 上 うえ の*弱 じゃく 位相 いそう は距離 きょり 化 か 可能 かのう ではない[10] 。
弱 じゃく 位相 いそう の概念 がいねん は下記 かき のように一般 いっぱん 化 か できる:
上記 じょうき の定義 ていぎ でY = X * 、
b
(
x
,
α あるふぁ
)
=
α あるふぁ
(
x
)
{\displaystyle b(x,\alpha )=\alpha (x)}
とすれば、X 、X* にはそれぞれ前 まえ の章 しょう で説明 せつめい した意味 いみ での弱 じゃく 位相 いそう 、*弱 じゃく 位相 いそう が入 はい るので、上記 じょうき の定義 ていぎ が前 まえ に述 の べた弱 じゃく 位相 いそう や*弱 じゃく 位相 いそう の定義 ていぎ の一般 いっぱん 化 か になっている事 こと がわかる。
弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう [ 編集 へんしゅう ]
X と Y を位相 いそう ベクトル空間 くうかん とするとき、連続 れんぞく 線型 せんけい 作用素 さようそ の空間 くうかん L (X ,Y ) に下記 かき のように弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう を定義 ていぎ できる:
定義 ていぎ ― K を
R
{\displaystyle \mathbb {R} }
、
C
{\displaystyle \mathbb {C} }
、もしくはより一般 いっぱん に位相 いそう 体 たい とし、X 、Y をK 上 うえ の位相 いそう ベクトル空間 くうかん とし、L (X ,Y ) をX からY 連続 れんぞく 線形 せんけい 写像 しゃぞう 全体 ぜんたい の集合 しゅうごう とする。
このとき、任意 にんい のx ∈ X と任意 にんい のα あるふぁ ∈ Y * に対 たい し、
T
∈
L
(
X
,
Y
)
↦
α あるふぁ
(
T
(
x
)
)
∈
K
{\displaystyle T\in L(X,Y)\mapsto \alpha (T(x))\in K}
が連続 れんぞく になる最 さい 弱 じゃく の位相 いそう をL (X ,Y ) の弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう という。
X 上 うえ の弱 じゃく 位相 いそう の場合 ばあい と同様 どうよう 、L (X ,Y )上 うえ の弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう もセミノルムによって特徴 とくちょう づけられる:
命題 めいだい ― K 、X 、Y 、L (X ,Y ) を上 うえ の定義 ていぎ と同様 どうよう に取 と る。
このとき、x ∈ X 、α あるふぁ ∈ Y * に対 たい しL (X ,Y )上 うえ のセミノルムを
‖
T
‖
x
,
α あるふぁ
=
|
α あるふぁ
(
T
(
x
)
)
|
{\displaystyle \|T\|_{x,\alpha }=|\alpha (T(x))|}
により定義 ていぎ すると、L (X ,Y )上 うえ の弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう はセミノルムの族 ぞく
(
‖
⋅
‖
x
,
α あるふぁ
)
x
∈
X
,
α あるふぁ
∈
Y
∗
{\displaystyle (\|\cdot \|_{x,\alpha })_{x\in X,\alpha \in Y^{*}}}
が定 さだ める位相 いそう と一致 いっち する。
連続 れんぞく 線形 せんけい 写像 しゃぞう の空間 くうかん L (X ,Y )上 うえ には弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう 以外 いがい にも強 つよ 作用素 さようそ 位相 いそう 、*弱 じゃく 作用素 さようそ 位相 いそう (英語 えいご 版 ばん ) など複数 ふくすう の位相 いそう が入 はい る。詳細 しょうさい は作用素 さようそ 位相 いそう を参照 さんしょう されたい。
^ a b #伊藤 いとう p.143, #増田 ますだ p.120.
^ 増田 ますだ p.122.なおこの文献 ぶんけん では十分 じゅうぶん 性 せい しか述 の べてないが必要 ひつよう 性 せい は明 あき らか
^ #河添 こうぞえ p.12.
^ a b #増田 ますだ p.125
^ a b 弱 じゃく 位相 いそう #伊藤 いとう p.138.
^ #増田 ますだ p.42.
^ #Schlumprecht p.7.
^ a b #Semmes pp.15, 20-21
^ #Heil p.361.
^ Proposition 2.6.12, p. 226 in Megginson, Robert E. (1998), An introduction to Banach space theory , Graduate Texts in Mathematics, 183 , New York: Springer-Verlag, pp. xx+596, ISBN 0-387-98431-3 .
^ a b “Strong Topology ”. Encyclopedia of Mathematics . Springer Verlag. 2021年 ねん 4月 がつ 2日 にち 閲覧 えつらん 。
増田 ますだ 久弥 ひさや 『関数 かんすう 解析 かいせき 』裳 も 華 はな 房 ぼう 〈数学 すうがく シリーズ〉、1994年 ねん 6月 がつ 15日 にち 。ISBN 978-4785314071 。
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