後期こうきチャールキヤ朝あさ

カリヤーニのチャールキヤ朝あさ

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973年ねん - 1189年ねん

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後期こうきチャールキヤ朝あさの版図はんと（12世紀せいき）

公用こうよう語ご	カンナダ語ご サンスクリット語ご
首都しゅと	マーニヤケータ カリヤーニ
元首げんしゅ等とう 973年ねん - 997年ねん タイラ2世せい 1042年ねん - 1068年ねん ソーメーシュヴァラ1世せい 1068年ねん - 1076年ねん ソーメーシュヴァラ2世せい 1076年ねん - 1126年ねん ヴィクラマーディティヤ6世せい 1126年ねん - 1138年ねん ソーメーシュヴァラ3世せい 1183年ねん - 1189年ねん ソーメーシュヴァラ4世せい 変遷へんせん 建国けんこく 973年ねん 滅亡めつぼう 1189年ねん

カリヤーニのチャールキヤ朝あさ（カリヤーニのチャールキヤちょう、Kalyani Chalukya dynasty）とは、10世紀せいきから12世紀せいきにかけて、インドの西部せいぶデカン地方ちほうと南みなみインドを支配しはいヒンドゥー王朝おうちょう（973年ねん - 1189年ねん）。後期こうきチャールキヤ朝あさとも呼よばれる。首都しゅとはマーニヤケータとカリヤーニ（現げんバサヴァカリヤーン）。

歴史れきし

チャールキヤ朝あさの再興さいこう

前期ぜんきチャールキヤ朝あさ滅亡めつぼう後ご、チャールキヤ家かはラーシュトラクータ朝あさの封ふう臣しんとなっていたが、ラーシュトラクータ朝あさの封ふう臣しんであったタイラ2世せい（在位ざいい：973年ねん - 997年ねん）が、973年ねんにラーシュトラクータ朝あさを滅ほろぼし、チャールキヤ朝あさを再興さいこうした。

この王朝おうちょうは前期ぜんきチャールキヤ朝あさ（バーダーミのチャールキヤ朝あさ）と区別くべつして、カリヤーニのチャールキヤ朝あさ、後期こうきチャールキヤ朝あさとも呼よばれている。

チョーラ朝あさとの争あらそいと領土りょうどの拡大かくだい

ソーメーシュヴァラ1世せいの時代じだいの碑文ひぶん

後期こうきチャールキヤ朝あさの前途ぜんとは多難たなんで、まず10世紀せいき末まつから11世紀せいき前半ぜんはんは、南隣みなみどなりのチョーラ朝あさがラージャラージャ1世せい、ラージェーンドラ1世せいのもとで全盛ぜんせい時代じだいであった。

また、このチョーラ朝あさの両りょう王おうは後期こうきチャールキヤ朝あさと血縁けつえん関係かんけいにある東ひがしチャールキヤ朝あさと婚姻こんいん関係かんけいを結むすんで、その宗主そうしゅ権けんを主張しゅちょうしたことから、まずはこれと戦たたかい続つづけなければならなかった。

11世紀せいき中頃なかごろ、ソーメーシュヴァラ1世せい（在位ざいい：1042年ねん - 1068年ねん）の治世ちせいに、首都しゅとをラーシュトラクータ朝あさから引ひき継ついだマーニヤケータからカリヤーニに遷都せんとし、また、ソーメーシュヴァラ1世せいは北きたインドでは、パラマーラ朝あさのボージャ王おうを破やぶり、東部とうぶではカリンガ地方ちほうを征せい圧あつした。しかし、ソーメーシュヴァラ1世せいの治世ちせいもまた、東ひがしチャールキヤ朝あさの宗主そうしゅ権けんをめぐり、チョーラ朝あさと長年ながねんにわたって激はげしく争あらそい続つづけた。

内乱ないらん

1068年ねん、ソーメーシュヴァラ1世せいの死後しご、その息子むすこソーメーシュヴァラ2世せい（在位ざいい：1068年ねん - 1076年ねん）が新あらたな王おうとなったが、王おう弟おとうとヴィクラマーディティヤはこれを認みとめず、王朝おうちょうはソーメーシュヴァラ2世せいの支配しはいする北部ほくぶと、ヴィクラマーディティヤの支配しはいする南部なんぶに分裂ぶんれつした。

ヴィクラマーディティヤはチョーラ朝あさとの東ひがしチャールキヤ朝あさの宗主そうしゅ権けんをめぐる争あらそいでは、チョーラ朝あさに味方みかたしたが、1070年ねんにチョーラ朝あさが断絶だんぜつしたのち、東ひがしチャールキヤ朝あさと合体がったいすることには反対はんたいし、これ以降いこうチョーラ朝あさとは敵対てきたいするようになった。

一方いっぽう、1070年ねん以降いこう、ヴィクラマーディティヤがチョーラ朝あさと対立たいりつしたことで、兄あにソーメーシュヴァラ2世せいはチョーラ朝あさと結むすび、この情勢じょうせいが内乱ないらん終結しゅうけつまで続つづいた。

