悪霊 (ドストエフスキー)
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フョードル・ドストエフスキー | |
ロシア | |
ロシア | |
ジャンル |
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『ロシア | |
1873 | |
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ウィキポータル |
『
フリードリヒ・ニーチェは、スタヴローギン、キリーロフ、ピョートル、シャートフたちの
登場 人物 [編集 ]
主要 人物 [編集 ]
- ニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローギン
類 い稀 な美貌 と並外 れた知力 ・体力 をもつ全編 の主人公 。徹底 したニヒリストで、キリーロフ曰 く「彼 は自分 が何 も信 じていないということさえ信 じていない」。ピョートルの目論見 を見抜 いたり、キリーロフとシャートフを啓蒙 したりと、主要 登場 人物 へ影響 を及 ぼす。- ピョートル・ステパノヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー(ペトルーシャ)
- ステパン
氏 の息子 。自 らを「政治 的 詐欺 師 」と呼 び、知事 夫人 に取 り入 って文学 サークルを装 った革命 組織 を作 り、スタヴローギンをその中心 に祭 り上 げようと画策 する。モデルは、革命 家 のセルゲイ・ネチャーエフ。 - キリーロフ(アレクセイ・ニーロイチ・キリーロフ)
子供 好 きの建築 技師 。スタヴローギンの影響 によって「神 の意志 に従 わず我意 を完全 に貫 いたとき、神 が存在 しないこと、自分 が神 となることが証明 される。完全 な我意 とは、自殺 である」という独特 の人 神 思想 を持 つ。ピョートルの策謀 のために、組織 の活動 を遺書 に残 し自殺 、一身 に組織 の罪 を引 き受 けた。徹夜 して思索 することが彼 の習慣 であるため、夜 の登場 が多 い。- シャートフ(イワン・パーヴロヴィチ・シャートフ)
- スタヴローギン
家 の農奴 の息子 。スタヴローギンの影響 によってロシア・メシアニズム(汎 スラヴ主義 )の信奉 者 となる。ピョートルの組織 を脱退 しようとしたため、秘密 が漏 れることを恐 れたピョートルや「五 人組 」に殺害 される。組織 の檄文 の印刷 機 を預 かり、それの引渡 しと引 き換 えに、組織 の脱退 を約 されていた。キリーロフとは親友 。ぴんと突 き立 ったつむじが特徴 。モデルは、ネチャーエフに殺害 された学生 イワン・イワノフ。 - ステパン・トロフィーモヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー
- ピョートルの
父 。元 大学 教授 で、かつてスタヴローギンの家庭 教師 でもあったことから、ワルワーラ夫人 宅 の食客 となっている。旧 世代 の進歩 派 。賭 け事 が好 きで、息子 ピョートルの領地 を賭 けのかたに取 られる。モデルはモスクワ大学 教授 のグラノフスキー。 - ワルワーラ
夫人 (ワルワーラ・ペトローヴナ・スタヴローギナ) - スタヴローギンの
母 。未亡人 で、富裕 な地主 。高 圧 的 な話 口 が特徴 。 - マリヤ・チモフェーヴナ・レビャートキナ
足 の悪 い白痴 の女性 。スタヴローギンと極秘 結婚 していたことが後 に明 らかにされる。- リザヴェータ・ニコラエヴナ・トゥシナ(リーザ)
- ワルワーラ
夫人 の旧友 ドロズドワ夫人 の娘 。婚約 が内定 しているもののスタヴローキンに恋 し、誘惑 され彼 と一 夜 をともにするも、彼 の退廃 振 りに幻滅 し去 る。惨殺 されたマリヤ兄妹 の死体 を見学 に行 った際 、狂 奮した見物人 らに撲殺 される。 - カルマジーノフ
文豪 気取 りの俗物 作家 。ツルゲーネフがモデルであり、第 三 部 第 一 章 で彼 が朗読 する作品 もツルゲーネフのパロディである。これをきっかけにドストエフスキーとツルゲーネフは絶交 したといわれる。
五 人組 [編集 ]
- リプーチン
中年 の県 役人 でフーリエ主義 者 。ステパン氏 のサークルの最 古参 。シャートフ殺害 後 は、逃亡 を図 るが、逮捕 される。- ヴィルギンスキー
役人 でピョートル曰 く「ぼくらなどの十 倍 も純粋 」な性格 。妻 のアリーナは産婆 でレビャートギンと「共有 」している。シャートフ殺害 に最後 まで反対 したが、結局 は引 きずり込 まれる。- シガリョフ
- ヴィルギンスキーの
妻 の弟 。「人類 を二 つの不 均等 な部分 に分割 し、その十 分 の一 が他 の十 分 の九 に対 する無限 の権利 を獲得 する」という独自 のユートピア思想 を持 つ。シャートフ殺害 に反対 して、直前 に現場 を去 る。 - リャムシン
郵便 局 の小役人 のユダヤ人 で、ピアノの名手 。シャートフ殺害 に耐 え切 れず警察 に駆 け込 んだのが、「五 人組 」の逮捕 のきっかけとなった。- トルカチェンコ