ヴィクラマーディティヤ6世せいの治下ちかにおける最盛さいせい期き

ヴィクラマーディティヤ6世せいの治世ちせいにおける事跡じせきが刻きざまれた碑文ひぶん（マハーデーヴァ寺院じいん）

1076年ねん、ついに王おう弟おとうとヴィクラマーディティヤは兄あに王おうソーメーシュヴァラ2世せいを破やぶり、ソーメーシュヴァラ2世せいは捕とらえられて投獄とうごくされ、ヴィクラマーディティヤは新あらたにヴィクラマーディティヤ6世せい（在位ざいい：1076年ねん - 1126年ねん）として王おうとなった。

ヴィクラマーディティヤ6世せいの50年ねんにわたる治世ちせいはおおむね平和へいわで、その宮廷きゅうていでは文化ぶんかが栄さかえ、詩人しじん、文人ぶんじんたちが多おおく集あつまり、サンスクリット詩人しじんビルハナは叙事詩じょじし「ヴィクラマーンカデーヴァチャリタ」を書かいて、その業績ぎょうせきをたたえている。だが、ヴィクラマーディティヤ6世せいの治世ちせい、デカンのヤーダヴァ家か、カーカティーヤ家か、南みなみインドのホイサラ家かなど諸侯しょこうが力ちからをつけ、12世紀せいき初頭しょとうになるとホイサラ家かは半はん独立どくりつの姿勢しせいを見みせるようになった。

しかし、ヴィクラマーディティヤ6世せいはこれら諸侯しょこうをおさえ、軍事ぐんじ活動かつどうを行おこない領土りょうどをさらに拡大かくだいし、東ひがしチャールキヤ朝あさの旧領きゅうりょうの支配しはい権けんをめぐるチョーラ朝あさとの争あらそいでは優位ゆういに立たち、チョーラ朝あさの内政ないせいにも介入かいにゅうした。

このように、ヴィクラマーディティヤ6世せいの治世ちせいは安定あんていしていて、その治世ちせいはチャールキヤ朝あさの最盛さいせい期きであり、「チャールキヤ・ヴィクラマ時代じだい（Chalukya-Vikrama era）」と呼よばれ、このことからヴィクラマーディティヤ6世せいはチャールキヤ朝あさの最もっとも偉大いだいな王おうされている。

衰退すいたいと滅亡めつぼう

滅亡めつぼう後ごの後期こうきチャールキヤ朝あさ（13世紀せいき）

1126年ねん、老ろう王おうヴィクラマーディティヤ6世せいは死亡しぼうし、息子むすこのソーメーシュヴァラ3世せい（在位ざいい：1126年ねん - 1138年ねん）が後こうを継ついだが、この頃ころから後期こうきチャールキヤ朝あさは衰退すいたいしていくようになった。

12世紀せいきの後半こうはんになると、後期こうきチャールキヤ朝あさの領土りょうどは、ヴィクラマーディティヤ6世せいのもと抑おさえられていた諸侯しょこうの独立どくりつにより徐々じょじょに解体かいたいされ、デカンにはヤーダヴァ家か、カーカーティーヤ家かが、ホイサラ家かが事実じじつ上じょう独立どくりつした。後期こうきチャールキヤ朝あさの首都しゅとカリヤーニでは、その実権じっけんが20数すう年間ねんかんにわたってカラチュリ家かに握にぎられる状況じょうきょうになった。

最後さいごの王おうソーメーシュヴァラ4世せい（在位ざいい：1183年ねん - 1189年ねん）は、1185年ねんにヤーダヴァ朝あさの王おうビッラマ5世せいに首都しゅとカリヤーニを落おとされ、実権じっけんを握にぎっていたカラチュリ家かは滅ほろぼされたが、王国おうこくの北半きたはんをヤーダヴァ朝あさに奪うばわれ、ソーメーシュヴァラ4世せいは南方なんぽうに逃にげた。

1189年ねん、ソーメーシュヴァラ4世せいはホイサラ朝あさの王おうバッラーラ2世せいに敗やぶれ、後期こうきチャールキヤ朝あさはついに滅亡めつぼうし、その版図はんとは、北きたのヤーダヴァ朝あさ、南みなみのホイサラ朝あさ、東ひがしのカーカティーヤ朝あさなどによって分割ぶんかつされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• P・N・チョプラ『インド史し』三浦みうら愛あい明あきら（訳わけ）、法蔵館ほうぞうかん、1994年ねん。ISBN 4-8318-8099-X。 
• 石川いしかわ寛ひろし「チャールキヤ朝あさ」『南みなみアジアを知しる事典じてん』（新版しんぱん）平凡社へいぼんしゃ、2000年ねん。ISBN 978-4-582-12638-9。 
• 貝塚かいづか茂樹しげき（編へん）、鈴木すずき駿しゅん（編へん）、宮崎みやざき市し定じょう（編へん）、ほか 編へん『アジア歴史れきし事典じてん』 6（タ - テ）、平凡社へいぼんしゃ、1960年ねん。