四 十 がらみの年輩 でペテン師 や強盗 の熱心 な民 通 家 。高慢 な性格 だがシャートフ殺害 時 は、ピョートルに従 った。- エルケリ
少尉 補 の少年 。「五 人組 」ではないが、ピョートルに心酔 している。
その他 [編集 ]
- ダーリヤ・パヴロヴナ・シャートワ(ダーシャ)
- シャートフの
妹 でワルワーラ夫人 の養女 。スタヴローギンに恋 し、彼 の「看護 婦 」となろうとする。ワルワーラ夫人 が歳 の離 れたステパン氏 と結婚 させようとするが、沙汰 やみとなる。 - レビャートキン(イグナート・レビャートキン)
- マリヤの
兄 。自称 ・元 二 等 大尉 (後 に吹聴 であることがわかった)。かなりの大 酒呑 みで、金 を得 ようと色々 な策謀 をする。ショスタコーヴィチが、彼 の台詞 をもとに歌曲 集 『レビャートキン大尉 の4つの詩 』を作曲 している。 - アンドレイ・アントーノヴィチ・フォン・レンプケ
新 しく着任 した県知事 。自身 の妻 とピョートルの関係 を疑 って苦悩 する。大 火事 の際 に発狂 する。- マリヤ・シャートワ(マリイ)
- シャートフの
元 妻 。スタヴローギンと関係 を持 ち、彼 の子 を身籠 る。
- G(アントン・ラヴレンチエヴィチ)
- 「わたし」と
名乗 る物語 の語 り手 。新聞 記者 である。自分 の経験 に直接 関 わる部分 (例 えばステパン氏 との交流 )については一人称 が用 いられるが、取材 によって明 らかになったこと等 (例 えばピョートルの暗躍 )については、新聞 記者 としての立場 から三人称 が用 いられる。新聞 記者 であるという設定 によって、一人称 と三人称 を両立 させることを、構成 的 に可能 としている。この小説 は、アントン記者 の自己 の体験 と、事件 についてのアントン記者 によるかなり主観 的 な記述 との、二 重 構成 になっている。
- チホン
僧正 - 「スタヴローギンの
告白 」に登場 する元 大 主教 。 ザドンスクの聖 ティーホンがモデルとされる主教 [2]。 - マトリョーシャ
- 「スタヴローギンの
告白 」に登場 する12歳 の少女 。スタヴローギンの過去 に暗 い影 を落 とす重要 な人物 。
あらすじ[編集 ]
第 1部 [編集 ]
ステパン
4
第 2部 [編集 ]
この
第 3部 [編集 ]
スタヴローギンは「
ネチャーエフ事件 [編集 ]
ドストエフスキーはこの
「スタヴローギンの告白 」[編集 ]
しかし、1921
主 な訳書 [編集 ]
亀山 郁夫 訳 『悪霊 』光文社 古典 新訳 文庫 (全 3巻 )、2010 - 11年 、ISBN 433475211X / ISBN 4334752276 / ISBN 433475242X江川 卓 訳 『悪霊 』新潮 文庫 (上下 )、改版 2004年 、ISBN 4102010173 / ISBN 4102010181- 『ドストエフスキー
全集 第 11・12巻 悪霊 』新潮社
- 『ドストエフスキー
米川 正夫 訳 『悪霊 』岩波 文庫 (上下 )、ISBN 4003261429 / ISBN 4003261437。電子 書籍 で再刊 - 『ドストエーフスキイ
全集 第 9・10巻 悪霊 』河出書房新社
- 『ドストエーフスキイ
小沼 文彦 訳 『ドストエフスキー全集 第 8巻 悪霊 』筑摩書房 、1967年 池田 健太郎 訳 『悪霊 新 集 世界 の文学 15・16』中央公論社 、1969年
関連 書籍 [編集 ]
- ヴォルインスキー、
埴谷 雄 高 訳 『偉大 なる憤怒 の書 ドストエフスキイ「悪霊 」研究 』 みすず書房 、1970年 、新版 1987年 ほか- 『
埴谷 雄 高 全集 第 2巻 』(講談社 、1998年 、ISBN 4062680521)に収録
- 『
亀山 郁夫 『「悪霊 」神 になりたかった男 』 みすず書房 〈理想 の教室 〉、2005年 、ISBN 4622083019- 『ドストエフスキー
父 殺 しの文学 』日本 放送 出版 協会 〈NHKブックス〉(上下 )、2004年 、ISBN 4140910070 / ISBN 4140910089 - 『
謎 とき「悪霊 」』新潮社 〈新潮 選書 〉、2012年 、ISBN 4106037130
- 『ドストエフスキー
旭 季 彦『ナロードニキ運動 とその文学 』新 読書 社 、1991年 、ISBN 4788070146
映画 化 [編集 ]
これまで3
- 1988
年版 - アンジェイ・ワイダ監督 、ランベール・ウィルソン主演 。フランス制作 。日本 では1989年 3月公開 。 - 1992
年版 - イゴール・タランキン、ドミートリー・タランキン監督 、アンドレイ・レドンスキー主演 。ロシア制作 。 - 2006
年版 - フェリックス・シュルテス監督 、ユーリ・ウラジミール主演 。ロシア制作 。
また、ルキノ・ヴィスコンティ
脚注 [編集 ]
- ^
井桁 貞義 『ドストエフスキー』清水 書院 、1989年版 、179頁 から183頁 より引用 - ^ パーヴェル・エフドキーモフ
著 、古谷 功 訳 『ロシア思想 におけるキリスト』95頁 - 97頁 (1983年 12月 あかし書房 )ISBN 4870138093